2022/11/27(日) - 10:00
ベルギー、コルトレイクを舞台にした都市型シクロクロスでマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が勝利。男女の世界王者が共に今季CX初勝利を挙げた。
UCIワールドカップとスーパープレスティージュと並ぶシクロクロス3大シリーズの一つ「X2Oバドカマートロフェー」の第2戦は、大都市コルトレイクを舞台にした名物の「アーバンクロス」。運河に架かる橋を2度渡り、公園の芝生区間や階段、180度ターンが用意された砂区間、差が生まれやすい急キャンバーなどを組み合わせた都市型レースだ。
女子エリート:フォスがアルバラードとのマッチスプリントを制す
女子エリートレースは翌日のワールドカップ第7戦に集中するためオランダの若手トップ選手3名(ファンエンペル、ピーテルス、ファンアンローイ)が不出場。ロードとシクロクロスのジュニア世界王者である18歳のゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・ティブコSVB)がダッシュを決めたが、すぐにルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が主導権を奪った。
徐々にコンディションを上げている現世界女王マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がブラントをパスし、デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)と共にトップグループを組み上げる。さらにセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)も合流し、レース中盤戦で勝負は3名に絞られた。
フィニッシュが近づくほどにペースが上がり、アルバラードの加速によってベッツェマが脱落。最後の180度コーナーを曲がり、フィニッシュラインが引かれた坂の頂上を目指すマッチスプリントが幕を開ける。先行するアルバラードが粘ったものの、大得意の展開に持ち込んだフォスの加速力が上回った。
「セイリン(アルバラード)が最終ラップで仕掛けることは分かっていたので、できるだけ離されないようにしていた。今後に向けて大きなプッシュになる勝利。タフですごく速いレースだったけれど、苦しんだ価値はあった」と、今季初勝利を挙げたフォスは言う。「スプリントで敵わないのは分かっていたので逃げたかった」と悔やみつつ、感覚を取り戻しているアルバラードが2位、「もう少し賢くレースすべきだった」と言うベッツェマが3位だった。
男子エリート:僅かなリードを守りぬきピドコックが今季CX初勝利
男子エリートレースの序盤、積極的にペースを上げたのは、このところ背中の痛みで苦しいレースが続いているエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)。しかしすぐにアルカンシエルを着るトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がアタックした。
今季初戦7位、第2戦2位と勝利が欲しいピドコックが目も止まらぬ速さで抜け出したものの、好調を維持しているラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が7,8秒弱の差で追走を続ける。「少し差ができたのでアタックを継続したけれど、後ろを引き離すことができなかった。本当にタフなレースだった」と言うピドコックの背後でファンデルハールとイゼルビットが合流する。
「スタッフがフィニッシュラインで後方とのタイム差は教えてくれていた。それにコーナーでも追走する選手の姿が見えるからね。その差を拡げられず不思議な感覚だったが、寒さが増したこともあり今週は体調が万全じゃなかったんだ。きっとそのせいだろう」と言うピドコックだったが、結局1時間弱にわたってリードを守り抜いた。
ピドコックが今季シクロクロス初勝利を挙げ、激しい2位争いを制したのはファンデルハール。「痛みに耐えることを学んだ」と言うイゼルビットは3位だった。
本日11月27日に連続開催されるUCIワールドカップ第7戦には、いよいよマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が登場する。「(明日のファンデルプールとのレースは)良い戦いが期待できると思う。彼の調子がどれほどのレベルにあるのは不明だが、彼は決して過小評価できない選手だ」とピドコックは話している。
UCIワールドカップとスーパープレスティージュと並ぶシクロクロス3大シリーズの一つ「X2Oバドカマートロフェー」の第2戦は、大都市コルトレイクを舞台にした名物の「アーバンクロス」。運河に架かる橋を2度渡り、公園の芝生区間や階段、180度ターンが用意された砂区間、差が生まれやすい急キャンバーなどを組み合わせた都市型レースだ。
女子エリート:フォスがアルバラードとのマッチスプリントを制す
女子エリートレースは翌日のワールドカップ第7戦に集中するためオランダの若手トップ選手3名(ファンエンペル、ピーテルス、ファンアンローイ)が不出場。ロードとシクロクロスのジュニア世界王者である18歳のゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・ティブコSVB)がダッシュを決めたが、すぐにルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が主導権を奪った。
徐々にコンディションを上げている現世界女王マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がブラントをパスし、デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)と共にトップグループを組み上げる。さらにセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)も合流し、レース中盤戦で勝負は3名に絞られた。
