2022/08/27(土) - 15:57
MTB世界選手権3日目のクロスカントリーショートトラックでポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)とサムエル・ゲイズ(ニュージーランド)が勝利。E-MTBレースに参戦したペテル・サガン(スロバキア)は16位だった。
E-MTBで男女の昨年覇者が2連覇、サガンは16位
圧倒的なスピードでリードを奪うニコール・ゲルディ(スイス) photo:UCI
フランス、レジェで開催中のMTB世界選手権。大会3日目に行われたのは男女のE-MTBクロスカントリーとクロスカントリーショートトラック(XCC)の2種目。途中から雨が降り始め、徐々に難易度が増していくコースでこの日は4人の世界王者が誕生した。
この日の第一レースとなった女子E-MTBレースをリードしたのは、ディフェンディングチャンピオンのニコール・ゲルディ(スイス)だった。E-MTB専業選手として活躍するゲルディは序盤から先頭に立ち、後方から追い上げてきたE-MTB選手ジャスティン・トンソ(フランス)と2019年のE-MTB世界女王ナタリー・シュナイター(スイス)たちを振り切って勝利している。
E-MTBレースを2連覇したジェローム・ジロー(フランス) photo:UCI
途中落車したペテル・サガン(スロバキア)がウイリーでフィニッシュ photo:UCI
ペテル・サガン(スロバキア)の参戦で注目を集めたE-MTB男子レースでもE-MTB専業選手たちがその底力を見せつけた。2連覇が掛かるジェローム・ジロー(フランス)を含む3名がトップグループを築いて1分以上のリードを構築し、そのままテクニカルコースを逃げ切ったジローが2連覇を達成。ユーゴ・ピジョンが2位に入り、昨年のワンツーがそのままワンツーフィニッシュを決めるという結果になった。また、後方からレースを楽しんだサガンは5分26秒遅れの16位でフィニッシュしている。
XCC女子:好調フェランプレヴォが残り2周を逃げ切りアルカンシエル
女子のクロスカントリーショートトラック(XCC)は、日曜日の本線に集中するロアナ・ルコント(フランス)やジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン)を除く42名がスタート。ゲレンデに据え付けられたショートコースで、平均スピード30km/hに達しようかという短時間高強度の戦いが繰り広げられた。
圧倒的な登坂力を披露したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス) photo:UCI
昨年覇者シーナ・フライを含むスイスと現XCO世界女王イヴィ・リチャーズ擁するイギリスが先頭を固め、母国開催の期待を一身に背負うポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)がその2国に割って入る展開でレースが幕開ける。中盤に入って隊列が引き伸ばされていく中、連覇を狙っていたフライが脱落。さらに濡れたロックセクションでアレッサンドラ・ケラー(スイス)が激しく前転するなど、スイス勢が徐々にメンバーを失ってしまう。
全9周回中の7周目に入ったタイミングで猛然とチャージしたのはフェランプレヴォだった。「ペースが上がりきっていないと感じたので、アタックしてどうなるか確認したかった」という元世界女王は一気にリードを稼ぎ、追走グループのアニー・ラスト(イギリス)もケラーと同じ場所で前転落車。「登りはもちろんロックガーデンも可能な限りスムーズに走ろうとした」と振り返るフェランプレヴォが、2周回を逃げ切りフィニッシュラインにたどり着いた。
母国ファンの大声援を受けてフィニッシュするポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス) photo:UCI
MTB世界選手権2022 女子クロスカントリーショートトラック表彰台 photo:UCI
UCIワールドカップの北米連戦をスキップして調整を重ねていた元女王が、本戦での活躍にも期待させるパワフルな走りで自身初となるXCC世界チャンピオンに。2位は落車からリズムを取り戻したケラーで、アメリカのグレンダウィン・ギブソンが銅メダルを獲得している。
XCC男子:昨年覇者ブレヴィンスとの一騎打ちをゲイズが制す
太陽が顔を出す中開催された男子クロスカントリーショートトラックには47名が出走。ニノ・シューター(スイス)やトーマス・ピドコック(イギリス)、ヴラッド・ダスカル(ルーマニア)といった強豪勢が出場を見送る中、レースは昨年覇者クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)のスタートダッシュで幕開けた。
大観衆が見守る中、男子ショートトラックレースが進む photo:UCI
