ツール・ド・フランスで活躍したプロチーム機材特集の第19弾はカレブ・ユアンでのスプリント勝利を狙ったロット・スーダルのバイクをピックアップ。ユアンが愛用するエアロロードのNOAH FASTや、TTバイクのDEAN FASTを紹介する。



ロット・スーダルが駆ったNOAH FASTロット・スーダルが駆ったNOAH FAST
ワイヤレス12速化を果たした新型DURA-ACEを使用するワイヤレス12速化を果たした新型DURA-ACEを使用する ホイールはDTスイス、タイヤはヴィットリアを使用。チューブレス率の高いチームだホイールはDTスイス、タイヤはヴィットリアを使用。チューブレス率の高いチームだ


カレブ・ユアン(オーストラリア)をエースに据え、ステージでの勝利を狙ってツールを戦ったロット・スーダル。そんな狙いもあり、チームがメインバイクとして起用していたのは、リドレーのエアロロードである"NOAH FAST"だ。

いち早くケーブルフル内装化を果たしたリドレーのエアロモデルを主軸としつつ、第9ステージをはじめ、厳しい山岳が登場するコースでは、カレブ・ユアンも軽量オールラウンドバイクである"HELIUM SLX"を使用する姿も見られた。

軽量オールラウンダーのHELLIUM SLXを使用する姿も軽量オールラウンダーのHELLIUM SLXを使用する姿も
チームは今年からコンポーネントをカンパニョーロからシマノへとスイッチ。ワイヤレス12速化を果たした新型DURA-ACEを使用しており、長らく11速モデルのSUPERRECORDにこだわってきたユアンもチームメイトと同じ機材を使用することに。これには機材を管理するメカニックも、一つ肩の荷が下りたのではないだろうか。

コンポーネントの変更に伴い、ホイールもDTスイスへとスイッチ。エアロモデルであるARC1100の50㎜や62㎜ハイトモデルを履く選手が多く見られたが、パヴェステージではエンデュランスモデルのERC1100を履き、山岳ステージでは1,266gと軽量なPRC1100 MON CHASSERALを使用する選手も。

コックピットパーツはデダで揃えるが、NOAH FASTの専用ハンドルにデダのロゴを貼るバイクもコックピットパーツはデダで揃えるが、NOAH FASTの専用ハンドルにデダのロゴを貼るバイクも
ティム・ウェレンスはブラケットを内側に入れたセッティング、かつ上ハンドル部にクッションを挿入しているようだティム・ウェレンスはブラケットを内側に入れたセッティング、かつ上ハンドル部にクッションを挿入しているようだ
タイヤは変わらずヴィットリアのCORSAシリーズを使用しているが、今年はチューブレスへと全面的に移行しているのも大きな変更点だ。ハンドル周りも長い間緊密な関係を築くデダ・エレメンティを使用。専用コックピットとシートポストが用意されるNOAH FASTにはそれぞれデダのロゴが貼られてている。サドルはセッレイタリア、ボトルケージはタックス、バーテープはリザードスキンズだ。

また、興味を惹くのがTTバイクだ。リムブレーキ仕様のDEAN FASTを使うのは昨年同様だが、TTバイクに限ってはコンポーネントまで昨年と同じ、つまりカンパニョーロの11速SUPER RECORD EPSを使用する。つまり、ノーマルロードはシマノ、TTバイクはカンパニョーロという、ミックスコンポーネント体制となっているのだ。

TTバイクのDEAN FAST TTバイクのDEAN FAST
TTバイクは機材を更新できていないのか、昨年のカンパニョーロのままだTTバイクは機材を更新できていないのか、昨年のカンパニョーロのままだ シーベアーのBBを採用シーベアーのBBを採用


カンパニョーロのBORA WTO 77をロゴを消して使用カンパニョーロのBORA WTO 77をロゴを消して使用
様々な理由で供給が遅れているという新型DURA-ACEだが、プロチームの機材供給にも影響が出ているようだ。コンポーネントのロゴはそのままだが、ホイールはロゴをはがされている。ちなみに前輪がBORA WTO 77、リアがBORA ULTRA TTという組み合わせだ。

text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto.AYANO

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