2022/01/15(土) - 18:37
ブルベやツーリストの鉄板アイテムとなっているオルトリーブのサドルバッグ2を長期インプレッション。確実な取り付けで揺れが気にならず、高い防水性で安心のサドルバッグの1.6Lと4.1Lを使い分けてのインプレッションをお届けする。活用すればライドの幅が大きく広がる。
独自の素材と溶着製法により防水バッグのリーダー的存在となっているドイツのオルトリーブ社。機能性と耐久性に高い防水性をプラスした同社のサイクリングバッグ類は世界のサイクリストに愛される逸品になっている。
オルトリーブのバッグ類は、独自のコーティングを施した防水性ファブリックを、高周波溶着(HFW)と呼ばれる工法で溶着。曲面を持ちながらも高い防水性を実現している。
今回紹介する「サドルバッグ2」は、ブラケットを介してサドル後部に取り付けるスタンダードな形式のサドルバッグ。容量に1.6Lと4.1Lの2タイプがあり、ほぼ同じ形状で荷物量に応じて使い分けることができる。
前モデル(サドルバッグL)も永らくの間ブルベやランドヌールといったヘビーユーザーの間で支持されてきた逸品だったが、2019年にモデルチェンジを受けて使い勝手が向上した「サドルバッグ2」。近年進化が目覚ましい同社のバイクパッキングシリーズからエッセンスを取り入れ、内部構造等もブラッシュアップされた。
ブラケットやアタッチメントを介さずにストラップでフレームなどに直接取り付けるバイクパッキング製品群とは別のラインにあるモデル。樹脂製のブラケットを用いてサドル後部にワンタッチで取り付け可能な構造を採用することでペダリング時も揺れのない性能を獲得している。
クロージャー3回巻きの構造を採用し、確実な防水性能を発揮。バッグ内部の芯材を止めるナット頭部をスムーズな形状にして実質容量と使い勝手を向上させた。いっぽうブラケットは旧製品と同形状のため使い回しが効くメリットも生まれている。
なおバッグ後方に再帰反射プリントのリフレクターを備えている。また、クリップ式テールライトやストラップを通すループも備えている。
1.6Lと4.1Lの両サイズをロードツーリングでインプレッション
- 普段から両サイズを使い分けてライドを愉しんでいるCW編集部の綾野がインプレッションを綴る。
昨春に2つのサイズを購入してロングライドに、ツーリングに、グラベルライドにと使い倒している。まずこの記事の写真に出てくる1.6Lモデルのライムグリーンは廃盤となった旧カラー。ブラックマットカラーのみに変更されたが、色が違ったほうが見分けがつくので記事ではわかりやすいだろう(モノは同じだ)。まずは独特のクロージャーシステムの扱い方から写真で解説しよう。
ロールクロージャーの締め方
1.6Lと4.1L、どちらの容量を買おうか迷ったが、2つとも持っていればいろいろな乗り方で使い分けられるからと、2つとも購入した。
1.6Lはロードバイクにつけると「やや大きいかな」と感じるサイズで、かろうじてスタイリッシュな感じを保てるといった印象。しかしいったん使い初めてみれば絶妙の容量で、普段のロードライドにかなりの使用率になってしまった。
まず1.6Lは装備品の増えがちな季節の変わり目に大変ありがたいバッグだ。日中暖かくても朝や夕は冷え込むときなど、気温差があるときも含め、着脱するウィンドブレイカー、グローブ、アームウォーマーにレッグウォーマー、携帯食など、ジャージの背中のポケットが満杯になる事態のとき、1.6Lをつけるだけでそのすべてを収容することができる。無理してジャージの背中を重くするより、サドルバッグに入れてしまえばまったく気にならなくなる。
固定が確実なのでバッグが揺れることなく、トレーニングライドのような走りでもまったく問題なし。背中にポケット入れるのはスマホのみなら、むしろ速く走れるだろう。
4.1Lはひとまわり大きくなる感じだが、容量は2.5L増し。これもロードツーリングでは重宝していて、かさばる冬用グローブやダウンベスト、レインジャケット、ウールキャップ、携帯カイロ、補給食、携帯バッテリーなどなど、多くを積載してなお余裕がある容量だ。コンビニなどエイド的な存在が無いエリアでも必要な装備を携帯できれば心配の無いライドができる。
