2022/08/24(水) - 23:02
シマノ鈴鹿ロードが帰ってきた。コロナ禍を経て3年ぶりの開催となった世界最大の動員数を誇るロードレースイベントは以前と変わらぬホットな楽しさを提供してくれた。仲間とレースを楽しんだ熱い夏の2日間の模様をお届けする。
2020、2021年と新型コロナウィルスの感染拡大によって中止となったシマノ鈴鹿ロードレース。無念な思いが続いたシマノスズカが、じつに3年ぶりの開催の運びとなった。今年の開催日は8月20・21日で、夏休み最終週から1週間前倒ししての開催。国内、いや世界でも類を見ない参加者数を誇る最大規模のロードレースが三重県鈴鹿市のスズカサーキットに戻ってきた。
例年1万人以上の参加者を集めてきたシマノスズカだが、今年の参加者数はざっと初日3,000人、2日目3,000人で、のべ6,000人の参加者数となった。まだまだレースやイベントに参加しにくい状況のなか、実感として約半数に人数を減らすことになったが、それでも最大級のロードレースイベントであることに変わりはない。
会場入りすれば、空白の時間を経て待ち望んだシマノスズカに集えた喜びを話す参加者や関係者、そして旧知の仲間に再び出会えた喜びの表情で挨拶を交わす姿があちこちで散見された。初日の朝だけで「また開催されて本当に良かった」という言葉を何度聞いただろう。皆がこの日を待ち望んでいた様子がよく分かる。
クラブで参加して、サーキットのパドックやコースサイドに陣取って自分のレースを走り、仲間のレースを応援したり、はたまたブース巡りをしたりして2日間を過ごすのがシマノスズカの楽しみかた。少し密ではなくなったが、3年前と変わらぬ楽しみ方を皆が思い出した。
シマノ鈴鹿ロードを改めて紹介すると、日本が誇る総合コンポーネントメーカー、シマノが主催するロードレースイベント。7月の富士見パノラマで行われるオフロードイベントの「シマノバイカーズ」と並び、日本国内のロードレース愛好家や入門者の実情にあわせたカテゴリー設定で多くの参加者を集める人気イベントだ。早朝から夕方まで、2日間に渡って驚くほど数多くの種目が分刻みで開催される。
対象が初心者から本格派レーサーまですべてを対象としているだけに、本当に様々な参加クラス、カテゴリーが用意されているのが特徴だ。安心してロードレースに参加できるよう講習会とセットにした「講習会つき体験レース」、日頃の鍛錬の成果を競い合う「エリートクラス」、2日間、5つのレースでステージレース形式で競う「5ステージ・スズカ」、クラブの仲間との一体感を楽しめるエンデュランスやチームタイムトライアルなど、多彩な種目とクラスが用意されている。
今年の「新しいこと」は、前回大会までトップカテゴリーのシマノ鈴鹿クラシックのみだったインターネットライブ配信を全レースに展開したこと。2日間ほとんどすべてのレースの模様をネット配信で閲覧でき、しかも随行オートバイからの迫力あるリアルなレース映像によって、先頭を走る選手やゴール前での順位争いの模様などが、選手名やチーム名までわかる実況・解説つきで中継された。
鈴鹿サーキットにいればホームストレートやパドック、ピットビル内のラウンジなど随所のモニターによってリアルタイムでレース観戦ができ、会場に行かない人も家に居ながらにしてクラブの仲間のレースの応援ができたのは画期的だ。
ライブ中継だけじゃなく、バーチャルでもレースに参加できたのが大きなポイント。新設の「バーチャルシマノ鈴鹿ロード」はネットに繋がったパソコンやタブレット上で展開されるバーチャル空間上のレース。そのコースはインドアサイクリングを楽しむことができる「ROUVY(ルービー)」の実写映像をもとにしており、リアル感たっぷりの視界がモニターに再現される。個人種目の2周、3周、5周、7周の部で実施され、リアルのレースとも連動し、その模様は鈴鹿サーキットのモニター上でも映し出され、まさにリアルとバーチャルが融合してレースが展開した。
これらの新たな取組は、実地でレースに参加したくても、まだそれがしにくい現状において、参加者誰もがそれぞれの環境に合わせて負担なくレースに参加できるという、コロナ禍ならではの取り組みだ。実際に取材のため鈴鹿に現地入りした私も、その様子をサーキット上のモニターに観ながらシームレスな感覚を味わうことができたのは新鮮な驚きだった。酷暑だったこの日、涼しい室内からシマノスズカの熱い(暑い)現地の雰囲気を味わうのもアリだと思った。
