2023/01/21(土) - 10:20
ウィランガヒルに代わり最大勾配24.4%のコークスクリューを登るサントス・ツアー・ダウンアンダー第3ステージ。小集団スプリントをペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が制し、区間3位のジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)が総合リーダージャージを獲得した。

スタート前に機材話に花を咲かせるカレブ・ユアンとローハン・デニス photo:CorVos

サントス・ツアー・ダウンアンダー2023第3ステージ image:Santos Tour Down Under 初日のプロローグを含め、全6日間で行われるサントス・ツアー・ダウンアンダーも後半戦の第3ステージを迎えた。コースはノーウッドから丘陵地帯を通りキャンベルタウンに向かう117km。距離は比較的短いもののスタート直後から平均9.2%のアシュトンを登り、フィニッシュ手前9kmからはタイトコーナーが連続するコークスクリュー(距離2.3km/平均9.2%/最大24.4%)が登場。第23代王者を決める激しい戦いが繰り広げられた。
前日は17度、この日は22度と2日続けて涼しい気温のなか現地時間11時40分にスタートが切られる。直後の9.7kmに及ぶアシュトンの登りで翌日が27歳の誕生日であるミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が飛び出し、追従したファビオ・フェリーネ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)と逃げグループを形成した。
山岳ポイントをホノレ、中間スプリントはフェリーネがそれぞれトップ通過し、メイン集団から2分のリードを得た2人はフィニッシュに向かって突き進む。一方のプロトンではオーストラリア王者ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)が3番手争いで山岳ポイントを狙い、中間ポイントではカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が3位通過を果たしポイント賞ジャージ獲得に望みを繋げている。
また、シーズン開幕レースでプロトンの統制が不完全であることからこの日も落車が多発した。残り36km地点でジャンニ・モスコン(イタリア、アスタナ・カザフスタン)が落車し、左の鎖骨骨折でレースを去っている。

山岳ポイントを積極的に狙うルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

オーカージャージ(濃いオレンジ色ジャージ)を着用する前日勝者のローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
先頭で逃げ続けたホノレを捉えたメイン集団は、いよいよウィランガヒルに代わり今大会最大の山場「コークスクリュー」に突入する。しかしその直前にハリソン・ウッド(イギリス、コフィディス)が総合5位につけるコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)を巻き込み落車。ストロングはクリストファー・フルーム(イギリス)の牽引によって集団復帰を目指したものの、メカトラの不運にあった総合首位ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)と共に総合争いから脱落している。
登りが始まるとAG2Rシトロエンがペースを作り、最大24.4%の急勾配区間でUAEチームエミレーツが先頭へ。するとジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)のアシストから、白の山岳賞ジャージを着るジェイ・ヴァイン(オーストラリア)が飛び出した。

ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)をアシストするジョージ・ベネット(ニュージーランド) photo:CorVos
25歳でプロデビューした遅咲きのヴァインによるアタックにはサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)が反応し、遅れてペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が合流。ヴァインはオーストラリア人ファンが大勢詰めかけたコークスクリュー頂上を先頭通過して山岳賞をより確かなものにしたが、2人を振り払うべく何度も仕掛けた攻撃は実らなかった。
1秒でも追走集団から多く稼ぎたいヴァインを先頭に最終コーナーを抜け、残り200mでビルバオがスプリントを開始。勝利を譲ったヴァインをパスし、並びかけるイェーツを抑え込んだビルバオが、自身初となるツアー・ダウンアンダー区間優勝を掴み取った。
「短くも傾斜のある登りと、フィニッシュまで続く下りは僕に適したレイアウトだった。登りでは何とかイェーツとあのUAEの選手(ヴァイン)に食らいつき、総合優勝を狙う彼らと違い僕はステージ優勝にフォーカスしていた」とビルバオ。また「いつも細かい情報を与えてくれるニール・スティーヴンスのホームレースで勝利を挙げられ光栄に思う」と、オーストラリア人監督であるスティーヴンスに感謝を述べた。

サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)とのマッチスプリントを制したペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

