2022/07/05(火) - 17:50
ステージ優勝の期待が高まるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が駆るサーヴェロの新型S5を紹介。春のクラシックレースから実戦投入され、正式発表が待たれるエアロモデルに迫る。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェやオンループ・ヘットニュースブラッドなど、2022シーズン序盤からの実戦投入が確認されているサーヴェロの新型S5。平坦ステージが2日間続いたツール・ド・フランス序盤戦ではユンボ・ヴィスマのメインバイクとして走りを支えた。
グリーンのフロントフォークをセットしたS5は、現在総合成績首位の証マイヨジョーヌを着用するワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が第2ステージで使用したもの。第1ステージの個人タイムトライアルで2位に入り、マイヨヴェール姿で走った翌第2ステージも2位でマイヨジョーヌを獲得、さらに第3ステージの集団スプリントでも2位(この時は通常カラーのフォークを装備したS5)。1930年のアルフレッド・ビンダ以来史上2度目となる3日連続2位という汚名を晴らすべく、本日開催される第4ステージでのステージ優勝を見据えている。
サーヴェロは新型S5に関して未だ口を閉ざしているが、ルックスからUCI(国際自転車競技連合)の機材規則緩和に則ったアップデートが施されていると思われる。後方に伸ばされたヘッドチューブは同社TTバイクのP5にも似た設計で、シートチューブとトップチューブ接合部、そしてボトムブラケットなど各チューブの接合部がよりボリュームアップした印象だ。
フロントフォークはヘッドチューブを覆う部分が前方にやや張り出した一方、横幅は空力性能を鑑みて絞り込まれている。シートステーのリアエンド側が直線的なデザインとなり、リアディレイラーのDI2ケーブルを取り出す位置も微変更されている。規則変更によって、より空力性能と剛性を高めたものと思われる。
ユンボ・ヴィスマはシマノのサポートチームの一つであり、チームはR9270シリーズのデュラエースDI2を使う。全体的な供給不足によって12速コンポにR9100-Pクランク(11速)を組み合わせているチームも存在するが、ファンアールトにはFC-R9200-Pが充てがわれているようだ。
昨年との違いはチューブレスタイヤ&ホイールを運用している点。ファンアールトは同C60ホイールとヴィットリアのCORSA SPEEDタイヤを組み合わせて序盤ステージを走った。
また、ファンアールトは今大会でシマノのSH-RC902をベースにしたカスタムペイントシューズを履いていることでも注目されている。エステバン・チャベス(コロンビア)などプロ選手のシューズを手掛けたカスタムシューズアーティスト、ケイトリン・フィールダーによる作で、オランダを代表する画家のレンブラントとゴッホ、フェルメールの絵画を取り入れたチームジャージをモチーフにしたもの。ソール側にはファンアールトの妻と子供の名前も加えられている。
text:So Isobe
photo:Makoto AYANO
ヴォルタ・アン・アルガルヴェやオンループ・ヘットニュースブラッドなど、2022シーズン序盤からの実戦投入が確認されているサーヴェロの新型S5。平坦ステージが2日間続いたツール・ド・フランス序盤戦ではユンボ・ヴィスマのメインバイクとして走りを支えた。
グリーンのフロントフォークをセットしたS5は、現在総合成績首位の証マイヨジョーヌを着用するワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が第2ステージで使用したもの。第1ステージの個人タイムトライアルで2位に入り、マイヨヴェール姿で走った翌第2ステージも2位でマイヨジョーヌを獲得、さらに第3ステージの集団スプリントでも2位(この時は通常カラーのフォークを装備したS5)。1930年のアルフレッド・ビンダ以来史上2度目となる3日連続2位という汚名を晴らすべく、本日開催される第4ステージでのステージ優勝を見据えている。
サーヴェロは新型S5に関して未だ口を閉ざしているが、ルックスからUCI(国際自転車競技連合)の機材規則緩和に則ったアップデートが施されていると思われる。後方に伸ばされたヘッドチューブは同社TTバイクのP5にも似た設計で、シートチューブとトップチューブ接合部、そしてボトムブラケットなど各チューブの接合部がよりボリュームアップした印象だ。
フロントフォークはヘッドチューブを覆う部分が前方にやや張り出した一方、横幅は空力性能を鑑みて絞り込まれている。シートステーのリアエンド側が直線的なデザインとなり、リアディレイラーのDI2ケーブルを取り出す位置も微変更されている。規則変更によって、より空力性能と剛性を高めたものと思われる。
ユンボ・ヴィスマはシマノのサポートチームの一つであり、チームはR9270シリーズのデュラエースDI2を使う。全体的な供給不足によって12速コンポにR9100-Pクランク(11速)を組み合わせているチームも存在するが、ファンアールトにはFC-R9200-Pが充てがわれているようだ。
昨年との違いはチューブレスタイヤ&ホイールを運用している点。ファンアールトは同C60ホイールとヴィットリアのCORSA SPEEDタイヤを組み合わせて序盤ステージを走った。
また、ファンアールトは今大会でシマノのSH-RC902をベースにしたカスタムペイントシューズを履いていることでも注目されている。エステバン・チャベス(コロンビア)などプロ選手のシューズを手掛けたカスタムシューズアーティスト、ケイトリン・フィールダーによる作で、オランダを代表する画家のレンブラントとゴッホ、フェルメールの絵画を取り入れたチームジャージをモチーフにしたもの。ソール側にはファンアールトの妻と子供の名前も加えられている。
text:So Isobe
photo:Makoto AYANO
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