ファンデルプールが残り100kmから飛び出したコッピ・エ・バルタリ2日目。終始レースを圧倒したイネオス・グレナディアーズのイーサン・ヘイター(イギリス)が勝利し、同集団でフィニッシュしたエディ・ダンバー(アイルランド)が総合首位に立った。
アドリア海沿岸の街リッチョーネを出発する第2ステージ photo:CorVos
イタリア中部を舞台にした第37回セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)2日目は、レース中盤から22kmの周回コースを周る丘陵ステージ。勝負所は合計4度越える3級山岳ロンコフレッド(距離7km/平均3.5%)で、春のクラシックを見据えるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が見せ場を作った。
レースはパトリック・ガンパー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)とジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら4名が、序盤から逃げ集団を形成する展開に。しかしスタート直後からアルペシン・フェニックスがメイン集団をハイスピードで牽引すると、周回コースに入る前の60km地点で早くも逃げグループを吸収。再びひと塊になったメイン集団から、「クラシックを見据えレースの強度を高めたかった」と語るファンデルプールがフィニッシュまで100km地点から飛び出した。
序盤から逃げを形成したパトリック・ガンパー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)ら4名 photo:CorVos
100kmを残しアタックを見せたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
この動きにプロトンは混乱を極め、追走のためスピードを上げる追走集団は早くも40名程度に絞られた。開幕3レース目とは思えないスピードで周回コースに突入したファンデルプールだったが、イネオス・グレナディアーズによる懸命な牽引でなんとか引き戻すことに成功。引き続きイネオス・グレナディアーズのゲラント・トーマス(イギリス)が牽引を始めると、繰り下げで新人賞ジャージを着るイーサン・ヘイター(イギリス)が「速度を少しを落としてほしいと頼んだ」と言うほどのハイスピードで周回を重ねていった。
約50kmに渡り集団牽引をしたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
トーマスのペーシングによって更に人数が減ったメイン集団から、20歳の新加入クライマーであるベン・トゥレット(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がヘイターとエディ・ダンバー(アイルランド)を引き連れる形で加速。これに反応した選手たちと8名の先鋭集団が出来上がると、UAEチームエミレーツが中心となった追走集団が引き戻し、この動きにファンデルプールがついていけず遅れていった。
残り3kmでアンドレス・アルディラ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がアタックするものの、これもイネオスが残り500mで捉え、勝負は小集団スプリントへ。下り基調の最終ストレートでトゥレットのリードアウトからフィニッシュ手前10mでヘイターが飛び出し、マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)を振り切ったヘイターが勝利を掴み取った。
リードアウトから飛び出すイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とマッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
小集団スプリントを制した,イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
「今年最初の勝利を挙げることができて嬉しいよ。1月にコロナに感染し、満足に練習ができなかった影響でここまで長い距離のレースに苦しめられてきていた」とヘイターは喜び、「ファンデルプールのアタックによってプロトンはパニックに陥った。だが僕たちは集団先頭でレースをコントロールし、積極的に展開を動かすことで勝利を掴み取ったんだ」とレースを振り返った。
マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル)が集団から遅れたため、先頭集団内でフィニッシュしたダンバーが総合首位に浮上。ヘイターは総合でも2位に上がり、トゥレットは4位にランクインするなどイネオス・グレナディアーズとしては理想的な状態で2日目を終えた。

イタリア中部を舞台にした第37回セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)2日目は、レース中盤から22kmの周回コースを周る丘陵ステージ。勝負所は合計4度越える3級山岳ロンコフレッド(距離7km/平均3.5%)で、春のクラシックを見据えるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が見せ場を作った。
レースはパトリック・ガンパー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)とジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら4名が、序盤から逃げ集団を形成する展開に。しかしスタート直後からアルペシン・フェニックスがメイン集団をハイスピードで牽引すると、周回コースに入る前の60km地点で早くも逃げグループを吸収。再びひと塊になったメイン集団から、「クラシックを見据えレースの強度を高めたかった」と語るファンデルプールがフィニッシュまで100km地点から飛び出した。


この動きにプロトンは混乱を極め、追走のためスピードを上げる追走集団は早くも40名程度に絞られた。開幕3レース目とは思えないスピードで周回コースに突入したファンデルプールだったが、イネオス・グレナディアーズによる懸命な牽引でなんとか引き戻すことに成功。引き続きイネオス・グレナディアーズのゲラント・トーマス(イギリス)が牽引を始めると、繰り下げで新人賞ジャージを着るイーサン・ヘイター(イギリス)が「速度を少しを落としてほしいと頼んだ」と言うほどのハイスピードで周回を重ねていった。

トーマスのペーシングによって更に人数が減ったメイン集団から、20歳の新加入クライマーであるベン・トゥレット(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がヘイターとエディ・ダンバー(アイルランド)を引き連れる形で加速。これに反応した選手たちと8名の先鋭集団が出来上がると、UAEチームエミレーツが中心となった追走集団が引き戻し、この動きにファンデルプールがついていけず遅れていった。
残り3kmでアンドレス・アルディラ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がアタックするものの、これもイネオスが残り500mで捉え、勝負は小集団スプリントへ。下り基調の最終ストレートでトゥレットのリードアウトからフィニッシュ手前10mでヘイターが飛び出し、マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)を振り切ったヘイターが勝利を掴み取った。


「今年最初の勝利を挙げることができて嬉しいよ。1月にコロナに感染し、満足に練習ができなかった影響でここまで長い距離のレースに苦しめられてきていた」とヘイターは喜び、「ファンデルプールのアタックによってプロトンはパニックに陥った。だが僕たちは集団先頭でレースをコントロールし、積極的に展開を動かすことで勝利を掴み取ったんだ」とレースを振り返った。
マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル)が集団から遅れたため、先頭集団内でフィニッシュしたダンバーが総合首位に浮上。ヘイターは総合でも2位に上がり、トゥレットは4位にランクインするなどイネオス・グレナディアーズとしては理想的な状態で2日目を終えた。
セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・コッピ・エ・バルタリ2022 第2ステージ結果
1位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 4:11:46 |
2位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
3位 | ベン・トゥレット(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
4位 | ニコラ・コンチ(イタリア) | |
5位 | ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ) |
個人総合成績
1位 | エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ) | 8:24:40 |
2位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:06 |
3位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 0:14 |
4位 | ベン・トゥレット(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:16 |
5位 | ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ) | 0:20 |
その他の特別賞
山岳賞 | エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ) |
ポイント賞 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
ヤングライダー賞 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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