朝イチの5ステージ・スズカ第1ステージを皮切りに、レースプログラムは滞ることなく続々と進んでいく。2周・3周・5周・7周の部に小学生の学年別クラスなどと、力量に合ったクラスが細かく選択できるのは魅力。初心者であっても参加への壁が低く、実際のレースでもそれらの初級者向けクラスはほのぼのとした雰囲気で緊張することなく楽しめるだろう。
いっぽう、ロードレースはどのクラスも真剣勝負。平坦基調のレースは最後のゴールスプリントを待つ消極的な展開になりがちだけれど、途中に設けられたスプリントポイント先頭通過のご褒美は高額なQUOカード(の賞金)とあって、レースを活性化させる工夫も盛り込まれている。
ロードレース種目に自信のない人や、たっぷり距離を走りたい人にはサイクルマラソンがある。今年の嬉しいプチニュースは1時間サイクルマラソンに“女子クラス”が設けられたこと。これまでは男女の区別をせずに順位付けが行われていたが、今年は男女別にクラス分けを実施。女性ライダーにも表彰台にのぼるチャンスが広がった。とにかく多くの参加者にレースで入賞する喜びを感じて欲しいという粋な計らい。狙ってなくても表彰されちゃったというケースはけっこう多いようだ。
そして初日のメインイベントとも言えるのが2時間エンデュランス。ソロから数人のチームでエントリーし、仲間と交代しながら2時間たっぷり走ることができ、それぞれの参加人数に応じての表彰対象となる。このクラスは2日間で最大の出走者数となる。この日は個人種目に出てからこの2時間エンデューロにはクラブの仲間とチームを組んでエントリーするという人は多い。おびただしい人数の第1ライダーがコースに走り出していき、途切れることなく続く様は壮観だ。
チームタイムトライアル、個人タイムトライアル、5ステージスズカの第2ステージタイムトライアルと、タイムトライアル種目が多く開催されるのもシマノスズカならでは。個人種目とチーム種目を組み合わせて参加すれば、一日中走ることができる。1日目の締めくくりはトワイライトの中18時25分からスタートする個人タイムトライアル決勝。薄暗闇のサーキットをライトの光を浴びて走るのはさぞ特別な気分だろう。
初日は快晴の猛暑日になったが、2日目はスタート前の朝のうち雨が降り、少ししのぎやすい曇り空のなか始まった。天気予報は曇り時々、雨。昨日が厳しい暑さだっただけに、昨日のダメージが残る身体にはやさしい天気。終日雨らしい雨に見舞われることなく、後半には晴れ間も広がり、空の青さが映える好天となった。
朝イチはマスターズの年齢別クラスでスタート。初日とはカテゴリー区分を少し変えることで、異なる選手と走れたり、長めの距離に挑戦したりと、参加のしかたを変えることができるのもユニーク。初日には無いエリートという上級向けクラスも用意されている。それらは参加者がそれぞれの参加種目の条件を満たしていれば自由選べるのだ。
大会のトリをつとめるシマノ鈴鹿ロード・クラシック(既報記事)は、国内のプロチーム所属選手が走るもっとも上級のクラス。そして本当の締めは0歳から出場できる未就学児向け「ミルキー」クラス。ベビーカーや三輪車、ストライダーといった車種で走ったり、お母さんが抱っこして歩くのもアリ。20m先にフィニッシュすればお菓子のメダルやプレゼントがもらえる。文字通り誰でもレースに参加できるのがシマノスズカだ。
レースが行われている裏側では、様々なセミナーも開催されている。「初心者講習会」は日本人初の近代ツール・ド・フランス出場経験を持つ今中大介さん(インターマックス)が教えてくれるレースの上手な走り方のレクチャー。知っ得講座」はサイクルナビゲーター絹代さん、シマノレーシングやオリックス・バファローズの管理栄養士として選手の食事を考えてきた河南こころさんがサイクルスポーツライフにおける食事の摂り方などを教えてくれる。
これらの講座はタイトルどおり、知って得する実践的な内容となっており、取材のため気ままに聞いていた記者は、その「目から鱗」のアドバイスの数々にかなり得をした気分になれた。上級者も一度、受講してみることをおすすめします。ちなみに受講はすべて無料です。
