トタルエネルジーが2023年シーズンに臨むペテル・サガン(スロバキア)のインタビュー動画を公開。新型コロナウイルスの後遺症により不本意なシーズンとなった昨年を振り返りながら、今季への意気込みを語った。



昨年僅か2勝に終わったペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)昨年僅か2勝に終わったペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:CorVos
「シーズン中に力を発揮するには冬の準備が重要だ。しかし昨年は新型コロナウイルス感染症によってそれが遅れ、後遺症に悩まされた。検査では陰性なのにもかかわらず、ウイルスが身体に残り続けトレーニングやレース中も脚に痛みを感じていたんだ。その後回復したが、マシになっただけで最高の状態に持っていくことは出来なかった」と、ペテル・サガン(スロバキア)は2022年シーズンを振り返った。

5シーズン過ごしたボーラ・ハンスグローエを離れ、昨年トタルエネルジーに加入したサガン。しかし移籍一年目、特にシーズン序盤戦は本来の走りができないレースが続いた。

それでもツール・ド・スイスでは区間1勝を挙げ、ツール・ド・フランスではシングルリザルトを連発したサガン。「昨年唯一の勝利はとても嬉しく、ツールでは何度も勝利に迫る走りができた。だが以前のような調子には戻らず、良い感触もオーストラリアでの世界選手権でのたった一度しかなかった」と語りながらも、シーズン終盤で翌年に繋がる手応えを感じたという。

ツール・ド・スイスで復活勝利を挙げたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)ツール・ド・スイスで復活勝利を挙げたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:CorVos
E-MTB、ロード、グラベルと3つの世界選手権に出場したペテル・サガン(スロバキア)E-MTB、ロード、グラベルと3つの世界選手権に出場したペテル・サガン(スロバキア) photo:UCI昨年9月には来日も果たした昨年9月には来日も果たした photo:Specialized

ロード世界選手権で3連覇を成し遂げた頃と比べ、最盛期が過ぎたようにも見えるサガンは昨年、「世界選手権を優勝したら引退だ」というジョークが本人の予想以上に拡散された。「だから昨年E-MTBとロード、グラベルという3つの世界選手権に出場したんだ。でもそこで勝てなかったから今ここでインタビューを受けているのだろう?(笑)。いま引退について少しも考えていないよ」と、サガンは改めて引退を否定した。

「いままでの僕は、自分自身のために勝利を狙っていた。しかし昨年、調子の悪い時期でもこのチームは僕を支えてくれた。だから今は彼らのために勝ちたい。僕にお金を払ってくれるからではなく、初めてこのチームのために勝ちたい思ったんだ」と、サガンは2023年シーズンへの意気込みを語った。

2023年シーズンに臨むペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)2023年シーズンに臨むペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:TotalEnergies
UCIポイントランキングでプロチーム上位2番目に入ったことで、今年はグランツールを含む全てのワールドツアーに自動招待されることになったトタルエネルジー。兄のユライやニキ・テルプストラ(オランダ)が引退し、ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア)がアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオに移籍するなど主要メンバーがチームを去ったものの、チームは即戦力となる補強を見送った。そのため今年のサガンには、より一層結果が求められる。


text:Sotaro.Arakawa

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