2022/05/14(土) - 08:11
ジロ・デ・イタリア最初の丘陵ステージは逃げ切りで決着。トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)のアシストを受けたクーン・ボウマン(オランダ)が7日目の勝者に輝き、平穏に終わった総合上位陣ではフアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)がマリアローザを保持している。
今大会最初の丘陵ステージは、2日連続の平坦路で緩んだ選手たちとって険しく厳しいものに。ジロ7日目はティレニア海に面するディアマンテから内陸のポテンツァを目指し北へ。その道中には1級山岳を含む4つのカテゴリー山岳が設定され、獲得標高差は4,700mにも及ぶ。
196kmコースはまず脚慣らしの3級山岳を越え、次に1級山岳モンテ・シリノ(距離24.4km/平均3.8%)を登る。レース後半からは2級山岳モンテ・グラン・ディ・ヴィッジャーノ(距離6.6km/平均9.1%)と3級山岳ラ・セラータ(距離7.8km/平均5.9%)を立て続けにクリアし、その頂上から約24kmの平坦基調の道がフィニッシュまで続いていく。昨日、一昨日と躍動したスプリンターたちの気配は消え、逃げ切り向きのレイアウトであることから、総合に関係のない選手たちによる激しいアタック合戦で幕開けた。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)のリードアウト役であるミケル・モルコフ(デンマーク)が発熱のためレースを去ったこの日、序盤からワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)が積極に動いた。
プールスの飛び出しにダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)らが追従すると、途中リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)もマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)と共にメイン集団から飛び出すシーンも。しかしいずれも決まることはなく、1級山岳モンテ・シリノに入ると総合から遅れたトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)を含む7名が、1時間半に渡る攻防の末に逃げ切りの切符を掴んだ。
逃げグループを形成した7名
クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)総合5分30秒遅れ
バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)総合5分49秒遅れ
ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、コフィディス)総合6分39秒遅れ
トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)総合8分20秒遅れ
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
ディエゴ・カマルゴ(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)
ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)
総合でそこまで驚異となる選手がいないため、メイン集団はリーダージャージのトレック・セガフレードを先頭に淡々としたペースを刻む。途中プロトンの中で走るドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)の故郷ポリコーロをかすめながら、逃げ集団とのタイム差は6分を下回る程度で推移した。
最大40ポイントが与えられる1級山岳モンテ・シリノをクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が鋭い飛び出しでトップ通過すると、ボウマンは続く2級山岳モンテ・グラン・ディ・ヴィッジャーノも先頭で通過。山岳ポイントを荒稼ぎし、更にスプリント力をライバルたちに見せつけたボウマンはマリアアッズーラ獲得に成功している。
逃げのキッカケを作ったプールスが遅れ、モンテ・グラン・ディ・ヴィッジャーノの下りコーナーで落車したヴィレッラが15kmの単独走に末に合流を果たす。3分45秒のリードで逃げる先頭集団は、最終3級山岳ラ・セラータ(距離7.8km/平均5.9%)に突入。ここからステージ優勝に向けたセレクションがスタートした。
活発に動いたのは逃げに2人を送り込んだユンボ・ヴィスマのデュムランで、勾配に苦しむカマルゴの姿を確認するとスピードアップ。フォルモロやモレマが反応する一方で、カマルゴはもちろんヴィレッラも遅れ、レース先頭は4名(デュムラン、フォルモロ、モレマ、ボウマン)に絞り込まれた。
ボウマンのスプリント力を警戒したフォルモロとモレマがアタックするものの、違いを作れないまま最終の3級山岳ラ・セラータを通過。フィニッシュまで続く下りと平坦区間へ。レース先頭の激しさとは対極に動きのないメイン集団は、イネオス・グレナディアーズが先頭で牽引を始めると、3分半遅れで最終山岳の頂上をクリアした。
逃げ切りが確定させた先頭4名は、残り300mから勾配13%の登坂が待つフィニッシュに向けデュムランを先頭に突き進む。ポテンツァの市街地に入った残り8kmから2度に渡りモレマが仕掛けるものの、ボウマンとフォルモロを引き離すことはできない。
牽制状態に入った3人に一時遅れたデュムランが合流し、4名のままフラムルージュ(残り1km)を通過。アシストに徹するデュムランを除く3名のスプリント勝負に持ち込まれ、ボウマンがこの日幾度となく披露したそのスプリント力で、自身初のグランツール区間優勝を掴み取った。
2017年から3年連続でジャパンカップに出場していることから、日本のファンにもお馴染みのボウマン。「信じられないよ。とてもハードな展開だったものの、トム(デュムラン)が僕のために素晴らしいアシストをしてくれた。最後の山岳では遅れたが追いつき、最後のスプリントには自信があった。本当に嬉しいよ」と、2017年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第3ステージ以来となるプロ2勝目を喜んだ。「トムが(第4ステージで)タイムを失ってから僕らは目標をステージ優勝に切り替えた。その直後にこうやって勝利できるなんて言葉にならないよ」とも。
マリアローザのフアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)を含むメイン集団は2分59秒遅れでフィニッシュしたため総合順位に変化はなかった。翌日のジロ第8ステージは再びティレニア海に戻りナポリへ。高い山岳はないものの細かなアップダウンが連続するコースで、2日連続の逃げ切り勝利が見られるだろうか。
今大会最初の丘陵ステージは、2日連続の平坦路で緩んだ選手たちとって険しく厳しいものに。ジロ7日目はティレニア海に面するディアマンテから内陸のポテンツァを目指し北へ。その道中には1級山岳を含む4つのカテゴリー山岳が設定され、獲得標高差は4,700mにも及ぶ。
196kmコースはまず脚慣らしの3級山岳を越え、次に1級山岳モンテ・シリノ(距離24.4km/平均3.8%)を登る。レース後半からは2級山岳モンテ・グラン・ディ・ヴィッジャーノ(距離6.6km/平均9.1%)と3級山岳ラ・セラータ(距離7.8km/平均5.9%)を立て続けにクリアし、その頂上から約24kmの平坦基調の道がフィニッシュまで続いていく。昨日、一昨日と躍動したスプリンターたちの気配は消え、逃げ切り向きのレイアウトであることから、総合に関係のない選手たちによる激しいアタック合戦で幕開けた。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)のリードアウト役であるミケル・モルコフ(デンマーク)が発熱のためレースを去ったこの日、序盤からワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)が積極に動いた。
プールスの飛び出しにダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)らが追従すると、途中リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)もマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)と共にメイン集団から飛び出すシーンも。しかしいずれも決まることはなく、1級山岳モンテ・シリノに入ると総合から遅れたトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)を含む7名が、1時間半に渡る攻防の末に逃げ切りの切符を掴んだ。