子供たちに自転車の乗り方を教えてくれる「ウィーラースクール」は、自転車の本場ベルギーのメソッドに基づいた子どもたちのためのライディング講習会。面白いギャグを発するブラッキーさんの教える内容は楽しくても本格的で、ロードレーサーを操る基礎的テクニックが磨けると好評だ。2日目は講師として日本のトップレーサーがボランティア講師として参加してくれ、ついでに全国に自転車友達もできます。ちなみにウィーラースクールには大人向けのプログラムも有り、基礎的な技術を向上させたい人はぜひ参加を。
充実したブースエリアも大きな魅力。最新モデルが発表されるタイミングで開催されるシマノスズカは、ユーザーにとっては発表されたばかりの新製品を最速で目にすることが出来る貴重な機会でもある。
新型デュラエースにアルテグラ、そしてDI2となった105と、ロードバイクコンポーネントを大刷新したシマノのブースは今大会の目玉となった。なかでも人気は3つのコンポとホイール試乗コーナー。デュラエース、アルテグラ、105のホイールの試乗サンプルは潤沢に用意され、36、50、60mmとそれぞれのリムハイトの違いを確かめるべく試乗を繰り返す人が多く居た。
他にもクランク内蔵パワーメーターの使い方やベクトル解析を専業のトレーナーさんが教えてくれるコーナーもあり、単なる展示会以上に使い方やノウハウの学べる機会となった。
協賛メーカーのブースめぐりもシマノスズカの楽しさ。発表されたばかりのトレックMADONEや、ジャイアントPROPELなど、目玉バイクの展示があり、多くの参加者の興味を惹いていた。自転車界も世界的にモノ供給不足に陥っている昨今。質問はいつ入手できるか? 納期は? といった現実的で切実な声も。他にも気になる製品の数々に、人気商品のバーゲン即売会と化しているブースも。大会ならではの特典も多かったようだ。
多くの種目が目白押しの一方で、充実のセミナーやサイクルエキスポと呼ぶに相応しい出店エリア。夏の終わりのサイクリストの祭典として仲間とワイワイ楽しめる、そんな夢のような2日間は来年もあなたの参加を待っている。
※とてもここでは載せきれない5ステージ・スズカとチーム&個人タイムトライアルの模様は別記事で掲載します。お楽しみに。
text&photo:Makoto AYANO
photo:Masanao TOMITA
2020、2021年と新型コロナウィルスの感染拡大によって中止となったシマノ鈴鹿ロードレース。無念な思いが続いたシマノスズカが、じつに3年ぶりの開催の運びとなった。今年の開催日は8月20・21日で、夏休み最終週から1週間前倒ししての開催。国内、いや世界でも類を見ない参加者数を誇る最大規模のロードレースが三重県鈴鹿市のスズカサーキットに戻ってきた。
例年1万人以上の参加者を集めてきたシマノスズカだが、今年の参加者数はざっと初日3,000人、2日目3,000人で、のべ6,000人の参加者数となった。まだまだレースやイベントに参加しにくい状況のなか、実感として約半数に人数を減らすことになったが、それでも最大級のロードレースイベントであることに変わりはない。
会場入りすれば、空白の時間を経て待ち望んだシマノスズカに集えた喜びを話す参加者や関係者、そして旧知の仲間に再び出会えた喜びの表情で挨拶を交わす姿があちこちで散見された。初日の朝だけで「また開催されて本当に良かった」という言葉を何度聞いただろう。皆がこの日を待ち望んでいた様子がよく分かる。
クラブで参加して、サーキットのパドックやコースサイドに陣取って自分のレースを走り、仲間のレースを応援したり、はたまたブース巡りをしたりして2日間を過ごすのがシマノスズカの楽しみかた。少し密ではなくなったが、3年前と変わらぬ楽しみ方を皆が思い出した。
シマノ鈴鹿ロードを改めて紹介すると、日本が誇る総合コンポーネントメーカー、シマノが主催するロードレースイベント。7月の富士見パノラマで行われるオフロードイベントの「シマノバイカーズ」と並び、日本国内のロードレース愛好家や入門者の実情にあわせたカテゴリー設定で多くの参加者を集める人気イベントだ。早朝から夕方まで、2日間に渡って驚くほど数多くの種目が分刻みで開催される。
