2022/05/06(金) - 10:40
ジロ・デ・イタリア開幕を2日後に控えた5月4日、開幕地ハンガリーのブダペストでトレック・セガフレードがオンライン記者会見を実施。総合エースのジュリオ・チッコーネ(イタリア)と、区間優勝を目指すバウケ・モレマ(オランダ)がジロ直前の心境を語った。
バウケ・モレマ(オランダ)
バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
現在のコンディションについて
僕はプロトンの中でも新人ではなく、むしろ老人に近い存在だ。その老いぼれはリエージュ~バストーニュ~リエージュの落車で背中と膝を痛め、10日間ほど痛みが残っていた。リエージュの後は3〜日休んでマッサージとケアに充てていた。その甲斐もあり、その後は強度の高いトレーニングをこなすことができた。出力の数値も最高とまではいかないまでも、悪くなかった。だからもう怪我の影響はないはずだ。
今大会のジロにおける目標は?
目標はステージ優勝だ。数年前までは総合優勝を狙っていたが、今大会では区間優勝を狙いにいく。だから何度も逃げに乗る僕の姿を見ることができるだろうね。だからと言って山岳賞を狙うわけではない。そのためには常に逃げ集団に入る必要があるからね。
総合エースを担っていたときと調整方法の変化はあるのか?
調整方法は変えていない。もちろん長い登りと、長時間高い出力を出す逃げに必要な力は違うけど、3週間継続して戦うことができる身体作りという点では変わらないよ。
一つ一つ丁寧に返答するバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
2020年を除き、2019年からジロ〜ツールというスケジュールが続いているが、その理由は?
今年(ツール〜ブエルタではなく)ジロとツールに出場するのは、ツールの後に休養が欲しいから。身体を休め、万全の状態で世界選手権やイタリアンクラシックを狙いたいと思っているからだ。ブエルタもジロと同じぐらい好きなレースなのだが、出場してしまうとそこに標準を合わせることが難しくなるからね。
共に出場するチームメイトについて
チッコーネは総合で10位、あるいは5位まで狙える選手だ。またマティアス・スケルモース(デンマーク)は将来有望な総合選手で、近い将来トップ10か、それよりも高い順位を目指すことのできる選手だ。彼にとって今回が初めてのグランツールになる。3週間という長丁場で身体がどう反応するか、しっかりと学んで将来に活かしてほしい。
開幕地ブダペストについて率直な感想は?
ハンガリーに来てまだ1日しか立っていないが、安全に練習できる土地だとは思えなかった。また、正直イタリアの国外でスタートすることに賛成はできないかな。休息日が1日増えたと思うかもしれないが、飛行機に3時間乗って移動しなければならないんだ。ずっと座ってお尻が痛くなるし、理想的な日程とは言えないよね。
ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの連戦を予定しているバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
ジュリオ・チッコーネ(イタリア)
ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
春のクラシックでイタリア人選手が活躍できなかったことについて
近頃は”イタリア自転車界の終わり”だなんて地元メデイアが書き立てているが、僕はそうは思わない。確かに春のクラシックでイタリア人選手の活躍はなかったし、クライシス(危機的状況)と呼ばれても仕方のない結果だろう。だが、たった1勝でそれらの意見を覆すことができる。昨年ソンニ・コルブレッリが優勝したパリ〜ルーベが、イタリア自転車界をひっくり返えしたようにね。
どのような調整でジロへの準備を進めていたのか?
今年もラ・フレーシュ・ワロンヌやリエージュ~バストーニュ~リエージュに出場するのではなく、高地トレーニングを選んだ。調子は上向きで、開幕から1週間後にピークが来るように調整している。だが、たとえ1週目であろうと攻撃のチャンスがあればアタックするつもりだ。それにチームメイトのマティアス・スケルモース(デンマーク)なら1週目から勝利が狙えるだろう。彼はアシスト以上の走りができる選手だからね。
終始イタリア語で行われたジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)のインタビュー
今年のメンバーには昨年のブエルタ・ア・エスパーニャと今年のイツリア・バスクカントリーで良い走りをしたフアン・ロペス(スペイン)がいる。彼と一緒ならどんな山岳でも、連携して上手く走ることができると思うんだ。
タイムトライアルが短く、よりクライマー向きのジロだが、今年のコースレイアウトの印象は?
