2022/10/26(水) - 18:34
しまなみ海道や四国一周サイクリングの枠を越え、サイクルルートが瀬戸内全域に広がりつつある。Setouchi Vélo(せとうちヴェロ)と称する動きがまもなくローンチするということで、山口エリアのトライアルライドに参加して宮島から今治まで2日間・150kmを走ってきたレポートと併せてお伝えする。
今回走ったルートは広島、山口、愛媛にかけてのエリアで、宮島〜柳井〜周防大島〜松山〜今治の2日間・約150km。おなじみ愛媛在住のプロサイクリスト門田基志さん(ジャイアント)が先導し、本州四国連絡高速道路株式会社(以下「本四高速」)が後押しするサイクリングルートの実走調査隊に加わって、ルートの”サイクリング適性”を多角的にチェックしながら走るというのがトライアルライドの目的だ。
「この広島県や山口県にかかる瀬戸内西部はしまなみエリア等に比べればまだ未開発ですが、サイクリストは県境なんか気にせず走りたいように走るから、瀬戸内海全域をサイクリングのメッカ(聖地)にするよう環境を整えていくつもりです」と門田さんは話す。行政レベルでしまなみ海道や四国一周サイクリングを推し進める愛媛県と、瀬戸内エリア全域で長大橋梁を運営・管理する本四高速が協働しての動きだという。
日本三景のひとつ「安芸の宮島」として有名な厳島神社がある宮島口が今回のライドのスタート。「Setouchi Velo」実走調査隊の一行は、さっそく渡船で宮島へと渡った。
フェリーで自転車ごと宮島に渡れることはあまり大きくPRはされていないが、フェリーには自転車の航送料金も明示され、何の問題もなく渡ることができる。島内の道路は走れる範囲が限られているが、宮島口側に駐輪して身一つで乗船するよりも、愛車と一緒に渡りたいというのがサイクリストの本音だろう。ちなみに往復料金は大人360円、自転車200円(JRフェリー)。
主要時間帯は15分おきにあるフェリーは、乗船して10分ほどで宮島に到着。船着き場から厳島神社へは順路に沿って徒歩なら15分ほどの道。観光客と同じ順路だが、人混みがないなら自転車に乗って行くことができる。やはり渡ればそこは島。クルマの居ない静けさとのんびりした空気が漂う。今は観光客も多くないようだ。参道では鹿の群れが出迎えてくれた。
海中に建つ有名な大鳥居は改修工事中のため、足場で覆われた「今しかない姿」で迎えてくれた(すでに工事は終了)。海の上に建てられた厳島神社の脇にはなんとサイクルラックが用意してあり、基本はサイクリスト「歓迎」であることが感じられる。ここでメンバー一同「V・E・L・O」の人文字をキメる。ルート上のハイライトになるポイントでこれをするのがトライアルライドのお約束らしい(笑)。
フェリーで渡った宮島は、自転車と一緒に行って良かった。少なくとも宮島口側に施錠して置き去りにするよりは安心だったが、心配は観光客でごった返す季節と時間帯は避けたほうが良いだろうというもの。このあたりは状況に応じて判断したい。
往復で1時間程度の宮島滞在からの再スタートでライドへ。広島県の廿日市からこの日目指すは山口県の柳井市まで。まずは海沿いの国道2号線を通る。ときどき海に向けて景色が開けるものの、クルマの通行量が多く、路肩に自転車レーンも整備されていないため、自転車で走るには快適とは言い難い道だった。
大竹駅付近からは135号線で小瀬川沿いを行くことに。そして1号線で内陸へとルートを変え、観光地としてつとに有名な錦帯橋(きんたいきょう)を目指した。「交通量の少ないこのルートなら走りやすいだろう」と、狙ったとおりの走りやすさだった。
山の上に建つ岩国城が見えたら、錦川に架かる木造橋「錦帯橋」がある。木造でありながら5連の構造(中央の3連はアーチ橋)という、世界的にも希な構造による美しさを眺める。国の名勝であるため自転車に乗って通ることはできず(押してもダメ)、対岸へは別の橋で渡ることになる。同時に錦帯橋を観光する時の駐輪場所もチェックするメンバーたち。河原では観光に来た女子大生たちと交流し、V・E・L・O人文字に加わってもらった(これってナンパ?)。
