ブルゴス2日目に7名がサプライズ逃げ切り。マチルデ・ヴィティッリョ(イタリア)が区間優勝、ジェニファー・ドゥクアラ(コロンビア)が総合首位浮上と、強豪チームを出し抜く大活躍を挙げた。



晴れ渡るササモン市街地をスタートする晴れ渡るササモン市街地をスタートする photo:CorVos
女子ロードレースの最高峰に位置付けられるUCIワールドツアーの1戦、ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス2日目の舞台は、ササモンからアギラル・デ・カンポーを目指す平坦基調のスプリントステージ。中盤に2つの3級山岳を越えるものの、スプリンターを退けるほどの難易度はない。

2日連続の集団スプリントが予想されていたこの日に逃げたのは、與那嶺恵理のチームメイトであるニーナ・ブイスマン(オランダ、ヒューマンパワードヘルス)を含む7名。強豪選手が含まれていなかったため総合首位ロッタ・コペッキー(ベルギー)を抱えるSDワークスは大きなリードを許したものの、残り40km地点でタイム差は7分まで及んでいた。

山岳賞ジャージを着るラーラ・ヴィエチェーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング)らが逃げる山岳賞ジャージを着るラーラ・ヴィエチェーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング)らが逃げる photo:CorVos
灰色の岩肌が露出した山岳地帯を駆け抜ける灰色の岩肌が露出した山岳地帯を駆け抜ける photo:CorVos
ここからソラヤ・パラディン(イタリア)のスプリントを目論むキャニオン・スラムが組織立った追走をスタート。ギアを切り替えてペースを上げたものの、先頭グループも人数を残していたため残り20kmで4分、残り10kmで1分半と思うように差は縮まらない。10kmを切ってアタックと吸収が連続したことも追走の足並みを崩す要因となった。

最後までバラけることなく耐え続けた7名が予想を覆す逃げ切りを達成。チームメイトのアシストを受けて早駆けしたマチルデ・ヴィティッリョ(イタリア、ビーピンク)が、トラック競技で培ったスプリント力(ジュニア世界選手権優勝など実績多数)でワールドツアー初優勝の大金星。メイン集団は7秒届かず、逃げグループに入ったジェニファー・ドゥクアラ(コロンビア、コロンビア、ティエラ・デ・アトレタス・GW・シマノ)がキャリア初出場のワールドツアーレースで総合首位に躍進することとなった。

逃げグループのスプリントを制したマチルデ・ヴィティッリョ(イタリア、ビーピンク)逃げグループのスプリントを制したマチルデ・ヴィティッリョ(イタリア、ビーピンク) photo:CorVos
キャリア初出場のワールドツアーレースで総合リーダーとなったジェニファー・ドゥクアラ(コロンビア、コロンビア、ティエラ・デ・アトレタス・GW・シマノ)キャリア初出場のワールドツアーレースで総合リーダーとなったジェニファー・ドゥクアラ(コロンビア、コロンビア、ティエラ・デ・アトレタス・GW・シマノ) photo:CorVos
ワールドツアーレースでは名前を聞かない選手たちが活躍したブルゴス2日目。翌日は登坂距離1.4kmの3級山岳にフィニッシュする登坂フィニッシュ。クイーンステージを前にリーダージャージが動くか否かに注目が集まる。
ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス2022 第2ステージ結果
1位 マチルデ・ヴィティッリョ(イタリア、ビーピンク) 3:17:58
2位 ニーナ・ブイスマン(オランダ、ヒューマンパワードヘルス)
3位 ラーラ・ヴィエチェーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
4位 ヴァレンティナ・ビリャロン(チリ、エネイキャットRBHグローバル)
5位 ノラ・イェンチュソヴァ(スロバキア、ビーピンク) +0:01
個人総合成績
1位 ジェニファー・ドゥクアラ(コロンビア、コロンビア、ティエラ・デ・アトレタス・GW・シマノ) 6:39:48
2位 ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) +0:06
3位 エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)
4位 タマラ・ドロノヴァ・バラボリーナ(ロシア、ローランド・コガース・エーデルワイス)
5位 テレザ・ニウマノヴァ(チェコ、リブレーシング・エクストラ)
その他の特別賞
ポイント賞 ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)
山岳賞 ラーラ・ヴィエチェーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
ヤングライダー賞 エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)
チーム総合成績 セラティツィット・WNTプロサイクリング
text:So Isobe
photo:CorVos