2022/04/08(金) - 18:28
国内最大規模の試乗・展示会、サイクルモード。華やかなブースが立ち並ぶ会場で見つけた注目のブランドを紹介しよう。今回はミズタニ自転車(リドレー、DMT、MET)、インターテック(ワフー、ベル)、そしてアスリートの合宿地として人気の沖縄を紹介するSports Island Okinawaをピックアップ。
ミズタニ自転車:ポガチャルが使用するギアが多数ラインアップ、カラバリが充実したリドレー
ツール・ド・フランスを2連覇し、今シーズンは石畳のクラシックにも参戦し八面六臂の活躍をみせるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。ヘルメットから髪の毛が飛び出している姿は、彼のトレードマークと言っても過言ではないほど、見かけるシーンは非常に多い。
そんなポガチャルの頭部を守るのはイタリアンヘルメットブランドのMETだ。RIVALEやMANTAなど様々なロード用ヘルメットがラインアップされるが、UAEチームエミレーツの選手たちが主に着用するのは、フラッグシップモデルのTRENTA CARBONだ。
軽量性と強度に優れるカーボン素材の骨格で強化されたシェルが、非常に優れたプロテクション性能を実現していることが特徴だ。同時に通気性を確保するべく、非常に大きなベンチレーションホールが開けられており、ヘルメット内に熱がこもりにくくなっている。
さらに、エアロダイナミクスにも優れるシェル設計が採用されているため、TRENTAは空力、通気性、プロテクション性能といったレーシングヘルメットに求められる性能の多くを高次元で実現しているヘルメットと言えるだろう。その性能はポガチャルの活躍が証明してくれているはずだ。
ポガチャルが身に着けるアイテムで注目を集めているのは、DMTのシューズだろう。昨年のツールではカタログに載っていない靴紐モデルをポガチャルは着用しており、多くのサイクリストの視線を集めた。そんなシューズは現在KRSLとしてラインアップされており、サイクルモードでは展示・試着が行われ、多くのサイクリストが試着のために足を運んだという。
KRSLは近年のDMTが注力するニット素材をアッパーとし、クロージャーを靴紐式としたモデル。エリア・ヴィヴィアーニと共同で開発したKR1、その次世代モデルのKR0はBOAクロージャーを採用している点がKRSLとの違い。KRSL、KR0、KR1の3足それぞれがクロージャーの構成が異なっており、フラッグシップ級で3足もバリエーションが展開されていることがDMTの強みとなるはずだ。
また、ミズタニ自転車はリドレーの取り扱いを行なっており、試乗と展示をサイクルモードで展開した。人気ブランドだけありリドレーの試乗には非常に多くのサイクリストが集まったという。ブースも白を基調とした色合いで、空間を広く使った演出が施されており、一際目立つブースに仕上げられていた。リドレーは4月よりYUKARIさんをアンバサダーに迎えており、自身もリドレーユーザーであるYUKARIさんがブースを案内してくれた。
YUKARIさんがリドレーを選んだ理由は弱虫ペダルの影響と、実際に車体を見たときに「リドレー以外目に入らなかったです!」と一目惚れしてしまったからだという。国内120台限定のFENIX Cを購入した後は一気にロードバイクにハマってしまったのだとか。「地元の山を自転車で登れるなんて夢のようでしたし、100kmも走り切れてしまうし、旅の要素もあるし、爽快感もあってどんどんハマっていきました」と言う。
そんなYUKARIさんが推すリドレー2022モデルは、新たなカラーリングとなったFenix SLiCだ。白をベースにゴールドのアクセントカラーがあしらわれ、ゴージャスな雰囲気が演出されている。これまでリドレーのラインアップにはなかったパープルカラーのHelium SLX Discと並び、多くの来場者の足を止める存在感を放っていた。
インターテック:大盛況のワフーと新製品が続々登場したベル
東京ビッグサイト南ホール側の入り口近くに構えられたインターテックのワフーブースには非常に多くのサイクリストが足を運んだ。ワフーは発表したばかりのSPEEDPLAY POWERLINKとKICKR ROLLRの組み合わせはもちろん、KICKR、KICKR CORE、KICKR BIKEの試乗を行うことができ、サイクリストが列を作りその性能を試した。
KICKRの人気はもちろんのことだが、サイクルモードではKICKR ROLLRの評判が高かったのだとか。気軽にバイクをセットすることができ、準備も片付けも容易なことが注目を集めたのではないだろうか。タイヤドライブ式ながら、負荷装置をタイヤに押し付けない自重式かつ、KICKRで定評のあるベルトとフライホイールを使っているため、静粛性にも期待が持てそう。
