タジキスタンで開催されたロードアジア選手権男子エリートは3名によるスプリントで決着。増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が個人TTに続く2位銀メダルを獲得し、優勝はカザフスタンのイゴール・チザンだった。



スタートを待つ草場啓吾と増田成幸スタートを待つ草場啓吾と増田成幸 photo:JCF
3月29日、タジキスタンの首都ドゥシャンべを舞台に男子エリートのロードレースが行われた。コースはドゥシャンべを発着点とする175kmで、ドゥシャンべから真南に位置するハトロン州の丘(標高1262m)を2度登る。しかし勾配は緩いため、ほぼフラットなコースでアジアチャンピオンの座が争われた。

ドゥシャンべの幹線道路に設置されたスタート地点に並んだのは、コンディション不良のため出走を回避した山本大喜(キナンレーシングチーム)を除く40名の選手たち。日本からは全日本チャンピオンの草場啓吾(愛三工業レーシング)と、先んじて行われた個人タイムトライアルで2位銀メダルを獲得した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が出場した。

スタート直後から増田を含む選手たちが9人の逃げ集団を形成したものの、レース前半はアタックと吸収を繰り返す慌ただしい展開に。約20名のメイン集団が3名の逃げグループを追う形で一度は落ち着きを見せたが、残り50km地点からカザフスタンが集団前方でペースアップを敢行。この加速によって逃げを吸収したメイン集団は、増田を含む8名に絞り込まれた。

ローテーションを組みながらドゥシャンべの街に戻った先鋭集団から、残り8km地点でカザフスタンU23個人TT王者のイゴール・チザン(カザフスタン)が飛び出す。この動きに増田とジャムバルジャミツ・サインバーヤル(モンゴル)が追従。その後もチザンが何度かアタックを試みるもものの、2人を振り切ることはできず、勝負はスプリントへと持ち込まれた。

残り300m地点から増田がロングスプリントを仕掛け、チザンとサインバーヤルがそのスリップストリームに入る。そしてフィニッシュ手前で増田をかわした22歳のチザンが、先頭でフィニッシュラインを通過した。

スプリントで競り合う増田成幸とイゴール・チザン(カザフスタン)スプリントで競り合う増田成幸とイゴール・チザン(カザフスタン) photo:JCF
アジアチャンピオンはイゴール・チザン(カザフスタン)の手にアジアチャンピオンはイゴール・チザン(カザフスタン)の手に photo:JCF
3月27日の個人タイムトライアルに続く2位でレースを終えた増田は「アジア選手権ロードレース銀メダル.。個人TTとは違って、もの凄く悔しい。しかし悔しい気持ちが冷めやらぬままに、レースが終われば互いの健闘を讃え合うのだ。戦った相手へのリスペクトは、選手として大切にしている心構え!今日も応援ありがとうございました」と、自身のSNSに綴った。この結果により増田はUCIポイント200点を獲得。個人TTでも55点を得ていることから、ロード世界選手権の参加枠獲得に向けて大きな貢献となった。

一方「逃げが決まった後の牽制とアタック合戦で後手を踏む展開で終えてしまいました」と語る草場は、トップから19分11遅れの24位でフィニッシュ。こちらもUCIポイント5点を獲得している。

ロードアジア選手権2022 男子エリートロードレース表彰台ロードアジア選手権2022 男子エリートロードレース表彰台 photo:JCF
ロードアジア選手権2022男子エリートロードレース結果
1位 イゴール・チザン(カザフスタン) 4:26:40
2位 増田成幸
3位 ジャムバルジャミツ・サインバーヤル(モンゴル)
4位 ビルグーンジャーガル・エルデネバット(モンゴル) 1:00
5位 アンドレイ・ツェイツ(カザフスタン)
24位 草場啓吾 19:11