2022/02/27(日) - 06:56
タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)強し! アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を退け2年連続でジュベルハフィートを制し、2年連続となるUAEツアー総合制覇を達成した。
7日間に渡り続いたUCIワールドツアー開幕戦、UAEツアーもいよいよ最終日。例年クライマーによる登坂勝負を見守ってきた名物フィニッシュ「ジュベルハフィート」が2022年大会の締めくくりに用意された。
起伏の少ない半島の真ん中に位置する標高1,025mの岩山に向かって、真っ平な砂漠コースを突っ走る序盤戦に逃げたのは6名。ジャンニ・フェルメルシュ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)やダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・プレミアテック)やカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、ミカエル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)といったスプリント任務を解かれたメンバーたちが、メイン集団から3,4分程度の差をもって逃げ続けた。
UAEチームエミレーツはもちろんのこと、イネオス・グレナディアーズやボーラ・ハンスグローエ、バーレーン・ヴィクトリアスなど、総合上位勢を抱えるチームがメイン集団のペースメイクを担い、決して登り向きではない逃げグループとの差を、50秒に縮めた状態でジュベルハフィートの麓に到達した。
白い岩山をうねりながら、平均勾配5.4%の登りが10.8kmにわたって続くジュベルハフィート。上記総合系チームに加え、この大会で目立つ動きを見せているアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオも集団先頭にひしめきあいながら8%前後の勾配を刻む前半区間を登っていく。残り7.5km地点で逃げメンバーを全て引き戻すと、やがてラファル・マイカ(ポーランド)を筆頭にUAEのヒルクライムトレインが動き出した。
マイカやジョージ・ベネット(ニュージーランド)のペーシングで次々とビッグネームがふるい落とされ、残り3km地点を待たずに10名以下まで絞り込まれる。すると勾配が11%に達する残り3km地点で、そのペーシングを嫌って17秒遅れの総合4位アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が仕掛けた。
体重の10倍近いワット数を叩き出しながら登るイェーツはライバル勢からリードを奪ったものの、唯一反応し、その背中を離さなかったのは首位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。2名は暫くハイペースを保ったのちにペースを緩めると、総合7位ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)と6位アルメイダが追いついてくる。
勾配が緩む2km地点でアタックしたアルメイダはイェーツに引き戻され、残り1km地点ではもう一度イェーツがアタックし、アルメイダを、そしてビルバオを引きちぎる。昨年大会と全く同じ、イェーツとポガチャルが飛び出した状態で緩やかな下り区間を抜け、フィニッシュ前の登り返し区間でステージ優勝争いが始まった。
昨年のリベンジとばかりにイェーツがポガチャルの様子を伺いながら先行するも、スプリントに分のあるポガチャルは自らのタイミングでスプリントを開始する。緩斜面勾配の残り400mを31秒間、平均650ワット、最大1020ワット、平均スピード47.0km/h、最高スピード61.8km/hで踏み込み、タイトな左コーナーを先頭で通過。イェーツを寄せ付けず、ポガチャルが2年連続となるジュベルハフィート制覇でUAEツアー2連覇を決定づけた。
「(ジュベルハフィートで)3回目の勝利を挙げることができて嬉しいよ。厳しい登りだが、最後は戦略的な走りが求められる僕向きの山岳なんだ。チームとしてステージ優勝を狙いジョアンがアタックしたが、アダムが封じ込めた。そこからはスプリントに集中したんだ。世界屈指の攻撃力を持つアダムのアタックについていくのはとても苦しかったが、幸い彼がペースを落としたので勝機がやってきた」と、ジュベルハフィートを合計3回制したポガチャルは振り返る。
「UAEツアーはシーズン初戦だが、チームとして非常に重要なものの一つ。総合優勝は誇りであり、とても嬉しい結果。チーム全体に感謝したい」と、圧倒的な強さを今一度誇示したツール・ド・フランス覇者は話している。
この日の結果を受け、イェーツは総合2位に浮上し、ビルバオは総合7位から3位へのジャンプアップに成功。3位だったウラソフは早々に遅れたため(区間8位)総合4位に順位を落としている。
サウジツアーとの連戦で行われた中東ステージレースもこれにて終了。今後ポガチャルはストラーデビアンケからティレーノ〜アドリアティコへ、イェーツはパリ〜ニースからアルデンヌクラシックを目指す。
7日間に渡り続いたUCIワールドツアー開幕戦、UAEツアーもいよいよ最終日。例年クライマーによる登坂勝負を見守ってきた名物フィニッシュ「ジュベルハフィート」が2022年大会の締めくくりに用意された。
起伏の少ない半島の真ん中に位置する標高1,025mの岩山に向かって、真っ平な砂漠コースを突っ走る序盤戦に逃げたのは6名。ジャンニ・フェルメルシュ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)やダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・プレミアテック)やカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、ミカエル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)といったスプリント任務を解かれたメンバーたちが、メイン集団から3,4分程度の差をもって逃げ続けた。
UAEチームエミレーツはもちろんのこと、イネオス・グレナディアーズやボーラ・ハンスグローエ、バーレーン・ヴィクトリアスなど、総合上位勢を抱えるチームがメイン集団のペースメイクを担い、決して登り向きではない逃げグループとの差を、50秒に縮めた状態でジュベルハフィートの麓に到達した。