昨年覇者クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)は最終盤の落車で脱落 photo:UCI
ブレヴィンスやヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル)といったスピードに長ける選手たちが先頭を固め、決定的なアタックが生まれないまま前半戦を終了。女子レースでケラーが落車したのと同じロックセクションで転倒したアヴァンチーニはすぐさまレースの最前線へと戻っている。
スローペースのまま全10周回中の9周回を終え、互いの様子を伺いあう心理戦が繰り広げられるていく。最終周回突入と同時にサムエル・ゲイズ(ニュージーランド)が猛然とアタックするとブレヴィンスが反応。追撃したトーマス・リッチャー(スイス)を振り切った二人が激しく鍔迫り合いを繰り広げながら最後のロックセクションへ。
ゲイズとブレヴィンスがラインを奪い合った末、後塵を拝し無理なラインを選択せざるを得なかったブレヴィンスは岩に激突。そんな混乱を尻目に、フィニッシュまで駆け抜けたゲイズが勝利した。
フィニッシュラインに飛び込むサムエル・ゲイズ(ニュージーランド) photo:UCI
MTB世界選手権2022 男子クロスカントリーショートトラック表彰台 photo:UCI
爆発的なスピードを武器にするゲイズは、スペシャライズドファクトリーチームを経て、現在アルペシン・ドゥクーニンクでロードとMTBを掛け持ちする26歳。先のコモンウェルスゲームスで金メダルを獲得した勢いそのままにエリートカテゴリーで自身初となる世界王者に輝いた。
E-MTBで男女の昨年覇者が2連覇、サガンは16位
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フランス、レジェで開催中のMTB世界選手権。大会3日目に行われたのは男女のE-MTBクロスカントリーとクロスカントリーショートトラック(XCC)の2種目。途中から雨が降り始め、徐々に難易度が増していくコースでこの日は4人の世界王者が誕生した。
この日の第一レースとなった女子E-MTBレースをリードしたのは、ディフェンディングチャンピオンのニコール・ゲルディ(スイス)だった。E-MTB専業選手として活躍するゲルディは序盤から先頭に立ち、後方から追い上げてきたE-MTB選手ジャスティン・トンソ(フランス)と2019年のE-MTB世界女王ナタリー・シュナイター(スイス)たちを振り切って勝利している。
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ペテル・サガン(スロバキア)の参戦で注目を集めたE-MTB男子レースでもE-MTB専業選手たちがその底力を見せつけた。2連覇が掛かるジェローム・ジロー(フランス)を含む3名がトップグループを築いて1分以上のリードを構築し、そのままテクニカルコースを逃げ切ったジローが2連覇を達成。ユーゴ・ピジョンが2位に入り、昨年のワンツーがそのままワンツーフィニッシュを決めるという結果になった。また、後方からレースを楽しんだサガンは5分26秒遅れの16位でフィニッシュしている。
XCC女子:好調フェランプレヴォが残り2周を逃げ切りアルカンシエル
女子のクロスカントリーショートトラック(XCC)は、日曜日の本線に集中するロアナ・ルコント(フランス)やジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン)を除く42名がスタート。ゲレンデに据え付けられたショートコースで、平均スピード30km/hに達しようかという短時間高強度の戦いが繰り広げられた。
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昨年覇者シーナ・フライを含むスイスと現XCO世界女王イヴィ・リチャーズ擁するイギリスが先頭を固め、母国開催の期待を一身に背負うポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)がその2国に割って入る展開でレースが幕開ける。中盤に入って隊列が引き伸ばされていく中、連覇を狙っていたフライが脱落。さらに濡れたロックセクションでアレッサンドラ・ケラー(スイス)が激しく前転するなど、スイス勢が徐々にメンバーを失ってしまう。
全9周回中の7周目に入ったタイミングで猛然とチャージしたのはフェランプレヴォだった。「ペースが上がりきっていないと感じたので、アタックしてどうなるか確認したかった」という元世界女王は一気にリードを稼ぎ、追走グループのアニー・ラスト(イギリス)もケラーと同じ場所で前転落車。「登りはもちろんロックガーデンも可能な限りスムーズに走ろうとした」と振り返るフェランプレヴォが、2周回を逃げ切りフィニッシュラインにたどり着いた。