たとえば朝は厚手のウィンターグローブ、日中は薄手グローブなどと気温に応じて使い分けたり、峠からのダウンヒル時に着込みたいコンパクトダウンジャケット等を持参できたりと、装備品の多くなりがちな日帰りロングライドでも十分に使い手がある。もちろん1泊の宿利用ツーリングや輪行袋を持ってのツーリングなどにも適した容量で、ロードバイクが即ツーリングバイクに化けてしまう。
4.1Lの容量いっぱいに装備品を詰め込んでも、揺れはほぼ感じないのはさすがアタッチメントを用いるタイプの美点。もし同容量でもストラップでバイクに固定するバイクパッキングタイプのバッグではどうしても揺れが生じてしまう大きさだ。
着替えや携行品などを超軽量に絞り込めば、宿泊まり2泊3日ツーリングなども十分可能だろう。確実な固定力はグラベルなどオフロードライドでも十分に活かせる。ブルベライダーに支持されているのもよく分かる。
防水性能が高いのも嬉しい。内部は完全にドライに保たれるし、サドルバッグ自体がちょうど後部の泥除け代わりになるので、4.1Lモデルならドロヨケの追加装着は必要ない。タイヤが跳ね上げた泥水をバッグが被るが、ファスナータイプと違ってバックルはトラブルを起こさないのも良いポイント。またバッグ自体をじゃぶじゃぶと水で丸洗いできるのも良い点だ。
2モデルのアタッチメントは共通なので、差し替えて使い回すことができるのは2つ買って良かったと思える点だ。ブラケットのサドルベースへの取り付けのみネジ止めの面倒はあるが、タフで壊れる気配がない。スペアパーツとして別売のブラケットをバイクの数だけ用意して差し替えるのも良さそうだ。
オルトリーブ サドルバッグ2
1.6L
サイズ: H12×W16×D19cm
重量:220g
価格:7,150円(税込)
4.1L
サイズ:H14×W21×D28cm
重量:260g
価格:8,030円(税込)
text:Makoto AYANO
photo:So Isobe
独自の素材と溶着製法により防水バッグのリーダー的存在となっているドイツのオルトリーブ社。機能性と耐久性に高い防水性をプラスした同社のサイクリングバッグ類は世界のサイクリストに愛される逸品になっている。
オルトリーブのバッグ類は、独自のコーティングを施した防水性ファブリックを、高周波溶着(HFW)と呼ばれる工法で溶着。曲面を持ちながらも高い防水性を実現している。
今回紹介する「サドルバッグ2」は、ブラケットを介してサドル後部に取り付けるスタンダードな形式のサドルバッグ。容量に1.6Lと4.1Lの2タイプがあり、ほぼ同じ形状で荷物量に応じて使い分けることができる。
前モデル(サドルバッグL)も永らくの間ブルベやランドヌールといったヘビーユーザーの間で支持されてきた逸品だったが、2019年にモデルチェンジを受けて使い勝手が向上した「サドルバッグ2」。近年進化が目覚ましい同社のバイクパッキングシリーズからエッセンスを取り入れ、内部構造等もブラッシュアップされた。
ブラケットやアタッチメントを介さずにストラップでフレームなどに直接取り付けるバイクパッキング製品群とは別のラインにあるモデル。樹脂製のブラケットを用いてサドル後部にワンタッチで取り付け可能な構造を採用することでペダリング時も揺れのない性能を獲得している。
クロージャー3回巻きの構造を採用し、確実な防水性能を発揮。バッグ内部の芯材を止めるナット頭部をスムーズな形状にして実質容量と使い勝手を向上させた。いっぽうブラケットは旧製品と同形状のため使い回しが効くメリットも生まれている。
なおバッグ後方に再帰反射プリントのリフレクターを備えている。また、クリップ式テールライトやストラップを通すループも備えている。
1.6Lと4.1Lの両サイズをロードツーリングでインプレッション
- 普段から両サイズを使い分けてライドを愉しんでいるCW編集部の綾野がインプレッションを綴る。
