2022/07/05(火) - 09:40
移動日を挟みイタリア本土に戦いの場を移したジロ・ドンネ4日目。残り45km地点の2級山岳で意表を突くアタックを成功させたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が、ステージ優勝と共にマリアローザを獲得した。
チェゼーナのスタート地点に並んだ4賞ジャージ photo:CorVos
ジロ・デ・イタリア・ドンネ2022第4ステージ コースプロフィール image:Giro Donne3日間に及ぶサルデーニャ島での戦いを終え、選手たちは1日の移動日を経てイタリア本土に降り立った。ジロ・デ・イタリア・ドンネ(ワールドツアー)第4ステージの舞台となるのはイタリア北東部エミリア=ロマーニャ州のチェゼーナを発着点とする120.9km。中盤に2つの3級山岳と2級山岳バルボット峠(距離4.4km/平均8.3%)が登場する丘陵ステージで、総合優勝を狙う選手たちの戦いが勃発した。
マリアローザを着用するエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)を含めた135名の選手たちがスタートを切ったこの日、35度という気温も影響して序盤の逃げ形成には繋がらなかった。集団のまま2級山岳バルボット峠(距離4.4km/平均8.3%/残り距離51km)に突入し、ここから総合勢による勝負が動き出した。
バルサモを含む20名程度の選手たちが速度を上げると、勾配が最も厳しくなる区間でアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が飛び出し、マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)とマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)がそれに追従。総合優勝候補3名が、テクニカルなコーナーも利用して後続との差を1分まで拡げることに成功した。
2級山岳の登りでアタックするアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
グルペットに留まったマリアローザのエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
追いかける集団は細かいアップダウンによりバラバラに。バルサモやロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)らスプリンターがグルペットを形成する一方で、総合勢のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)やエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)などは10名の集団を作り追走した。
しかし2度の総合優勝を誇るファンフルーテンの主導により、先頭3名は快調にリードを伸ばし、この日最後の3級山岳頂上でタイム差は2分50秒まで拡大した。逃げ切りをほぼ確定させた3名が残り11km地点のカテゴリーのついていない峠(距離2.8km/平均7.1%)に入ると、カヴァッリがペースアップしたファンフルーテンとガルシアから脱落。2人はその後互いにアタックを繰り返すものの、決定打に欠きそのまま勝負はマッチスプリントへ。そして最終コーナーを前に加速したファンフルーテンが地脚の差を見せつけ、自身12度目の区間優勝を掴み取った。
スプリントでマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)を引き離すアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
ジロ・ドンネで区間通算12勝目を挙げたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
「今日は同じオランダのサッカー選手ヨハン・クライフから学んだ”攻撃は最大の防御なり”を実行した。トリッキーな下りや荒れた路面など難しいステージになることは分かっていた。そのため安全に終えたいと考えていたであろう総合勢に対して攻撃を仕掛けた」と、ジロ・ドンネ開幕前日に2023年限りでの引退を発表したファンフルーテンは語る。
「もっと多くの選手が私に動きについてくると思っていた。結果的に3人になり、ガルシアと協力してスプリントで上回るカヴァッリをふるい落としたた。そしてガルシアのアタックに冷静に対応しながら、残り200mから全力で踏み込み勝つことができた。またこのマリアローザを着用できて誇りに思う」とも。
ボーナスタイム-10秒も獲得したファンフルーテンは総合2位のガルシアと25秒差をつけマリアローザを獲得。カヴァッリが43秒遅れに留めた一方で、他の総合勢はトップから4分51秒遅れと総合優勝争いから事実上脱落を喫することとなった。
43秒遅れでフィニッシュしたマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) photo:CorVos
表彰台に上がったアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)を含む3名 photo:CorVos
マリアローザを獲得したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
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マリアローザを着用するエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)を含めた135名の選手たちがスタートを切ったこの日、35度という気温も影響して序盤の逃げ形成には繋がらなかった。集団のまま2級山岳バルボット峠(距離4.4km/平均8.3%/残り距離51km)に突入し、ここから総合勢による勝負が動き出した。
バルサモを含む20名程度の選手たちが速度を上げると、勾配が最も厳しくなる区間でアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が飛び出し、マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)とマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)がそれに追従。総合優勝候補3名が、テクニカルなコーナーも利用して後続との差を1分まで拡げることに成功した。
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追いかける集団は細かいアップダウンによりバラバラに。バルサモやロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)らスプリンターがグルペットを形成する一方で、総合勢のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)やエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)などは10名の集団を作り追走した。
しかし2度の総合優勝を誇るファンフルーテンの主導により、先頭3名は快調にリードを伸ばし、この日最後の3級山岳頂上でタイム差は2分50秒まで拡大した。逃げ切りをほぼ確定させた3名が残り11km地点のカテゴリーのついていない峠(距離2.8km/平均7.1%)に入ると、カヴァッリがペースアップしたファンフルーテンとガルシアから脱落。2人はその後互いにアタックを繰り返すものの、決定打に欠きそのまま勝負はマッチスプリントへ。そして最終コーナーを前に加速したファンフルーテンが地脚の差を見せつけ、自身12度目の区間優勝を掴み取った。
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「今日は同じオランダのサッカー選手ヨハン・クライフから学んだ”攻撃は最大の防御なり”を実行した。トリッキーな下りや荒れた路面など難しいステージになることは分かっていた。そのため安全に終えたいと考えていたであろう総合勢に対して攻撃を仕掛けた」と、ジロ・ドンネ開幕前日に2023年限りでの引退を発表したファンフルーテンは語る。
「もっと多くの選手が私に動きについてくると思っていた。結果的に3人になり、ガルシアと協力してスプリントで上回るカヴァッリをふるい落としたた。そしてガルシアのアタックに冷静に対応しながら、残り200mから全力で踏み込み勝つことができた。またこのマリアローザを着用できて誇りに思う」とも。
ボーナスタイム-10秒も獲得したファンフルーテンは総合2位のガルシアと25秒差をつけマリアローザを獲得。カヴァッリが43秒遅れに留めた一方で、他の総合勢はトップから4分51秒遅れと総合優勝争いから事実上脱落を喫することとなった。
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ジロ・デ・イタリア・ドンネ2022第4ステージ
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 3:13:13 |
2位 | マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ) | 0:01 |
3位 | マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:43 |
4位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | 4:51 |
5位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
6位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
7位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | |
8位 | エリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ) | |
9位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | |
10位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス) |
個人総合成績
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 8:46:33 |
2位 | マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ) | 0:25 |
3位 | マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:57 |
4位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | 5:00 |
5位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 5:13 |
6位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 5:14 |
7位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | 5:21 |
8位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス) | 5:28 |
9位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 5:29 |
10位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) |
その他の特別賞
ポイント賞 | エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) |
山岳賞 | マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ) |
ヤングライダー賞 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス) |
チーム総合成績 | FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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