チームに今大会2勝目をもたらしたペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

総合首位浮上を叶えたジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
28秒遅れでフィニッシュラインにたどり着いた後方集団は、マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が先着し4位入賞。前日にメカトラで遅れて失意の中にいたマシューズが、意地を見せポイント賞ジャージ獲得に成功している。

4位を争うスプリントで先着したマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:Team Jayco AlUla


前日は17度、この日は22度と2日続けて涼しい気温のなか現地時間11時40分にスタートが切られる。直後の9.7kmに及ぶアシュトンの登りで翌日が27歳の誕生日であるミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が飛び出し、追従したファビオ・フェリーネ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)と逃げグループを形成した。
山岳ポイントをホノレ、中間スプリントはフェリーネがそれぞれトップ通過し、メイン集団から2分のリードを得た2人はフィニッシュに向かって突き進む。一方のプロトンではオーストラリア王者ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)が3番手争いで山岳ポイントを狙い、中間ポイントではカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が3位通過を果たしポイント賞ジャージ獲得に望みを繋げている。
また、シーズン開幕レースでプロトンの統制が不完全であることからこの日も落車が多発した。残り36km地点でジャンニ・モスコン(イタリア、アスタナ・カザフスタン)が落車し、左の鎖骨骨折でレースを去っている。


先頭で逃げ続けたホノレを捉えたメイン集団は、いよいよウィランガヒルに代わり今大会最大の山場「コークスクリュー」に突入する。しかしその直前にハリソン・ウッド(イギリス、コフィディス)が総合5位につけるコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)を巻き込み落車。ストロングはクリストファー・フルーム(イギリス)の牽引によって集団復帰を目指したものの、メカトラの不運にあった総合首位ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)と共に総合争いから脱落している。
登りが始まるとAG2Rシトロエンがペースを作り、最大24.4%の急勾配区間でUAEチームエミレーツが先頭へ。するとジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)のアシストから、白の山岳賞ジャージを着るジェイ・ヴァイン(オーストラリア)が飛び出した。

25歳でプロデビューした遅咲きのヴァインによるアタックにはサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)が反応し、遅れてペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が合流。ヴァインはオーストラリア人ファンが大勢詰めかけたコークスクリュー頂上を先頭通過して山岳賞をより確かなものにしたが、2人を振り払うべく何度も仕掛けた攻撃は実らなかった。
1秒でも追走集団から多く稼ぎたいヴァインを先頭に最終コーナーを抜け、残り200mでビルバオがスプリントを開始。勝利を譲ったヴァインをパスし、並びかけるイェーツを抑え込んだビルバオが、自身初となるツアー・ダウンアンダー区間優勝を掴み取った。
「短くも傾斜のある登りと、フィニッシュまで続く下りは僕に適したレイアウトだった。登りでは何とかイェーツとあのUAEの選手(ヴァイン)に食らいつき、総合優勝を狙う彼らと違い僕はステージ優勝にフォーカスしていた」とビルバオ。また「いつも細かい情報を与えてくれるニール・スティーヴンスのホームレースで勝利を挙げられ光栄に思う」と、オーストラリア人監督であるスティーヴンスに感謝を述べた。



28秒遅れでフィニッシュラインにたどり着いた後方集団は、マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が先着し4位入賞。前日にメカトラで遅れて失意の中にいたマシューズが、意地を見せポイント賞ジャージ獲得に成功している。

サントス・ツアー・ダウンアンダー2023第3ステージ結果
1位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 2:48:10 |
2位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | |
3位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:28 |
5位 | スヴェンエリック・ビーストルム(ノルウェー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | |
6位 | ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、トレック・セガフレード) | |
7位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
8位 | ミラン・ファデル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
9位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | |
10位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
個人総合成績
1位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ) | 10:32:50 |
2位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:15 |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | +0:16 |
4位 | マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:45 |
5位 | マウロ・シュミット(スイス、スーダル・クイックステップ) | +0:46 |
6位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:50 |
7位 | スヴェンエリック・ビーストルム(ノルウェー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | +0:54 |
8位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:58 |
9位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +1:00 |
10位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター) | +1:01 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) |
山岳賞 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp