2022/12/18(日) - 09:17
イタリアのスノーリゾートで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第10戦。氷に覆われた超スリッピーコースでパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が勝利を収めた。
シクロクロスシリーズの最高峰、UCIシクロクロスワールドカップはメッカとも言えるベルギーとオランダを飛び出して"国外巡業"中。1週間前のアイルランドに続くのは2回目の開催となるイタリア北部のトレンティーノにある標高1261mのスキーリゾート、ヴァル・ディ・ソーレだ。
MTBのW杯開催地としても知られるヴァル・ディ・ソーレはなんといってもスノーコースが特徴。シクロクロスの冬季五輪種目入りを目指す上での施策的要素を含み、雪に対する選手の得手不得手が如実に現れるレースでもある。
レースコースは前日こそグリップの良い雪に覆われていてが、レース前夜に大雪が降り、朝の雨で溶けた雪が気温低下によって再び凍るという全面凍結コンディションに変貌。各レースで落車とリタイアが多発する厳しいコンディションと化した。
女子エリート:ピーテルスが独走勝利、ファンエンペルは落車リタイア
第2コーナーで先頭を走るトップ選手が次々と転倒する波乱の幕開けとなった女子エリートレースは、それをうまく切り抜けたセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が序盤戦をリード。1周回をかけてチームメイトのパック・ピーテルスが追いついたが、そのライバルであるフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は、試走時の転倒が響いてか先頭争いに加わることができなかった。
頭ひとつ抜け出した力を誇るピーテルスが独走を開始し、一方ファンエンペルは下りコーナーでコースの杭に激しくクラッシュしてリタイアに追い込まれてしまう。アルバラードが2番手、そして大先輩エヴァ・リヒナーに代わってイタリアチャンピオンに輝いたシルヴィア・ペルシコが母国の応援を背に3番手をひた走る。ペルシコは滑る路面に手を焼きながらも、今年のジロ・デ・イタリアドンヌ総合7位、ロード世界選手権3位とシクロクロス世界選手権で共に銅メダルに輝いた地脚を改めて見せつけた。
先頭をひた走ったピーテルスが、最大のライバルであるファンエンペル不在の中で圧勝を収めた。「誰もがミスする難しいコンディションだったけれど、私は大きな落車を防げたのでよかった。何箇所かを除いてパワーを掛けられる路面状況だったのもよかった」とレース後に振り返っている。
2位はアルバラードで、3位はペルシコとの激しい接近戦を制したマノン・バッカー(オランダ、クレラン・フリスタッズ)。バッカーとのコーナー勝負で転倒したペルシコは、長い調整を経てW杯復帰したマーガリー・ロシェット(カナダ)とのゴールスプリントを制して4位に入っている。
男子エリート:ファンデルプールが沈み、ファントーレンハウトが独走勝利
不在のワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)とトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に代わり、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が出走した男子エリートレース。温度計がマイナスを指し示す中スタートダッシュを決めたのはケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム)だった。
ロードで織田聖のチームメイトであるクーンが飛ばしに飛ばし、ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)やW杯ランキング首位のローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)らが続く。注目のファンデルプールは序盤こそ先頭を見えるポジションにつけていたものの、普段の爆発力を披露することなくそのまま後退してしまう。最終的にイタリアラウンドを8位で終えることとなった。
先頭クーンにはやがてファンデプッテとマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が合流。激しく落車したエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がリタイアを強いられる中、やがて欧州王者がリアタイヤのパンクに見舞われたファンデプッテを振り払って独走を開始した。
「あちこちで落車が起こる難しいレースだったけれど、とにかく自分のペースを守り抜くことに集中した」と言うファントーレンハウトは、タフレースに強い持ち味を存分に活かして独走勝利。2位のファンデプッテとスウェークの猛追を退けた3位のクーンは共にW杯のエリートカテゴリーで嬉しい初の表彰台を獲得した。
シクロクロスシリーズの最高峰、UCIシクロクロスワールドカップはメッカとも言えるベルギーとオランダを飛び出して"国外巡業"中。1週間前のアイルランドに続くのは2回目の開催となるイタリア北部のトレンティーノにある標高1261mのスキーリゾート、ヴァル・ディ・ソーレだ。
MTBのW杯開催地としても知られるヴァル・ディ・ソーレはなんといってもスノーコースが特徴。シクロクロスの冬季五輪種目入りを目指す上での施策的要素を含み、雪に対する選手の得手不得手が如実に現れるレースでもある。
レースコースは前日こそグリップの良い雪に覆われていてが、レース前夜に大雪が降り、朝の雨で溶けた雪が気温低下によって再び凍るという全面凍結コンディションに変貌。各レースで落車とリタイアが多発する厳しいコンディションと化した。
女子エリート:ピーテルスが独走勝利、ファンエンペルは落車リタイア
第2コーナーで先頭を走るトップ選手が次々と転倒する波乱の幕開けとなった女子エリートレースは、それをうまく切り抜けたセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が序盤戦をリード。1周回をかけてチームメイトのパック・ピーテルスが追いついたが、そのライバルであるフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は、試走時の転倒が響いてか先頭争いに加わることができなかった。