昨春に2つのサイズを購入してロングライドに、ツーリングに、グラベルライドにと使い倒している。まずこの記事の写真に出てくる1.6Lモデルのライムグリーンは廃盤となった旧カラー。ブラックマットカラーのみに変更されたが、色が違ったほうが見分けがつくので記事ではわかりやすいだろう(モノは同じだ)。まずは独特のクロージャーシステムの扱い方から写真で解説しよう。
ロールクロージャーの締め方
1.6Lと4.1L、どちらの容量を買おうか迷ったが、2つとも持っていればいろいろな乗り方で使い分けられるからと、2つとも購入した。
1.6Lはロードバイクにつけると「やや大きいかな」と感じるサイズで、かろうじてスタイリッシュな感じを保てるといった印象。しかしいったん使い初めてみれば絶妙の容量で、普段のロードライドにかなりの使用率になってしまった。
まず1.6Lは装備品の増えがちな季節の変わり目に大変ありがたいバッグだ。日中暖かくても朝や夕は冷え込むときなど、気温差があるときも含め、着脱するウィンドブレイカー、グローブ、アームウォーマーにレッグウォーマー、携帯食など、ジャージの背中のポケットが満杯になる事態のとき、1.6Lをつけるだけでそのすべてを収容することができる。無理してジャージの背中を重くするより、サドルバッグに入れてしまえばまったく気にならなくなる。
固定が確実なのでバッグが揺れることなく、トレーニングライドのような走りでもまったく問題なし。背中にポケット入れるのはスマホのみなら、むしろ速く走れるだろう。
4.1Lはひとまわり大きくなる感じだが、容量は2.5L増し。これもロードツーリングでは重宝していて、かさばる冬用グローブやダウンベスト、レインジャケット、ウールキャップ、携帯カイロ、補給食、携帯バッテリーなどなど、多くを積載してなお余裕がある容量だ。コンビニなどエイド的な存在が無いエリアでも必要な装備を携帯できれば心配の無いライドができる。
たとえば朝は厚手のウィンターグローブ、日中は薄手グローブなどと気温に応じて使い分けたり、峠からのダウンヒル時に着込みたいコンパクトダウンジャケット等を持参できたりと、装備品の多くなりがちな日帰りロングライドでも十分に使い手がある。もちろん1泊の宿利用ツーリングや輪行袋を持ってのツーリングなどにも適した容量で、ロードバイクが即ツーリングバイクに化けてしまう。
4.1Lの容量いっぱいに装備品を詰め込んでも、揺れはほぼ感じないのはさすがアタッチメントを用いるタイプの美点。もし同容量でもストラップでバイクに固定するバイクパッキングタイプのバッグではどうしても揺れが生じてしまう大きさだ。
着替えや携行品などを超軽量に絞り込めば、宿泊まり2泊3日ツーリングなども十分可能だろう。確実な固定力はグラベルなどオフロードライドでも十分に活かせる。ブルベライダーに支持されているのもよく分かる。
防水性能が高いのも嬉しい。内部は完全にドライに保たれるし、サドルバッグ自体がちょうど後部の泥除け代わりになるので、4.1Lモデルならドロヨケの追加装着は必要ない。タイヤが跳ね上げた泥水をバッグが被るが、ファスナータイプと違ってバックルはトラブルを起こさないのも良いポイント。またバッグ自体をじゃぶじゃぶと水で丸洗いできるのも良い点だ。
2モデルのアタッチメントは共通なので、差し替えて使い回すことができるのは2つ買って良かったと思える点だ。ブラケットのサドルベースへの取り付けのみネジ止めの面倒はあるが、タフで壊れる気配がない。スペアパーツとして別売のブラケットをバイクの数だけ用意して差し替えるのも良さそうだ。
オルトリーブ サドルバッグ2
1.6L
サイズ: H12×W16×D19cm
重量:220g
価格:7,150円(税込)
4.1L
サイズ:H14×W21×D28cm
重量:260g
価格:8,030円(税込)
text:Makoto AYANO
photo:So Isobe
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