イル・ロンバルディア前哨戦の1つであるコッパ・ベルノッキがイタリア・ロンバルディア州にて開催。集団スプリントをダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)が制し、チームに2年連続優勝をもたらした。



EFエデュケーション・イージーポストからは中根英登(左)が出場EFエデュケーション・イージーポストからは中根英登(左)が出場 photo:CorVos
UCIワールドツアー最終戦かつモニュメントのイル・ロンバルディア(10月9日)に向け、欧州ではその前哨戦が続々と開催されている。同じイタリア・ロンバルディア州では第103回目を迎えた歴史深いコッパ・ベルノッキ(UCI1.Pro)が行われた。

190.7kmコースの内訳は、レニャーノをスタートし、その北にあるピッコロ・ステルヴィオ(距離1.5km/平均6.5%)を含む周回コースを7周。その後レニャーノのフィニッシュまで戻る道のりは平坦路。フィニッシュ予想は集団スプリントだ。

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)やマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)など豪華スプリンター勢が集結。イル・ロンバルディアに向かうジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)や、暫くレースを離れていた中根英登(EFエデュケーション・イージーポスト)も復帰5戦目として出場した。

アップダウンを含む周回コースに突入したプロトンアップダウンを含む周回コースに突入したプロトン photo:CorVos
登りでプロトンに食らいつくマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)登りでプロトンに食らいつくマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
アクチュアルスタート直後からアラン・ジュソーム(フランス、トタルエネルジー)らUCIプロチーム勢が積極的に動き、4名の逃げグループを形成した。一方のプロトンではクイックステップ・アルファヴィニルやバイクエクスチェンジ・ジェイコが中心にコントロールを担い、その差は最大7分まで拡大した。

しかし周回コースに突入し、残り距離が減っていくに従いタイム差も縮小。アラフィリップやマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)による断続的なアタックがプロトンのペースを上げ、逃げを飲み込んだ7名がレース先頭へ。遅れてプロトンが合流を果たし、勝負は大方の予想通り集団スプリントに持ち込まれた。

アタックで脚を使ったアラフィリップが集団先頭で牽引した後、残り1kmを切りUAEチームエミレーツが一気にペースアップを行う。幅の広い最終ストレートで残り200mからトレンティンがスプリントを開始したものの伸び悩み、代わって先頭に出たダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)が、追い上げるコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)を退け勝利した。

アルペシン・ドゥクーニンクもメイン集団の牽引に加わったアルペシン・ドゥクーニンクもメイン集団の牽引に加わった photo:CorVos
チームとして2連覇を達成したダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)チームとして2連覇を達成したダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
「世界選手権ではコンディションが整わなかったこともあり、この勝利が必要だった。とても嬉しいよ。今日は周回を重ねるごとにスピードが上がっていく苦しいレースだった。登りでは遅れそうになったが、チームメイトが助けてくれた。母国で勝つことができて本当に嬉しいよ」とバッレリーニは語っている。

これによりクイックステップは昨年勝利したレムコ・エヴェネプール(ベルギー)に続く2連覇を達成。また中根はDNFだったものの、23歳の若手スプリンターであるジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)のトップ10入りに貢献している。

最終盤で牽引したアラフィリップに感謝を伝えるダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)最終盤で牽引したアラフィリップに感謝を伝えるダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
2位コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)、1位ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)、3位ステファノ・オルダーニ(イタリア、アルペシン・ドゥクーニンク)2位コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)、1位ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)、3位ステファノ・オルダーニ(イタリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
コッパ・ベルノッキ2022結果
1位 ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) 4:18:01
2位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)
3位 ステファノ・オルダーニ(イタリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)
5位 イバン・ガルシア(スペイン、モビスター)
6位 ロバート・スタナード(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
7位 クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナカザフスタン)
8位 ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)
9位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)
10位 ジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos