2022/07/04(月) - 10:45
レースを見守る観客が沿道を埋めたデンマークの3日間。スプリントを制したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)は「精神的な苦難を家族と共に乗り越えツールに戻ってきた。この勝利は特別だ」と想いを噛み締めた。その他選手たちのコメントを含めて紹介します。
区間優勝 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
まず初めに、僕を再びツールに連れてきてくれた家族やチームに感謝したい。彼らのおかげでこれほど良い調子のままツールの臨むことができた。とても美しい勝利だった。(3年ぶりに)戻ってくるまでの道のりは肉体的ではなく精神的に様々な苦難があった。この勝利をあれほどの出来事を共に乗り越えてくれた妻と息子に捧げたい。
昨日のスプリントでは自分の不甲斐なさに憤りを感じていた。今日は集団内で身動きが取れないまま、残り9kmの落車に少し巻き込まれた。だがチームが勝負できる位置まで僕を連れて戻してくれ、チームとして冷静に対処することができた。
最終局面で僕はコース右側におり、アームングルンダール(ヤンセン)が左コーナーまで良い位置まで僕を運んでくれたんだ。その左コーナーで少し位置取りに苦労したものの、勝利には十分なポジションまで上げることができた。この勝利がいまだに信じられないよ。
区間2位&マイヨジョーヌ ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
ここまで来ると笑い話にすらならないね。ツールで3回連続の2位は記録になるんじゃないか?(1930年のアルフレッド・ビンダ以来2度目)
しかしこの結果の責任は僕にある。クリストフ(ラポルト)が最終盤で完璧なリードアウトをしてくれたんだ。彼をもう少しだけ信頼し、もう少しだけ長く彼のスリップストリームに入っていれば違う結果になっていたはずだ。数センチの差で敗れたんだ。風を受ける時間があと数秒短ければ勝てたはずだ。
フィニッシュ直後ディランに勝負の行方を聞いたんだ。正直僕が勝ったと思っていた。なぜなら「勝負が際どいときは勝っていなくても手を上げるべきだ」と教えてくれたのは彼だからね(笑)。
デンマークでのレースは本当に美しかった。もちろん初日を勝って2日目からマイヨジョーヌでこの観客の中を走りたかったが、今更悔やんでも仕方がない。だがマイヨジョーヌをフランスに運ぶことに誇りを感じている。マイヨジョーヌが2位という傷を癒やしてはくれるが、落ち込んでいるのは事実だよ。
区間4位 ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)
(ファンアールトの走りが斜行であるかを)判断するのは僕じゃない。フェンスのギリギリにいた僕を彼が更に右側に押しやってきたのは事実。だから僕も押し返すしかなかった。この後もたくさんのステージが待ち受けている。開幕3連戦を怪我なく走り切ることができて嬉しいよ。
区間7位 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)
昨日よりはリラックスして走ることができたが、最後は再び混沌としたスプリントになったね。ラスト1kmからは落車回避のため集団先頭にポジションを取り、良い位置で最終コーナーに突入することができた。ヤコブセンの後ろでタイミングを見計らっていたのだが、スプリントすらできなかった。だが感覚は良いので次回はより良い結果を目指したい。
区間9位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
皆の走りは素晴らしかった。残り70km地点辺りから随分長い時間、僕たちは集団の先頭付近で走っていた。特に道幅が狭くなる危険な区間は集団先頭でクリアしたんだ。そのおかげでストレスフリーなまま最終局面を迎えることができた。
いつもならコーナーでイン側からアウトに加速しながら最終ストレートに突入するのだが、今回はサガンやファンアールトがコース右側に寄ったせいで僕の前にスプリントする隙間はなかった。最終ストレートに入ってからもポジションを上げなければならなかったので、脚がフィレッシュな状態ではなかったんだ。もちろん勝ったフルーネウェーヘンも僕と同じ状況だったが、僕は勝負にすら絡むことができなかった。
2年前にツールで区間2勝した時は、どちらもスプリントで扉が開くように目の前にラインが現れた。それを運と呼ぶのかもしれない。今日はスプリンター全員がそれぞれのベストを尽くしたと思う。だが勝負はその扉が開くかどうかなんだ。脚の有り無しなんてそれに比べれば大したことじゃない。
ヤコブセンの最終リードアウトを務めたミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)
結果的にファビオ(ヤコブセン)ではなくユンボをリードアウトしてしまった。彼が僕の後ろにいると思っていた。僕の確認不足が招いた結果だ。デンマークを3戦全勝で去りたかっただけに残念だよ。
母国での3日間を終えたマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
混沌としたスプリントだった。僕たちにはリードアウトを組む戦力がないので最後は賭けに出たんだ。だが上手くはいかず、言い訳もない。
この3日間は言葉が見つからないほど素晴らしかった。本当に特別な体験だったよ。何もないコース脇でさえ多くの観客が集まり、大勢が僕たちに声援を送ってくれた。プロトンの選手たちが皆観客の盛り上がりについて話をしていたよ。予想以上だったかって?それを遥かに上回っていた。デンマークの皆に感謝を伝えたい。本当に素晴らしい3日間だった。
text:Sotaro.Arakawa