対岸の橋のたもとにあるソフトクリーム屋「むさし」 は、TV番組「ナニコレ珍百景」で有名になったお店で、じつに200種類もの味が選べる。なんと納豆味やお茶漬け味まである(笑)が、選んだ味はどれもとても美味しかった。近くにはライバル店?の「小次郎」もあるとのこと。サイクリング中のおやつにソフトクリームは欠かせない??。
地元グルメとしては郷土料理である錦糸卵を使った押し寿し「岩国寿司(いわくにずし)」が有名だと言うので、地元の人に聞き取りを行い、対岸の「Panser(パンサー)」という店が評判がいいことをつきとめる。お店は錦帯橋にすぐ近い川沿いにあった。
ほのかな甘味と見た目に美しい岩国寿司と蓮根のコロッケ、焼きサバ寿司をいただく。Panserという時代遅れのスナックのような横文字の店名に懐疑的だったメンバーも、その味に納得。サイクリストが気軽に入店できる店構えと美味しさ、そして価格の安さも評価が高かった(コレ大事)。
錦帯橋に立ち寄ることで、岩国市街を避けるように走ることができた。再び海沿いに出た一行は188号線で南下。岩国市から先は交通量がぐっと減り、走りやすくなる。ごきげんなシーサイドルートを走り、由宇(ゆう)にある「潮風公園 みなとオアシスゆう」へ。この「ゆう」を冠にしたイベント「ツール・ド・ゆう」は、近くにある大将軍山・銭壺山へと登るヒルクライム大会だ。
道の駅に設置してある自販機には「サイクル県やまぐち」のロゴがあしらわれ、その自販機で購入したドリンクには活動資金となる寄付金が含まれるので、サイクリストなら迷わずその自販機で購入する(笑)。
先へ進むと、明日渡る予定の周防大島が左手に見えてくる。今日は島へと渡る大島大橋を通り過ぎ、目指すは泊まるホテルがある柳井市街。その前にこの近海の島しょ部へのフェリー事情をチェックするべく柳井港へと立ち寄る。港は「サイクル県やまぐち」のサイクルオアシスにもなっていた。
柳井駅に近い「柳井クルーズホテル」がこの日の宿。建物や室内の調度品デザインが客船をイメージさせるこのホテルは、サイクリングイベントの協力ホテルをつとめてきただけあってロビーに駐輪が可能だった。セキュリティ上も安心で好感度高し。何よりサイクリストがホテルから歓迎されているのは嬉しいものだ。
食事は地元でリサーチした結果、居酒屋おおはし(柳井津333-2)へ。地元でとれた鮮魚を使った料理の数々と地元の銘酒を楽しむことができた。やはりサイクリングでは地元の味を楽しむグルメ的要素は欠かせない。とくに疲れを癒やす夜の食事は大切。大人であれば美味しいお酒も欠かせない。今回のメンバーの選球眼は確かなようだ。ほろ酔い加減でSetouchi Veloの将来を語り合った熱い夜だった。
2日目のライドの様子へとつづく...。
Setouchi Vélo トライアルライド 山口エリアDay1ルート
宮島コーラルホテル(廿日市市)〜厳島神社(フェリーで往復)〜錦帯橋〜由宇(潮風公園 みなとオアシスゆう)〜柳井港〜柳井クルーズホテル(柳井市) 約67km
トライアルライドを重ねてつくり上げるSetouchi Velo
「瀬戸内全域をサイクリングの聖地へ」
瀬戸内圏の各地のルートを、プロサイクリストや有識者、メディア関係者、行政関係者等とともに試走するSetouchi Véloトライアルライド。各ルートの案内表示や走行ライン、サイクルステーションの状況やトイレの有無、車の走行マナーなど、ハード、ソフト両面からサイクリングルートとしての走行環境の情報収集を行い、同時にe-bike(電動自転車)の走行体験等も実施。このトライアルライドを繰り返し実施していくことで、関係者間においてもSetouchi Véloの目指すべき方向性が共有され、対象全域のサイクリング環境整備が進んでいくことが期待されるという。