対象が初心者から本格派レーサーまですべてを対象としているだけに、本当に様々な参加クラス、カテゴリーが用意されているのが特徴だ。安心してロードレースに参加できるよう講習会とセットにした「講習会つき体験レース」、日頃の鍛錬の成果を競い合う「エリートクラス」、2日間、5つのレースでステージレース形式で競う「5ステージ・スズカ」、クラブの仲間との一体感を楽しめるエンデュランスやチームタイムトライアルなど、多彩な種目とクラスが用意されている。
今年の「新しいこと」は、前回大会までトップカテゴリーのシマノ鈴鹿クラシックのみだったインターネットライブ配信を全レースに展開したこと。2日間ほとんどすべてのレースの模様をネット配信で閲覧でき、しかも随行オートバイからの迫力あるリアルなレース映像によって、先頭を走る選手やゴール前での順位争いの模様などが、選手名やチーム名までわかる実況・解説つきで中継された。
鈴鹿サーキットにいればホームストレートやパドック、ピットビル内のラウンジなど随所のモニターによってリアルタイムでレース観戦ができ、会場に行かない人も家に居ながらにしてクラブの仲間のレースの応援ができたのは画期的だ。
ライブ中継だけじゃなく、バーチャルでもレースに参加できたのが大きなポイント。新設の「バーチャルシマノ鈴鹿ロード」はネットに繋がったパソコンやタブレット上で展開されるバーチャル空間上のレース。そのコースはインドアサイクリングを楽しむことができる「ROUVY(ルービー)」の実写映像をもとにしており、リアル感たっぷりの視界がモニターに再現される。個人種目の2周、3周、5周、7周の部で実施され、リアルのレースとも連動し、その模様は鈴鹿サーキットのモニター上でも映し出され、まさにリアルとバーチャルが融合してレースが展開した。
これらの新たな取組は、実地でレースに参加したくても、まだそれがしにくい現状において、参加者誰もがそれぞれの環境に合わせて負担なくレースに参加できるという、コロナ禍ならではの取り組みだ。実際に取材のため鈴鹿に現地入りした私も、その様子をサーキット上のモニターに観ながらシームレスな感覚を味わうことができたのは新鮮な驚きだった。酷暑だったこの日、涼しい室内からシマノスズカの熱い(暑い)現地の雰囲気を味わうのもアリだと思った。
朝イチの5ステージ・スズカ第1ステージを皮切りに、レースプログラムは滞ることなく続々と進んでいく。2周・3周・5周・7周の部に小学生の学年別クラスなどと、力量に合ったクラスが細かく選択できるのは魅力。初心者であっても参加への壁が低く、実際のレースでもそれらの初級者向けクラスはほのぼのとした雰囲気で緊張することなく楽しめるだろう。
いっぽう、ロードレースはどのクラスも真剣勝負。平坦基調のレースは最後のゴールスプリントを待つ消極的な展開になりがちだけれど、途中に設けられたスプリントポイント先頭通過のご褒美は高額なQUOカード(の賞金)とあって、レースを活性化させる工夫も盛り込まれている。
ロードレース種目に自信のない人や、たっぷり距離を走りたい人にはサイクルマラソンがある。今年の嬉しいプチニュースは1時間サイクルマラソンに“女子クラス”が設けられたこと。これまでは男女の区別をせずに順位付けが行われていたが、今年は男女別にクラス分けを実施。女性ライダーにも表彰台にのぼるチャンスが広がった。とにかく多くの参加者にレースで入賞する喜びを感じて欲しいという粋な計らい。狙ってなくても表彰されちゃったというケースはけっこう多いようだ。
そして初日のメインイベントとも言えるのが2時間エンデュランス。ソロから数人のチームでエントリーし、仲間と交代しながら2時間たっぷり走ることができ、それぞれの参加人数に応じての表彰対象となる。このクラスは2日間で最大の出走者数となる。この日は個人種目に出てからこの2時間エンデューロにはクラブの仲間とチームを組んでエントリーするという人は多い。おびただしい人数の第1ライダーがコースに走り出していき、途切れることなく続く様は壮観だ。
チームタイムトライアル、個人タイムトライアル、5ステージスズカの第2ステージタイムトライアルと、タイムトライアル種目が多く開催されるのもシマノスズカならでは。個人種目とチーム種目を組み合わせて参加すれば、一日中走ることができる。1日目の締めくくりはトワイライトの中18時25分からスタートする個人タイムトライアル決勝。薄暗闇のサーキットをライトの光を浴びて走るのはさぞ特別な気分だろう。