頭ひとつ抜け出した力を誇るピーテルスが独走を開始し、一方ファンエンペルは下りコーナーでコースの杭に激しくクラッシュしてリタイアに追い込まれてしまう。アルバラードが2番手、そして大先輩エヴァ・リヒナーに代わってイタリアチャンピオンに輝いたシルヴィア・ペルシコが母国の応援を背に3番手をひた走る。ペルシコは滑る路面に手を焼きながらも、今年のジロ・デ・イタリアドンヌ総合7位、ロード世界選手権3位とシクロクロス世界選手権で共に銅メダルに輝いた地脚を改めて見せつけた。
先頭をひた走ったピーテルスが、最大のライバルであるファンエンペル不在の中で圧勝を収めた。「誰もがミスする難しいコンディションだったけれど、私は大きな落車を防げたのでよかった。何箇所かを除いてパワーを掛けられる路面状況だったのもよかった」とレース後に振り返っている。
2位はアルバラードで、3位はペルシコとの激しい接近戦を制したマノン・バッカー(オランダ、クレラン・フリスタッズ)。バッカーとのコーナー勝負で転倒したペルシコは、長い調整を経てW杯復帰したマーガリー・ロシェット(カナダ)とのゴールスプリントを制して4位に入っている。
男子エリート:ファンデルプールが沈み、ファントーレンハウトが独走勝利
不在のワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)とトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に代わり、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が出走した男子エリートレース。温度計がマイナスを指し示す中スタートダッシュを決めたのはケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム)だった。
ロードで織田聖のチームメイトであるクーンが飛ばしに飛ばし、ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)やW杯ランキング首位のローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)らが続く。注目のファンデルプールは序盤こそ先頭を見えるポジションにつけていたものの、普段の爆発力を披露することなくそのまま後退してしまう。最終的にイタリアラウンドを8位で終えることとなった。
先頭クーンにはやがてファンデプッテとマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が合流。激しく落車したエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がリタイアを強いられる中、やがて欧州王者がリアタイヤのパンクに見舞われたファンデプッテを振り払って独走を開始した。
「あちこちで落車が起こる難しいレースだったけれど、とにかく自分のペースを守り抜くことに集中した」と言うファントーレンハウトは、タフレースに強い持ち味を存分に活かして独走勝利。2位のファンデプッテとスウェークの猛追を退けた3位のクーンは共にW杯のエリートカテゴリーで嬉しい初の表彰台を獲得した。
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第10戦 女子エリート結果
1位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 50:14 |
2位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:44 |
3位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・フリスタッズ) | +1:26 |
4位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア) | +1:34 |
5位 | マーガリー・ロシェット(カナダ) | |
6位 | マリー・シュライバー(ルクセンブルク、トルマンスCXチーム) | +3:33 |
7位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス、ASバイクレーシング) | +4:07 |
8位 | サラ・カサソラ(イタリア、セッライタリア・グエルチョッティ・エリート) | +4:10 |
9位 | シドニー・マクギル(カナダ) | +4:16 |
10位 | クリスティナ・ゼマノバ(チェコ、ブライオンレーシングチームMB) | +4:17 |
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第10戦 男子エリート結果
1位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 57:59 |
2位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:39 |
3位 | ケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム) | +0:42 |
4位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +0:44 |
5位 | ティモン・リュエッグ(スイス、クロスチームレジェンドル) | +1:20 |
6位 | ヴィンセント・バスタンス(ベルギー) | +2:37 |
7位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:51 |
8位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +3:14 |
9位 | タイス・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +3:19 |
10位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスCXチーム) |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp