ドイツ・ミュンヘンで開幕したヨーロッパ選手権。ロード競技の初日は男子エリートのロードレースが行われ、アルノー・デマール(フランス)などの世界トップスプリンターを退けたファビオ・ヤコブセン(オランダ)が新ヨーロッパ王者に輝いた。



ヨーロッパ各国の141名の選手が出場したヨーロッパ各国の141名の選手が出場した photo:CorVos
2016年にエリートカテゴリーが追加されて以来、レースカレンダーの中でもその地位を確立しているヨーロッパ選手権。今年はドイツのムルナウからミュンヘンまでの207.9kmで争われ、平坦コースで強豪スプリンターによるスピードバトルが繰り広げられた。

昨年大会を制してイタリアに4年連続の王者ジャージをもたらしたソンニ・コルブレッリが不在のなか、同日午後のトラック競技に出場予定のエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)を含む141名が出走。厳しい暑さの中、ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア)とシルヴァン・ディリエ(スイス)の2名がエスケープした。

逃げとのタイム差を2分程度に留めるタイトなコントロールを見せたのはイタリアナショナルチーム。途中エディ・ダンバー(アイルランド)のアタックや、母国での勝利を期待されていたパスカル・アッカーマン(ドイツ)の落車・リタイアなどもありながらメイン集団は逃げの2人を吸収。勝負は大方の予想通り集団スプリントに持ち込まれた。

ハンドルを投げ勝利したファビオ・ヤコブセン(オランダ)ハンドルを投げ勝利したファビオ・ヤコブセン(オランダ) photo:CorVos
強豪揃うスプリントバトルを制したファビオ・ヤコブセン(オランダ)強豪揃うスプリントバトルを制したファビオ・ヤコブセン(オランダ) photo:CorVos
フィリッポ・ガンナを先頭にイタリアがトレインを組み上げながらフラムルージュ(残り1km)を通過する。しかし普段エースを務めるマッテオ・トレンティンやヴィヴィアーニのリードアウトは機能せず、5年連続の優勝を託されたアルベルト・ダイネーゼはポジションを下げてしまう。

そのイタリアと入れ替わるようにベルギーのトレインからティム・メルリールが発射して先頭へ。しかしその背後から飛び出したファビオ・ヤコブセン(オランダ)がメルリールを抜き、迫るアルノー・デマール(フランス)を抑え込んだヤコブセンが勝利した。

「信じられないほど嬉しい!ヨーロッパチャンピオンになることが夢の1つだった。今日のスタート地点でそれを現実にできる自信を感じていた。この勝利は素晴らしい走りを見せてくれたオランダチームのおかげ。彼らに感謝を伝えたい」と、オランダに史上初の欧州王者ジャージをもたらしたヤコブセンは語った。

イタリアの5連覇を阻止したファビオ・ヤコブセン(オランダ)イタリアの5連覇を阻止したファビオ・ヤコブセン(オランダ) photo:CorVos
2位にデマール、3位にはメルリールが入り、5連覇を逃したイタリアはヴィヴィアーニの7位が最高位だった。しかしヴィヴィアーニはこの日の午後に行われたトラックのエリミネーションに出場し、見事優勝に輝いている。

なお、男女個人タイムトライアルは8月17日(水)、女子ロードレースは8月21日(日)に行われる予定だ。
ヨーロッパ選手権2022 男子エリートロードレース結果
1位 ファビオ・ヤコブセン(オランダ) 4:38:49
2位 アルノー・デマール(フランス)
3位 ティム・メルリール(ベルギー)
4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ)
5位 サム・ベネット(アイルランド)
6位 ルカ・メズゲッツ(スロベニア)
7位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)
8位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)
9位 ジョン・アベラストゥリ(スペイン)
10位 マッズ・ピーダスン(デンマーク)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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