2022/10/02(日) - 10:09
最大勾配20%の激坂「サンルーカ」を5度登る伊ワンデーレースで、エンリク・マス(スペイン、モビスター)がタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を引き離して独走勝利。1週間後のロンバルディアに向けて弾みをつけた。
2022年シーズンも佳境に入り、イル・ロンバルディアを1週間後に控えたイタリアではジロ・デッレミリア(UCI.Pro)が行われた。1909年に初開催されたワンデーレースはジロ・デ・イタリアと肩を並べる歴史を誇り、今回で105回目を迎える。
舞台となるのはイタリア中部のエミリア=ロマーニャ州ボローニャ近郊。レースの見どころは2019年ジロ・デ・イタリアの開幕初日のTTコースにも組み込まれたサンルーカの激坂で、初山翔らが駆け上がったサンルーカ聖母教会を目指す登りは登坂距離2kmで平均勾配10%オーバー。最大勾配20%に達するこの激坂を5回登坂する。
昨年はプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が2度目の栄冠に輝くなど、歴代優勝者には登坂力に長けるクライマーやパンチャーたちの名前が並ぶこのレース。今年も1週間後に控えたイル・ロンバルディアを見据え、2020年覇者アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)やタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)など豪華メンバーが集った。
カルピの街をスタート後10kmで逃げグループを形成したのはジョフレ・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)など5名の選手たち。プロトンはアダム・イェーツ(イギリス)をエースに据えるイネオス・グレナディアーズやポガチャル擁するUAEチームエミレーツがペースメイクを担い、2分差のままサンルーカの周回コースに突入した。
逃げ集団から最後まで粘るコービー・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)にプロトンから飛び出したテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が追いつき、ここにアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)とピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー)が合流。この4名は一時15秒のリードを得たものの、3度目の「サンルーカ」でメイン集団に引き戻された。
振り出しに戻ったレースのコントロールを担ったのは、ディエゴ・ウリッシとダヴィデ・フォルモロのUAEチームエミレーツのイタリアコンビ。過去優勝者の2人によるハイペース牽引は一気にプロトンの人数を絞り、最後から2つ目のサンルーカでロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、エオーロ・コメタ)が加速。ここから有力選手たちによる登坂バトルが幕を開けた。
急勾配区間でアタックしたポガチャルに唯一エンリク・マス(スペイン、モビスター)が追従し、2人はローテーションを組みながらダウンヒルでリードを拡げにかかる。しかしここにドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が平坦区間で合流。この日最後のサンルーカに突入し、バルベルデの牽引からマスが飛び出した。
マスの登坂スピードに対し、ポガチャルやポッツォヴィーヴォもついていけない。最大勾配20%区間も一定のリズムで踏み続けたマスが、意外にも今シーズン初となる勝利を掴み取った。
「ブエルタ・ア・エスパーニャの後、良いトレーニングを積むことができた。だからこのレースに良いコンディションで臨むことができたんだ。この勝利は最終盤まで先頭集団にいてくれたアレハンドロ(バルベルデ)のおかげ。みんなポガチャルがどんな選手か知っている。その彼をアタックで負かすことができて本当に嬉しいよ」とマスはコメントする。
「今年は難しいシーズンになり、序盤戦で落車が続いたことによりチームからの信頼を失ってしまったんだ。だがツール・ド・フランスの後に良い休養を得て、いまはとても良い調子だよ」とブエルタで総合2位に入り、1週間後のイル・ロンバルディアに向けて弾みをつけたマスは語っている。
2位には11秒遅れでフィニッシュしたポガチャルが入り、今年のはじめは所属チームが見つからず引退の危機にも瀕したポッツォヴィーヴォは地元イタリアで嬉しい表彰台に上がっている。
2022年シーズンも佳境に入り、イル・ロンバルディアを1週間後に控えたイタリアではジロ・デッレミリア(UCI.Pro)が行われた。1909年に初開催されたワンデーレースはジロ・デ・イタリアと肩を並べる歴史を誇り、今回で105回目を迎える。
舞台となるのはイタリア中部のエミリア=ロマーニャ州ボローニャ近郊。レースの見どころは2019年ジロ・デ・イタリアの開幕初日のTTコースにも組み込まれたサンルーカの激坂で、初山翔らが駆け上がったサンルーカ聖母教会を目指す登りは登坂距離2kmで平均勾配10%オーバー。最大勾配20%に達するこの激坂を5回登坂する。
昨年はプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が2度目の栄冠に輝くなど、歴代優勝者には登坂力に長けるクライマーやパンチャーたちの名前が並ぶこのレース。今年も1週間後に控えたイル・ロンバルディアを見据え、2020年覇者アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)やタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)など豪華メンバーが集った。
カルピの街をスタート後10kmで逃げグループを形成したのはジョフレ・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)など5名の選手たち。プロトンはアダム・イェーツ(イギリス)をエースに据えるイネオス・グレナディアーズやポガチャル擁するUAEチームエミレーツがペースメイクを担い、2分差のままサンルーカの周回コースに突入した。
逃げ集団から最後まで粘るコービー・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)にプロトンから飛び出したテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が追いつき、ここにアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)とピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー)が合流。この4名は一時15秒のリードを得たものの、3度目の「サンルーカ」でメイン集団に引き戻された。
振り出しに戻ったレースのコントロールを担ったのは、ディエゴ・ウリッシとダヴィデ・フォルモロのUAEチームエミレーツのイタリアコンビ。過去優勝者の2人によるハイペース牽引は一気にプロトンの人数を絞り、最後から2つ目のサンルーカでロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、エオーロ・コメタ)が加速。ここから有力選手たちによる登坂バトルが幕を開けた。
急勾配区間でアタックしたポガチャルに唯一エンリク・マス(スペイン、モビスター)が追従し、2人はローテーションを組みながらダウンヒルでリードを拡げにかかる。しかしここにドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が平坦区間で合流。この日最後のサンルーカに突入し、バルベルデの牽引からマスが飛び出した。
マスの登坂スピードに対し、ポガチャルやポッツォヴィーヴォもついていけない。最大勾配20%区間も一定のリズムで踏み続けたマスが、意外にも今シーズン初となる勝利を掴み取った。
「ブエルタ・ア・エスパーニャの後、良いトレーニングを積むことができた。だからこのレースに良いコンディションで臨むことができたんだ。この勝利は最終盤まで先頭集団にいてくれたアレハンドロ(バルベルデ)のおかげ。みんなポガチャルがどんな選手か知っている。その彼をアタックで負かすことができて本当に嬉しいよ」とマスはコメントする。
「今年は難しいシーズンになり、序盤戦で落車が続いたことによりチームからの信頼を失ってしまったんだ。だがツール・ド・フランスの後に良い休養を得て、いまはとても良い調子だよ」とブエルタで総合2位に入り、1週間後のイル・ロンバルディアに向けて弾みをつけたマスは語っている。
2位には11秒遅れでフィニッシュしたポガチャルが入り、今年のはじめは所属チームが見つからず引退の危機にも瀕したポッツォヴィーヴォは地元イタリアで嬉しい表彰台に上がっている。
ジロ・デッレミリア2022結果
1位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 4:55:31 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:11 |
3位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 0:14 |
4位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:26 |
5位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | 0:31 |
6位 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、エオーロ・コメタ) | 0:37 |
7位 | ルーベン・フェルナンデス(スペイン、コフィディス) | 0:46 |
8位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) | 0:53 |
9位 | ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 1:12 |
10位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマ・エフデジ) | 1:13 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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