フィニッシュが近づくほどにペースが上がり、アルバラードの加速によってベッツェマが脱落。最後の180度コーナーを曲がり、フィニッシュラインが引かれた坂の頂上を目指すマッチスプリントが幕を開ける。先行するアルバラードが粘ったものの、大得意の展開に持ち込んだフォスの加速力が上回った。
「セイリン(アルバラード)が最終ラップで仕掛けることは分かっていたので、できるだけ離されないようにしていた。今後に向けて大きなプッシュになる勝利。タフですごく速いレースだったけれど、苦しんだ価値はあった」と、今季初勝利を挙げたフォスは言う。「スプリントで敵わないのは分かっていたので逃げたかった」と悔やみつつ、感覚を取り戻しているアルバラードが2位、「もう少し賢くレースすべきだった」と言うベッツェマが3位だった。
男子エリート:僅かなリードを守りぬきピドコックが今季CX初勝利
男子エリートレースの序盤、積極的にペースを上げたのは、このところ背中の痛みで苦しいレースが続いているエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)。しかしすぐにアルカンシエルを着るトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がアタックした。
今季初戦7位、第2戦2位と勝利が欲しいピドコックが目も止まらぬ速さで抜け出したものの、好調を維持しているラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が7,8秒弱の差で追走を続ける。「少し差ができたのでアタックを継続したけれど、後ろを引き離すことができなかった。本当にタフなレースだった」と言うピドコックの背後でファンデルハールとイゼルビットが合流する。
「スタッフがフィニッシュラインで後方とのタイム差は教えてくれていた。それにコーナーでも追走する選手の姿が見えるからね。その差を拡げられず不思議な感覚だったが、寒さが増したこともあり今週は体調が万全じゃなかったんだ。きっとそのせいだろう」と言うピドコックだったが、結局1時間弱にわたってリードを守り抜いた。
ピドコックが今季シクロクロス初勝利を挙げ、激しい2位争いを制したのはファンデルハール。「痛みに耐えることを学んだ」と言うイゼルビットは3位だった。
本日11月27日に連続開催されるUCIワールドカップ第7戦には、いよいよマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が登場する。「(明日のファンデルプールとのレースは)良い戦いが期待できると思う。彼の調子がどれほどのレベルにあるのは不明だが、彼は決して過小評価できない選手だ」とピドコックは話している。
X2Oバドカマートロフェー2022-2023第2戦男子エリート結果
1位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 1:02:59 |
2位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:03 |
3位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:04 |
4位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:00 |
5位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:49 |
6位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | |
7位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:50 |
8位 | ヴィンセント・バエスタンス(ベルギー) | +2:24 |
9位 | ランダー・ルークス(ベルギー、デスハフト・ヘンス・マース) | +2:29 |
10位 | ガーベン・クイペルス(ベルギー) | +2:58 |
X2Oバドカマートロフェー2022-2023第2戦女子エリート結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 47:03 |
2位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:01 |
3位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:10 |
4位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:54 |
5位 | サンヌ・カント(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +1:07 |
6位 | ヤラ・カステライン(オランダ、クレラン・フリスタッズ) | +1:16 |
7位 | アンナ・カイ(イギリス、777) | +1:22 |
8位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +1:37 |
9位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) | +1:39 |
10位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・ティブコSVB) | +2:26 |
text:So Isobe
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