2022/12/28(水) - 08:54
ベルギー・ゾルダーで開催されたスーパープレスティージュ第5戦。前日レースを制したファンデルプールをワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が下し、女子は強豪勢不在のチャンスをセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が掴み取った。
欧州シクロクロスカレンダーは、世界選手権に続くハイライトと言える年末年始の超過密スケジュールを進行中。ガーフェレで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第11戦の2日後、今度はフランダース東部にあるゾルダーサーキットでスーパープレスティージュ第5戦が開催された。
フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊、テラーメンの森に設営されているサーキットは、これまで世界選手権やビッグレース開催地として数々の名勝負を生み出した名門コース。ホリデーシーズンに入った数万人の観客の前で、今年もトップ選手が名勝負を繰り広げた。
女子エリート:アルバラードがチャンスを掴み取る
現在優勝を分け合っているフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、そしてシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)はW杯に集中するため不在。そんな女子レースを制したのはセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)だった。
元世界女王のアルバラードは新世代選手の台頭によって勝利から遠ざかっていたものの、この日はデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) やインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777)、更には手首骨折から徐々にコンディションを上げるルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)らが共に先頭争いを繰り広げた。
最終的にアルバラードは唯一食い下がったファンデルヘイデンを引きちぎり、今季3勝目を達成。「今回は特に脚力のあるライバルとの戦いの末独走できたので満足。この勝利は私にとって大きな意味がある」と話している。
男子エリート:マチューとワウトがレースを支配
5大陸から86名が参加した男子エリートレースには、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、世界王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の"ビッグスリー"のほか、元世界王者ぜネク・スティバル(チェコ、クイックステップ・アルファヴィニル)、クレモン・ヴァンチュリーニ(フランス、AG2Rラモンディアル)といった面々も揃い、レースに華を添えた。
レースはスタート後5分経過を待たずファンデルプールが猛然とペースを上げ、その背中に追従したファンアールトと共に先頭グループを築き上げる。スタートで出遅れたピドコックはこの動きに乗れず、3番手パックからの展開を強いられてしまう。
高速レースで知られるゾルダーだが、この日は2日前と打って変わって路面はハードパックとなったことで更に平均スピードが跳ね上がる。テクニカルながら差をつけにくいコースで、互いに手の内を知り尽くすファンアールトとファンデルプールは鍔迫り合いの接近戦を繰り広げていく。
「ゾルダーではフィジカルレベルが同じ選手を振り落とすのは難しい。今日はお互いを引き離すことはできないと感じでいた」とファンアールトが振り返るように、飛ぶように走る2人の力は完全に拮抗。背後ではピドコックが3位グループを抜け出したものの、暫くしてラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)の合流を許してしまった。
最終周回に入り、先頭グループではファンデルプールが一気にペースを上げてファンアールトを引き離しにかかったが、数メートルのリードを得たところでミス。勝負はマッチスプリントに持ち込まれ、ファンアールトが先行する背後で、ファンデルプールは突如斜行し失速してしまう。ペダルが外れたことでファンアールトの勝利が決まった。
「神経をすり減らすレースだったよ。僕たちはレース序盤から互いに仕掛け合ったんだ。最終周回で彼は僕にプレッシャーをかけ続けたが、今回は冷静さを保ち、ミスを避けることができた。この勝利を非常に嬉しく、誇りに思っているよ」と、今季の対マチュー戦績を2勝2敗の五分に持ち込んでみせた。
欧州シクロクロスカレンダーは、世界選手権に続くハイライトと言える年末年始の超過密スケジュールを進行中。ガーフェレで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第11戦の2日後、今度はフランダース東部にあるゾルダーサーキットでスーパープレスティージュ第5戦が開催された。
フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊、テラーメンの森に設営されているサーキットは、これまで世界選手権やビッグレース開催地として数々の名勝負を生み出した名門コース。ホリデーシーズンに入った数万人の観客の前で、今年もトップ選手が名勝負を繰り広げた。
女子エリート:アルバラードがチャンスを掴み取る
現在優勝を分け合っているフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、そしてシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)はW杯に集中するため不在。そんな女子レースを制したのはセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)だった。
元世界女王のアルバラードは新世代選手の台頭によって勝利から遠ざかっていたものの、この日はデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) やインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777)、更には手首骨折から徐々にコンディションを上げるルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)らが共に先頭争いを繰り広げた。
最終的にアルバラードは唯一食い下がったファンデルヘイデンを引きちぎり、今季3勝目を達成。「今回は特に脚力のあるライバルとの戦いの末独走できたので満足。この勝利は私にとって大きな意味がある」と話している。
男子エリート:マチューとワウトがレースを支配
5大陸から86名が参加した男子エリートレースには、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、世界王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の"ビッグスリー"のほか、元世界王者ぜネク・スティバル(チェコ、クイックステップ・アルファヴィニル)、クレモン・ヴァンチュリーニ(フランス、AG2Rラモンディアル)といった面々も揃い、レースに華を添えた。
レースはスタート後5分経過を待たずファンデルプールが猛然とペースを上げ、その背中に追従したファンアールトと共に先頭グループを築き上げる。スタートで出遅れたピドコックはこの動きに乗れず、3番手パックからの展開を強いられてしまう。
高速レースで知られるゾルダーだが、この日は2日前と打って変わって路面はハードパックとなったことで更に平均スピードが跳ね上がる。テクニカルながら差をつけにくいコースで、互いに手の内を知り尽くすファンアールトとファンデルプールは鍔迫り合いの接近戦を繰り広げていく。
「ゾルダーではフィジカルレベルが同じ選手を振り落とすのは難しい。今日はお互いを引き離すことはできないと感じでいた」とファンアールトが振り返るように、飛ぶように走る2人の力は完全に拮抗。背後ではピドコックが3位グループを抜け出したものの、暫くしてラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)の合流を許してしまった。
最終周回に入り、先頭グループではファンデルプールが一気にペースを上げてファンアールトを引き離しにかかったが、数メートルのリードを得たところでミス。勝負はマッチスプリントに持ち込まれ、ファンアールトが先行する背後で、ファンデルプールは突如斜行し失速してしまう。ペダルが外れたことでファンアールトの勝利が決まった。
「神経をすり減らすレースだったよ。僕たちはレース序盤から互いに仕掛け合ったんだ。最終周回で彼は僕にプレッシャーをかけ続けたが、今回は冷静さを保ち、ミスを避けることができた。この勝利を非常に嬉しく、誇りに思っているよ」と、今季の対マチュー戦績を2勝2敗の五分に持ち込んでみせた。
スーパープレスティージュ2022-2023第5戦 女子エリート結果
1位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 40:21 |
2位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +0:03 |
3位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:06 |
4位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、FASエアポルト・セルヴィセス) | +0:11 |
5位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:18 |
6位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) | +0:49 |
7位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +0:53 |
8位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +1:37 |
9位 | ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:44 |
10位 | ローレン・モレングラーフ(オランダ、トルマンスCXチーム) | +1:47 |
スーパープレスティージュ2022-2023第5戦 男子エリート結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 1:02:30 |
2位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:06 |
3位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:16 |
4位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:20 |
5位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:05 |
6位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:19 |
7位 | クイントン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスCXチーム) | +1:20 |
8位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +1:24 |
9位 | ケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム) | +1:56 |
10位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:57 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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