トライアルライドにおもにe-bikeを使うのは、サイクリストではない一般の方でも100kmを走ることができるという長所に着目してのこと。「サイクリストのためのサイクリング」から「老若男女、誰でもが楽しむサイクリング」へのシフトが、Setouchi Véloの今後の広がりにとって大切なことだという認識だ。
瀬戸内圏には、日本を代表し世界に誇るナショナルサイクルルートとして最初に指定された「しまなみ海道」、淡路島を一周する通称「あわいち」や、四国4県を走破する「四国一周」、さらには瀬戸内の海沿いや島々をめぐるコースなど、風光明媚な瀬戸内を活かした多種多様なサイクリングルートがある。
瀬戸内圏各地に存在するサイクリングルートを今後、東西南北につなぐルートを設定していき、例えば瀬戸内を一周することができる「せといち」のような広域周遊ルートを創っていくことを想定している。そして「せといち」ルートにも、海沿いの風光明媚なコースをめぐるルートや、内陸に入り名所旧跡も含めるルート、あるいはその組み合わせなど、サイクリストの選択でいくつもの選択肢があり得るはずだ。
淡路島や小豆島のルートも含めて播磨灘を周遊するコース、しまなみ海道や芸予諸島や防予諸島をめぐる西瀬戸地域のルート、瀬戸内に多数存在する島々のコースを組み合わせる多島めぐりルートなど、サイクリストの発想、好みでいかようにも発展していくことが期待できるのだ。
これらの広域周遊ルートは、デジタルマッピング化し、順次拡張していくという。このマップには、サイクリングに関する情報だけではなく、名所やイベント等の観光情報やルート沿線のグルメ情報など、様々な情報を盛り込んだ多機能性をもたせ、サイクリストの体力や好み、目的に応じ、自由なルート選択を可能とするような多様性も追求していく。
そして世界のサイクリング事情にも学び、欧州や台湾といった、サイクリング先進地域の取組を視察、調査することも検討、官民一体となってサイクリングの聖地としての瀬戸内圏を国内外で情報発信していくという。
まもなく本格始動するSetouchi Véloのこれからに期待だ。
text&photo:Makoto.AYANO
今回走ったルートは広島、山口、愛媛にかけてのエリアで、宮島〜柳井〜周防大島〜松山〜今治の2日間・約150km。おなじみ愛媛在住のプロサイクリスト門田基志さん(ジャイアント)が先導し、本州四国連絡高速道路株式会社(以下「本四高速」)が後押しするサイクリングルートの実走調査隊に加わって、ルートの”サイクリング適性”を多角的にチェックしながら走るというのがトライアルライドの目的だ。
「この広島県や山口県にかかる瀬戸内西部はしまなみエリア等に比べればまだ未開発ですが、サイクリストは県境なんか気にせず走りたいように走るから、瀬戸内海全域をサイクリングのメッカ(聖地)にするよう環境を整えていくつもりです」と門田さんは話す。行政レベルでしまなみ海道や四国一周サイクリングを推し進める愛媛県と、瀬戸内エリア全域で長大橋梁を運営・管理する本四高速が協働しての動きだという。
日本三景のひとつ「安芸の宮島」として有名な厳島神社がある宮島口が今回のライドのスタート。「Setouchi Velo」実走調査隊の一行は、さっそく渡船で宮島へと渡った。
フェリーで自転車ごと宮島に渡れることはあまり大きくPRはされていないが、フェリーには自転車の航送料金も明示され、何の問題もなく渡ることができる。島内の道路は走れる範囲が限られているが、宮島口側に駐輪して身一つで乗船するよりも、愛車と一緒に渡りたいというのがサイクリストの本音だろう。ちなみに往復料金は大人360円、自転車200円(JRフェリー)。
主要時間帯は15分おきにあるフェリーは、乗船して10分ほどで宮島に到着。船着き場から厳島神社へは順路に沿って徒歩なら15分ほどの道。観光客と同じ順路だが、人混みがないなら自転車に乗って行くことができる。やはり渡ればそこは島。クルマの居ない静けさとのんびりした空気が漂う。今は観光客も多くないようだ。参道では鹿の群れが出迎えてくれた。
