2022/05/20(金) - 15:03
スペイン北部を舞台とする第3回ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナスが開幕。横風分断が発生した初日は予想通り集団スプリントに持ち込まれ、今季好調のロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)が力の差を見せつけ勝利した。
今年5月のワールドツアーにはスペイン北部を舞台とする2つのステージレースが組み込まれた。一つはデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が3戦全勝で総合優勝を飾ったイツリア・ウィメン。そして5月19日から4日間の日程で2つ目となる第3回ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス(UCIワールドツアー)が開幕した。
初日からの集団スプリントの可能性が高い平坦基調ステージの3日間を経て、最終日に超級山岳ラグナス・デ・ネイラ(距離11.8km/平均勾配6.3%)山頂にフィニッシュするのは昨年と同じ。しかし今年は前回王者アンナ・ファンデルブレッヘンが引退し、総合2位だったアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が右手首の骨折により欠場したため、新女王を狙う激闘が期待された。
第1ステージの出発地点であるペドロサ・デル・プリンシペスには、ゼッケン1を付けるデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)やチームメイトのロッタ・コペッキー(ベルギー)、今年急成長を見せるマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)などが顔を揃えた。またイツリア・ウィメンからの連戦組として與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)も出走。チャールズ皇太子も愛するブルゴスワインの産地でアンドレア・ラミレス(メキシコ、マッシ・タクティック)を含む3名が飛び出した。
脚のフレッシュなメイン集団の選手たちによって、残り32km地点で逃げが早々に捉えられると、プロトンは真南からフィニッシュ地点であるアランダ・デ・ドゥエロに向け進行方向を南東に変える。序盤から選手たちに吹き続けた向かい風が横風に変わったことで、プロトンではエシュロン(横風分断)が発生。スプリントを狙うコペッキーや総合タイムで遅れたくないフォレリングなどが危なけなく先頭集団に残った一方で、與那嶺を含むヒューマンパワードヘルスはチーム全員が遅れ、同じく後続集団に甘んじたUAEチームADQと共に追走を強いられた。
チーム間による協力もありスプリンターのリリー・ウィリアムズ(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス)らが先頭集団への復帰を果たすと、残り13kmから再度横風により先頭集団は更に縮小した。そしてモビスターやSDワークスが集団先頭でアタックを許さぬハイペースで制御。勝負は傾集団スプリントに持ち込まれた。
リードアウトを務めたカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)を先頭に傾斜面の最終ストレートに突入すると、その背後からコペッキーが残り200mで早くも飛び出す。コペッキーのスリップストリームに入ろうとするエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)を突き放し、別ラインで追うテレザ・ネウマノバ(チェコ、リブレーシング・エクストラ)も引き離したコペッキー。元王者で今はSDワークスの監督を務めるファンデルブレッヘンの鼓舞を無線で聞いたコペッキーが、圧巻の強さで初日勝者に輝いた。
「レース後半戦のスタートを最高の形で迎えることができた。風の吹き付けるなか力をセーブして走るのは難しく、だがフォレリングを守りながら特に何事もなく先頭集団で走り続けることができた。今日の登りスプリントは私に向いていて、勝利を狙っていた。躊躇することなく残り200mからスプリントを開始し、フィニッシュラインまでスピードを保つことができた」とコペッキーは今季3勝目を喜んだ。
翌日も平坦基調のステージであるため、コペッキーは「明日もスプリントの可能性があるステージなので2日連続勝利を狙いたい」とも。スプリントステージをコペッキーで獲り、総合優勝を登りに長けたフォレリングで狙うSDワークスにとって最高の滑り出しとなっている。
今年5月のワールドツアーにはスペイン北部を舞台とする2つのステージレースが組み込まれた。一つはデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が3戦全勝で総合優勝を飾ったイツリア・ウィメン。そして5月19日から4日間の日程で2つ目となる第3回ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス(UCIワールドツアー)が開幕した。
初日からの集団スプリントの可能性が高い平坦基調ステージの3日間を経て、最終日に超級山岳ラグナス・デ・ネイラ(距離11.8km/平均勾配6.3%)山頂にフィニッシュするのは昨年と同じ。しかし今年は前回王者アンナ・ファンデルブレッヘンが引退し、総合2位だったアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が右手首の骨折により欠場したため、新女王を狙う激闘が期待された。
