東京都江東区のルブリカントでフカヤレーシングの体制発表会が開催された。2022シーズンはUCIのMTBチームになり、竹内遼と松本佑太に加え、鈴木来人が加入し、新監督は小林輝紀が務める。さらにフカヤレーシングがプロデュースする若手育成MTBチーム「TeensMAP」が発足される。



ルブリカントで開催されたフカヤレーシングの2022シーズン体制発表会ルブリカントで開催されたフカヤレーシングの2022シーズン体制発表会 photo:Michinari TAKAGI
春らしく暖かい自転車日和の気候の中、フカヤレーシングの2022シーズン体制発表会が東京都江東区のロードバイクマンション「ルブリカント」で開催され、フカヤレーシングのスポンサーやサプライヤーなどの関係者が集結した。フカヤレーシングは2019年に発足したMTBチームで今シーズンで4年目を迎える。

今年からはアジアで唯一のMTBのUCIチームとなる。2022シーズンの登録選手は昨シーズンからの継続選手である竹内遼と松本佑太の2名に加え、シクロクロスのU23カテゴリーで全日本チャンピオンである鈴木来人が加入し、3名で構成される。

2022シーズンのフカヤレーシング2022シーズンのフカヤレーシング photo:Michinari TAKAGI
フカヤレーシングのスポンサーやサプライヤーフカヤレーシングのスポンサーやサプライヤー photo:Michinari TAKAGI
フカヤレーシングのジャージフカヤレーシングのジャージ photo:Michinari TAKAGI
今年のチームウェアは昨年に引き続きパールイズミのチームウェアを使用する。チームジャージのデザインは胴体部がブラック、袖はホワイトでモノトーンで締まったデザインは継続。ただし、今年から右胸にUCIチームの証としてUCIロゴが入るのが大きな違いだ。

さらに、フカヤレーシングがプロデュースする若手育成MTBチーム「TeensMAP」の発足も発表された。チーム名の由来は「10代の地図」で、高校生が世界に挑戦する過程で様々な事を経験し、戦っていく中で自分の地図を埋めていくと意味があるそうだ。

活動概要としては年に2回以上のジュニアワールドシリーズ参戦の為の海外遠征を行っていく。チームに加入するのはMTB全日本選手権XCOの男子ユース優勝の高橋翔と後日発表される2名の計3名で構成される。

ロッキーマウンテン ELEMENT カーボンロッキーマウンテン ELEMENT カーボン photo:Michinari TAKAGI
昨年から使用しているロッキーマウンテン昨年から使用しているロッキーマウンテン photo:Michinari TAKAGIコンポーネントはXTR M9100シリーズで統一コンポーネントはXTR M9100シリーズで統一 photo:Michinari TAKAGI

セッレイタリア  X-LR SUPERFLOWセッレイタリア X-LR SUPERFLOW photo:Michinari TAKAGIミシュラン JET XCRミシュラン JET XCR photo:Michinari TAKAGI

チームが使用するバイクは、昨年からスポンサーになったエイアンドエフの取り扱いバイクブランドのロッキーマウンテン ELEMENT カーボンを引き続き使用する。コンポーネントはXTR M9100シリーズで統一されている。

タイヤはミシュランのJET XCRチューブレスタイヤとブラックオックスのシーラントの組み合わせで使用。サドルは120年以上の歴史を持つ老舗サドルブランド、セッレイタリア。サイクルコンピュータはブライトン、ソックスはヴェロトーゼなどフカヤが取り扱うブランドでチームキットは構成されている。

■竹内遼のコメント

全日本選手権でタイトルを狙う竹内遼全日本選手権でタイトルを狙う竹内遼 photo:Michinari TAKAGI
個人の目標としては全日本選手権でタイトルを獲得することを目標にしています。シーズン前半の目標として、来週に兵庫県の菖蒲谷でレースがあるんですけど、そこがアジア大会の選考大会になっているので、頑張りたいですね。もう一つは、ワールドカップでフルラップを目標にしています。

僕らもチームとして憧れられる存在でありたいです。僕らを見て、小さい子がMTB選手になりたいと思ってもらいたい。実は僕が10年前がそうだったんです。MTB選手を見て憧れていたので、次は僕らの番だと思っています。そうじゃないと、MTB界の選手がいなくなってしまうので、憧れられる存在で常にありたいなと思います。見られる立場なので、かっこいいなと思われる存在でありたいなと思います。

■松本佑太のコメント

チームマネージャー兼選手の松本佑太チームマネージャー兼選手の松本佑太 photo:Michinari TAKAGI
去年はエリミネーターの方で走らせてもらったんですけど、ミスがあってチャンスを逃してしまった。トレーニングでは、勝負所で大切になるスキルの部分を磨いていきたいです。

チームの目標は新たに2人が加わって、創設時代からいる自分と竹内からするとチームが大きくなった感じましたし、UCIチームになれたので、ワールドカップを頑張っていきたいです。やっと、主戦場をワールドカップにできたのかなと。

