2021/12/14(火) - 00:34
伊豆ベロドロームで開催された全日本選手権トラック。最終日の4日目はタイムトライアル系種目とポイントレース、パラサイクリングの個人パーシュート種目が行われた。1kmタイムトライアルでは新田祐大(ドリームシーカーレーシングチーム)が大会新となる1分0秒107で優勝。今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が4km個人パーシュートとポイントレースを制して今大会六冠を達成した。パラサイクリングでは杉浦佳子(VC福岡エリート)が3km個人パーシュートで大会記録を更新した。
全日本選手権トラック最終日は、4km個人パーシュート、3km個人パーシュート、1kmタイムトライアル、500mタイムトライアル、男女ポイントレース、パラサイクリングの個人パーシュートが行われた。
日曜日だった前日は観客席はほぼ満員となったが、月曜日の最終日は観客はまばら。それでも熱心なファンが駆けつけ、日本一を決める勝負を見守った。
男子4km個人パーシュート 日本記録保持者の今村駿介が優勝
10月にフランスのルーベで行われた世界選手権で4分14秒751の日本記録をマークした今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が、予選でただ1人4分20秒台を切る4分17秒368を出して首位となる。予選2位の安達光伸(朝日大学)との決勝戦では、最初の1kmを1分8秒台のハイペースで入った安達に対し、ペースの上がらない今村は2秒ほど遅れをとる。しかし後半に入ると、ペースの落ちた安達を今村が逆転。最後は2秒差をつけて優勝を決めた。
決勝はペース抑えめに入ったのかと思いきや「あれ以上ペースを上げられなかった」と言う今村。「それでもペースを維持していれば後半で返せる(逆転できる)と考えていた。でもちょっと気持ちで負けていたかもしれない」と、振り返りつつ、次のポイントレースに向けて切り替えた。
3位決定戦は、松田祥位(エカーズ)が、近谷涼(チームブリヂストンサイクリング)を僅差で退けた。トラックを走ること自体が3、4年ぶりだったと言う松田。「9月にレース活動を再開して以降ずっとロード寄りの練習をしてきたので、久々のトラックはキツかった」と苦笑い。「パリ五輪のチームパーシュート代表入りを目指したい」と、今後の目標を語った。
女子3km個人パーシュート 古山稀絵が追い抜き勝ち
女子3km個人パーシュートは、古山稀絵(チーム楽天Kドリームス)と、太郎田水桜(法政大学)との決勝戦。「このあとポイントレースも走らなければならないので、早く勝負を決めたかった」と言う古山が、2km過ぎで太郎田を捉え、追い抜き勝ちを決めた。
男子1kmタイムトライアル 新田祐大が大会新で優勝 女子500mTTは久米詩
男子1kmタイムトライアルは、1分切りをうかがうハイレベルな争いになった。19名のスタート順最終盤、小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム)が1分0秒815を出して大会記録を更新。その2人後、最後にスタートした新田祐大。「残り1周に入った時に観客席がざわついてると感じ、先に走った小原選手よりもタイムが出ていると確信した」と言う通り、1分0秒107を記録。昨年の全日本選手権トラックで自ら記録した大会記録を1秒以上縮めて優勝を決めた。
女子ポイントレース 内野艶和が初優勝
序盤から内野艶和(チーム楽天Kドリームス)が積極的な走りを見せ、降格でポイントを失いつつも1位通過を繰り返して優勝。前日のマディソンに続きふたつめの全日本タイトルを獲得した。「逃げをつくらないように、しっかり潰してスプリントに持ち込むことを考えて走った。スプリントでもがいた後でもしっかり逃げを追えていた点は良かったと思う。それでも今のままでは上のレベルに行ったら戦えないと痛感した4日間だった」と、反省点を交えつつ語った。
このレースには、前日にシクロクロス全日本選手権で優勝した渡部春雅(明治大学)が出場。レースの流れをつくる場面もあり、終盤のポイント周回で1位通過をして見せるなど積極的な走りを見せた。
男子ポイントレース 今村駿介が他を圧倒して六冠達成 高校生の山下が大健闘
