2022/08/20(土) - 08:17
8月19日(金)、オランダのユトレヒトで第77回ブエルタ・ア・エスパーニャが開幕した。23.3kmのチームTTで下馬評通りの強さを見せたユンボ・ヴィスマが優勝し、ロベルト・ヘーシンク(オランダ)が母国ファンの前でマイヨロホを着用した。
8月19日(金)第1ステージ
ユトレヒト〜ユトレヒト 23.3km(チームタイムトライアル)
現地時刻18:30、第1チームのブルゴスBHがスタート台を駆け降りる photo:Unipublic
8月19日(金)第1ステージ ユトレヒト〜ユトレヒト 23.3km photo:Unipublic
8月19日(金)第1ステージ ユトレヒト〜ユトレヒト 23.3km image:Unipublic
ツール・ド・フランスの閉幕から僅か1ヶ月弱。オランダの首都アムステルダムから30キロほど南に位置する同国第4の都市ユトレヒトで第77回ブエルタ・ア・エスパーニャが開幕した。
合計21日間、タイムトライアル距離が長いことも影響し、グランツールとしては比較的短めの総走行距離3280.5kmを走破する「スペイン一周レース」の幕開けとなるのは、2年振りに復活したチームタイムトライアル。欧州で最も平坦な国オランダを象徴するかのようにユトレヒト市街を発着するコースはほぼフラットだが、コース中には運河を渡る橋や立体交差などプロフィール図に見えないアップダウンがある。スタート後とフィニッシュ前の市街地区間以外は純粋なスピードが求められる。
この日の天気予報は曇りときどき雨。現地時刻18:30(日本時間25:30)に、スペイン入国時(第4ステージ〜)の開催地ブルゴス地方を代表するブルゴスBHをトップバッターに、各チームが4分おきにスタートランプを駆け降りていく。序盤こそ雨がパラつくシーンも見られたが次第に天気も回復。中盤〜後半スタートのチームは雨の心配なくスピードレースを戦った。
ユトレヒト郊外のフラットコースを駆け抜ける photo:Unipublic
9番手出走のバイクエクスチェンジ・ジェイコが好タイムを叩き出す photo:Unipublic
ステージ6位:グルパマFDJ photo:Unipublic
平均時速55km/hオーバー、時間にして25分前後の戦い。前半組の中ではまずグルパマFDJが25分18秒86でフィニッシュし、続いてサイモン・イェーツ(イギリス)を擁する9番手出走のバイクエクスチェンジ・ジェイコがルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)を先頭に25分11秒23を叩き出した。
バーレーン・ヴィクトリアスやボーラ・ハンスグローエ、そしてUAEチームエミレーツといったスピードマンを揃えるチームがバイクエクスチェンジ・ジェイコに迫るタイムでフィニッシュに帰ってきたものの、タイム更新にはあと数秒届かない。するとEFエデュケーションへの移籍が報じられたリチャル・カラパス(エクアドル)をエースに据えるイネオス・グレナディアーズがフィニッシュ地点に戻ってきた。
ステージ3位:クイックステップ・アルファヴィニル photo:Unipublic
リチャル・カラパス(エクアドル)擁するイネオス・グレナディアーズは2位 photo:Unipublic
トップタイムを更新しながら進むユンボ・ヴィスマ photo:CorVos
タイム更新を中継画面に表示させながら、イーサン・ヘイター(イギリス)を先頭にフィニッシュへと飛び込んだイネオス・グレナディアーズのタイムは24分53秒77。その後ろに続いたクイックステップ・アルファヴィニルは中間計測こそイネオスを上回っていたものの、24分54秒55と最終的に僅か1秒以内の差で敗れてしまう。
しかし、そんな拮抗した2チームのフィニッシュタイムを大きく塗り替えたのが最終出走のユンボ・ヴィスマだった。TTを得意とするオールラウンダーをずらりと揃えたユンボは母国オランダファンの声援に後押しされて平坦コースを飛ばしに飛ばす。一糸乱れぬローテーションを組み、誰一人欠けることなく8人のままフィニッシュに飛び込むと、タイム表示はイネオスを13秒上回る24分40秒25で止まった。
総合エースのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)ではなく、長くグランツールの山岳アシストとして活躍するロベルト・ヘーシンク(オランダ)を先頭にフィニッシュに飛び込んだユンボ・ヴィスマがブエルタ・ア・エスパーニャ初日のチームタイムトライアルで勝利。2019年の開幕チームTTでの落車という悪夢を拭い取ることに成功した。
敢闘賞とチーム総合成績も勝ち取ったユンボ・ヴィスマ photo:CorVos
