2022/06/12(日) - 18:34
「富士ヒル」を2週間後に控えた5月最後の週末に、CW取材班が個性的なライダーとバイクを求め檜原都民の森へ突撃取材した続編。取材班の目を惹いたバイクとオーナーを紹介します。
村上和也さん Cherubim RT
もし、この日取材したバイクの中で「美しいバイクで賞」を用意するならば、そのハンドメイドバイク部門でぶっちぎり優勝だったのが村上和也さん(Cherubim RT)のケルビム Racer。隅から隅までこだわり抜いたパーツアッセンブルで、よく見ればフレームも特注ステンレス製というスペシャルな仕上がりの一台だ。
「15,6年前にオーダーしたStickeyに続く2台目のケルビムなんです。レース出場を見据えたチョイスだったんですが、Stickeyと比べると硬くて体調の良い日じゃないと気持ち良く走れません」と笑う村上さん。工房の前を通るたびに憧れを膨らませ、勇気を出してお店に足を踏み入れた、とも。
カンパニョーロ好き、そしてせっかく走り性能の高いバイク、さらに長期ツーリングの整備性も踏まえて機械式変速のスーパーレコードを選び、ホイールもBORA ULTRAに統一。ブラックとグレーのフレームカラーは、ホイールのデカールに合わせて統一感を狙ったものだという。バイク自体もステンレスパイプ(コロンブスのXCR)への変更に加え、通常よりも細身のトップチューブ、さらにはヘッドチューブもストレートではなくアワーグラス形状に変えるなど、オリジナリティ満点。ヘッドチューブ側面に溶接取り付けした傷つき防止のステン棒は、ヨーロッパのビルダーに倣ったものだそう。
村上さんはオーダーバイクを選んだ理由を、「やはり吊るしのバイクだと、ホイールを替えコンポを替え、しまいにはフレームも変えることになる。それなら最初からフルオーダーで満足いくモノを私は選びたかった」と言う。「スーツも同じですよね。ちょっとこだわるとイタリアのブランド物を欲しくなるけれど、結局は街のテーラーメイドの方があう。それと同じです」とも。
「勇気を出して門を叩いて本当に良かった」と言う村上さんは、今夏はイタリアのドロミテ山岳サイクリングを予定しているのだそう。「コルティナダンペッツォに滞在して周囲の絶景峠を走りたいな、と。これで行くかStickeyにするかは迷っていますけどね(笑)」。
満生将成さん(サイクルショップミツイキ)ピナレロ DOGMA F
お揃いのチームジャージに身を包み、都民の森の看板前で記念撮影をしてた御一行。その中心にいた満生さんにお声掛けしたところ、国分寺にお店を構えるサイクルショップミツイキの3代目なのだとか。そのバイクを見せてもらうと、昨年発売されたピナレロ DOGMA Fではないですか!しかも発売当初から大人気&品薄のプルトニウムフラッシュカラー!
「元々乗っていたDOGMA F12が本当に素晴らしく、ここからどう進化するかを確かめたかったので」と、何ともショップ店員らしい選定理由を語ってくれた満生さん。インナーのバロックギヤ以外はほぼ完成車のままだというバイクには、デュラエースのC36ホイールに「今日はじめて装着しましたが好感触です」というAGILEST TLR 25C が装着されていた。
DOGMA Fの印象を伺うと「とにかく”乗れば分かる!”って感じですね。公表されている265gの軽量化以上の軽さを感じますし、ハイエンドバイクを乗りこなせるか不安に思う人にもオススメです。どんな方でも受け入れてくれる、許容範囲が更に広くなった1台です」と評してくれました。
最後にショップの宣伝をお願いしたところ「サイクルショップミツイキはお客様と非常に仲の良いショップで、初心者からベテランの方まで大歓迎しています。土曜日は初心者の方をターゲットにした多摩湖へのライドをしており、どんな方でもウェルカムです。また買った後のサポートもバッチリです!」と完璧にまとめてくれた満生さん。
ちなみに我々シクロワイアードは”レコメンドショップ”を随時募集しておりまして、是非とも検討頂けますと幸いです。連絡お待ちしております(営業)。
佐々木愛(サイクルショップミツイキ)ピナレロ RAZHA
満生さんにお仲間の紹介をお願いしたところ「いいですよ。それなら…お〜い!佐々木さ〜ん!!」と取材に快く応じてくれた佐々木愛さん。お兄さんから譲り受けたクロスバイクから昨年7月に乗り換えた初めてのロードバイクは、波打つフォークとシートステーの形状が特徴的なピナレロ RAZHAだ。
「色々なバイクショップを巡るなか、いいなと思ったのがこのお店(サイクルショップミツイキ)でした」と言う佐々木さん(と、隣で笑顔がこぼれる満生さん)。DOGMA 65.1を思わせる造形に加え、28Cまでクリアランスが広がるアップデートがなされたバイクについて「見た目がカッコよくて気に入っています」と話してくれた。
普段はグルメライド、特にパン(屋巡り)ライドに勤む佐々木さん。目下の目標は今年初参戦が決まっている富士ヒルクライムで、今回はその予行練習を兼ねて都民の森にやってきたのだとか。
「先日タイヤを変えたらそれだけ走りの軽さを感じたので、少しずつ速くなれる方法を探していきたいです」と言いながらも、「でも、あくまで目標は自転車を長く楽しむこと。だからあまり頑張りすぎないよう心がけています」、とも。取材や撮影中、後ろでワイワイガヤガヤと盛り上がるサイクルショップミツイキのメンバーの皆さんと良き自転車ライフを!