逃げグループを形成した7名
クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)総合5分30秒遅れ
バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)総合5分49秒遅れ
ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、コフィディス)総合6分39秒遅れ
トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)総合8分20秒遅れ
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
ディエゴ・カマルゴ(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)
ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)
総合でそこまで驚異となる選手がいないため、メイン集団はリーダージャージのトレック・セガフレードを先頭に淡々としたペースを刻む。途中プロトンの中で走るドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)の故郷ポリコーロをかすめながら、逃げ集団とのタイム差は6分を下回る程度で推移した。
最大40ポイントが与えられる1級山岳モンテ・シリノをクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が鋭い飛び出しでトップ通過すると、ボウマンは続く2級山岳モンテ・グラン・ディ・ヴィッジャーノも先頭で通過。山岳ポイントを荒稼ぎし、更にスプリント力をライバルたちに見せつけたボウマンはマリアアッズーラ獲得に成功している。
逃げのキッカケを作ったプールスが遅れ、モンテ・グラン・ディ・ヴィッジャーノの下りコーナーで落車したヴィレッラが15kmの単独走に末に合流を果たす。3分45秒のリードで逃げる先頭集団は、最終3級山岳ラ・セラータ(距離7.8km/平均5.9%)に突入。ここからステージ優勝に向けたセレクションがスタートした。
活発に動いたのは逃げに2人を送り込んだユンボ・ヴィスマのデュムランで、勾配に苦しむカマルゴの姿を確認するとスピードアップ。フォルモロやモレマが反応する一方で、カマルゴはもちろんヴィレッラも遅れ、レース先頭は4名(デュムラン、フォルモロ、モレマ、ボウマン)に絞り込まれた。
ボウマンのスプリント力を警戒したフォルモロとモレマがアタックするものの、違いを作れないまま最終の3級山岳ラ・セラータを通過。フィニッシュまで続く下りと平坦区間へ。レース先頭の激しさとは対極に動きのないメイン集団は、イネオス・グレナディアーズが先頭で牽引を始めると、3分半遅れで最終山岳の頂上をクリアした。
逃げ切りが確定させた先頭4名は、残り300mから勾配13%の登坂が待つフィニッシュに向けデュムランを先頭に突き進む。ポテンツァの市街地に入った残り8kmから2度に渡りモレマが仕掛けるものの、ボウマンとフォルモロを引き離すことはできない。
牽制状態に入った3人に一時遅れたデュムランが合流し、4名のままフラムルージュ(残り1km)を通過。アシストに徹するデュムランを除く3名のスプリント勝負に持ち込まれ、ボウマンがこの日幾度となく披露したそのスプリント力で、自身初のグランツール区間優勝を掴み取った。
2017年から3年連続でジャパンカップに出場していることから、日本のファンにもお馴染みのボウマン。「信じられないよ。とてもハードな展開だったものの、トム(デュムラン)が僕のために素晴らしいアシストをしてくれた。最後の山岳では遅れたが追いつき、最後のスプリントには自信があった。本当に嬉しいよ」と、2017年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第3ステージ以来となるプロ2勝目を喜んだ。「トムが(第4ステージで)タイムを失ってから僕らは目標をステージ優勝に切り替えた。その直後にこうやって勝利できるなんて言葉にならないよ」とも。
マリアローザのフアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)を含むメイン集団は2分59秒遅れでフィニッシュしたため総合順位に変化はなかった。翌日のジロ第8ステージは再びティレニア海に戻りナポリへ。高い山岳はないものの細かなアップダウンが連続するコースで、2日連続の逃げ切り勝利が見られるだろうか。
ジロ・デ・イタリア2022第7ステージ結果
1位 | クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 5:12:30 |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | +0:02 |
3位 | ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:19 |
5位 | ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、コフィディス) | +2:25 |
6位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:59 |
7位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | |
8位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
10位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード) | 28:39:05 |
2位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:38 |
3位 | レイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | +0:58 |
4位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) | +1:42 |
5位 | マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | +1:47 |
6位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:55 |
7位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +1:55 |
8位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:00 |
9位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | +2:04 |
10位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | +2:06 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 147pts |
2位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 94pts |
3位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 78pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 68pts |
2位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 43pts |
3位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 27pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード) | 28:39:05 |
2位 | マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | +1:47 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +1:58 |
チーム総合成績
1位 | トレック・セガフレード | 86:00:38 |
2位 | ボーラ・ハンスグローエ | +0:10 |
3位 | ユンボ・ヴィスマ | +1:10 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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