2022/05/22(日) - 16:27
3級山岳の頂上にフィニッシュするブルゴス3日目で、残り14kmから飛び出した38歳のマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)が勝利。超級山岳に臨む最終日を前に、ワールドツアー初勝利を挙げたガルシアは総合でも首位に立っている。
ワールドツアーのステージレースでコロンビア初のリーダージャージを着用者となったジェニファー・ドゥクアラ(コロンビア、コロンビア、ティエラ・デ・アトレタス・GW・シマノ photo:CorVos
最終日を翌日に控えたブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス第3ステージは、前年と同じメディーナ・デ・ポマールからオホ・グアレーニャまでの115.4km。終盤に3級山岳を一つ越え、フィニッシュ地点が3級山岳オホ・グアレーニャ(距離1.4km/平均3.9%)であることは共通だが、その間の距離が長くなだらかになったことでスプリンターに有利なレイアウトとなった。
総合優勝の候補であったマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)が前日の落車で棄権したこの日、ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)を含む5名が約60kmに渡る激しいアタック合戦の末に逃げグループを形成。同時期に開催されている男子のジロ・デ・イタリア同様、猛暑のなか選手たちは北スペインの山間地帯を突き進んだ
アタック合戦の末、逃げグループを形成した5名 photo:CorVos
集団スプリントに持ち込みたいSDワークスやモビスターなどがハイペースで牽引したため、この日1つ目の3級山岳を前に逃げは吸収された。そして全長4.1%/平均勾配4.7%の登坂に突入すると、キャニオン・スラムとバイクエクスチェンジ・ジェイコ加速によりプロトンは崩壊。更に下りでクリステン・フォークナー(アメリカ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が飛ばしに飛ばしたため、先頭集団は9名に絞り込まれた。
カヌーのスラロームでロンドン五輪に出場し、その後医者を経て選手となった異色の経歴を持つエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)が総合エースのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)のために先頭グループを牽引する。フォークナーが補給で落車し脱落した集団には、初日勝者のロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)や総合優勝を狙うデミ・フォレリング(オランダ)などが入った。
2つの3級山岳が設定されたブルゴス3日目 photo:CorVos
残り14kmで飛び出したマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)とエヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) photo:CorVos
しかしキャニオン・スラムの集団牽引に協力するチームが現れなかったため、登りで遅れを取ったリーダージャージのジェニファー・ドゥクアラ(コロンビア、コロンビア、ティエラ・デ・アトレタス・GW・シマノ)らが合流。そのまま集団で最終登坂に入るかと思われたなか、残り14km地点からスペイン選手権王者でクライマーの38歳マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)が飛び出した。
このガルシアの動きに、22歳の若きフランス王者エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)が唯一反応。年齢差16歳の2人の国内チャンピオンは、ローテーションを組みながら追走集団とのタイム差を最大40秒まで広げることに成功する。
最終3級山岳に25秒差で突入した先頭の2人だったが、ムジックが前に出て引けなくなったことを見たガルシアが残り500m地点でアタック。そのままムジックや追走集団との差を縮めさせることなく、先頭でフィニッシュ地点に到達した。
飛び出したガルシアとムジックを追走するメイン集団 photo:CorVos
区間優勝と共にリーダージャージも獲得したマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ) photo:CorVos
意外にもこれがワールドツアー初勝利となったマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ), photo:CorVos
「チームには4人しかおらず、先鋭集団に残った後は勝利ではなく総合タイムのことを考えていた。勝利できて本当に嬉しい。明日の最終日は集中して総合優勝を目指したい」と、38歳にしてワールドツアー初初勝利を飾ったガルシアは語った。
翌日はいよいよ超級山岳ラグナス・デ・ネイラ(距離11.8km/平均勾配6.3%)に挑む最終ステージ。その山頂で第3回ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナスの総合優勝者が決定する。
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最終日を翌日に控えたブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス第3ステージは、前年と同じメディーナ・デ・ポマールからオホ・グアレーニャまでの115.4km。終盤に3級山岳を一つ越え、フィニッシュ地点が3級山岳オホ・グアレーニャ(距離1.4km/平均3.9%)であることは共通だが、その間の距離が長くなだらかになったことでスプリンターに有利なレイアウトとなった。
総合優勝の候補であったマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)が前日の落車で棄権したこの日、ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)を含む5名が約60kmに渡る激しいアタック合戦の末に逃げグループを形成。同時期に開催されている男子のジロ・デ・イタリア同様、猛暑のなか選手たちは北スペインの山間地帯を突き進んだ
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集団スプリントに持ち込みたいSDワークスやモビスターなどがハイペースで牽引したため、この日1つ目の3級山岳を前に逃げは吸収された。そして全長4.1%/平均勾配4.7%の登坂に突入すると、キャニオン・スラムとバイクエクスチェンジ・ジェイコ加速によりプロトンは崩壊。更に下りでクリステン・フォークナー(アメリカ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が飛ばしに飛ばしたため、先頭集団は9名に絞り込まれた。
カヌーのスラロームでロンドン五輪に出場し、その後医者を経て選手となった異色の経歴を持つエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)が総合エースのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)のために先頭グループを牽引する。フォークナーが補給で落車し脱落した集団には、初日勝者のロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)や総合優勝を狙うデミ・フォレリング(オランダ)などが入った。
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しかしキャニオン・スラムの集団牽引に協力するチームが現れなかったため、登りで遅れを取ったリーダージャージのジェニファー・ドゥクアラ(コロンビア、コロンビア、ティエラ・デ・アトレタス・GW・シマノ)らが合流。そのまま集団で最終登坂に入るかと思われたなか、残り14km地点からスペイン選手権王者でクライマーの38歳マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)が飛び出した。
このガルシアの動きに、22歳の若きフランス王者エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)が唯一反応。年齢差16歳の2人の国内チャンピオンは、ローテーションを組みながら追走集団とのタイム差を最大40秒まで広げることに成功する。
最終3級山岳に25秒差で突入した先頭の2人だったが、ムジックが前に出て引けなくなったことを見たガルシアが残り500m地点でアタック。そのままムジックや追走集団との差を縮めさせることなく、先頭でフィニッシュ地点に到達した。
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「チームには4人しかおらず、先鋭集団に残った後は勝利ではなく総合タイムのことを考えていた。勝利できて本当に嬉しい。明日の最終日は集中して総合優勝を目指したい」と、38歳にしてワールドツアー初初勝利を飾ったガルシアは語った。
翌日はいよいよ超級山岳ラグナス・デ・ネイラ(距離11.8km/平均勾配6.3%)に挑む最終ステージ。その山頂で第3回ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナスの総合優勝者が決定する。
ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス2022 第3ステージ結果
1位 | マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ) | 2:46:23 |
2位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:12 |
3位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、チームDSM) | 0:15 |
4位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | |
5位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) |
個人総合成績
1位 | マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ) | 9:26:17 |
2位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:12 |
3位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 0:15 |
4位 | タマラ・ドロノヴァ・バラボリーナ(ロシア、ローランド・コガース・エーデルワイス) | |
5位 | クリスタベル・ドーベルヒコック(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) |
山岳賞 | ラーラ・ヴィエチェーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング) |
ヤングライダー賞 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ), |
チーム総合成績 | EFエデュケーション・TIBCO-SVB |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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