曽我部聡さん タイム ALPE D’HUEZ
フランスの雄、タイムのALPE D’HUEZ(アルプデュエズ)で駆け上がってきた曽我部さん。しかもタイム独自のアクティブフォークに、ホイールは…カデックス?一筋縄ではないバイクチョイスに思わず声を掛けさせて頂きました。
お話を伺ったところ生粋の”タイム好き”と判明。「これまで様々なバイクに乗ってきたのですが、RTM(タイムが誇る独自工法)がもたらす効果は絶大で、乗り味が抜群に良いからですね」と語るように、曽我部さんはこの他にVXRSを2台(完成車とフレーム)を所有するのだとか!
そんなタイム愛溢れる曽我部さんがヒルクライム用に選んだのは、フランスの名峰から名付けられた軽量バイクのALPE D’HUEZ(アルプデュエズ)だ。「アクティブフォークに電動シフト、ディスクブレーキといままで使ったことない3つが揃っていたので」と語るなか、このバイク最大の特徴であるタイム独自のAKTIV(アクティブ)フォークについては「本当に細かい振動をすべてなくしてくれますね」と、その効果を語ってくれました。
レース等など今後の目標を聞くと「もうないです!惰性で乗ってるだけですよ」と言いながらも、ホイールは昨年購入したというカデックスのCADEX 42 DISC TUBELESS。しかもコンポーネントがカンパニョーロ SUPER RECORDのため、日本では珍しいカンパ仕様のカデックスなのだ。惰性で乗ってる人はそんなホイール選びません!(笑)。自分の”好き”をひたすらに追求する、とても素敵なお話を聞かせて頂きました。
text&photo:So.Isobe
text:Sotaro.Arakawa
村上和也さん Cherubim RT
もし、この日取材したバイクの中で「美しいバイクで賞」を用意するならば、そのハンドメイドバイク部門でぶっちぎり優勝だったのが村上和也さん(Cherubim RT)のケルビム Racer。隅から隅までこだわり抜いたパーツアッセンブルで、よく見ればフレームも特注ステンレス製というスペシャルな仕上がりの一台だ。
「15,6年前にオーダーしたStickeyに続く2台目のケルビムなんです。レース出場を見据えたチョイスだったんですが、Stickeyと比べると硬くて体調の良い日じゃないと気持ち良く走れません」と笑う村上さん。工房の前を通るたびに憧れを膨らませ、勇気を出してお店に足を踏み入れた、とも。
カンパニョーロ好き、そしてせっかく走り性能の高いバイク、さらに長期ツーリングの整備性も踏まえて機械式変速のスーパーレコードを選び、ホイールもBORA ULTRAに統一。ブラックとグレーのフレームカラーは、ホイールのデカールに合わせて統一感を狙ったものだという。バイク自体もステンレスパイプ(コロンブスのXCR)への変更に加え、通常よりも細身のトップチューブ、さらにはヘッドチューブもストレートではなくアワーグラス形状に変えるなど、オリジナリティ満点。ヘッドチューブ側面に溶接取り付けした傷つき防止のステン棒は、ヨーロッパのビルダーに倣ったものだそう。
村上さんはオーダーバイクを選んだ理由を、「やはり吊るしのバイクだと、ホイールを替えコンポを替え、しまいにはフレームも変えることになる。それなら最初からフルオーダーで満足いくモノを私は選びたかった」と言う。「スーツも同じですよね。ちょっとこだわるとイタリアのブランド物を欲しくなるけれど、結局は街のテーラーメイドの方があう。それと同じです」とも。
「勇気を出して門を叩いて本当に良かった」と言う村上さんは、今夏はイタリアのドロミテ山岳サイクリングを予定しているのだそう。「コルティナダンペッツォに滞在して周囲の絶景峠を走りたいな、と。これで行くかStickeyにするかは迷っていますけどね(笑)」。
満生将成さん(サイクルショップミツイキ)ピナレロ DOGMA F
お揃いのチームジャージに身を包み、都民の森の看板前で記念撮影をしてた御一行。その中心にいた満生さんにお声掛けしたところ、国分寺にお店を構えるサイクルショップミツイキの3代目なのだとか。そのバイクを見せてもらうと、昨年発売されたピナレロ DOGMA Fではないですか!しかも発売当初から大人気&品薄のプルトニウムフラッシュカラー!
