東南アジアの国マレーシアを舞台に8日間に渡り行われたツール・ド・ランカウイ(UCI2.Pro)が閉幕。最終日をアレクサンダー・モレナール(オランダ、ブルゴスBH)が逃げ切りで制し、イバン・ソーサ(コロンビア、モビスター)が総合優勝に輝いた。



このレースでアスタナ移籍1年目を終えるジャンニ・モスコン(イタリア、アスタナカザフスタン)このレースでアスタナ移籍1年目を終えるジャンニ・モスコン(イタリア、アスタナカザフスタン) photo:CorVos
マレーシアを舞台にアジア最高峰のステージレースとして開催されたツール・ド・ランカウイ(UCI2.Pro)も最終第8ステージを迎えた。豪雨による土砂崩れの影響で急遽第8ステージのコースが使用された前日を経て、最終日も予定通り同じランカウイ島を巡る115.9kmで争われた。

リーダーチームであるモビスターを筆頭に6つのUCIワールドチームや日本から参戦したチーム右京を含む全20チームが、雨のなかスタートを切る。平坦基調のコースで序盤から飛び出したのは”逃げ屋”トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やユーゴ・トゥミレ(フランス、コフィディス)、アレクサンダー・モレナール(オランダ、ブルゴスBH)など実力確かな6名。それをEFエデュケーション・イージーポストやモビスターがメイン集団の先頭で追いかけた。

最終日に逃げに乗ったトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)最終日に逃げに乗ったトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
この日もプロトンをコントロールするモビスターこの日もプロトンをコントロールするモビスター photo:CorVos
逃げに総合順位で脅威となる選手がいなかったため、プロトンは2分差から積極的に縮めようとペースを上げることはなく、残り30kmを残し逃げ切りが確定。その先頭集団では優勝候補であったデヘントが遅れるなか、勝負はモレナールとボート競技で世界王者になった経歴のあるジェイソン・オズボーン(ドイツ、アルペシン・ドゥクーニンク)の2名に絞り込まれた。

先にスプリントを開始したオズボーンだったが、冷静にタイミングを図ったモレナールが腰を上げ、先頭でフィニッシュラインに飛び込んだ。「高いレベルの選手たちが揃った逃げ集団となった。他の選手たちは皆強かったものの、僕自身の調子は良く勝ち切ることができた」と23歳のモレナールは語っている。

マッチスプリントを制したアレクサンダー・モレナール(オランダ、ブルゴスBH)マッチスプリントを制したアレクサンダー・モレナール(オランダ、ブルゴスBH) photo:CorVos
表彰台でプロ3勝目を喜ぶアレクサンダー・モレナール(オランダ、ブルゴスBH)表彰台でプロ3勝目を喜ぶアレクサンダー・モレナール(オランダ、ブルゴスBH) photo:CorVos
そして総合優勝はトップから18秒遅れでフィニッシュしたイバン・ソーサ(コロンビア、モビスター)の手に。「今日のレースは速く、逃げた選手たちが良い走りを見せた。シーズンを締めくくるツール・ド・ランカウイで総合優勝を挙げることができ、本当に嬉しい。この優勝は僕の自信と未来に繋がる、とても大切な結果だ」と、イネオス・グレナディアーズからモビスターに移籍初年で掴んだ成果を喜んだ。

チーム右京からはレイモンド・クレダー(オランダ)が9位でフィニッシュ。総合では小石祐馬がチームと日本人最高位となる30位(15分30秒遅れ)で8日間のレースを終えている。

ツール・ド・ランカウイ2022総合表彰台:2位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)、1位イバン・ソーサ(コロンビア、モビスター)、3位トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)ツール・ド・ランカウイ2022総合表彰台:2位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)、1位イバン・ソーサ(コロンビア、モビスター)、3位トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) photo:CorVos
ツール・ド・ランカウイ2022第8ステージ結果
1位 アレクサンダー・モレナール(オランダ、ブルゴスBH) 2:25:37
2位 ジェイソン・オズボーン(ドイツ、アルペシン・ドゥクーニンク)
3位 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) +0:18
4位 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)
5位 リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ロット・スーダル)
個人総合成績
1位 イバン・ソーサ(コロンビア、モビスター) 25:54:00
2位 ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:23
3位 トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) +1:47
4位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) +1:50
5位 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) +2:02
その他の特別賞
山岳賞 ムハマド・ザリフ(マレーシア、トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム)
ポイント賞 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)
チーム総合成績 モビスター
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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