2022/05/24(火) - 17:45
第105回ジロ・デ・イタリアの第3週目はアルプスやドロミテなど難関山岳がずらりと登場。第16ステージに獲得標高差5,250mのクイーンステージで幕開け、スロベニアを通過しチーマコッピである1級山岳ポルドイ峠へ。そして総合優勝の証マリアローザの行方がヴェローナの17.4km個人タイムトライアルで決着する。
5月24日(火)第16ステージ
サロー〜アプリカ 202km(山岳ステージ)
ジロの最終第3週目は、最高難易度5つ星がつくアルプス山脈のクイーンステージで幕を開ける。3つの1級山岳を越えていく獲得標高差は大会最高の5,250m。ガルダ湖畔にある小都市サローでスタートの旗が振られると、選手たちは1級山岳ゴレット・ディ・カディ-ノ(距離19km/平均6.2%)の登坂を開始。息をつく間もなく1級山岳モルティローロ(距離12.6km/平均7.6%)を越え、フィニッシュ地点は最終1級山岳サンタ・クリスティーナ(距離13.5km/平均8%)の頂上から6km下った先にある。
山頂を越えても選手たちに油断を許さない最大-13%の急勾配かつ狭くテクニカルな下りが待ち受ける。フィニッシュ地点のあるアプリカは、2015年大会でアルベルト・コンタドールたちを振り切ったミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が区間優勝を果たした地だ。
5月25日(水)第17ステージ
ポンテ・ディ・レーニョ〜ラヴァローネ 168km(山岳ステージ)
前日の山岳決戦を終え、この日も総合上位陣は気の抜けない山岳ステージに臨む。獲得標高差は3,730mだが難易度は4つ星。標高1,332mのスタート地点からカテゴリーのつかない山岳(距離8.6km/平均勾配6.3%/標高1,876m)を駆け上がり、そこから67kmをかけてイタリアで2番目に長いアディジェ川まで下る。
勝負所となるのは残り47km地点から始まる2つの1級山岳だ。まずは1級山岳パッソ・デル・ヴェトリオーロ(距離11.8km/平均7.7%)を越え、続く1級山岳モンテ・ロヴェレ(距離7.9km/平均9.9%)は頂上に近づくにつれ勾配が上がる。その頂上からラヴァローネまでのフィニッシュは8kmのアップダウンだ。
5月26日(木)第18ステージ
ボルゴ・ヴァルスガーナ〜トレヴィーゾ 152km(平坦ステージ)
第18ステージはピュアスプリンターにとってのラストチャンスとなる、アルプス山脈からポー平原に戻る道のり。マリアチクラミーノ争いも佳境に入り、2つある中間スプリントポイント(72.9km&116.7km地点)でも激しい争いが繰り広げられるか。途中に通過するプロセッコ(スパークリングワイン)で有名なコネリアーノ地区では風に注意が必要だ。
ヴェネツィアにもほど近いフィニッシュ地点トレヴィーゾは、オメガファーマ・クイックステップ時代のマーク・カヴェンディッシュがプロ100勝目を飾った地。フィニッシュ手前1,200mからは障害物のない幅広かつまっすぐな直線で、今大会最後の集団スプリントが繰り広げられるだろう。
5月27日(金)第19ステージ
マラーノ・ラグナーレ〜サンチュアリオ・ディ・カステルモンド 177km(丘陵ステージ)
獲得標高差3,230mの中級山岳ステージだが、登場する1級山岳コロヴラト(距離10.3km/平均9.1%)はあまりにも過酷だ。トリエステ湾に面するマラーノ・ラグナーレを出発する選手たちは、ポガチャルやログリッチ、モホリッチらを輩出したスロベニアを通過しながらサンチュアリオ・ディ・カステルモンドへと向かう。
177kmの行程にはカテゴリー山岳が4つ。イタリア側で3級山岳を越え、スロベニアに入って3級と1級山岳コロヴラトをクリアし、フィニッシュするのは再びイタリア側に戻ってくる2級山岳サントゥアリオ・ディ・カステルモンテ(距離7.1km/平均7.8%)の頂上だ。ここではまだステージ優勝をつかんでいないチームが、逃げ切りを狙い積極的に動いてくるだろう。