「元々乗っていたDOGMA F12が本当に素晴らしく、ここからどう進化するかを確かめたかったので」と、何ともショップ店員らしい選定理由を語ってくれた満生さん。インナーのバロックギヤ以外はほぼ完成車のままだというバイクには、デュラエースのC36ホイールに「今日はじめて装着しましたが好感触です」というAGILEST TLR 25C が装着されていた。
DOGMA Fの印象を伺うと「とにかく”乗れば分かる!”って感じですね。公表されている265gの軽量化以上の軽さを感じますし、ハイエンドバイクを乗りこなせるか不安に思う人にもオススメです。どんな方でも受け入れてくれる、許容範囲が更に広くなった1台です」と評してくれました。
最後にショップの宣伝をお願いしたところ「サイクルショップミツイキはお客様と非常に仲の良いショップで、初心者からベテランの方まで大歓迎しています。土曜日は初心者の方をターゲットにした多摩湖へのライドをしており、どんな方でもウェルカムです。また買った後のサポートもバッチリです!」と完璧にまとめてくれた満生さん。
ちなみに我々シクロワイアードは”レコメンドショップ”を随時募集しておりまして、是非とも検討頂けますと幸いです。連絡お待ちしております(営業)。
佐々木愛(サイクルショップミツイキ)ピナレロ RAZHA
満生さんにお仲間の紹介をお願いしたところ「いいですよ。それなら…お〜い!佐々木さ〜ん!!」と取材に快く応じてくれた佐々木愛さん。お兄さんから譲り受けたクロスバイクから昨年7月に乗り換えた初めてのロードバイクは、波打つフォークとシートステーの形状が特徴的なピナレロ RAZHAだ。
「色々なバイクショップを巡るなか、いいなと思ったのがこのお店(サイクルショップミツイキ)でした」と言う佐々木さん(と、隣で笑顔がこぼれる満生さん)。DOGMA 65.1を思わせる造形に加え、28Cまでクリアランスが広がるアップデートがなされたバイクについて「見た目がカッコよくて気に入っています」と話してくれた。
普段はグルメライド、特にパン(屋巡り)ライドに勤む佐々木さん。目下の目標は今年初参戦が決まっている富士ヒルクライムで、今回はその予行練習を兼ねて都民の森にやってきたのだとか。
「先日タイヤを変えたらそれだけ走りの軽さを感じたので、少しずつ速くなれる方法を探していきたいです」と言いながらも、「でも、あくまで目標は自転車を長く楽しむこと。だからあまり頑張りすぎないよう心がけています」、とも。取材や撮影中、後ろでワイワイガヤガヤと盛り上がるサイクルショップミツイキのメンバーの皆さんと良き自転車ライフを!
曽我部聡さん タイム ALPE D’HUEZ
フランスの雄、タイムのALPE D’HUEZ(アルプデュエズ)で駆け上がってきた曽我部さん。しかもタイム独自のアクティブフォークに、ホイールは…カデックス?一筋縄ではないバイクチョイスに思わず声を掛けさせて頂きました。
お話を伺ったところ生粋の”タイム好き”と判明。「これまで様々なバイクに乗ってきたのですが、RTM(タイムが誇る独自工法)がもたらす効果は絶大で、乗り味が抜群に良いからですね」と語るように、曽我部さんはこの他にVXRSを2台(完成車とフレーム)を所有するのだとか!
そんなタイム愛溢れる曽我部さんがヒルクライム用に選んだのは、フランスの名峰から名付けられた軽量バイクのALPE D’HUEZ(アルプデュエズ)だ。「アクティブフォークに電動シフト、ディスクブレーキといままで使ったことない3つが揃っていたので」と語るなか、このバイク最大の特徴であるタイム独自のAKTIV(アクティブ)フォークについては「本当に細かい振動をすべてなくしてくれますね」と、その効果を語ってくれました。
レース等など今後の目標を聞くと「もうないです!惰性で乗ってるだけですよ」と言いながらも、ホイールは昨年購入したというカデックスのCADEX 42 DISC TUBELESS。しかもコンポーネントがカンパニョーロ SUPER RECORDのため、日本では珍しいカンパ仕様のカデックスなのだ。惰性で乗ってる人はそんなホイール選びません!(笑)。自分の”好き”をひたすらに追求する、とても素敵なお話を聞かせて頂きました。
text&photo:So.Isobe
text:Sotaro.Arakawa
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