佐野淳哉(TEAM NIPPO)が先頭でペースを上げると上りでも一列棒状、そしてライバルたちが落ちていく。全日本で見せた破壊力で佐野は石川ロードを制した。

石川町内をパレード走行石川町内をパレード走行 photo:Hideaki.TAKAGI7月18日(日)、福島県石川町でJサイクルツアー第10戦サイクルロードレースin石川が行われた。アップダウンの厳しい公道ロードレース3連戦の一つ目。朝から好天に恵まれ気温が上昇する。

コースはアップダウンに富んだ1周13.6kmでTRクラスは8周プラスアルファで115.8kmで行われた。坂の勾配は急ではないが、長く、また小さなアップダウンも組み合わされ、逃げができやすいコース。過去の上位者にはヒルクライマーや独走を得意とする選手たちが多い。

5周目、メイン集団が逃げの4人を吸収5周目、メイン集団が逃げの4人を吸収 photo:Hideaki.TAKAGI参加チームはすべての有力チームがほぼフルメンバー。海外遠征中のBSアンカーも飯島誠が参加で強力。今シーズン実業団レースでは一番の豪華なメンバーだ。

レースは1周目から動いた。中島康晴(TEAM NIPPO)、鈴木譲(シマノレーシング)、澤田賢匠(マトリックスパワータグ・コラテック)、武田耕大(湘南ベルマーレ)の4人に柿沼章(宇都宮ブリッツェン)が合流した5人が逃げグループを作る。有力どころでは愛三とBSアンカーが入っていない。先頭からはその後に武田が後退する。

5周目、ペースを上げる高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形-TR)、飯島誠(チームブリヂストン・アンカー)ら5周目、ペースを上げる高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形-TR)、飯島誠(チームブリヂストン・アンカー)ら photo:Hideaki.TAKAGIメイン集団はクラブチーム勢が引きペースを作る。最大2分半の差がつく。3周目には愛三勢がコントロール、ややペースを上げるとクラブチーム勢も入ってペースアップ。最終的には愛三勢の引きで5周目序盤で先頭の4人を吸収する。

この5周目から6周目にかけて、各チームのアタック合戦が続く。シマノは平塚、鈴木、村上らがチームで、愛三は西谷、盛が単独でアタックを仕掛ける。ニッポも宮澤と佐野が強力なペースアップを図り、高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形-TR)も強い引きを見せる。これらの動きでメイン集団は約半分に減っていく。

ラスト4km、佐野淳哉(TEAM NIPPO)がペースアップラスト4km、佐野淳哉(TEAM NIPPO)がペースアップ photo:Hideaki.TAKAGI6周目終盤で鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)が単独アタック。これに宮澤と平塚が追いつき先頭は3人に。その後鈴木が後退して先頭は宮澤と平塚の2人に。

このまま逃げ切りかと思われたが、7周目にメイン集団から飯島がアタック、佐野が追いつき追走する。そして7周目終盤で追いつき先頭は宮澤、佐野、飯島、平塚の4人に。

優勝の佐野淳哉(TEAM NIPPO)、ニッポでワン・ツー優勝の佐野淳哉(TEAM NIPPO)、ニッポでワン・ツー photo:Hideaki.TAKAGI最終周回、中盤までは協調して進める。そしてラスト4kmの上り区間でアタックがかかる。まず佐野がペースを上げていく。飯島と平塚は食らいつくが、今度は宮澤が鋭くアタック。飯島が追うが届かない。そこを佐野が追い抜いて先頭の宮澤に合流、強力に引き上げゴールへ向かう。最後は横に並び佐野が先にゴールを切る。

3週間前の全日本選手権での宮澤と佐野の強力タッグが再び活躍。やはりなんといっても佐野の圧倒的破壊力がこの石川でも勝因だ。チームプレーというよりも力勝負でもぎ取った勝利だ。

石川ロード結果

TR
1位 佐野淳哉(TEAM NIPPO)3時間05分07秒
2位 宮澤崇史(TEAM NIPPO)
3位 飯島誠(チームブリヂストン・アンカー)+33秒
4位 平塚吉光(シマノレーシング)+34秒
5位 鈴木真理(シマノレーシング)+1分50秒
6位 中島康晴(TEAM NIPPO)+1分52秒
7位 畑中勇介(シマノレーシング)+2分08秒
8位 真鍋和幸(マトリックスパワータグ・コラテック)+2分10秒
9位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)+2分12秒
10位 鎌田圭介(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+2分24秒

FR
1位 西加南子(LUMINARIA)1時間16分16秒
2位 金子広美(イナーメ・アイランド信濃山形)+17秒
3位 井上玲美(日野自動車レーシングチーム)+4分21秒

photo&text:高木秀彰