2022/06/09(木) - 08:21
真っ平らな個人TTで世界王者フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)がトップタイム。ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)は2秒届かず連日の2位に終わったものの、総合リード拡大に成功している。
今大会唯一のタイムトライアル・デー。第74回クリテリウム・デュ・ドーフィネの第4ステージは、モンブリゾンを出発し、ラ・バティ・ドゥルフェを目指す31.9kmの個人タイムトライアル。比較的距離の長い個人TTであるため、スペシャリストはもちろん、総合勢にとっても成績争いの上で重要なキーとなる。
現地時間13時6分、総合成績最下位のマシュー・ウォールズ(イギリス、ボーラ・ハンスグローエ)から1分おきに選手たちが出走台を駆け降りていく。20番手のルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がキープしていた暫定首位を大きく塗り替えたのは、47番手出走の個人タイムトライアル世界チャンピオン、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)だった。
アルカンシエルに身を包んで走ったガンナは、最終的に区間6位に入るダーブリッジのタイムを2つの中間計測ポイントで次々と更新。パワーがモノを言う平坦コースを35分32秒、平均スピードにして53.865km/hで走り切った。
「すごく僕向きのコースだった。朝に雨が降っているのを見て気が重たかったけれど、幸い晴れ間が出て全員が同じコンディションで走ることができた」と話すガンナは、長きに渡ってホットシートを守り続けることとなった。
トラックスペシャリストでもあるイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)はガンナから僅か17秒遅れ、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)も1分12秒遅れと好走する中、UAEチームエミレーツの総合エースを担うブランドン・マクナルティ(アメリカ)は、途中のメカトラブルも重なり2分21秒遅れと失速してしまった。
悲願のツール・ド・フランス総合優勝に向けて弾みをつけたいプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は中間計測タイムでヘイターに次ぐペースで走り、最終的にガンナから39秒遅れとまとめきる。「もっと登りがあるコースの方が好きだけど、かなり上手く走ることができた。限界までプッシュできたしメンタル的にも良い状態。終盤に控える山岳が楽しみだ」と、総合成績を5位に上げたログリッチは話している。
前日勝者で、総合2位のダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)は決して得意と言えないTTで1分59秒遅れとタイムを落としてしまう。そして現地時間16時ちょうど、マイヨジョーヌを着る最終走者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がスタートを切った。
過去2度のベルギー個人TT王者であり、昨年のツール・ド・フランス第20ステージ(個人TT)でも勝利したファンアールトは、集中した表情で駆け抜けた第1中間計測でガンナを10秒以上上回る。しかしその後徐々にペースを落とし、第2中間計測ポイントでは逆に11秒遅れ。「遅れを取り戻そうと戦ったけれど僅かに足りなかった」と飛び込んだフィニッシュでは、わずか2.30秒ガンナに届かなかった。
こうしてガンナのステージ優勝と、ファンアールトのステージ2位&マイヨジョーヌ安泰キープが確定。今季5度目の個人TT優勝を射止めたガンナは「いつだって僕たちは僅差。ファンアールトは昨日の時点でステージ優勝まであと一歩だった。彼は素晴らしいアスリートで、彼には脱帽としか言えないよ」とライバルを称えている。
ゴデュが大きく遅れたため、ファンアールトは総合2位に浮上したマティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)に対して53秒差とさらにリードを広げる形に。「この結果に満足だ。世界チャンピオンに負けるのは恥ずかしいことではない。ここまで毎日ステージ優勝争いに加わることができ、この先もこの調子で進めたい。このマイヨジョーヌをもう暫くキープしたい」と話している。
ユンボ・ヴィスマは総合成績でも首位にファンアールトを、3位にログリッチを、4位にヴィンゲゴーを送り込み、頭ひとつ抜けたチーム戦力を今一度アピールする形となった。
今大会唯一のタイムトライアル・デー。第74回クリテリウム・デュ・ドーフィネの第4ステージは、モンブリゾンを出発し、ラ・バティ・ドゥルフェを目指す31.9kmの個人タイムトライアル。比較的距離の長い個人TTであるため、スペシャリストはもちろん、総合勢にとっても成績争いの上で重要なキーとなる。
現地時間13時6分、総合成績最下位のマシュー・ウォールズ(イギリス、ボーラ・ハンスグローエ)から1分おきに選手たちが出走台を駆け降りていく。20番手のルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がキープしていた暫定首位を大きく塗り替えたのは、47番手出走の個人タイムトライアル世界チャンピオン、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)だった。
