前日と同じく集団スプリントに持ち込まれたダンケルク4日間レース第2ステージ。テクニカルなコーナーを利用して番手を上げたジェイソン・テソン(フランス、サンミッシェル・オーベル93)が、ヘルベン・タイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)らを抑え勝利した。



ベテューヌの街をスタートする選手たちベテューヌの街をスタートする選手たち (c)www.4joursdedunkerque.org
フランス北部で開催中のダンケルク4日間レース(2.Pro)2日目は、ベテューヌから西へモブージュに向かう181.5km。フィニッシュに向けて徐々に標高を上げていくものの、前日と同様の集団スプリントが予想される平坦レイアウトで争われた。

グルパマ・エフデジの下部チーム(エキップコンチネンタル・グルパマ・エフデジ)に所属するサミュエル・ワトソン(イギリス)ら5名が逃げグループを形成する。一方のメイン集団は、前日の落車でエーススプリンターのアルノー・デリー(ベルギー)を失ったロット・スーダルがコントロールを担当。レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ)での勝利を目指し、平均速度32.4km/hという比較的穏やかなペースで距離を消化していった。

この日はアルペシン・フェニックスやヒューマンパワードヘルスもメイン集団を牽引したこの日はアルペシン・フェニックスやヒューマンパワードヘルスもメイン集団を牽引した (c)www.4joursdedunkerque.org
レース中盤と残り12km地点でゼッケン1をつけるフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)が2度に渡って仕掛けるものの、決定的な動きには繋がらない。その後バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)の単独アタックをプロトンが引き戻すと、集団スプリントへとなだれ込んだ。

ベテューヌの市街地に入り、コーナーが連続するため各チームが隊列を保つことができない。混沌とした中でもクレモン・ルッソ(フランス、アルケア・サムシック)のリードアウト役を担うクレモン・ルッソ(フランス)が先頭でフラムルージュ(残り1km)通過。しかし、その後ろにエーススプリンターの姿はなかった。

キャリアハイとなる勝利を挙げたジェイソン・テソン(フランス、サンミッシェル・オーベル93)キャリアハイとなる勝利を挙げたジェイソン・テソン(フランス、サンミッシェル・オーベル93) (c)www.4joursdedunkerque.org
最終ストレートに各チームのエーススプリンターが単独で突入すると、役割を果たし遅れていくルッソに代わりに前日2位だったジェイソン・テソン(フランス、サンミッシェル・オーベル93)が先頭に躍り出る。そして迫るヘルベン・タイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)を抑え込んだテソンが、ハンドルを投げて勝利を掴み取った。

ワールドチームを破ったテソンは2020年にラリー・サイクリング(現ヒューマンパワードヘルス)でプロデビューを果たした24歳。また所属する1994年創設されたサンミッシェル・オーベル93はフランス北部のセーヌ=サン=ドニ県を拠点に活動するコンチネンタルチームで、かつてはトニー・ガロパン(フランス、トレック・セガフレード)を輩出した名門チームだ。
ダンケルク4日間レース2022第2ステージ結果
1位 ジェイソン・テソン(フランス、サンミッシェル・オーベル93) 4:04:25
2位 ヘルベン・タイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
3位 トマ・ブダ(フランス、ゴースポーツ・ルーベリールメトロポール)
4位 アーヴィッド・デクレイン(オランダ、ヒューマンパワードヘルス)
5位 ユーゴ・オフステテール(フランス、アルケア・サムシック)
個人総合成績
1位 ジェイソン・テソン(フランス、サンミッシェル・オーベル93) 7:35:20
2位 アーヴィッド・デクレイン(オランダ、ヒューマンパワードヘルス) 0:09
3位 ヘルベン・タイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) 0:13
4位 エヴァルダス・シシュケヴィチュス(リトアニア、ゴースポーツ・ルーベリールメトロポール)
5位 ニルス・エーコフ(オランダ、チームDSM) 0:15
その他の特別賞
ポイント賞 ジェイソン・テソン(フランス、サンミッシェル・オーベル93)
山岳賞 アレックス・コールマン(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
ヤングライダー賞 ジェイソン・テソン(フランス、セントミッシェル・ウベール93)
チーム総合成績 グルパマ・エフデジ
text:Sotaro.Arakawa