シクロクロス世界選手権を走り、制したプロバイクを紹介する第1弾。ピナレロがトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のために開発し、そしてアルカンシエル獲得を叶えた新型バイク「CROSSISTA F」を取り上げる。



トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のピナレロ CROSSISTA Fトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のピナレロ CROSSISTA F photo:Nobuhiko Tanabe
ピナレロがトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のシクロクロス参戦のために開発し、世界選手権に合わせて発表した新型シクロクロスバイクがCROSSISTA(クロシスタ)F。ピナレロはかつて90年代にはダニエーレ・ポントーニ(イタリア)の世界選手権制覇をサポートし、ここ近年に至るまでFCX、そしてCROSSISTA(2019年〜)と、絶えずシクロクロスバイクをラインナップに加えてきた。

今回の世界選手権にはピドコックと同じくイネオス・グレナディアーズ所属のベン・ターナー(イギリス)も出場したが、カーボンレイアップを期限ギリギリまで突き詰めたというCROSSISTA Fはピドコックにのみ供給された(ターナーはブラック1色のCROSSISTAを駆り14位に)。

滑らかな曲線で構成されるヘッドチューブ周辺滑らかな曲線で構成されるヘッドチューブ周辺 photo:Nobuhiko Tanabe
DOGMA Fと同じチタンによるシートやぐらを装備していると思われるDOGMA Fと同じチタンによるシートやぐらを装備していると思われる photo:Nobuhiko Tanabeピドコックがこだわったというフロント三角の形状。ゴールドロゴは金メダリストを意味するものだピドコックがこだわったというフロント三角の形状。ゴールドロゴは金メダリストを意味するものだ photo:Nobuhiko Tanabe


トップチューブには「持ち札を正しく使え」のメッセージもトップチューブには「持ち札を正しく使え」のメッセージも photo:Nobuhiko Tanabe
ピドコックのCROSSISTA Fはイネオスのチームカラーであるネイビーブルーにユニオンジャック、そして五輪金メダリストを表すゴールドを加えたスペシャルカラーで、トップチューブにはトランプのイラストと共に「持ち札を正しく使え」のメッセージも記されている。

コンポーネントはシマノR9170デュラエースDI2。ファイエットビルの高速コースに合わせてフロントチェーンリングは46-39Tに設定されていた。ペダルはXTR(PD-M9100)で、当然ホイールもデュラエースのC40(WH-R9170-C40-TU)。タイヤはチャレンジの「セタ(絹)エキストラ」ロゴが入る最高級グレードのGRIFOを使用した。

タイヤはチャレンジのGRIFO。最高級グレードのセタ(絹)ケーシング使用モデルだタイヤはチャレンジのGRIFO。最高級グレードのセタ(絹)ケーシング使用モデルだ photo:Nobuhiko Tanabe
ファイエットビルの高速コースに合わせインナーリングは39Tにファイエットビルの高速コースに合わせインナーリングは39Tに photo:Nobuhiko Tanabe
ホイールはシマノWH-R9170-C40-TUホイールはシマノWH-R9170-C40-TU photo:Nobuhiko Tanabe気温が上がったため、ピドコックはボトル装備でレースを走った気温が上がったため、ピドコックはボトル装備でレースを走った photo:Nobuhiko Tanabe


ブレーキホースとDi2ケーブルをフル内装するステム一体型ハンドルはピナレロ傘下のMOST(モスト)製で、バーテープも同ブランドで統一。サドルはフィジークのANTARESだ。ピナレロのリリースでは触れられていないものの、DOGMA Fと同じくサドル3D焼結チタンによるシートやぐらを装備しているように思われる。国内での取り扱い情報に期待したい。

イギリス選手権を2度制した時と同じスーパーマン乗りでフィニッシュするトーマス・ピドコック(イギリス)イギリス選手権を2度制した時と同じスーパーマン乗りでフィニッシュするトーマス・ピドコック(イギリス) photo:Nobuhiko Tanabe
シクロクロス選手権のプロバイク特集の次章は8度目の世界女王に輝いたマリアンヌ・フォス(オランダ)のサーヴェロR5-CXを紹介する。

text:So Isobe
photo:Nobuhiko Tanabe

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