2022/05/15(日) - 11:17
「今年は調子が悪く、自分の力を疑っていた。しかしそんな自分をこの勝利が黙らせた」とジロ8日目の勝者トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)は語る。美食の街ナポリを走り終えた選手たちの言葉を紹介します。
ステージ優勝:トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
大人数の集団にファンデルプールやギルマイなど良い選手が入り、全員が2人の動きをマークしていた。最後から2周目の急勾配区間でファンデルプールがアタックし、僕を含むチーム3人は遅れを取ってしまった。しかし合流を果たし、皆の注目がファンデルプール1人に集まっていることを利用し、アタックを決めたんだ。
最後の下りで彼ら(ファンデルプールやギルマイ)が追いついてくる思っていたが、意外にも僕たちは30秒のリードを保ち続けた。当初はハルム(ファンハウケ)が登りでアタックする作戦で、僕はそのアシストをしようと考えていた。しかし彼が脚が残っていないと言ってきたので「僕がスプリントで勝つから残り3kmを全力で牽いてくれ」と伝えたんだ。彼はその指示を忠実に従い、残り300mまで僕を運んでくれた。本当に感謝したい。とても良いチームプレイができた。
今日は僕向きのステージだと思っていた。アップダウンが連続する、まるでボルタ・ア・カタルーニャのバルセロナステージのようなレイアウトだった。体力を回復する暇もない代わりに、一度できた差を埋めることも難しいレイアウトだった。
10年前のステルヴィオステージを経て、再びジロで勝つことができるなんて信じられない。2週間前の体調は最悪で、その時の自分にジロで勝利すると言っても信じなかっただろう。それぐらいコンディションが悪かったんだ。体調不良や不運が重なり、例年のような走りが出来ていなかった。そんな中で掴んだこの勝利は、ステルヴィオ(10年のジロ)の時よりも特別な思いがするよ。
レース後のツイート
今年は僕の力を疑う人たちがいた。もう僕がレースで勝つことはないだろう、と。しかし今日、その中でも1番疑い深い人間を黙らせることができた。その人物とは自分自身。この脚の力を、僕自身が1番疑っていたんだ。だが今日の勝利によって、その疑念が誤りだったと証明することができた。
ステージ2位:ダヴィデ・ガッブロ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)
残り45km地点でファンデルプールが飛び出し、追いついたら自分がアタックしようと思っていた。そして僕たちは4人で先頭に出ることに成功したんだ。最後のスプリントはデヘントが単純に強かった。だがこの2位という結果にはとても満足しているよ。
チームは昨年、28歳の僕にジロデビューのチャンスを与えてくれた。それは自信となり、今日の結果はさらなる自信に繋がった。この後も僕に適したステージが待っている。また必ず挑戦したい。
ステージ3位:ホルヘ・アルカス(スペイン、モビスター)
自分の力のマネージメントが難しい、タフな周回コースだった。約20名による大きな逃げ集団ができ、チームから最低でも1人は入っておきたかったので僕が動いた。最後は2人いるロット・スーダルが責任を持って牽引してくれた。僕はスプリントが得意な選手ではない。デヘントは強くついていくことすらできなかった。明日は身体の回復に努めるものの、僕本来の役割である総合リーダーのアシストも忘れてはいない。
ステージ5位:ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
素晴らしい日だった!今日の自分の走りに満足しているよ。僕のグランツールデビューはまるで発見の旅。昨日の厳しいステージの翌日に、こんな走りができるなんて思いもしなかった。
スタート直後から最後までフルガスだった。最後は皆がファンデルプールと僕の動きを注視していたので、戦術的に難しかった。チームにまた良い結果を届けることができて嬉しいよ。それに加え大事なマリアチクラミーノに繋がるポイントも獲得できた。今日は良いチャンスを掴むことができ、この後の2週間でも沢山のチャンスが訪れることだろう。
マリアローザ:フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
ケムナがアタックしたらついていくと、レース前のミーティングで決めていた。今日も脚の調子は良く、追従することに何の障害もなかった。だがケムナのアタックでチームメイトが遅れ、チッコーネ自らコントロールに脚を使わなければならなかった。他のチームが助けてくれないのは当然のこと。マリアローザを守りたければ、自分たちのチームが牽引しなければならないんだ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
ステージ優勝:トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