海中に建つ有名な大鳥居は改修工事中のため、足場で覆われた「今しかない姿」で迎えてくれた(すでに工事は終了)。海の上に建てられた厳島神社の脇にはなんとサイクルラックが用意してあり、基本はサイクリスト「歓迎」であることが感じられる。ここでメンバー一同「V・E・L・O」の人文字をキメる。ルート上のハイライトになるポイントでこれをするのがトライアルライドのお約束らしい(笑)。
フェリーで渡った宮島は、自転車と一緒に行って良かった。少なくとも宮島口側に施錠して置き去りにするよりは安心だったが、心配は観光客でごった返す季節と時間帯は避けたほうが良いだろうというもの。このあたりは状況に応じて判断したい。
往復で1時間程度の宮島滞在からの再スタートでライドへ。広島県の廿日市からこの日目指すは山口県の柳井市まで。まずは海沿いの国道2号線を通る。ときどき海に向けて景色が開けるものの、クルマの通行量が多く、路肩に自転車レーンも整備されていないため、自転車で走るには快適とは言い難い道だった。
大竹駅付近からは135号線で小瀬川沿いを行くことに。そして1号線で内陸へとルートを変え、観光地としてつとに有名な錦帯橋(きんたいきょう)を目指した。「交通量の少ないこのルートなら走りやすいだろう」と、狙ったとおりの走りやすさだった。
山の上に建つ岩国城が見えたら、錦川に架かる木造橋「錦帯橋」がある。木造でありながら5連の構造(中央の3連はアーチ橋)という、世界的にも希な構造による美しさを眺める。国の名勝であるため自転車に乗って通ることはできず(押してもダメ)、対岸へは別の橋で渡ることになる。同時に錦帯橋を観光する時の駐輪場所もチェックするメンバーたち。河原では観光に来た女子大生たちと交流し、V・E・L・O人文字に加わってもらった(これってナンパ?)。
対岸の橋のたもとにあるソフトクリーム屋「むさし」 は、TV番組「ナニコレ珍百景」で有名になったお店で、じつに200種類もの味が選べる。なんと納豆味やお茶漬け味まである(笑)が、選んだ味はどれもとても美味しかった。近くにはライバル店?の「小次郎」もあるとのこと。サイクリング中のおやつにソフトクリームは欠かせない??。
地元グルメとしては郷土料理である錦糸卵を使った押し寿し「岩国寿司(いわくにずし)」が有名だと言うので、地元の人に聞き取りを行い、対岸の「Panser(パンサー)」という店が評判がいいことをつきとめる。お店は錦帯橋にすぐ近い川沿いにあった。
ほのかな甘味と見た目に美しい岩国寿司と蓮根のコロッケ、焼きサバ寿司をいただく。Panserという時代遅れのスナックのような横文字の店名に懐疑的だったメンバーも、その味に納得。サイクリストが気軽に入店できる店構えと美味しさ、そして価格の安さも評価が高かった(コレ大事)。
錦帯橋に立ち寄ることで、岩国市街を避けるように走ることができた。再び海沿いに出た一行は188号線で南下。岩国市から先は交通量がぐっと減り、走りやすくなる。ごきげんなシーサイドルートを走り、由宇(ゆう)にある「潮風公園 みなとオアシスゆう」へ。この「ゆう」を冠にしたイベント「ツール・ド・ゆう」は、近くにある大将軍山・銭壺山へと登るヒルクライム大会だ。
道の駅に設置してある自販機には「サイクル県やまぐち」のロゴがあしらわれ、その自販機で購入したドリンクには活動資金となる寄付金が含まれるので、サイクリストなら迷わずその自販機で購入する(笑)。
先へ進むと、明日渡る予定の周防大島が左手に見えてくる。今日は島へと渡る大島大橋を通り過ぎ、目指すは泊まるホテルがある柳井市街。その前にこの近海の島しょ部へのフェリー事情をチェックするべく柳井港へと立ち寄る。港は「サイクル県やまぐち」のサイクルオアシスにもなっていた。
柳井駅に近い「柳井クルーズホテル」がこの日の宿。建物や室内の調度品デザインが客船をイメージさせるこのホテルは、サイクリングイベントの協力ホテルをつとめてきただけあってロビーに駐輪が可能だった。セキュリティ上も安心で好感度高し。何よりサイクリストがホテルから歓迎されているのは嬉しいものだ。
