2022/05/12(木) - 15:07
ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)が今季限りでの現役引退を発表。故郷メッシーナにフィニッシュしたジロ第5ステージ直後の発表であり、「全てが始まったこの地で発表したかった」と語っている。
フィニッシュ後に今季限りでの引退を発表したヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン) photo:RCS Sport
生まれ育ったメッシーナがフィニッシュ地点となったジロ・デ・イタリア第5ステージの直後、ニバリはRAI(イタリア国営放送)の取材に対し以下のように語った。
「家族や友人が見守るなか、故郷メッシーナを走ることができて心が震えるほど感動した。ジロ・デ・イタリアがここメッシーナを通る機会を長く待ち続けていた。故郷であるこの場所から僕の全てが始まったんだ。ここまで歩んできた道のりは長く、引退を発表する地としてここメッシーナが最も相応しいと考えた。今大会が現役最後のジロとなる。この一瞬一瞬を全ての人と共有したい」。
1984年11月14日に生まれたニバリは、現在37歳。2005年にファッサボルトでプロデビューを果たすと、リクイガス、アスタナ、バーレーン・メリダ、トレック・セガフレードを経て今年アスタナに電撃復帰した。マルコ・パンターニやジルベルト・シモーニらが築いたイタリア黄金時代が陰り始めた2010年、ニバリはジロ・デ・イタリアで3位入賞を果たすと、初出場となった同年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝に輝いた。
2013年ジロ・デ・イタリアを制し、第96代ジロ・デ・イタリア総合優勝者に輝いたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、当時アスタナ) photo:Riccardo Scanferla
2010年ブエルタ・ア・エスパーニャでマイヨ・ロホを獲得したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、当時リクイガス) photo:Cor Vos
2014年ツール・ド・フランスで第101代チャンピオンに輝いたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele
その後もコンスタントにグランツールの表彰台に上がり続けたニバリは、2013年にジロ・デ・イタリアを初制覇。そして翌2014年のツール・ド・フランスで区間4勝と共にマイヨジョーヌを獲得したことで、当時史上6人目となる全グランツール総合優勝者に輝いた。
鋭いアタックを持ち味にするニバリはクラシックレースでも活躍し、モニュメント(世界五大クラシック) の一つであるイル・ロンバルディアを2度制覇(2015、2017)すると、その登坂力と世界トップクラスのダウンヒルテクニックによって2018年のミラノ〜サンレモをも制覇した。また2021年もジロ・デ・シチリア(2.1)で区間1勝と共に総合優勝を挙げるなど、衰えぬ力を発揮した中での引退発表となった。
現在出場中のジロではチームの総合エースを務めるはずだったミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)が大会4日目にして早々と去り、自由に走る権利を手に入れた。「簡単ではないことは分かっているが、このジロで何か結果を残したい。強い思いが入り混じっている。現役の終わりを示し、ジロを走る1日1日を大切にしながらフィニッシュまで楽しみたい」とコメントしている。
18年に及ぶプロ生活にピリオドを打つメッシーナの鮫。自身最後のジロで有終の美を飾ることができるだろうか?
集団を振り切り2018年ミラノ〜サンレモで勝利したヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:LaPresse - D'Alberto / Ferrari / Alpozzi
text:Sotaro.Arakawa
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生まれ育ったメッシーナがフィニッシュ地点となったジロ・デ・イタリア第5ステージの直後、ニバリはRAI(イタリア国営放送)の取材に対し以下のように語った。
「家族や友人が見守るなか、故郷メッシーナを走ることができて心が震えるほど感動した。ジロ・デ・イタリアがここメッシーナを通る機会を長く待ち続けていた。故郷であるこの場所から僕の全てが始まったんだ。ここまで歩んできた道のりは長く、引退を発表する地としてここメッシーナが最も相応しいと考えた。今大会が現役最後のジロとなる。この一瞬一瞬を全ての人と共有したい」。
1984年11月14日に生まれたニバリは、現在37歳。2005年にファッサボルトでプロデビューを果たすと、リクイガス、アスタナ、バーレーン・メリダ、トレック・セガフレードを経て今年アスタナに電撃復帰した。マルコ・パンターニやジルベルト・シモーニらが築いたイタリア黄金時代が陰り始めた2010年、ニバリはジロ・デ・イタリアで3位入賞を果たすと、初出場となった同年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝に輝いた。
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その後もコンスタントにグランツールの表彰台に上がり続けたニバリは、2013年にジロ・デ・イタリアを初制覇。そして翌2014年のツール・ド・フランスで区間4勝と共にマイヨジョーヌを獲得したことで、当時史上6人目となる全グランツール総合優勝者に輝いた。
鋭いアタックを持ち味にするニバリはクラシックレースでも活躍し、モニュメント(世界五大クラシック) の一つであるイル・ロンバルディアを2度制覇(2015、2017)すると、その登坂力と世界トップクラスのダウンヒルテクニックによって2018年のミラノ〜サンレモをも制覇した。また2021年もジロ・デ・シチリア(2.1)で区間1勝と共に総合優勝を挙げるなど、衰えぬ力を発揮した中での引退発表となった。
現在出場中のジロではチームの総合エースを務めるはずだったミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)が大会4日目にして早々と去り、自由に走る権利を手に入れた。「簡単ではないことは分かっているが、このジロで何か結果を残したい。強い思いが入り混じっている。現役の終わりを示し、ジロを走る1日1日を大切にしながらフィニッシュまで楽しみたい」とコメントしている。
18年に及ぶプロ生活にピリオドを打つメッシーナの鮫。自身最後のジロで有終の美を飾ることができるだろうか?
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text:Sotaro.Arakawa
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