イタリアシーズンに開幕を告げるトロフェオ・ライグエリアをUAEチームエミレーツが制圧。長年アシストに徹するヤン・ポランツ(スロベニア)が勝利を挙げ、表彰台を独占した。
ウクライナ国旗の入った特別ジャージで登場したドローンホッパー・アンドローニジョカトリ (c)Drone Hopper-Androni Giocattoli Team
フランスとの国境沿いの街サンレモに近いライグエリアを発着点とするワンデーレースがトロフェオ・ライグエリア(1.Pro)。初回大会が1964年と歴史は深く、第59回大会の今年もイタリアに本格的なロードシーズンの開幕を告げるべく開催された。レース後半にミラノ〜サンレモでも通る2つの丘(コッラ・ミケリ、カーポ・メーレ)を4度越える周回コースが設定された202kmは、総獲得標高差が3,000mに迫る丘陵レースだ。
急遽UCIによって活動を禁止されたガスプロム・ルスヴェロを除く25のチームには8つのUCIワールドチームが含まれ、前回大会勝者バウケ・モレマ(オランダ)と前々回大会を制したジュリオ・チッコーネ(イタリア、ともにトレック・セガフレード)が出場。他にもUAEチームエミレーツはディエゴ・ウリッシ(イタリア)や好調アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア)、イネオス・グレナディアーズからはエディ・ダンバー(アイルランド)をエースにリッチー・ポート(オーストラリア)がシーズン開幕戦としてスタートラインに並んだ。
リグリア海沿いを駆けるプロトン photo:CorVos
序盤からメイン集団はコントロールするUAEチームエミレーツ photo:CorVos
イタリアのプロチームを中心とした5名による逃げ集団を、UAEチームエミレーツが牽引するプロトンが追う展開。周回コースに入る手前の残り60km地点でメイン集団が逃げを捉えると、約5km及ぶテスティコの下りで集団は分裂し、各チームのエースを含む22名の先鋭グループが形成された。
ここに6名のメンバーを残したUAEチームエミレーツが更にペースを上げると、コッラ・ミケリ峠(距離2km/平均勾配が8.2%)を越える度に集団の人数を減っていく。残り28km地点の下りでダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)やダンバー、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)らが落車し、更に縮小した集団は最終的に6名に絞られた。
UAEチームエミレーツのコーヴィやヤン・ポランツ(スロベニア)、フアン・アユソ(スペイン)、そしてロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)とカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)による先頭グループが最終周回に突入する。ポランツの引きによって最後のコッラ・ミケリ峠で越えていくと、数的に不利なロータが早めの飛び出す。それをアユソとコーヴィが反応し、遅れたロドリゲスを除く3名がフィニッシュまで続く平坦区間に入っていった。
優位な展開に持ち込んだアユソとコーヴィが交互にアタックするが、ロータのマークは振り切れない。すると最後のスプリントのため踏みを緩めた3人に、登りで遅れたポランツとロドリゲスが残り2km地点で合流。そこから間髪を入れず仕掛けたポランツにロータとロドリゲスは反応できず、そのままく踏み続けたポランツがフィニッシュで勝利の雄叫びを上げた。
先鋭集団が形成する動きを作ったリッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
5年振りの勝利を飾ったヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
「レースを通して調子が良かった。コーヴィがプロトンで最も強い選手だったので、彼のために集団の人数を絞ろうと試みた。途中先頭集団から遅れたが、牽制の始まった集団に追いついて自らアタックしたんだ。僕はアシストゆえ勝つ機会の少ない選手だが、やはり勝利は特別な気持ちがするね」。2017年ジロ・デ・イタリア以来5年振りの勝利を、長らくアシストとしてチームを支えてきたポランツはそう喜んだ。
2位と3位にはスプリントでロータを抑えたアユソとコーヴィが入り、終始レースの主導権を握ったUAEチームエミレーツが表彰台を独占。チームは今季ここまで5勝と春のクラシックに向けて好調な滑り出しを見せている。
表彰台を独占したUAEチームエミレーツの3人 (c)UAE Team Emirates