第1ステージの出発地点であるペドロサ・デル・プリンシペスには、ゼッケン1を付けるデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)やチームメイトのロッタ・コペッキー(ベルギー)、今年急成長を見せるマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)などが顔を揃えた。またイツリア・ウィメンからの連戦組として與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)も出走。チャールズ皇太子も愛するブルゴスワインの産地でアンドレア・ラミレス(メキシコ、マッシ・タクティック)を含む3名が飛び出した。
脚のフレッシュなメイン集団の選手たちによって、残り32km地点で逃げが早々に捉えられると、プロトンは真南からフィニッシュ地点であるアランダ・デ・ドゥエロに向け進行方向を南東に変える。序盤から選手たちに吹き続けた向かい風が横風に変わったことで、プロトンではエシュロン(横風分断)が発生。スプリントを狙うコペッキーや総合タイムで遅れたくないフォレリングなどが危なけなく先頭集団に残った一方で、與那嶺を含むヒューマンパワードヘルスはチーム全員が遅れ、同じく後続集団に甘んじたUAEチームADQと共に追走を強いられた。
チーム間による協力もありスプリンターのリリー・ウィリアムズ(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス)らが先頭集団への復帰を果たすと、残り13kmから再度横風により先頭集団は更に縮小した。そしてモビスターやSDワークスが集団先頭でアタックを許さぬハイペースで制御。勝負は傾集団スプリントに持ち込まれた。
リードアウトを務めたカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)を先頭に傾斜面の最終ストレートに突入すると、その背後からコペッキーが残り200mで早くも飛び出す。コペッキーのスリップストリームに入ろうとするエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)を突き放し、別ラインで追うテレザ・ネウマノバ(チェコ、リブレーシング・エクストラ)も引き離したコペッキー。元王者で今はSDワークスの監督を務めるファンデルブレッヘンの鼓舞を無線で聞いたコペッキーが、圧巻の強さで初日勝者に輝いた。
「レース後半戦のスタートを最高の形で迎えることができた。風の吹き付けるなか力をセーブして走るのは難しく、だがフォレリングを守りながら特に何事もなく先頭集団で走り続けることができた。今日の登りスプリントは私に向いていて、勝利を狙っていた。躊躇することなく残り200mからスプリントを開始し、フィニッシュラインまでスピードを保つことができた」とコペッキーは今季3勝目を喜んだ。
翌日も平坦基調のステージであるため、コペッキーは「明日もスプリントの可能性があるステージなので2日連続勝利を狙いたい」とも。スプリントステージをコペッキーで獲り、総合優勝を登りに長けたフォレリングで狙うSDワークスにとって最高の滑り出しとなっている。
ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス2022 第1ステージ結果
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 3:21:49 |
2位 | テレザ・ネウマノバ(チェコ、リブレーシング・エクストラ) | |
3位 | エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) | |
4位 | タマラ・ドロノワバラボリナ(ロシア、ローラン・コジェアス・エーデルワイス スクアッド) | |
5位 | ソラヤ・パラディン(イタリア、キャニオン・スラム) | |
96位 | 與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス) | 3:58 |
個人総合成績
1位 | アナスタシア・チュルシナ(ロシア、アレBTCリュブリャナ) | 2:29:28 |
2位 | アリス・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム レーシング) | 1:11 |
3位 | アマリー・ディデリクセン(デンマーク、トレック・セガフレード ウィメン) | |
4位 | アーレニス・シエラ(キューバ、A.R.マネックス) | |
5位 | サンドラ・アロンソ(スペイン、ビスカヤ・デュランゴ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) |
山岳賞 | ラーラ・ヴィエチェーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング) |
ヤングライダー賞 | エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) |
チーム総合成績 | キャニオン・スラム |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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