2022/06/11(土) - 17:10
コルナゴがオールラウンドレーシングバイクのPROTOTIPO(プロトタイプ)を発表。タデイ・ポガチャルが駆りツール2連覇を果たしたV3-RSの次世代機の最終試作モデルとなり、UAEチームエミレーツの選手らがツールで使用する可能性があるという。
ツール・ド・フランスを2連覇し、3度目の勝利の期待もかかるタデイ・ポガチャル。過去2年にわたり、彼が駆ったのがコルナゴのオールラウンドレーサーであるV3-RSだ。軽量なモノコックフレームにカムテールデザインを組み合わせることで、登りから平地まで隙を見せることなく活躍するレーシングバイクだ。
今回コルナゴは、おそらくそのV3-RSの後継となる新モデルが最終テスト段階にあることを発表した。V3-RSのエッセンスを受け継ぎつつも、よりエッジの効かされたデザインが、更に軽量かつエアロに優れた性能を予感させる。
PROTOTIPO(イタリア語でプロトタイプ)という名で発表されたこのバイクの開発にあたり、コルナゴは全く新たなアプローチを採用したという。それが、先日発表されたC68のフレームを構成するパーツを用いてPROTOTIPOのカーボン積層をテストするという手法だ。
モノコックではなくモジュラーパーツで構成されるC68をテストベッドとすることで、チューブそれぞれの異なるカーボン積層を、より短いスパンで比較検証することが可能となったという。多くのテストを重ねた結果、残ったのが5つの異なる積層パターンの最終テストモデルだった。この5つの最終プロトバイクをコルナゴはUAEチームエミレーツに提供。実際のレースの過酷なシチュエーションに晒すことで、最も優れた一台を選びだそうとしている。
このアプローチについて、コルナゴのR&D責任者であるダヴィデ・フマガッリは次のように述べている。「このフレームの性能を向上させるために、我々は全く新しい方法を用いました。それはUAEチームエミレーツの選手と直接協力し、異なるカーボンラミネーションを用いて製造したフレームでレースに参加することを提案したのです。最終的な目標は、スプリンター、ルーラー、クライマーなど幅広いニーズに対応し、あらゆるレースの局面でアドバンテージを得ることが出来る、最高の汎用性を持ったバイクを実現するためのカーボン積層パターンを見出すことです。
コンピューターや風洞でのテストは重要ですが、それには限界があります。レース特有の状況、路面の凹凸、地形によるストレス、空力的な乱れ、レース中に何度も起こる加減速といった、複雑な状況を再現することは不可能ではないにしても、困難なことです。現在の開発レベルでは、そういったアプローチのみでバイクを改善することはますます難しくなっています。ですから、1日に何時間も自転車に乗るプロライダーの経験を生かすことで、私たちのレーシングバイクはさらに重要な一歩を踏み出すことができるでしょう」。
このように、新たな開発手法を通じてカーボン積層のレベルアップを図るコルナゴだが、バイク全体の設計についても新たなアプローチをとっている。このバイクのキーポイントとなるのが、よりボリュームのあるBBエリアと、エッジが立てられたヘッドチューブであり、その目指すところはバイクの性能と美しいデザインの両立にあると、コルナゴはいう。
PROTOTIPOの開発にあたり、コルナゴは過去にBMCやキャノンデール、そしてBMWなどで活躍したインダストリアルデザイナーのトールニー・フィエルドスカーを招聘。自転車のみならず、自動車の世界でも多くの経験を持つ世界的デザイナーは「最高のパフォーマンスを得ることを最優先にしたデザインを作ることがこのバイクの出発点でした」と語っている。
ペダリングによるストレスが最も大きい部分の剛性を高め、フレーム全体の重量に対して空気抵抗を減らすという目標を掲げ、R&Dチームと共に取り組んだフィエルドスカー。中でもポイントとなったのがヘッドチューブのデザインで、空力の改善のみならず剛性向上にも寄与し、鋭い反応性を持ったバイクに仕上げることが出来たという。
C68、TT1と、レーシングバイクのラインアップを次々に刷新しているコルナゴだが、その勢いはとどまるところを知らない。このPROTOTIPOがポガチャルらの手でテストされ、プロダクトモデルとして発表される未来はそう遠くないだろう。
