2023/01/23(月) - 18:45
南米アルゼンチンでブエルタ・ア・サンフアンが3年ぶりに復活開催。豪華メンバーが揃う中、開幕スプリントでサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利した。
オーストラリアでツアー・ダウンアンダーが、ヨーロッパでクラシカ・バレンシアナが行われる一方、南米大陸のアルゼンチンではもう一つのシーズン開幕レースであるブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.Pro)が開幕。コロナ禍によって2年間開催中止となっていた同レースは3年ぶりの開催となり、何名ものトップ選手がシーズンインを迎えている。
スプリントステージが中心となる7日間のうち、総合成績が動くのは大会5日目の1級山岳アルト・コロラド頂上フィニッシュ。平均勾配こそ4.4%と緩めだが、19km弱という登坂距離に加え最高標高2623mという低酸素高度がオフシーズン明けの選手たちをふるい分ける。
7のワールドチーム(スーダル・クイックステップ、ボーラ・ハンスグローエ、トレック・セガフレード、アスタナ・カザフスタン、モビスター、チームDSM、イネオス・グレナディアーズ)に加え、イスラエル・プレミアテックとエオーロ・コメタ、トタルエネルジーといったプロチーム勢、そして南米系チームが参戦。中でもスーダル・クイックステップは世界王者レムコ・エヴェネプール(ベルギー)を筆頭に強力なメンバーを送り込んでいる。
スプリンターは欧州王者のファビオ・ヤコブセン(オランダ、スーダル・クイックステップ)、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)、モビスター新加入のフェルナンド・ガビリア(コロンビア)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)、ジョン・アベラストゥリ(スペイン、トレック・セガフレード)といった面々が参戦。昨年限りでUAEを退団したマキシミリアーノ・リケーぜ(アルゼンチン)は母国ナショナルチームのメンバーを率い、長いキャリアの最後に母国最大のレースへ出場を叶えた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のエヴェネプールは2020年に続く連覇で、本格シーズンに向けて弾みをつけたいところ。対抗馬はダニエル・マルティネスとケガからの本調子復帰が待ち望まれるエガン・ベルナルのイネオスコロンビアコンビ、セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)といったところ。勾配の厳しくないアルト・コロラドはエヴェネプール有利だろうか。
2019・2020年のシーズンインをアルゼンチンで迎えたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)はダニエル・オス(イタリア)を伴って参戦。薬物取引とマネーロンダリングの容疑でスペイン警察に逮捕された人物との関係が明らかとなり、契約解除となったアスタナから急遽コロンビア籍のコンチネンタルチームであるメデリンEPMに移籍したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)も参戦を果たしている。
サンフアン市街地を発着する初日は恒例の平坦ステージ。スプリンターチームの牽引によって逃げグループを捉え、そのままフィニッシュ地点までまっしぐら。ボーラ・ハンスグローエを退け、エヴェネプール自らの牽引で主導権を握っていたスーダル・クイックステップのスプリントトレインは、主催者のずさんなレースコース整備の結果、突如現れた中央分離帯で崩壊。ダニー・ファンポッぺル(オランダ)のリードアウトを受けたベネットに対し、リードアウト役のミケル・モルコフ(デンマーク、スーダル・クイックステップ)が応戦したものの、ぐいぐいと突き進むベネットには敵わなかった。
「このオフシーズンはチームメイトと一緒に厳しいトレーニングを積んできた。こうして最高の結果がでて満足だよ。昨シーズンうまくいかなかった分、以前の僕が戻ってきた気分だ。混沌としたフィニッシュだったけれど完璧なリードアウトを見せてくれた仲間に感謝したい」とベネットは話している。
ポジションを失ったヤコブセンの代わりにスプリントしたモルコフは2位。「僕たちにとってパーフェクトじゃなかったけれど、失敗から学ぶことも多い。次の勝利に向けてモチベーションに満ち溢れているよ」とリベンジを誓っている。なおレース後、エヴェネプールは自らレース主催者のもとに赴き言葉を交わした。メディアに対して「どこを走るべきか分からなかったし、観客がどこを歩けばいいのか分からないような区間があるのは許されることじゃない。混沌としていて危険だった」と話している。
オーストラリアでツアー・ダウンアンダーが、ヨーロッパでクラシカ・バレンシアナが行われる一方、南米大陸のアルゼンチンではもう一つのシーズン開幕レースであるブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.Pro)が開幕。コロナ禍によって2年間開催中止となっていた同レースは3年ぶりの開催となり、何名ものトップ選手がシーズンインを迎えている。
スプリントステージが中心となる7日間のうち、総合成績が動くのは大会5日目の1級山岳アルト・コロラド頂上フィニッシュ。平均勾配こそ4.4%と緩めだが、19km弱という登坂距離に加え最高標高2623mという低酸素高度がオフシーズン明けの選手たちをふるい分ける。
7のワールドチーム(スーダル・クイックステップ、ボーラ・ハンスグローエ、トレック・セガフレード、アスタナ・カザフスタン、モビスター、チームDSM、イネオス・グレナディアーズ)に加え、イスラエル・プレミアテックとエオーロ・コメタ、トタルエネルジーといったプロチーム勢、そして南米系チームが参戦。中でもスーダル・クイックステップは世界王者レムコ・エヴェネプール(ベルギー)を筆頭に強力なメンバーを送り込んでいる。