フランスとの国境沿いの街サンレモに近いライグエリアを発着点とするワンデーレースがトロフェオ・ライグエリア(1.Pro)。初回大会が1964年と歴史は深く、第59回大会の今年もイタリアに本格的なロードシーズンの開幕を告げるべく開催された。レース後半にミラノ〜サンレモでも通る2つの丘(コッラ・ミケリ、カーポ・メーレ)を4度越える周回コースが設定された202kmは、総獲得標高差が3,000mに迫る丘陵レースだ。
急遽UCIによって活動を禁止されたガスプロム・ルスヴェロを除く25のチームには8つのUCIワールドチームが含まれ、前回大会勝者バウケ・モレマ(オランダ)と前々回大会を制したジュリオ・チッコーネ(イタリア、ともにトレック・セガフレード)が出場。他にもUAEチームエミレーツはディエゴ・ウリッシ(イタリア)や好調アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア)、イネオス・グレナディアーズからはエディ・ダンバー(アイルランド)をエースにリッチー・ポート(オーストラリア)がシーズン開幕戦としてスタートラインに並んだ。


イタリアのプロチームを中心とした5名による逃げ集団を、UAEチームエミレーツが牽引するプロトンが追う展開。周回コースに入る手前の残り60km地点でメイン集団が逃げを捉えると、約5km及ぶテスティコの下りで集団は分裂し、各チームのエースを含む22名の先鋭グループが形成された。
ここに6名のメンバーを残したUAEチームエミレーツが更にペースを上げると、コッラ・ミケリ峠(距離2km/平均勾配が8.2%)を越える度に集団の人数を減っていく。残り28km地点の下りでダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)やダンバー、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)らが落車し、更に縮小した集団は最終的に6名に絞られた。
UAEチームエミレーツのコーヴィやヤン・ポランツ(スロベニア)、フアン・アユソ(スペイン)、そしてロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)とカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)による先頭グループが最終周回に突入する。ポランツの引きによって最後のコッラ・ミケリ峠で越えていくと、数的に不利なロータが早めの飛び出す。それをアユソとコーヴィが反応し、遅れたロドリゲスを除く3名がフィニッシュまで続く平坦区間に入っていった。
優位な展開に持ち込んだアユソとコーヴィが交互にアタックするが、ロータのマークは振り切れない。すると最後のスプリントのため踏みを緩めた3人に、登りで遅れたポランツとロドリゲスが残り2km地点で合流。そこから間髪を入れず仕掛けたポランツにロータとロドリゲスは反応できず、そのままく踏み続けたポランツがフィニッシュで勝利の雄叫びを上げた。


「レースを通して調子が良かった。コーヴィがプロトンで最も強い選手だったので、彼のために集団の人数を絞ろうと試みた。途中先頭集団から遅れたが、牽制の始まった集団に追いついて自らアタックしたんだ。僕はアシストゆえ勝つ機会の少ない選手だが、やはり勝利は特別な気持ちがするね」。2017年ジロ・デ・イタリア以来5年振りの勝利を、長らくアシストとしてチームを支えてきたポランツはそう喜んだ。
2位と3位にはスプリントでロータを抑えたアユソとコーヴィが入り、終始レースの主導権を握ったUAEチームエミレーツが表彰台を独占。チームは今季ここまで5勝と春のクラシックに向けて好調な滑り出しを見せている。

トロフェオ・ライグエリア2022結果
1位 | ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 5:02:25 |
2位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | 0:02 |
3位 | アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
5位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | 0:08 |
6位 | ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス) | 0:24 |
7位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:32 |
8位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
9位 | カンタン・パシェ(フランス、グルパマ・エフデジ) | |
10位 | クレマン・シャンプッサン(フランス、AG2Rシトロエン) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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