ワールドカップに参戦できるので、自転車業界や一般の方にアピールしていきたい。選手主体でやってきたからこそ見えてきた世界があるので、「TeensMAP」ができて、自分たちがワールドカップに行ったのは21歳のときなので、もっと下の世代に出場してもらって、成長してもらいたい。

■鈴木来人のコメント

新加入の鈴木来人新加入の鈴木来人 photo:Michinari TAKAGI
個人の目標で全日本選手権のU23でタイトルを獲得とワールドカップのフルラップ完走というのは確実に狙っていきたいです。チームとしてはアジア大会や世界選手権には代表として参加したいですし、竹内さんとともに代表に選ばれたいです。

ロッキーマウンテン ELEMENT カーボンは素直に曲がってくれる癖がないバイクです。最近はクロスカントリーのコースでも下りが過激化しているので、ストローク量が多くレースでも対応してくれます。実は、自分の自転車は自分で組むようにしています。自分で組んだほうが、構造を理解できるので、走りにも活かせるんじゃないかなと思っています。

■高橋翔のコメント

若手育成MTBチーム「TeensMAP」に加入する高橋翔若手育成MTBチーム「TeensMAP」に加入する高橋翔 photo:Michinari TAKAGI
個人の目標は5月と8月にジュニアシリーズというワールドカップと同時開催される海外のレースがあるんですが、そこでトップ10フィニッシュができればと思います。また、国内でも頑張っていきたいです。

いずれは先輩方に追いつき追い越していきたい存在であるので、今シーズンは頑張って行きたいです。また、国内ではMTBはマイナースポーツなので、野球やサッカーのようなメジャースポーツにしていきたいです。

■小林輝紀監督のコメント

新しく監督を務める小林輝紀氏新しく監督を務める小林輝紀氏 photo:Michinari TAKAGI
チームメンバーの全員が大きな事故なくシーズンを終えることが監督としての目標です。このメンバーが怪我することなく走れば、彼らが持っているリザルトは自ずと見えてくる。予定しているレース全部に出れて、僕らが目指している走りができて、選手が心身ともに健康にシーズンを駆け抜ければ、僕らは日本一が絶対見えてくると思っています。そうすれば、アジア大会の代表を勝ち取れるし、その先の全日本選手権も確実に狙っていきたい一年にしたいです。

国内だと、UCIポイントがかかってくるレースは必ず参加しますし、CJの開幕戦があるんですけど、日本代表の強化指定選手やアジア大会の代表選考レースになるので、フカヤレーシングが一番強いチームであることを示して行きたいので、全開で行きます。

ワールドカップのドイツとチェコ、国内では八幡浜ではアジア初のオークラス(Hors class)のレースが行われるので、しっかりポイントを取って行きたいですね。前半はこんな感じで後半は全日本選手権に向けてプログラムを組み立てられるので、全日本選手権でタイトルを取ってアジア大会に選手を送り込みたいです。

■株式会社フカヤ 代表取締役社長 谷内一路氏のコメント

株式会社フカヤ 代表取締役社長 谷内一路氏 株式会社フカヤ 代表取締役社長 谷内一路氏 photo:Michinari TAKAGI
やはり日本だけではなく、世界に向けてチャレンジしていくことがチーム発足の時からの目標なので、フカヤレーシングにはぶれずにチャレンジしてもらいたいです。そして、彼らに続く人材が出てこないと業界全体が盛り上がらない。彼らに続く人材が出てくれば、フカヤレーシングのレベルが上がってくるので、期待しています。

せっかく東京オリンピックでMTBの盛り上がりもできて、その後がとても大切だと考えています。彼らも期待していますけど、彼らに続く選手にも期待しています。フカヤレーシングを目指してくれる選手が出てきてくれると、チームをサポートしている甲斐があります。

今は自転車が非常に見直されてきているので、オンロードも良いんですけど、オフロードにも目を向けてもらいたいと思っています。自転車人口のピラミッドの頂点はやっぱり競技だと思っているので、MTBの競技に行きつく人が増えるようになってもらいたいですね。
2022年暫定シーズン活動スケジュール
日付 レース名
3月5日~3月末 トルコ合宿 4戦出場予定
4月23日~24日 Coupe du Japon菖蒲谷大会
5月6日~8日 UCI MTB World Cup/ドイツ,Albstadt
5月13日~15日 UCI MTB World Cup/チェコ, Nové Město
5月21日~22日 Coupe du Japon八幡浜大会
6月10日~12日 UCI MTB World Cup/オーストリア, Leogang
7月中旬 全日本選手権大会自転車競技XCO
7月29日~31日 UCI MTB World Cup/アメリカ, Snowshoe
8月4日~5日 UCI MTB World Cup/カナダ,Mont-Sainte
8月24日~28日 UCI MTB World Championships/フランス,LesGets
9月2日~4日 UCI MTB World Cup/イタリア,Val di sole
9月23日~25日 Coupe du Japon下関大会
10月1日~2日 全日本選手権大会自転車競技XCC/XCE
フカヤレーシングの選手とスポンサーやサプライヤーのチーム関係者 フカヤレーシングの選手とスポンサーやサプライヤーのチーム関係者 photo:Michinari TAKAGI
text&photo:Michinari TAKAGI

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