食事は地元でリサーチした結果、居酒屋おおはし(柳井津333-2)へ。地元でとれた鮮魚を使った料理の数々と地元の銘酒を楽しむことができた。やはりサイクリングでは地元の味を楽しむグルメ的要素は欠かせない。とくに疲れを癒やす夜の食事は大切。大人であれば美味しいお酒も欠かせない。今回のメンバーの選球眼は確かなようだ。ほろ酔い加減でSetouchi Veloの将来を語り合った熱い夜だった。
2日目のライドの様子へとつづく...。
Setouchi Vélo トライアルライド 山口エリアDay1ルート
宮島コーラルホテル(廿日市市)〜厳島神社(フェリーで往復)〜錦帯橋〜由宇(潮風公園 みなとオアシスゆう)〜柳井港〜柳井クルーズホテル(柳井市) 約67km
トライアルライドを重ねてつくり上げるSetouchi Velo
「瀬戸内全域をサイクリングの聖地へ」
瀬戸内圏の各地のルートを、プロサイクリストや有識者、メディア関係者、行政関係者等とともに試走するSetouchi Véloトライアルライド。各ルートの案内表示や走行ライン、サイクルステーションの状況やトイレの有無、車の走行マナーなど、ハード、ソフト両面からサイクリングルートとしての走行環境の情報収集を行い、同時にe-bike(電動自転車)の走行体験等も実施。このトライアルライドを繰り返し実施していくことで、関係者間においてもSetouchi Véloの目指すべき方向性が共有され、対象全域のサイクリング環境整備が進んでいくことが期待されるという。
トライアルライドにおもにe-bikeを使うのは、サイクリストではない一般の方でも100kmを走ることができるという長所に着目してのこと。「サイクリストのためのサイクリング」から「老若男女、誰でもが楽しむサイクリング」へのシフトが、Setouchi Véloの今後の広がりにとって大切なことだという認識だ。
瀬戸内圏には、日本を代表し世界に誇るナショナルサイクルルートとして最初に指定された「しまなみ海道」、淡路島を一周する通称「あわいち」や、四国4県を走破する「四国一周」、さらには瀬戸内の海沿いや島々をめぐるコースなど、風光明媚な瀬戸内を活かした多種多様なサイクリングルートがある。
瀬戸内圏各地に存在するサイクリングルートを今後、東西南北につなぐルートを設定していき、例えば瀬戸内を一周することができる「せといち」のような広域周遊ルートを創っていくことを想定している。そして「せといち」ルートにも、海沿いの風光明媚なコースをめぐるルートや、内陸に入り名所旧跡も含めるルート、あるいはその組み合わせなど、サイクリストの選択でいくつもの選択肢があり得るはずだ。
淡路島や小豆島のルートも含めて播磨灘を周遊するコース、しまなみ海道や芸予諸島や防予諸島をめぐる西瀬戸地域のルート、瀬戸内に多数存在する島々のコースを組み合わせる多島めぐりルートなど、サイクリストの発想、好みでいかようにも発展していくことが期待できるのだ。
これらの広域周遊ルートは、デジタルマッピング化し、順次拡張していくという。このマップには、サイクリングに関する情報だけではなく、名所やイベント等の観光情報やルート沿線のグルメ情報など、様々な情報を盛り込んだ多機能性をもたせ、サイクリストの体力や好み、目的に応じ、自由なルート選択を可能とするような多様性も追求していく。
そして世界のサイクリング事情にも学び、欧州や台湾といった、サイクリング先進地域の取組を視察、調査することも検討、官民一体となってサイクリングの聖地としての瀬戸内圏を国内外で情報発信していくという。
まもなく本格始動するSetouchi Véloのこれからに期待だ。
text&photo:Makoto.AYANO
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