シャンパンファイトを楽しむセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:Unipublic
マイヨロホ姿で登場したロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:Unipublic
「夢が叶ったよ。今日はチームとして強い走りができた。良い滑り出しをしなければいけないと分かっていたけれど、実際走り出すとすぐにライバルチームより速く走れていることに気づいたんだ。チームTTでは様々なことが起こるから集中を切らさないようにして、最後はオランダ熱に沸くフィニッシュラインを最速タイムで切ることができた。僕を先頭にフィニッシュさせてくれたチームメイトには感謝の気持ちしかない」と言うヘーシンク。2007年のプロ入り以降ずっと同チームに籍を置き続けている36歳は、満面の笑顔と共に表彰台でマイヨロホに袖を通した。
史上初の大会4連覇が懸かるログリッチは、2019年落車のジンクスに打ち勝ち総合2位スタートという絶好の滑り出し。ライバル勢としてはカラパスが13秒遅れ、エヴェネプールは14秒遅れ。14チームがタイム差1分以内でフィニッシュしている。
8月19日(金)第1ステージ
ユトレヒト〜ユトレヒト 23.3km(チームタイムトライアル)
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ツール・ド・フランスの閉幕から僅か1ヶ月弱。オランダの首都アムステルダムから30キロほど南に位置する同国第4の都市ユトレヒトで第77回ブエルタ・ア・エスパーニャが開幕した。
合計21日間、タイムトライアル距離が長いことも影響し、グランツールとしては比較的短めの総走行距離3280.5kmを走破する「スペイン一周レース」の幕開けとなるのは、2年振りに復活したチームタイムトライアル。欧州で最も平坦な国オランダを象徴するかのようにユトレヒト市街を発着するコースはほぼフラットだが、コース中には運河を渡る橋や立体交差などプロフィール図に見えないアップダウンがある。スタート後とフィニッシュ前の市街地区間以外は純粋なスピードが求められる。
この日の天気予報は曇りときどき雨。現地時刻18:30(日本時間25:30)に、スペイン入国時(第4ステージ〜)の開催地ブルゴス地方を代表するブルゴスBHをトップバッターに、各チームが4分おきにスタートランプを駆け降りていく。序盤こそ雨がパラつくシーンも見られたが次第に天気も回復。中盤〜後半スタートのチームは雨の心配なくスピードレースを戦った。
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平均時速55km/hオーバー、時間にして25分前後の戦い。前半組の中ではまずグルパマFDJが25分18秒86でフィニッシュし、続いてサイモン・イェーツ(イギリス)を擁する9番手出走のバイクエクスチェンジ・ジェイコがルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)を先頭に25分11秒23を叩き出した。
バーレーン・ヴィクトリアスやボーラ・ハンスグローエ、そしてUAEチームエミレーツといったスピードマンを揃えるチームがバイクエクスチェンジ・ジェイコに迫るタイムでフィニッシュに帰ってきたものの、タイム更新にはあと数秒届かない。するとEFエデュケーションへの移籍が報じられたリチャル・カラパス(エクアドル)をエースに据えるイネオス・グレナディアーズがフィニッシュ地点に戻ってきた。
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タイム更新を中継画面に表示させながら、イーサン・ヘイター(イギリス)を先頭にフィニッシュへと飛び込んだイネオス・グレナディアーズのタイムは24分53秒77。その後ろに続いたクイックステップ・アルファヴィニルは中間計測こそイネオスを上回っていたものの、24分54秒55と最終的に僅か1秒以内の差で敗れてしまう。
しかし、そんな拮抗した2チームのフィニッシュタイムを大きく塗り替えたのが最終出走のユンボ・ヴィスマだった。TTを得意とするオールラウンダーをずらりと揃えたユンボは母国オランダファンの声援に後押しされて平坦コースを飛ばしに飛ばす。一糸乱れぬローテーションを組み、誰一人欠けることなく8人のままフィニッシュに飛び込むと、タイム表示はイネオスを13秒上回る24分40秒25で止まった。
総合エースのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)ではなく、長くグランツールの山岳アシストとして活躍するロベルト・ヘーシンク(オランダ)を先頭にフィニッシュに飛び込んだユンボ・ヴィスマがブエルタ・ア・エスパーニャ初日のチームタイムトライアルで勝利。2019年の開幕チームTTでの落車という悪夢を拭い取ることに成功した。