白い岩山をうねりながら、平均勾配5.4%の登りが10.8kmにわたって続くジュベルハフィート。上記総合系チームに加え、この大会で目立つ動きを見せているアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオも集団先頭にひしめきあいながら8%前後の勾配を刻む前半区間を登っていく。残り7.5km地点で逃げメンバーを全て引き戻すと、やがてラファル・マイカ(ポーランド)を筆頭にUAEのヒルクライムトレインが動き出した。
マイカやジョージ・ベネット(ニュージーランド)のペーシングで次々とビッグネームがふるい落とされ、残り3km地点を待たずに10名以下まで絞り込まれる。すると勾配が11%に達する残り3km地点で、そのペーシングを嫌って17秒遅れの総合4位アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が仕掛けた。
体重の10倍近いワット数を叩き出しながら登るイェーツはライバル勢からリードを奪ったものの、唯一反応し、その背中を離さなかったのは首位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。2名は暫くハイペースを保ったのちにペースを緩めると、総合7位ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)と6位アルメイダが追いついてくる。
勾配が緩む2km地点でアタックしたアルメイダはイェーツに引き戻され、残り1km地点ではもう一度イェーツがアタックし、アルメイダを、そしてビルバオを引きちぎる。昨年大会と全く同じ、イェーツとポガチャルが飛び出した状態で緩やかな下り区間を抜け、フィニッシュ前の登り返し区間でステージ優勝争いが始まった。
昨年のリベンジとばかりにイェーツがポガチャルの様子を伺いながら先行するも、スプリントに分のあるポガチャルは自らのタイミングでスプリントを開始する。緩斜面勾配の残り400mを31秒間、平均650ワット、最大1020ワット、平均スピード47.0km/h、最高スピード61.8km/hで踏み込み、タイトな左コーナーを先頭で通過。イェーツを寄せ付けず、ポガチャルが2年連続となるジュベルハフィート制覇でUAEツアー2連覇を決定づけた。
「(ジュベルハフィートで)3回目の勝利を挙げることができて嬉しいよ。厳しい登りだが、最後は戦略的な走りが求められる僕向きの山岳なんだ。チームとしてステージ優勝を狙いジョアンがアタックしたが、アダムが封じ込めた。そこからはスプリントに集中したんだ。世界屈指の攻撃力を持つアダムのアタックについていくのはとても苦しかったが、幸い彼がペースを落としたので勝機がやってきた」と、ジュベルハフィートを合計3回制したポガチャルは振り返る。
「UAEツアーはシーズン初戦だが、チームとして非常に重要なものの一つ。総合優勝は誇りであり、とても嬉しい結果。チーム全体に感謝したい」と、圧倒的な強さを今一度誇示したツール・ド・フランス覇者は話している。
この日の結果を受け、イェーツは総合2位に浮上し、ビルバオは総合7位から3位へのジャンプアップに成功。3位だったウラソフは早々に遅れたため(区間8位)総合4位に順位を落としている。
サウジツアーとの連戦で行われた中東ステージレースもこれにて終了。今後ポガチャルはストラーデビアンケからティレーノ〜アドリアティコへ、イェーツはパリ〜ニースからアルデンヌクラシックを目指す。
UAEツアー2022第7ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 3:20:24 |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:01 |
3位 | ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:05 |
4位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:15 |
5位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:16 |
6位 | カルロス・ヴェロナ(スペイン、モビスター) | |
7位 | ラファル・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:30 |
9位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン) | +0:53 |
10位 | クリス・ハーパー(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 25:38:16 |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:22 |
3位 | ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:48 |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:54 |
5位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:55 |
6位 | カルロス・ヴェロナ(スペイン、モビスター) | +1:17 |
7位 | ラファル・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ) | +1:24 |
8位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン) | +1:46 |
9位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | |
10位 | ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナカザフスタン) | +1:58 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
ヤングライダー賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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