2023/01/09(月) - 09:43
ロードシーズンの本格始動に先立ち、オーストラリアでロードナショナル選手権が開幕。初日の女子エリートをブローディー・チャップマン(トレック・セガフレード)が制し、男子エリートは22歳ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)が2連覇を達成した。
1月15日に行われるサントス・ツアー・ダウンアンダーを控えたオーストラリアにて、1月8日にロードの国内選手権が開催された。舞台となったのは昨年と同じビクトリア州ブニンヨンで、女子エリート&U23は1周11.6kmのコースを9周(104.4km)、男子エリートは16周(185.6km)するレイアウトで争われた。
女子はチャップマンが初制覇
先に行われた女子レースは総獲得標高差が2,000mに満たない難易度の低いレイアウトだが、スタート直後に訪れる距離3.4km/最大勾配8.4%の登りが選手たちの脚を削っていく。レースはプロトンで最大勢力を誇るジェイコ・アルウラーのコントロールで進行し、レース中盤の登りで今年トレック・セガフレードに移籍したベテランのアマンダ・スプラットとエリザベス・スタナード(ZAAF)が逃げを打った。
しかしこの逃げは長く続かず、ジェイコの追走により集団は一つに。そのまま15名程度まで減ったプロトンが最終周回に突入すると、最後の登りでFDJスエズより今年トレック・セガフレードに移籍したブローディー・チャップマンが単独でアタックした。
マウンテンバイクのダウンヒルからロードに転向したチャップマンは得意の下りで飛ばし、後方集団との差を拡大。チャップマンがフィニッシュラインまで1kmを残し積み上げたタイム差は30秒。そのままアタックを成功させたチャップマンがオーストラリア王者に輝いた。
「緊張して臨んだレースで、この勝利はチームプレーの賜物。勝利を確信したのは残り500m地点。なぜならあまり振り返るのが好きじゃないからね」と31歳のチャップマンは喜びを表現した。2位には2年連続でグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)が入り、優勝候補と目されていたスプラットは3位で表彰台に上がっている。
混沌の男子エリートはプラップが2連覇
前年王者ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)が単独で臨んだ男子エリートには、初タイトルを目指すカレブ・ユアン(ロット・デスティニー)やマイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー)ら世界トップ選手たちが集結。185.6kmのレースは序盤から逃げ集団が形成され、その中に2013年覇者ルーク・ダーブリッジ(ジェイコ・アルウラー)の姿もあった。
プロトンは女子エリートと同様に最大勢力を擁するジェイコ・アルウラーが制御し、順調にレース距離を消化。何度も登場する登坂で選別されたメイン集団にはユアンやマシューズ、プラップの他に昨年のジロ・デ・イタリア覇者ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)が残った。
レース終盤は今年キナンレーシングに加入したドリュー・モレら3名が先頭でラストラップ(残り11.6km)に突入し、その地点でプロトンと30秒差を確保。しかしジェイコ・アルウラーの組織的な猛追から、最後の登坂区間でプラップが加速して先頭集団に追いつき、ユアンらを置き去りにしたプラップは緩斜面で2度目のアタックで先頭に躍り出た。
このスピードになんとかダーブリッジやサイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック)が追従するものの、後ろから迫るメイン集団の姿を確認した先頭集団は牽制状態に。しかしその隙を突いたプラップが3度目の加速を決め、独走のままフィニッシュラインを通過した。2位にはクラーク、3位にはマシューズが入り、モレは4位で惜しくも表彰台を逃した。
「とにかく信じられない。強豪選手が全員揃ったレースのなか、暑さもあり消極的な展開となった。登坂区間で先頭に追いつけるとは思わなかったが、トライして本当によかった。再びゴールデンジャージを着ることができて最高の気分だよ」と、22歳のプラップは2連覇をそう喜んだ。
1月15日に行われるサントス・ツアー・ダウンアンダーを控えたオーストラリアにて、1月8日にロードの国内選手権が開催された。舞台となったのは昨年と同じビクトリア州ブニンヨンで、女子エリート&U23は1周11.6kmのコースを9周(104.4km)、男子エリートは16周(185.6km)するレイアウトで争われた。