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「夢が叶ったよ。今日はチームとして強い走りができた。良い滑り出しをしなければいけないと分かっていたけれど、実際走り出すとすぐにライバルチームより速く走れていることに気づいたんだ。チームTTでは様々なことが起こるから集中を切らさないようにして、最後はオランダ熱に沸くフィニッシュラインを最速タイムで切ることができた。僕を先頭にフィニッシュさせてくれたチームメイトには感謝の気持ちしかない」と言うヘーシンク。2007年のプロ入り以降ずっと同チームに籍を置き続けている36歳は、満面の笑顔と共に表彰台でマイヨロホに袖を通した。
史上初の大会4連覇が懸かるログリッチは、2019年落車のジンクスに打ち勝ち総合2位スタートという絶好の滑り出し。ライバル勢としてはカラパスが13秒遅れ、エヴェネプールは14秒遅れ。14チームがタイム差1分以内でフィニッシュしている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2022第1ステージ結果
1位 | ユンボ・ヴィスマ | 24:40 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | +0:13 |
3位 | クイックステップ・アルファヴィニル | +0:14 |
4位 | バイクエクスチェンジ・ジェイコ | +0:31 |
5位 | UAEチームエミレーツ | +0:33 |
6位 | グルパマFDJ | +0:38 |
7位 | ボーラ・ハンスグローエ | +0:41 |
8位 | トレック・セガフレード | +0:42 |
9位 | バーレーン・ヴィクトリアス | |
10位 | モビスター | +0:43 |
11位 | アスタナ・カザフスタン | +0:46 |
12位 | チームDSM | +0:53 |
13位 | AG2Rシトロエン | +0:55 |
14位 | エキポ・ケルンファルマ | +0:57 |
15位 | アルペシン・ドゥクーニンク | +1:03 |
16位 | イスラエル・プレミアテック | +1:04 |
17位 | EFエデュケーション・イージーポスト | +1:19 |
18位 | アルケア・サムシック | +1:25 |
19位 | アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ | |
20位 | エウスカルテル・エウスカディ | +1:32 |
21位 | ロット・スーダル | +1:49 |
22位 | コフィディス | +1:50 |
23位 | ブルゴスBH | +1:58 |
マイヨロホ 個人総合成績
1位 | ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 24:40 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | クリス・ハーパー(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) | |
4位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) | |
6位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ) | |
7位 | サム・オーメン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
9位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:13 |
10位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 24:53 |
2位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:00 |
3位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:00 |
チーム総合成績
1位 | ユンボ・ヴィスマ | 0:24:40 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | 0:00:13 |
3位 | クイックステップ・アルファヴィニル | 0:00:14 |
text:So Isobe
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