初日プロローグを終え、ジロ・ドンネ第2ステージはスプリントで決着。マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)を残り10mで抜き去ったエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)が、勝利と共にマリアローザ着用の夢を叶えた。



マリアローザを着用した前日勝者のクリステン・フォークナー(アメリカ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)マリアローザを着用した前日勝者のクリステン・フォークナー(アメリカ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) photo:CorVos
前日のプロローグ(第1ステージ扱い)を経て、第2ステージを迎えた女子ステージレース最高峰のジロ・デ・イタリア・ドンネ(ワールドツアー)。サルデーニャ島で行われたロードレース初日はヴィッラシミーウスから真南のトルトリを目指す106.5kmで、序盤の4級山岳以外は多少の起伏はありつつも概ね平坦路となっている。

序盤はスタート直後に飛び出したフランツィスカ・ブラウーセ(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)がこの日唯一のカテゴリー山岳をトップ通過して山岳ジャージ獲得に成功。その後プロトンに戻ったブラウーセの代わりに地元イタリア選手4名を含む6名の逃げグループが形成した。

区間通算31勝目を狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)区間通算31勝目を狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス) photo:CorVos
山岳賞ジャージを獲得したフランツィスカ・ブラウーセ(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)山岳賞ジャージを獲得したフランツィスカ・ブラウーセ(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング) photo:CorVos序盤からプロトンをコントロールしたトレック・セガフレード序盤からプロトンをコントロールしたトレック・セガフレード photo:CorVos

しかし若き世界王者のエリーザ・バルサモ(イタリア)で勝利を狙うトレック・セガフレードは3分以上のリードを許さずメイン集団をコントロールした。ユンボ・ヴィスマや今季上り調子のキアラ・コンソンニ(イタリア)を擁するバルカー・トラベル&サービスがプロトンの牽引に加わると、その差は一気に縮小。トルトリに引かれたフィニッシュラインまで残り10km地点で逃げが吸収され、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

フラムルージュ(残り1km)を前にレースの主導権を握ったのはジロ・ドンネ区間通算31勝目を目指すマリアンヌ・フォス(オランダ)のユンボ・ヴィスマ。カロリナ・クミエガ(ポーランド、バルカー・トラベル&サービス)によるアーリーアタックは捕まり、トレック・セガフレードの隊列を横目にフォスが残り150mからスプリントを開始した。

この動きにバルサモとロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)が反応して後ろにつくが、フォスは構わず踏み続ける。最後はフィニッシュ手前10mでスリップストリームを出て横に並んだバルサモとフォスがハンドルを投げ、バルサモが僅かな差で先着。母国最大のステージレースでの勝利と共にマリアローザを獲得した。

マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)の背後から飛び出したエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)の背後から飛び出したエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
接戦のスプリントを制したエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)接戦のスプリントを制したエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
地元イタリアで勝利を挙げたエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)地元イタリアで勝利を挙げたエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
「これが夢なら誰も私を起こさないで」と開口一番喜びを表現したバルサモ。「マリアンヌ(フォス)の強さは知っていたし、尊敬する選手とスプリントで争う度に喜びを感じている。イタリア人としてこのピンクジャージを着るのは夢であり、それが今叶った」と世界王者は喜びを語った。

翌日もサルデーニャ島の沿岸を走る113.4kmの平坦ステージ。再びとバルサモとフォスの対決が見られるか、あるいはコペッキーやコンソンニがそこに割って入るか?
ジロ・デ・イタリア・ドンネ2022第2ステージ
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) 2:39:13
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)
3位 シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)
4位 ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)
5位 キアラ・コンソンニ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス)
6位 ラケーレ・バルビエーリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ)
7位 ジョージア・ベイカー(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
8位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)
9位 シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ビーピンク)
10位 リー・リン・トイテンベルク(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
個人総合成績
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) 2:44:54
2位 クリステン・フォークナー(アメリカ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 0:04
3位 ジョージア・ベイカー(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 0:08
4位 ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) 0:10
5位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス) 0:12
6位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) 0:13
7位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) 0:14
8位 ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)
9位 リアンヌ・マークス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 0:15
10位 リア・トーマス(アメリカ、トレック・セガフレード) 0:16
その他の特別賞
ポイント賞 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
ヤングライダー賞 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
山岳賞 フランツィスカ・ブラウーセ(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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