アルカンシエルに身を包んで走ったガンナは、最終的に区間6位に入るダーブリッジのタイムを2つの中間計測ポイントで次々と更新。パワーがモノを言う平坦コースを35分32秒、平均スピードにして53.865km/hで走り切った。
「すごく僕向きのコースだった。朝に雨が降っているのを見て気が重たかったけれど、幸い晴れ間が出て全員が同じコンディションで走ることができた」と話すガンナは、長きに渡ってホットシートを守り続けることとなった。
トラックスペシャリストでもあるイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)はガンナから僅か17秒遅れ、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)も1分12秒遅れと好走する中、UAEチームエミレーツの総合エースを担うブランドン・マクナルティ(アメリカ)は、途中のメカトラブルも重なり2分21秒遅れと失速してしまった。
悲願のツール・ド・フランス総合優勝に向けて弾みをつけたいプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は中間計測タイムでヘイターに次ぐペースで走り、最終的にガンナから39秒遅れとまとめきる。「もっと登りがあるコースの方が好きだけど、かなり上手く走ることができた。限界までプッシュできたしメンタル的にも良い状態。終盤に控える山岳が楽しみだ」と、総合成績を5位に上げたログリッチは話している。
前日勝者で、総合2位のダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)は決して得意と言えないTTで1分59秒遅れとタイムを落としてしまう。そして現地時間16時ちょうど、マイヨジョーヌを着る最終走者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がスタートを切った。
過去2度のベルギー個人TT王者であり、昨年のツール・ド・フランス第20ステージ(個人TT)でも勝利したファンアールトは、集中した表情で駆け抜けた第1中間計測でガンナを10秒以上上回る。しかしその後徐々にペースを落とし、第2中間計測ポイントでは逆に11秒遅れ。「遅れを取り戻そうと戦ったけれど僅かに足りなかった」と飛び込んだフィニッシュでは、わずか2.30秒ガンナに届かなかった。
こうしてガンナのステージ優勝と、ファンアールトのステージ2位&マイヨジョーヌ安泰キープが確定。今季5度目の個人TT優勝を射止めたガンナは「いつだって僕たちは僅差。ファンアールトは昨日の時点でステージ優勝まであと一歩だった。彼は素晴らしいアスリートで、彼には脱帽としか言えないよ」とライバルを称えている。
ゴデュが大きく遅れたため、ファンアールトは総合2位に浮上したマティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)に対して53秒差とさらにリードを広げる形に。「この結果に満足だ。世界チャンピオンに負けるのは恥ずかしいことではない。ここまで毎日ステージ優勝争いに加わることができ、この先もこの調子で進めたい。このマイヨジョーヌをもう暫くキープしたい」と話している。
ユンボ・ヴィスマは総合成績でも首位にファンアールトを、3位にログリッチを、4位にヴィンゲゴーを送り込み、頭ひとつ抜けたチーム戦力を今一度アピールする形となった。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2022第4ステージ結果
個人総合成績
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 13:26:06 |
2位 | マティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) | +0:53 |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:56 |
4位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | +1:26 |
5位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:39 |
7位 | タオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:45 |
8位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +1:48 |
9位 | マッテオ・ヨルゲンセン(アメリカ、モビスター) | +1:50 |
10位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +2:00 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ KTM) |
ヤングライダー賞 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィズマ |
text:So Isobe
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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