ツール・ド・フランスを2連覇し、3度目の勝利の期待もかかるタデイ・ポガチャル。過去2年にわたり、彼が駆ったのがコルナゴのオールラウンドレーサーであるV3-RSだ。軽量なモノコックフレームにカムテールデザインを組み合わせることで、登りから平地まで隙を見せることなく活躍するレーシングバイクだ。
今回コルナゴは、おそらくそのV3-RSの後継となる新モデルが最終テスト段階にあることを発表した。V3-RSのエッセンスを受け継ぎつつも、よりエッジの効かされたデザインが、更に軽量かつエアロに優れた性能を予感させる。
PROTOTIPO(イタリア語でプロトタイプ)という名で発表されたこのバイクの開発にあたり、コルナゴは全く新たなアプローチを採用したという。それが、先日発表されたC68のフレームを構成するパーツを用いてPROTOTIPOのカーボン積層をテストするという手法だ。
モノコックではなくモジュラーパーツで構成されるC68をテストベッドとすることで、チューブそれぞれの異なるカーボン積層を、より短いスパンで比較検証することが可能となったという。多くのテストを重ねた結果、残ったのが5つの異なる積層パターンの最終テストモデルだった。この5つの最終プロトバイクをコルナゴはUAEチームエミレーツに提供。実際のレースの過酷なシチュエーションに晒すことで、最も優れた一台を選びだそうとしている。
このアプローチについて、コルナゴのR&D責任者であるダヴィデ・フマガッリは次のように述べている。「このフレームの性能を向上させるために、我々は全く新しい方法を用いました。それはUAEチームエミレーツの選手と直接協力し、異なるカーボンラミネーションを用いて製造したフレームでレースに参加することを提案したのです。最終的な目標は、スプリンター、ルーラー、クライマーなど幅広いニーズに対応し、あらゆるレースの局面でアドバンテージを得ることが出来る、最高の汎用性を持ったバイクを実現するためのカーボン積層パターンを見出すことです。
コンピューターや風洞でのテストは重要ですが、それには限界があります。レース特有の状況、路面の凹凸、地形によるストレス、空力的な乱れ、レース中に何度も起こる加減速といった、複雑な状況を再現することは不可能ではないにしても、困難なことです。現在の開発レベルでは、そういったアプローチのみでバイクを改善することはますます難しくなっています。ですから、1日に何時間も自転車に乗るプロライダーの経験を生かすことで、私たちのレーシングバイクはさらに重要な一歩を踏み出すことができるでしょう」。
このように、新たな開発手法を通じてカーボン積層のレベルアップを図るコルナゴだが、バイク全体の設計についても新たなアプローチをとっている。このバイクのキーポイントとなるのが、よりボリュームのあるBBエリアと、エッジが立てられたヘッドチューブであり、その目指すところはバイクの性能と美しいデザインの両立にあると、コルナゴはいう。
PROTOTIPOの開発にあたり、コルナゴは過去にBMCやキャノンデール、そしてBMWなどで活躍したインダストリアルデザイナーのトールニー・フィエルドスカーを招聘。自転車のみならず、自動車の世界でも多くの経験を持つ世界的デザイナーは「最高のパフォーマンスを得ることを最優先にしたデザインを作ることがこのバイクの出発点でした」と語っている。
ペダリングによるストレスが最も大きい部分の剛性を高め、フレーム全体の重量に対して空気抵抗を減らすという目標を掲げ、R&Dチームと共に取り組んだフィエルドスカー。中でもポイントとなったのがヘッドチューブのデザインで、空力の改善のみならず剛性向上にも寄与し、鋭い反応性を持ったバイクに仕上げることが出来たという。
C68、TT1と、レーシングバイクのラインアップを次々に刷新しているコルナゴだが、その勢いはとどまるところを知らない。このPROTOTIPOがポガチャルらの手でテストされ、プロダクトモデルとして発表される未来はそう遠くないだろう。
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