KICKR ROLLRをバーチャルサイクリングで使用する場合は別途パワーメーターとペアリングする必要がある。今回の試乗ではもちろんPOWERLINKが用いられており、試乗シューズも別途用意されるほど熱が入っていたようだ。スピードプレイ式のペダルを初めて体験するサイクリストも多かったようで、貴重な経験となったはずだ。
また、インターテックはワフーKICKRに対応するInsideRideを展開予定だ。これはKICKRのホームトレーナーに前後のスライドや傾きを与える台座。よりリアルな走行感を得るためのものであり、インドアサイクリングを豊かにしてくれるだろう。
様々な分野で高い人気を誇るヘルメットブランドのベルは、新しいロード用のオールラウンドモデルXRを発表した。MIPSスフェリカルと言うシェルを二重構造とした安全テクノロジーを採用することで、通気性やフィット感を犠牲にせず、アクシデント時に脳へのダメージを低減する安全性を獲得したことが特徴だ。デザインもベルの歴史を感じさせるものであり、ベルの意欲作であることが窺える。
またマウンテンバイク用のエントリーグレードSPARKがMIPS搭載の第2世代へとアップデートされ、さらなる安全性を手に入れた。他にもミドルグレードの4FORTYもモデルチェンジを果たしており、通気性を向上させたモデルへと進化を遂げている。
ステージズサイクリングでのトピックは、左側クランクのパワーメーターラインアップにシマノR9200系とR8100系が早くも登場したこと。既にシマノの新型コンポーネントをお持ちの方はチェックしてみてはいかがだろうか。
アメリカでは絶大な人気を誇るというアイウェアブランドのティフォージ・オプティクスは、近年のトレンドとなっている大型レンズを採用した2モデルをリリースする。調光ミラーレンズなどが搭載されるため、使い勝手に優れるアイウェアに仕上げられていそうだ。販売は6月ごろを予定しているとのこと。
Sports Island Okinawa:アスリートの合宿やライドをサポートする沖縄
「すべてのアスリートを支える島」がキャッチフレーズの「Sports Island Okinawa」のブースにはリオ五輪ロードレース代表選手の内間康平さんの姿が。引退した現在はサイクリングガイドとしての活動を始め、故郷の沖縄県をベースに活動中。サイクルツーリングのガイドだけでなく、ツール・ド・おきなわのコースでレースの走り方を学ぶ実践トレーニングなど、経験に基づいたサイクリスト向けプランも準備中。期待できそうだ。
text&photo: Gakuto Fujiwara , Makoto AYANO
ミズタニ自転車:ポガチャルが使用するギアが多数ラインアップ、カラバリが充実したリドレー
ツール・ド・フランスを2連覇し、今シーズンは石畳のクラシックにも参戦し八面六臂の活躍をみせるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。ヘルメットから髪の毛が飛び出している姿は、彼のトレードマークと言っても過言ではないほど、見かけるシーンは非常に多い。
そんなポガチャルの頭部を守るのはイタリアンヘルメットブランドのMETだ。RIVALEやMANTAなど様々なロード用ヘルメットがラインアップされるが、UAEチームエミレーツの選手たちが主に着用するのは、フラッグシップモデルのTRENTA CARBONだ。
軽量性と強度に優れるカーボン素材の骨格で強化されたシェルが、非常に優れたプロテクション性能を実現していることが特徴だ。同時に通気性を確保するべく、非常に大きなベンチレーションホールが開けられており、ヘルメット内に熱がこもりにくくなっている。
さらに、エアロダイナミクスにも優れるシェル設計が採用されているため、TRENTAは空力、通気性、プロテクション性能といったレーシングヘルメットに求められる性能の多くを高次元で実現しているヘルメットと言えるだろう。その性能はポガチャルの活躍が証明してくれているはずだ。
ポガチャルが身に着けるアイテムで注目を集めているのは、DMTのシューズだろう。昨年のツールではカタログに載っていない靴紐モデルをポガチャルは着用しており、多くのサイクリストの視線を集めた。そんなシューズは現在KRSLとしてラインアップされており、サイクルモードでは展示・試着が行われ、多くのサイクリストが試着のために足を運んだという。
KRSLは近年のDMTが注力するニット素材をアッパーとし、クロージャーを靴紐式としたモデル。エリア・ヴィヴィアーニと共同で開発したKR1、その次世代モデルのKR0はBOAクロージャーを採用している点がKRSLとの違い。KRSL、KR0、KR1の3足それぞれがクロージャーの構成が異なっており、フラッグシップ級で3足もバリエーションが展開されていることがDMTの強みとなるはずだ。