初日は快晴の猛暑日になったが、2日目はスタート前の朝のうち雨が降り、少ししのぎやすい曇り空のなか始まった。天気予報は曇り時々、雨。昨日が厳しい暑さだっただけに、昨日のダメージが残る身体にはやさしい天気。終日雨らしい雨に見舞われることなく、後半には晴れ間も広がり、空の青さが映える好天となった。
朝イチはマスターズの年齢別クラスでスタート。初日とはカテゴリー区分を少し変えることで、異なる選手と走れたり、長めの距離に挑戦したりと、参加のしかたを変えることができるのもユニーク。初日には無いエリートという上級向けクラスも用意されている。それらは参加者がそれぞれの参加種目の条件を満たしていれば自由選べるのだ。
大会のトリをつとめるシマノ鈴鹿ロード・クラシック(既報記事)は、国内のプロチーム所属選手が走るもっとも上級のクラス。そして本当の締めは0歳から出場できる未就学児向け「ミルキー」クラス。ベビーカーや三輪車、ストライダーといった車種で走ったり、お母さんが抱っこして歩くのもアリ。20m先にフィニッシュすればお菓子のメダルやプレゼントがもらえる。文字通り誰でもレースに参加できるのがシマノスズカだ。
レースが行われている裏側では、様々なセミナーも開催されている。「初心者講習会」は日本人初の近代ツール・ド・フランス出場経験を持つ今中大介さん(インターマックス)が教えてくれるレースの上手な走り方のレクチャー。知っ得講座」はサイクルナビゲーター絹代さん、シマノレーシングやオリックス・バファローズの管理栄養士として選手の食事を考えてきた河南こころさんがサイクルスポーツライフにおける食事の摂り方などを教えてくれる。
これらの講座はタイトルどおり、知って得する実践的な内容となっており、取材のため気ままに聞いていた記者は、その「目から鱗」のアドバイスの数々にかなり得をした気分になれた。上級者も一度、受講してみることをおすすめします。ちなみに受講はすべて無料です。
子供たちに自転車の乗り方を教えてくれる「ウィーラースクール」は、自転車の本場ベルギーのメソッドに基づいた子どもたちのためのライディング講習会。面白いギャグを発するブラッキーさんの教える内容は楽しくても本格的で、ロードレーサーを操る基礎的テクニックが磨けると好評だ。2日目は講師として日本のトップレーサーがボランティア講師として参加してくれ、ついでに全国に自転車友達もできます。ちなみにウィーラースクールには大人向けのプログラムも有り、基礎的な技術を向上させたい人はぜひ参加を。
充実したブースエリアも大きな魅力。最新モデルが発表されるタイミングで開催されるシマノスズカは、ユーザーにとっては発表されたばかりの新製品を最速で目にすることが出来る貴重な機会でもある。
新型デュラエースにアルテグラ、そしてDI2となった105と、ロードバイクコンポーネントを大刷新したシマノのブースは今大会の目玉となった。なかでも人気は3つのコンポとホイール試乗コーナー。デュラエース、アルテグラ、105のホイールの試乗サンプルは潤沢に用意され、36、50、60mmとそれぞれのリムハイトの違いを確かめるべく試乗を繰り返す人が多く居た。
他にもクランク内蔵パワーメーターの使い方やベクトル解析を専業のトレーナーさんが教えてくれるコーナーもあり、単なる展示会以上に使い方やノウハウの学べる機会となった。
協賛メーカーのブースめぐりもシマノスズカの楽しさ。発表されたばかりのトレックMADONEや、ジャイアントPROPELなど、目玉バイクの展示があり、多くの参加者の興味を惹いていた。自転車界も世界的にモノ供給不足に陥っている昨今。質問はいつ入手できるか? 納期は? といった現実的で切実な声も。他にも気になる製品の数々に、人気商品のバーゲン即売会と化しているブースも。大会ならではの特典も多かったようだ。
多くの種目が目白押しの一方で、充実のセミナーやサイクルエキスポと呼ぶに相応しい出店エリア。夏の終わりのサイクリストの祭典として仲間とワイワイ楽しめる、そんな夢のような2日間は来年もあなたの参加を待っている。
※とてもここでは載せきれない5ステージ・スズカとチーム&個人タイムトライアルの模様は別記事で掲載します。お楽しみに。
text&photo:Makoto AYANO
photo:Masanao TOMITA
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