大人数の集団にファンデルプールやギルマイなど良い選手が入り、全員が2人の動きをマークしていた。最後から2周目の急勾配区間でファンデルプールがアタックし、僕を含むチーム3人は遅れを取ってしまった。しかし合流を果たし、皆の注目がファンデルプール1人に集まっていることを利用し、アタックを決めたんだ。
最後の下りで彼ら(ファンデルプールやギルマイ)が追いついてくる思っていたが、意外にも僕たちは30秒のリードを保ち続けた。当初はハルム(ファンハウケ)が登りでアタックする作戦で、僕はそのアシストをしようと考えていた。しかし彼が脚が残っていないと言ってきたので「僕がスプリントで勝つから残り3kmを全力で牽いてくれ」と伝えたんだ。彼はその指示を忠実に従い、残り300mまで僕を運んでくれた。本当に感謝したい。とても良いチームプレイができた。
今日は僕向きのステージだと思っていた。アップダウンが連続する、まるでボルタ・ア・カタルーニャのバルセロナステージのようなレイアウトだった。体力を回復する暇もない代わりに、一度できた差を埋めることも難しいレイアウトだった。
10年前のステルヴィオステージを経て、再びジロで勝つことができるなんて信じられない。2週間前の体調は最悪で、その時の自分にジロで勝利すると言っても信じなかっただろう。それぐらいコンディションが悪かったんだ。体調不良や不運が重なり、例年のような走りが出来ていなかった。そんな中で掴んだこの勝利は、ステルヴィオ(10年のジロ)の時よりも特別な思いがするよ。
レース後のツイート
I gained a lot of doubters this year. People that doubted my ability to still win races but today i silenced my biggest doubter. Myself. I didn’t believe that i still had this in my legs but today i proved myself wrong.
— Thomas De Gendt (@DeGendtThomas) May 14, 2022
今年は僕の力を疑う人たちがいた。もう僕がレースで勝つことはないだろう、と。しかし今日、その中でも1番疑い深い人間を黙らせることができた。その人物とは自分自身。この脚の力を、僕自身が1番疑っていたんだ。だが今日の勝利によって、その疑念が誤りだったと証明することができた。
ステージ2位:ダヴィデ・ガッブロ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)
残り45km地点でファンデルプールが飛び出し、追いついたら自分がアタックしようと思っていた。そして僕たちは4人で先頭に出ることに成功したんだ。最後のスプリントはデヘントが単純に強かった。だがこの2位という結果にはとても満足しているよ。
チームは昨年、28歳の僕にジロデビューのチャンスを与えてくれた。それは自信となり、今日の結果はさらなる自信に繋がった。この後も僕に適したステージが待っている。また必ず挑戦したい。
ステージ3位:ホルヘ・アルカス(スペイン、モビスター)
自分の力のマネージメントが難しい、タフな周回コースだった。約20名による大きな逃げ集団ができ、チームから最低でも1人は入っておきたかったので僕が動いた。最後は2人いるロット・スーダルが責任を持って牽引してくれた。僕はスプリントが得意な選手ではない。デヘントは強くついていくことすらできなかった。明日は身体の回復に努めるものの、僕本来の役割である総合リーダーのアシストも忘れてはいない。
ステージ5位:ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
素晴らしい日だった!今日の自分の走りに満足しているよ。僕のグランツールデビューはまるで発見の旅。昨日の厳しいステージの翌日に、こんな走りができるなんて思いもしなかった。
スタート直後から最後までフルガスだった。最後は皆がファンデルプールと僕の動きを注視していたので、戦術的に難しかった。チームにまた良い結果を届けることができて嬉しいよ。それに加え大事なマリアチクラミーノに繋がるポイントも獲得できた。今日は良いチャンスを掴むことができ、この後の2週間でも沢山のチャンスが訪れることだろう。
マリアローザ:フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
ケムナがアタックしたらついていくと、レース前のミーティングで決めていた。今日も脚の調子は良く、追従することに何の障害もなかった。だがケムナのアタックでチームメイトが遅れ、チッコーネ自らコントロールに脚を使わなければならなかった。他のチームが助けてくれないのは当然のこと。マリアローザを守りたければ、自分たちのチームが牽引しなければならないんだ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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