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UCIワールドカップの北米連戦をスキップして調整を重ねていた元女王が、本戦での活躍にも期待させるパワフルな走りで自身初となるXCC世界チャンピオンに。2位は落車からリズムを取り戻したケラーで、アメリカのグレンダウィン・ギブソンが銅メダルを獲得している。
XCC男子:昨年覇者ブレヴィンスとの一騎打ちをゲイズが制す
太陽が顔を出す中開催された男子クロスカントリーショートトラックには47名が出走。ニノ・シューター(スイス)やトーマス・ピドコック(イギリス)、ヴラッド・ダスカル(ルーマニア)といった強豪勢が出場を見送る中、レースは昨年覇者クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)のスタートダッシュで幕開けた。
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ブレヴィンスやヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル)といったスピードに長ける選手たちが先頭を固め、決定的なアタックが生まれないまま前半戦を終了。女子レースでケラーが落車したのと同じロックセクションで転倒したアヴァンチーニはすぐさまレースの最前線へと戻っている。
スローペースのまま全10周回中の9周回を終え、互いの様子を伺いあう心理戦が繰り広げられるていく。最終周回突入と同時にサムエル・ゲイズ(ニュージーランド)が猛然とアタックするとブレヴィンスが反応。追撃したトーマス・リッチャー(スイス)を振り切った二人が激しく鍔迫り合いを繰り広げながら最後のロックセクションへ。
ゲイズとブレヴィンスがラインを奪い合った末、後塵を拝し無理なラインを選択せざるを得なかったブレヴィンスは岩に激突。そんな混乱を尻目に、フィニッシュまで駆け抜けたゲイズが勝利した。
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爆発的なスピードを武器にするゲイズは、スペシャライズドファクトリーチームを経て、現在アルペシン・ドゥクーニンクでロードとMTBを掛け持ちする26歳。先のコモンウェルスゲームスで金メダルを獲得した勢いそのままにエリートカテゴリーで自身初となる世界王者に輝いた。
MTB世界選手権2022 女子E-MTBクロスカントリー結果
1位 | ニコール・ゲルディ(スイス) | 47:00 |
2位 | ジャスティン・トンソ(フランス) | +1:15 |
3位 | ナタリー・シュナイター(スイス) | +1:25 |
MTB世界選手権2022 男子E-MTBクロスカントリー結果
1位 | ジェローム・ジロー(フランス) | 52:21 |
2位 | ユーゴ・ピジョン(フランス) | +0:29 |
3位 | ヨリス・リフ(スイス) | +0:42 |
MTB世界選手権2022 女子クロスカントリーショートトラック結果
1位 | ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス) | 21:56 |
2位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス) | +0:18 |
3位 | グレンダウィン・ギブソン(アメリカ) | +0:21 |
4位 | ヨランダ・ネフ(スイス) | +0:26 |
5位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス) | +0:29 |
6位 | グレタ・セイワルド(イタリア) | +0:36 |
7位 | アニー・ラスト(イギリス) | +0:44 |
8位 | ケイト・コートニー(アメリカ) | +0:50 |
9位 | ステッフィ・ハーベリン(スイス) | +0:52 |
10位 | シルヴィア・ブランク(アメリカ) | +0:54 |
MTB世界選手権2022 男子クロスカントリーショートトラック結果
1位 | サムエル・ゲイズ(ニュージーランド) | 22:21 |
2位 | フィリッポ・コロンボ(スイス) | +0:03 |
3位 | トーマス・リッチャー(スイス) | +0:07 |
4位 | アラン・ハースリー(南アフリカ) | +0:13 |
5位 | マルティンス・ブラムス(ラトビア) | +0:16 |
6位 | セバスティアン・フィニ(デンマーク) | +0:19 |
7位 | ヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル) | +0:21 |
8位 | ヨナス・リンドベルグ(デンマーク) | +0:23 |
9位 | ダニエーレ・ブライド(イタリア) | +0:24 |
10位 | マキシミリアン・ブランドル(ドイツ) |
text:So Isobe
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