区間優勝 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
まず初めに、僕を再びツールに連れてきてくれた家族やチームに感謝したい。彼らのおかげでこれほど良い調子のままツールの臨むことができた。とても美しい勝利だった。(3年ぶりに)戻ってくるまでの道のりは肉体的ではなく精神的に様々な苦難があった。この勝利をあれほどの出来事を共に乗り越えてくれた妻と息子に捧げたい。
昨日のスプリントでは自分の不甲斐なさに憤りを感じていた。今日は集団内で身動きが取れないまま、残り9kmの落車に少し巻き込まれた。だがチームが勝負できる位置まで僕を連れて戻してくれ、チームとして冷静に対処することができた。
最終局面で僕はコース右側におり、アームングルンダール(ヤンセン)が左コーナーまで良い位置まで僕を運んでくれたんだ。その左コーナーで少し位置取りに苦労したものの、勝利には十分なポジションまで上げることができた。この勝利がいまだに信じられないよ。
区間2位&マイヨジョーヌ ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
ここまで来ると笑い話にすらならないね。ツールで3回連続の2位は記録になるんじゃないか?(1930年のアルフレッド・ビンダ以来2度目)
しかしこの結果の責任は僕にある。クリストフ(ラポルト)が最終盤で完璧なリードアウトをしてくれたんだ。彼をもう少しだけ信頼し、もう少しだけ長く彼のスリップストリームに入っていれば違う結果になっていたはずだ。数センチの差で敗れたんだ。風を受ける時間があと数秒短ければ勝てたはずだ。
フィニッシュ直後ディランに勝負の行方を聞いたんだ。正直僕が勝ったと思っていた。なぜなら「勝負が際どいときは勝っていなくても手を上げるべきだ」と教えてくれたのは彼だからね(笑)。
デンマークでのレースは本当に美しかった。もちろん初日を勝って2日目からマイヨジョーヌでこの観客の中を走りたかったが、今更悔やんでも仕方がない。だがマイヨジョーヌをフランスに運ぶことに誇りを感じている。マイヨジョーヌが2位という傷を癒やしてはくれるが、落ち込んでいるのは事実だよ。
区間4位 ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)
(ファンアールトの走りが斜行であるかを)判断するのは僕じゃない。フェンスのギリギリにいた僕を彼が更に右側に押しやってきたのは事実。だから僕も押し返すしかなかった。この後もたくさんのステージが待ち受けている。開幕3連戦を怪我なく走り切ることができて嬉しいよ。
区間7位 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)
昨日よりはリラックスして走ることができたが、最後は再び混沌としたスプリントになったね。ラスト1kmからは落車回避のため集団先頭にポジションを取り、良い位置で最終コーナーに突入することができた。ヤコブセンの後ろでタイミングを見計らっていたのだが、スプリントすらできなかった。だが感覚は良いので次回はより良い結果を目指したい。
区間9位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
#TDF2022
— Lotto Soudal (@Lotto_Soudal) July 3, 2022
@CalebEwan analysing stage three of @LeTour during the team's post-race debrief. pic.twitter.com/X5b3GXjfMC
皆の走りは素晴らしかった。残り70km地点辺りから随分長い時間、僕たちは集団の先頭付近で走っていた。特に道幅が狭くなる危険な区間は集団先頭でクリアしたんだ。そのおかげでストレスフリーなまま最終局面を迎えることができた。
いつもならコーナーでイン側からアウトに加速しながら最終ストレートに突入するのだが、今回はサガンやファンアールトがコース右側に寄ったせいで僕の前にスプリントする隙間はなかった。最終ストレートに入ってからもポジションを上げなければならなかったので、脚がフィレッシュな状態ではなかったんだ。もちろん勝ったフルーネウェーヘンも僕と同じ状況だったが、僕は勝負にすら絡むことができなかった。
2年前にツールで区間2勝した時は、どちらもスプリントで扉が開くように目の前にラインが現れた。それを運と呼ぶのかもしれない。今日はスプリンター全員がそれぞれのベストを尽くしたと思う。だが勝負はその扉が開くかどうかなんだ。脚の有り無しなんてそれに比べれば大したことじゃない。
ヤコブセンの最終リードアウトを務めたミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)
結果的にファビオ(ヤコブセン)ではなくユンボをリードアウトしてしまった。彼が僕の後ろにいると思っていた。僕の確認不足が招いた結果だ。デンマークを3戦全勝で去りたかっただけに残念だよ。
母国での3日間を終えたマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
混沌としたスプリントだった。僕たちにはリードアウトを組む戦力がないので最後は賭けに出たんだ。だが上手くはいかず、言い訳もない。
この3日間は言葉が見つからないほど素晴らしかった。本当に特別な体験だったよ。何もないコース脇でさえ多くの観客が集まり、大勢が僕たちに声援を送ってくれた。プロトンの選手たちが皆観客の盛り上がりについて話をしていたよ。予想以上だったかって?それを遥かに上回っていた。デンマークの皆に感謝を伝えたい。本当に素晴らしい3日間だった。
text:Sotaro.Arakawa
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