また、ミズタニ自転車はリドレーの取り扱いを行なっており、試乗と展示をサイクルモードで展開した。人気ブランドだけありリドレーの試乗には非常に多くのサイクリストが集まったという。ブースも白を基調とした色合いで、空間を広く使った演出が施されており、一際目立つブースに仕上げられていた。リドレーは4月よりYUKARIさんをアンバサダーに迎えており、自身もリドレーユーザーであるYUKARIさんがブースを案内してくれた。
YUKARIさんがリドレーを選んだ理由は弱虫ペダルの影響と、実際に車体を見たときに「リドレー以外目に入らなかったです!」と一目惚れしてしまったからだという。国内120台限定のFENIX Cを購入した後は一気にロードバイクにハマってしまったのだとか。「地元の山を自転車で登れるなんて夢のようでしたし、100kmも走り切れてしまうし、旅の要素もあるし、爽快感もあってどんどんハマっていきました」と言う。
そんなYUKARIさんが推すリドレー2022モデルは、新たなカラーリングとなったFenix SLiCだ。白をベースにゴールドのアクセントカラーがあしらわれ、ゴージャスな雰囲気が演出されている。これまでリドレーのラインアップにはなかったパープルカラーのHelium SLX Discと並び、多くの来場者の足を止める存在感を放っていた。
インターテック:大盛況のワフーと新製品が続々登場したベル
東京ビッグサイト南ホール側の入り口近くに構えられたインターテックのワフーブースには非常に多くのサイクリストが足を運んだ。ワフーは発表したばかりのSPEEDPLAY POWERLINKとKICKR ROLLRの組み合わせはもちろん、KICKR、KICKR CORE、KICKR BIKEの試乗を行うことができ、サイクリストが列を作りその性能を試した。
KICKRの人気はもちろんのことだが、サイクルモードではKICKR ROLLRの評判が高かったのだとか。気軽にバイクをセットすることができ、準備も片付けも容易なことが注目を集めたのではないだろうか。タイヤドライブ式ながら、負荷装置をタイヤに押し付けない自重式かつ、KICKRで定評のあるベルトとフライホイールを使っているため、静粛性にも期待が持てそう。
KICKR ROLLRをバーチャルサイクリングで使用する場合は別途パワーメーターとペアリングする必要がある。今回の試乗ではもちろんPOWERLINKが用いられており、試乗シューズも別途用意されるほど熱が入っていたようだ。スピードプレイ式のペダルを初めて体験するサイクリストも多かったようで、貴重な経験となったはずだ。
また、インターテックはワフーKICKRに対応するInsideRideを展開予定だ。これはKICKRのホームトレーナーに前後のスライドや傾きを与える台座。よりリアルな走行感を得るためのものであり、インドアサイクリングを豊かにしてくれるだろう。
様々な分野で高い人気を誇るヘルメットブランドのベルは、新しいロード用のオールラウンドモデルXRを発表した。MIPSスフェリカルと言うシェルを二重構造とした安全テクノロジーを採用することで、通気性やフィット感を犠牲にせず、アクシデント時に脳へのダメージを低減する安全性を獲得したことが特徴だ。デザインもベルの歴史を感じさせるものであり、ベルの意欲作であることが窺える。
またマウンテンバイク用のエントリーグレードSPARKがMIPS搭載の第2世代へとアップデートされ、さらなる安全性を手に入れた。他にもミドルグレードの4FORTYもモデルチェンジを果たしており、通気性を向上させたモデルへと進化を遂げている。
ステージズサイクリングでのトピックは、左側クランクのパワーメーターラインアップにシマノR9200系とR8100系が早くも登場したこと。既にシマノの新型コンポーネントをお持ちの方はチェックしてみてはいかがだろうか。
アメリカでは絶大な人気を誇るというアイウェアブランドのティフォージ・オプティクスは、近年のトレンドとなっている大型レンズを採用した2モデルをリリースする。調光ミラーレンズなどが搭載されるため、使い勝手に優れるアイウェアに仕上げられていそうだ。販売は6月ごろを予定しているとのこと。
Sports Island Okinawa:アスリートの合宿やライドをサポートする沖縄
「すべてのアスリートを支える島」がキャッチフレーズの「Sports Island Okinawa」のブースにはリオ五輪ロードレース代表選手の内間康平さんの姿が。引退した現在はサイクリングガイドとしての活動を始め、故郷の沖縄県をベースに活動中。サイクルツーリングのガイドだけでなく、ツール・ド・おきなわのコースでレースの走り方を学ぶ実践トレーニングなど、経験に基づいたサイクリスト向けプランも準備中。期待できそうだ。
text&photo: Gakuto Fujiwara , Makoto AYANO
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