確かに今年のジロは個人TTの距離が短く、それが苦手な僕には有利かもしれない。しかし、だからといってTTの重要性を見誤っているつもりはないし、逆に誰にでも総合優勝のチャンスがある大会になっていると思う。この3週間はなにが起きてもおかしくない。
今大会の目標について
地元のキエーティを通る第10ステージでマリアローザを着ることができれば最高だ。だが、正直マリアローザに袖を通すことができるのであればどこでもいい。とにかくマリアローザが着たいんだ。
目標はマリアローザの着用だと謙遜するジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
text:Sotaro.Arakawa
バウケ・モレマ(オランダ)
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現在のコンディションについて
僕はプロトンの中でも新人ではなく、むしろ老人に近い存在だ。その老いぼれはリエージュ~バストーニュ~リエージュの落車で背中と膝を痛め、10日間ほど痛みが残っていた。リエージュの後は3〜日休んでマッサージとケアに充てていた。その甲斐もあり、その後は強度の高いトレーニングをこなすことができた。出力の数値も最高とまではいかないまでも、悪くなかった。だからもう怪我の影響はないはずだ。
今大会のジロにおける目標は?
目標はステージ優勝だ。数年前までは総合優勝を狙っていたが、今大会では区間優勝を狙いにいく。だから何度も逃げに乗る僕の姿を見ることができるだろうね。だからと言って山岳賞を狙うわけではない。そのためには常に逃げ集団に入る必要があるからね。
総合エースを担っていたときと調整方法の変化はあるのか?
調整方法は変えていない。もちろん長い登りと、長時間高い出力を出す逃げに必要な力は違うけど、3週間継続して戦うことができる身体作りという点では変わらないよ。
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2020年を除き、2019年からジロ〜ツールというスケジュールが続いているが、その理由は?
今年(ツール〜ブエルタではなく)ジロとツールに出場するのは、ツールの後に休養が欲しいから。身体を休め、万全の状態で世界選手権やイタリアンクラシックを狙いたいと思っているからだ。ブエルタもジロと同じぐらい好きなレースなのだが、出場してしまうとそこに標準を合わせることが難しくなるからね。
共に出場するチームメイトについて
チッコーネは総合で10位、あるいは5位まで狙える選手だ。またマティアス・スケルモース(デンマーク)は将来有望な総合選手で、近い将来トップ10か、それよりも高い順位を目指すことのできる選手だ。彼にとって今回が初めてのグランツールになる。3週間という長丁場で身体がどう反応するか、しっかりと学んで将来に活かしてほしい。
開幕地ブダペストについて率直な感想は?
ハンガリーに来てまだ1日しか立っていないが、安全に練習できる土地だとは思えなかった。また、正直イタリアの国外でスタートすることに賛成はできないかな。休息日が1日増えたと思うかもしれないが、飛行機に3時間乗って移動しなければならないんだ。ずっと座ってお尻が痛くなるし、理想的な日程とは言えないよね。
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ジュリオ・チッコーネ(イタリア)
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春のクラシックでイタリア人選手が活躍できなかったことについて
近頃は”イタリア自転車界の終わり”だなんて地元メデイアが書き立てているが、僕はそうは思わない。確かに春のクラシックでイタリア人選手の活躍はなかったし、クライシス(危機的状況)と呼ばれても仕方のない結果だろう。だが、たった1勝でそれらの意見を覆すことができる。昨年ソンニ・コルブレッリが優勝したパリ〜ルーベが、イタリア自転車界をひっくり返えしたようにね。
どのような調整でジロへの準備を進めていたのか?
今年もラ・フレーシュ・ワロンヌやリエージュ~バストーニュ~リエージュに出場するのではなく、高地トレーニングを選んだ。調子は上向きで、開幕から1週間後にピークが来るように調整している。だが、たとえ1週目であろうと攻撃のチャンスがあればアタックするつもりだ。それにチームメイトのマティアス・スケルモース(デンマーク)なら1週目から勝利が狙えるだろう。彼はアシスト以上の走りができる選手だからね。
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今年のメンバーには昨年のブエルタ・ア・エスパーニャと今年のイツリア・バスクカントリーで良い走りをしたフアン・ロペス(スペイン)がいる。彼と一緒ならどんな山岳でも、連携して上手く走ることができると思うんだ。
タイムトライアルが短く、よりクライマー向きのジロだが、今年のコースレイアウトの印象は?
確かに今年のジロは個人TTの距離が短く、それが苦手な僕には有利かもしれない。しかし、だからといってTTの重要性を見誤っているつもりはないし、逆に誰にでも総合優勝のチャンスがある大会になっていると思う。この3週間はなにが起きてもおかしくない。
今大会の目標について
地元のキエーティを通る第10ステージでマリアローザを着ることができれば最高だ。だが、正直マリアローザに袖を通すことができるのであればどこでもいい。とにかくマリアローザが着たいんだ。
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text:Sotaro.Arakawa
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