2022/06/18(土) - 09:22
コロナ陽性や体調不良者など合わせて30名が不出走となったスイス6日目。2つの超級山岳を登る本格山岳ステージで、逃げたニコ・デンツ(ドイツ、チームDSM)が小集団スプリントを制し、ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)は総合首位をキープしている。
2日連続で訪れる本格山岳ステージの1つ目。ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)の6日目は、イタリアとの国境にもほど近いロカルノからペニンアルプス西部の超級山岳モーサルプ山頂までの177.5kmだ。コースは中盤の超級山岳ノヴェーナ峠(距離13.6km/平均7.8%)を越え、最後は超級山岳モーサルプ(距離17.7km/平均7.6%)にフィニッシュするシンプルなもの。総合優勝を争う選手たちによる山岳バトルが期待された。
前日勝者でリーダージャージを着用するはずだったアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)がコロナ陽性でレースを去ったこの日、同じく新城幸也のバーレーン・ヴィクトリアスやUAEチームエミレーツは陽性者を出しチームごと撤退。体調不良者を合わせて30名が未出走のため、93名の選手がロカルノの街でスタートを切った。
逃げ切りを目指して序盤から飛び出したのはクレマン・シャンプッサン(フランス、AG2Rシトロエン)やファウスト・マスナダ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)ら強力クライマーを含む12名の選手たち。そこに加わった山岳賞ジャージのクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)が最初の超級山岳をトップ通過して20ポイントを加算すると、その後に設定された2つの中間スプリントポイントはマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が先頭で通過。シモンズは山岳賞のリードを拡大し、マシューズはアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)からポイント賞ジャージを奪い取った。
一方でプロトンの牽引を担当したのは、図らずもリーダーチームとなったイスラエル・プレミアテック。逃げ集団で最も総合タイムが良いファウスト・マスナダ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)でも9分4秒遅れと総合首位ヤコブ・フルサン(デンマーク)を脅かさないため、逃げ切りをほぼ容認するタイム差でレースは進行していく。逃げグループが約6分のリードのままフィニッシュの待つ超級山岳モーサルプ(距離17.7km/平均7.6%)に突入すると、マスナダとニコ・デンツ(ドイツ、チームDSM)がシッティングのままペースアップを敢行した。
この先行する2人にシャンプッサンとホセ・エラダ(スペイン、コフィディス)が約10kmをかけて追いつくと、牽制状態に入りペースが落ちた先頭集団に残り400mでシモンズも合流する。このまま5名のスプリントに持ち込まれると、シモンズの先制アタックをシャンプッサンとデンツが追い抜き、ハンドルを投げた勝負の行方は写真判定へ。その結果、デンツがワールドツアー初勝利を掴み取った。
「この勝利が僕にとってどれほど価値のあるものか、言葉では表現し切れない。序盤から逃げに乗り、チームカーから氷やドリンクをもらい身体を冷やしたことが勝因の一つ。最終山岳は遅れないことを念頭に登り、とにかく向かい風が強かったよ。最後の地形はチームカーが教えてくれたので冷静にタイミングを待ち、素晴らしい勝利を掴むことができた」と、キャリアハイとなる勝利を挙げたデンツは喜んだ。
一方のメイン集団ではマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)のアタックをリーダージャージのフルサンが自ら潰した以外、目立った動きはなかった。その後はゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のためにダニエル・マルティネス(コロンビア)がハイスピードで牽引し、トーマスが集団の先頭を取ったものの、ライバルたちが同タイムでフィニッシュしたため総合順位に大きな変動はなかった。
2日連続で訪れる本格山岳ステージの1つ目。ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)の6日目は、イタリアとの国境にもほど近いロカルノからペニンアルプス西部の超級山岳モーサルプ山頂までの177.5kmだ。コースは中盤の超級山岳ノヴェーナ峠(距離13.6km/平均7.8%)を越え、最後は超級山岳モーサルプ(距離17.7km/平均7.6%)にフィニッシュするシンプルなもの。総合優勝を争う選手たちによる山岳バトルが期待された。
前日勝者でリーダージャージを着用するはずだったアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)がコロナ陽性でレースを去ったこの日、同じく新城幸也のバーレーン・ヴィクトリアスやUAEチームエミレーツは陽性者を出しチームごと撤退。体調不良者を合わせて30名が未出走のため、93名の選手がロカルノの街でスタートを切った。
逃げ切りを目指して序盤から飛び出したのはクレマン・シャンプッサン(フランス、AG2Rシトロエン)やファウスト・マスナダ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)ら強力クライマーを含む12名の選手たち。そこに加わった山岳賞ジャージのクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)が最初の超級山岳をトップ通過して20ポイントを加算すると、その後に設定された2つの中間スプリントポイントはマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が先頭で通過。シモンズは山岳賞のリードを拡大し、マシューズはアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)からポイント賞ジャージを奪い取った。
一方でプロトンの牽引を担当したのは、図らずもリーダーチームとなったイスラエル・プレミアテック。逃げ集団で最も総合タイムが良いファウスト・マスナダ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)でも9分4秒遅れと総合首位ヤコブ・フルサン(デンマーク)を脅かさないため、逃げ切りをほぼ容認するタイム差でレースは進行していく。逃げグループが約6分のリードのままフィニッシュの待つ超級山岳モーサルプ(距離17.7km/平均7.6%)に突入すると、マスナダとニコ・デンツ(ドイツ、チームDSM)がシッティングのままペースアップを敢行した。
この先行する2人にシャンプッサンとホセ・エラダ(スペイン、コフィディス)が約10kmをかけて追いつくと、牽制状態に入りペースが落ちた先頭集団に残り400mでシモンズも合流する。このまま5名のスプリントに持ち込まれると、シモンズの先制アタックをシャンプッサンとデンツが追い抜き、ハンドルを投げた勝負の行方は写真判定へ。その結果、デンツがワールドツアー初勝利を掴み取った。
「この勝利が僕にとってどれほど価値のあるものか、言葉では表現し切れない。序盤から逃げに乗り、チームカーから氷やドリンクをもらい身体を冷やしたことが勝因の一つ。最終山岳は遅れないことを念頭に登り、とにかく向かい風が強かったよ。最後の地形はチームカーが教えてくれたので冷静にタイミングを待ち、素晴らしい勝利を掴むことができた」と、キャリアハイとなる勝利を挙げたデンツは喜んだ。
一方のメイン集団ではマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)のアタックをリーダージャージのフルサンが自ら潰した以外、目立った動きはなかった。その後はゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のためにダニエル・マルティネス(コロンビア)がハイスピードで牽引し、トーマスが集団の先頭を取ったものの、ライバルたちが同タイムでフィニッシュしたため総合順位に大きな変動はなかった。
ツール・ド・スイス2022第6ステージ結果
1位 | ニコ・デンツ(ドイツ、チームDSM) | 5:11:14 |
2位 | クレマン・シャンプッサン(フランス、AG2Rシトロエン) | |
3位 | ホセ・エラダ(スペイン、コフィディス) | |
4位 | クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード) | |
5位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) | 0:11 |
6位 | カンタン・パシェ(フランス、グルパマ・エフデジ) | 1:33 |
7位 | ローランド・テールマン(スイスナショナルチーム) | 1:46 |
8位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 2:14 |
9位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック) |
個人総合成績
1位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック) | 27:30:30 |
2位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:01 |
3位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:10 |
4位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | 0:26 |
5位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:34 |
6位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) | 0:46 |
7位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 0:49 |
8位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) | 1:00 |
9位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 1:07 |
10位 | セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ) | 1:29 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) |
山岳賞 | クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード) |
ヤングライダー賞 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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