スプリンターは欧州王者のファビオ・ヤコブセン(オランダ、スーダル・クイックステップ)、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)、モビスター新加入のフェルナンド・ガビリア(コロンビア)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)、ジョン・アベラストゥリ(スペイン、トレック・セガフレード)といった面々が参戦。昨年限りでUAEを退団したマキシミリアーノ・リケーぜ(アルゼンチン)は母国ナショナルチームのメンバーを率い、長いキャリアの最後に母国最大のレースへ出場を叶えた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のエヴェネプールは2020年に続く連覇で、本格シーズンに向けて弾みをつけたいところ。対抗馬はダニエル・マルティネスとケガからの本調子復帰が待ち望まれるエガン・ベルナルのイネオスコロンビアコンビ、セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)といったところ。勾配の厳しくないアルト・コロラドはエヴェネプール有利だろうか。
2019・2020年のシーズンインをアルゼンチンで迎えたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)はダニエル・オス(イタリア)を伴って参戦。薬物取引とマネーロンダリングの容疑でスペイン警察に逮捕された人物との関係が明らかとなり、契約解除となったアスタナから急遽コロンビア籍のコンチネンタルチームであるメデリンEPMに移籍したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)も参戦を果たしている。
サンフアン市街地を発着する初日は恒例の平坦ステージ。スプリンターチームの牽引によって逃げグループを捉え、そのままフィニッシュ地点までまっしぐら。ボーラ・ハンスグローエを退け、エヴェネプール自らの牽引で主導権を握っていたスーダル・クイックステップのスプリントトレインは、主催者のずさんなレースコース整備の結果、突如現れた中央分離帯で崩壊。ダニー・ファンポッぺル(オランダ)のリードアウトを受けたベネットに対し、リードアウト役のミケル・モルコフ(デンマーク、スーダル・クイックステップ)が応戦したものの、ぐいぐいと突き進むベネットには敵わなかった。
「このオフシーズンはチームメイトと一緒に厳しいトレーニングを積んできた。こうして最高の結果がでて満足だよ。昨シーズンうまくいかなかった分、以前の僕が戻ってきた気分だ。混沌としたフィニッシュだったけれど完璧なリードアウトを見せてくれた仲間に感謝したい」とベネットは話している。
ポジションを失ったヤコブセンの代わりにスプリントしたモルコフは2位。「僕たちにとってパーフェクトじゃなかったけれど、失敗から学ぶことも多い。次の勝利に向けてモチベーションに満ち溢れているよ」とリベンジを誓っている。なおレース後、エヴェネプールは自らレース主催者のもとに赴き言葉を交わした。メディアに対して「どこを走るべきか分からなかったし、観客がどこを歩けばいいのか分からないような区間があるのは許されることじゃない。混沌としていて危険だった」と話している。
ブエルタ・ア・サンフアン2023第1ステージ結果
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:19:16 |
2位 | ミケル・モルコフ(デンマーク、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) | |
4位 | ダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) | |
6位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) | |
8位 | ヨナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | エンリーコ・ザノンチェッロ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) | |
10位 | アッティリオ・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームコラテック) |
個人総合成績
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:19:06 |
2位 | ミケル・モルコフ(デンマーク、スーダル・クイックステップ) | +0:04 |
3位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) | +0:06 |
4位 | ダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:10 |
5位 | グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) | |
6位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) | |
8位 | ヨナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | エンリーコ・ザノンチェッロ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) | |
10位 | アッティリオ・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームコラテック) |
text:So Isobe
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