レース中盤に集団が二つに割れ、チームブリヂストンサイクリングのメンバー5名をふくむ7名の集団が先行してラップに成功する。この7名はその後もレースを主導。今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が1位通過を繰り返してポイントを加算し、首位の足場を固めていく。今村はポイントが倍になるフィニッシュも先頭を獲り、合計69点を獲得して優勝を決めた。
「終わってホッとした」と率直な感想を漏らす一方で、「全日本は目標ではなく、その先の目標のための過程」と言う今村。「レース数が少ない中で海外に行くと、どうしても差を痛感させられる。それでも国内にいて出来ることを探して、少しでも差を詰めていかないといけない」と、自戒の言葉で今大会を総括した。
チームブリヂストンサイクリングが圧倒する中、高校生の山下虎之亮(榛生昇陽高校)が終盤まで3位につける健闘。フィニッシュで山本哲央に逆転されて4位に終わるものの、存在感を見せた。
「自分の立ち位置がどのくらいなのかを試すつもりでこの大会に出場した」と、今大会の目的を話す山下。初日のスクラッチでもレース終盤に逃げて見せたが「それが自分のレーススタイル」だと言う。ナショナルチーム中距離ヘッドコーチのクレイグ・グリフィン氏の目にも留まったようで、今後が楽しみだ。
全日本選手権トラック最終日は、4km個人パーシュート、3km個人パーシュート、1kmタイムトライアル、500mタイムトライアル、男女ポイントレース、パラサイクリングの個人パーシュートが行われた。
日曜日だった前日は観客席はほぼ満員となったが、月曜日の最終日は観客はまばら。それでも熱心なファンが駆けつけ、日本一を決める勝負を見守った。
男子4km個人パーシュート 日本記録保持者の今村駿介が優勝
10月にフランスのルーベで行われた世界選手権で4分14秒751の日本記録をマークした今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が、予選でただ1人4分20秒台を切る4分17秒368を出して首位となる。予選2位の安達光伸(朝日大学)との決勝戦では、最初の1kmを1分8秒台のハイペースで入った安達に対し、ペースの上がらない今村は2秒ほど遅れをとる。しかし後半に入ると、ペースの落ちた安達を今村が逆転。最後は2秒差をつけて優勝を決めた。
決勝はペース抑えめに入ったのかと思いきや「あれ以上ペースを上げられなかった」と言う今村。「それでもペースを維持していれば後半で返せる(逆転できる)と考えていた。でもちょっと気持ちで負けていたかもしれない」と、振り返りつつ、次のポイントレースに向けて切り替えた。
3位決定戦は、松田祥位(エカーズ)が、近谷涼(チームブリヂストンサイクリング)を僅差で退けた。トラックを走ること自体が3、4年ぶりだったと言う松田。「9月にレース活動を再開して以降ずっとロード寄りの練習をしてきたので、久々のトラックはキツかった」と苦笑い。「パリ五輪のチームパーシュート代表入りを目指したい」と、今後の目標を語った。
女子3km個人パーシュート 古山稀絵が追い抜き勝ち
女子3km個人パーシュートは、古山稀絵(チーム楽天Kドリームス)と、太郎田水桜(法政大学)との決勝戦。「このあとポイントレースも走らなければならないので、早く勝負を決めたかった」と言う古山が、2km過ぎで太郎田を捉え、追い抜き勝ちを決めた。
男子1kmタイムトライアル 新田祐大が大会新で優勝 女子500mTTは久米詩
男子1kmタイムトライアルは、1分切りをうかがうハイレベルな争いになった。19名のスタート順最終盤、小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム)が1分0秒815を出して大会記録を更新。その2人後、最後にスタートした新田祐大。「残り1周に入った時に観客席がざわついてると感じ、先に走った小原選手よりもタイムが出ていると確信した」と言う通り、1分0秒107を記録。昨年の全日本選手権トラックで自ら記録した大会記録を1秒以上縮めて優勝を決めた。
女子ポイントレース 内野艶和が初優勝
序盤から内野艶和(チーム楽天Kドリームス)が積極的な走りを見せ、降格でポイントを失いつつも1位通過を繰り返して優勝。前日のマディソンに続きふたつめの全日本タイトルを獲得した。「逃げをつくらないように、しっかり潰してスプリントに持ち込むことを考えて走った。スプリントでもがいた後でもしっかり逃げを追えていた点は良かったと思う。それでも今のままでは上のレベルに行ったら戦えないと痛感した4日間だった」と、反省点を交えつつ語った。