5月28日(土)第20ステージ
ベッルーノ〜マルモラーダ 168km(山岳ステージ)
大会最後のロードレースは世界遺産ドロミテを舞台とする。手始めとするにはあまりにも過酷なサン・ペッレグリーノ峠(距離9.6km/平均8%)を越え、続いて臨むはチーマコッピ(大会最高地点)である超級山岳ポルドイ峠(距離11.9km/平均勾配6.6%/標高2,239m)だ。
ジロの山岳決戦を締めくくるのは、空に突き刺さったように伸びる岩山マルモラーダだ。前回ここにフィニッシュした2008年、そして別府史之のジロ初出場となった2011年大会でも通った1級山岳フェダイア峠(別名マルモラーダ:全長14km/標高差1,602m/平均勾配7.6%/最大勾配18%)を駆け上がる。
緩やかな登り口から徐々に勾配を上げていき、ラスト2kmは平均11%がフィニッシュラインまで続いていく。この獲得標高差4,490mステージを終えた段階でマリアローザを着る選手が、翌日の個人タイムトライアルで最終出走者の権利を得る。
5月29日(日)第21ステージ
ヴェローナ〜ヴェローナ 17.4km(個人タイムトライアル)
前日のフィニッシュ地点から約200kmのバス移動した選手たちは、2019年大会と同様にヴェローナの市街地に集結する。ハンガリー・ブタペストで始まった3週間の戦いを締めくくるのは17.4kmの個人タイムトライアルだ。
現地時間13時55分(日本時間20時55分)に第1走者が飛び出し、その時点でマリアローザを着る選手が17時10分(0時10分)にヴェローナの街に走り出す。レース主催者が予想するステージ優勝者タイムは23分12秒。コースレイアウトはチャド・ヘイガ(アメリカ)がステージ優勝を挙げた2019年とほぼ同じで、街中のコーナーをこなしながら中盤にかけて距離4.1km/平均5.4%の緩やかな登りが鍵となる。
ブラ広場にフィニッシュした選手たちは円形闘技場「アレーナ」で盛大な歓声を浴びながら、ステージ上で3週間に及ぶレースがエンディングを迎える。
text:Sotaro.Arakawa
5月24日(火)第16ステージ
サロー〜アプリカ 202km(山岳ステージ)
ジロの最終第3週目は、最高難易度5つ星がつくアルプス山脈のクイーンステージで幕を開ける。3つの1級山岳を越えていく獲得標高差は大会最高の5,250m。ガルダ湖畔にある小都市サローでスタートの旗が振られると、選手たちは1級山岳ゴレット・ディ・カディ-ノ(距離19km/平均6.2%)の登坂を開始。息をつく間もなく1級山岳モルティローロ(距離12.6km/平均7.6%)を越え、フィニッシュ地点は最終1級山岳サンタ・クリスティーナ(距離13.5km/平均8%)の頂上から6km下った先にある。
山頂を越えても選手たちに油断を許さない最大-13%の急勾配かつ狭くテクニカルな下りが待ち受ける。フィニッシュ地点のあるアプリカは、2015年大会でアルベルト・コンタドールたちを振り切ったミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が区間優勝を果たした地だ。
5月25日(水)第17ステージ
ポンテ・ディ・レーニョ〜ラヴァローネ 168km(山岳ステージ)
前日の山岳決戦を終え、この日も総合上位陣は気の抜けない山岳ステージに臨む。獲得標高差は3,730mだが難易度は4つ星。標高1,332mのスタート地点からカテゴリーのつかない山岳(距離8.6km/平均勾配6.3%/標高1,876m)を駆け上がり、そこから67kmをかけてイタリアで2番目に長いアディジェ川まで下る。
勝負所となるのは残り47km地点から始まる2つの1級山岳だ。まずは1級山岳パッソ・デル・ヴェトリオーロ(距離11.8km/平均7.7%)を越え、続く1級山岳モンテ・ロヴェレ(距離7.9km/平均9.9%)は頂上に近づくにつれ勾配が上がる。その頂上からラヴァローネまでのフィニッシュは8kmのアップダウンだ。