女子はチャップマンが初制覇
先に行われた女子レースは総獲得標高差が2,000mに満たない難易度の低いレイアウトだが、スタート直後に訪れる距離3.4km/最大勾配8.4%の登りが選手たちの脚を削っていく。レースはプロトンで最大勢力を誇るジェイコ・アルウラーのコントロールで進行し、レース中盤の登りで今年トレック・セガフレードに移籍したベテランのアマンダ・スプラットとエリザベス・スタナード(ZAAF)が逃げを打った。
しかしこの逃げは長く続かず、ジェイコの追走により集団は一つに。そのまま15名程度まで減ったプロトンが最終周回に突入すると、最後の登りでFDJスエズより今年トレック・セガフレードに移籍したブローディー・チャップマンが単独でアタックした。
マウンテンバイクのダウンヒルからロードに転向したチャップマンは得意の下りで飛ばし、後方集団との差を拡大。チャップマンがフィニッシュラインまで1kmを残し積み上げたタイム差は30秒。そのままアタックを成功させたチャップマンがオーストラリア王者に輝いた。
「緊張して臨んだレースで、この勝利はチームプレーの賜物。勝利を確信したのは残り500m地点。なぜならあまり振り返るのが好きじゃないからね」と31歳のチャップマンは喜びを表現した。2位には2年連続でグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)が入り、優勝候補と目されていたスプラットは3位で表彰台に上がっている。
混沌の男子エリートはプラップが2連覇
前年王者ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)が単独で臨んだ男子エリートには、初タイトルを目指すカレブ・ユアン(ロット・デスティニー)やマイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー)ら世界トップ選手たちが集結。185.6kmのレースは序盤から逃げ集団が形成され、その中に2013年覇者ルーク・ダーブリッジ(ジェイコ・アルウラー)の姿もあった。
プロトンは女子エリートと同様に最大勢力を擁するジェイコ・アルウラーが制御し、順調にレース距離を消化。何度も登場する登坂で選別されたメイン集団にはユアンやマシューズ、プラップの他に昨年のジロ・デ・イタリア覇者ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)が残った。
レース終盤は今年キナンレーシングに加入したドリュー・モレら3名が先頭でラストラップ(残り11.6km)に突入し、その地点でプロトンと30秒差を確保。しかしジェイコ・アルウラーの組織的な猛追から、最後の登坂区間でプラップが加速して先頭集団に追いつき、ユアンらを置き去りにしたプラップは緩斜面で2度目のアタックで先頭に躍り出た。
このスピードになんとかダーブリッジやサイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック)が追従するものの、後ろから迫るメイン集団の姿を確認した先頭集団は牽制状態に。しかしその隙を突いたプラップが3度目の加速を決め、独走のままフィニッシュラインを通過した。2位にはクラーク、3位にはマシューズが入り、モレは4位で惜しくも表彰台を逃した。
「とにかく信じられない。強豪選手が全員揃ったレースのなか、暑さもあり消極的な展開となった。登坂区間で先頭に追いつけるとは思わなかったが、トライして本当によかった。再びゴールデンジャージを着ることができて最高の気分だよ」と、22歳のプラップは2連覇をそう喜んだ。
オーストラリア国内選手権女子エリート結果(104.4km)
オーストラリア国内選手権男子エリート結果(185.6km)
1位 | ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ) | 4:40:42 |
2位 | サイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック) | 0:03 |
3位 | マイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー) | |
4位 | ドリュー・モレ(キナンレーシング) | |
5位 | ケイン・リチャーズ(ARAスキップ・キャピタル・サンシャインコースト) | 0:06 |
text:Sotaro.Arakawa
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