5月26日(木)第18ステージ
ボルゴ・ヴァルスガーナ〜トレヴィーゾ 152km(平坦ステージ)
第18ステージはピュアスプリンターにとってのラストチャンスとなる、アルプス山脈からポー平原に戻る道のり。マリアチクラミーノ争いも佳境に入り、2つある中間スプリントポイント(72.9km&116.7km地点)でも激しい争いが繰り広げられるか。途中に通過するプロセッコ(スパークリングワイン)で有名なコネリアーノ地区では風に注意が必要だ。
ヴェネツィアにもほど近いフィニッシュ地点トレヴィーゾは、オメガファーマ・クイックステップ時代のマーク・カヴェンディッシュがプロ100勝目を飾った地。フィニッシュ手前1,200mからは障害物のない幅広かつまっすぐな直線で、今大会最後の集団スプリントが繰り広げられるだろう。
5月27日(金)第19ステージ
マラーノ・ラグナーレ〜サンチュアリオ・ディ・カステルモンド 177km(丘陵ステージ)
獲得標高差3,230mの中級山岳ステージだが、登場する1級山岳コロヴラト(距離10.3km/平均9.1%)はあまりにも過酷だ。トリエステ湾に面するマラーノ・ラグナーレを出発する選手たちは、ポガチャルやログリッチ、モホリッチらを輩出したスロベニアを通過しながらサンチュアリオ・ディ・カステルモンドへと向かう。
177kmの行程にはカテゴリー山岳が4つ。イタリア側で3級山岳を越え、スロベニアに入って3級と1級山岳コロヴラトをクリアし、フィニッシュするのは再びイタリア側に戻ってくる2級山岳サントゥアリオ・ディ・カステルモンテ(距離7.1km/平均7.8%)の頂上だ。ここではまだステージ優勝をつかんでいないチームが、逃げ切りを狙い積極的に動いてくるだろう。
5月28日(土)第20ステージ
ベッルーノ〜マルモラーダ 168km(山岳ステージ)
大会最後のロードレースは世界遺産ドロミテを舞台とする。手始めとするにはあまりにも過酷なサン・ペッレグリーノ峠(距離9.6km/平均8%)を越え、続いて臨むはチーマコッピ(大会最高地点)である超級山岳ポルドイ峠(距離11.9km/平均勾配6.6%/標高2,239m)だ。
ジロの山岳決戦を締めくくるのは、空に突き刺さったように伸びる岩山マルモラーダだ。前回ここにフィニッシュした2008年、そして別府史之のジロ初出場となった2011年大会でも通った1級山岳フェダイア峠(別名マルモラーダ:全長14km/標高差1,602m/平均勾配7.6%/最大勾配18%)を駆け上がる。
緩やかな登り口から徐々に勾配を上げていき、ラスト2kmは平均11%がフィニッシュラインまで続いていく。この獲得標高差4,490mステージを終えた段階でマリアローザを着る選手が、翌日の個人タイムトライアルで最終出走者の権利を得る。
5月29日(日)第21ステージ
ヴェローナ〜ヴェローナ 17.4km(個人タイムトライアル)
前日のフィニッシュ地点から約200kmのバス移動した選手たちは、2019年大会と同様にヴェローナの市街地に集結する。ハンガリー・ブタペストで始まった3週間の戦いを締めくくるのは17.4kmの個人タイムトライアルだ。
現地時間13時55分(日本時間20時55分)に第1走者が飛び出し、その時点でマリアローザを着る選手が17時10分(0時10分)にヴェローナの街に走り出す。レース主催者が予想するステージ優勝者タイムは23分12秒。コースレイアウトはチャド・ヘイガ(アメリカ)がステージ優勝を挙げた2019年とほぼ同じで、街中のコーナーをこなしながら中盤にかけて距離4.1km/平均5.4%の緩やかな登りが鍵となる。
ブラ広場にフィニッシュした選手たちは円形闘技場「アレーナ」で盛大な歓声を浴びながら、ステージ上で3週間に及ぶレースがエンディングを迎える。
text:Sotaro.Arakawa
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