このレースには、前日にシクロクロス全日本選手権で優勝した渡部春雅(明治大学)が出場。レースの流れをつくる場面もあり、終盤のポイント周回で1位通過をして見せるなど積極的な走りを見せた。
男子ポイントレース 今村駿介が他を圧倒して六冠達成 高校生の山下が大健闘
レース中盤に集団が二つに割れ、チームブリヂストンサイクリングのメンバー5名をふくむ7名の集団が先行してラップに成功する。この7名はその後もレースを主導。今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が1位通過を繰り返してポイントを加算し、首位の足場を固めていく。今村はポイントが倍になるフィニッシュも先頭を獲り、合計69点を獲得して優勝を決めた。
「終わってホッとした」と率直な感想を漏らす一方で、「全日本は目標ではなく、その先の目標のための過程」と言う今村。「レース数が少ない中で海外に行くと、どうしても差を痛感させられる。それでも国内にいて出来ることを探して、少しでも差を詰めていかないといけない」と、自戒の言葉で今大会を総括した。
チームブリヂストンサイクリングが圧倒する中、高校生の山下虎之亮(榛生昇陽高校)が終盤まで3位につける健闘。フィニッシュで山本哲央に逆転されて4位に終わるものの、存在感を見せた。
「自分の立ち位置がどのくらいなのかを試すつもりでこの大会に出場した」と、今大会の目的を話す山下。初日のスクラッチでもレース終盤に逃げて見せたが「それが自分のレーススタイル」だと言う。ナショナルチーム中距離ヘッドコーチのクレイグ・グリフィン氏の目にも留まったようで、今後が楽しみだ。
H3
全日本選手権トラック4日目 結果
男子4km個人パーシュート 結果
1位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | 4分20秒745 |
2位 | 安達光伸(朝日大学) | 4分22秒919 |
3位 | 松田祥位(エカーズ) | 4分24秒539 |
4位 | 近谷 涼(チームブリヂストンサイクリング) | 4分24秒928 |
5位 | 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) | 4分25秒503 |
6位 | 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) | 4分28秒699 |
女子3km個人パーシュート 結果
1位 | 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス) | 3分41秒216(予選時) |
2位 | 太郎田水桜(法政大学) | 3分55秒449(予選時) |
3位 | 五味田奈穂(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) | 3分58秒667 |
男子1kmタイムトライアル 結果
1位 | 新田祐大(ドリームシーカーレーシングチーム) | 1分0秒107(大会新) |
2位 | 小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム) | 1分0秒815(大会新) |
3位 | 新山響平(チームブリヂストンサイクリング) | 1分1秒621 |
女子500mタイムトライアル 結果
1位 | 久米 詩(JPCA) | 37秒371 |
2位 | 中西美央(鹿屋体育大学) | 37秒556 |
女子ポイントレース 結果
1位 | 内野艶和(チーム楽天Kドリームス) | 25p |
2位 | 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス) | 22p |
3位 | 鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス) | 19p |
4位 | 中村妃智(JPF) | 19p |
5位 | 渡部春雅(明治大学) | 9p |
6位 | 五味田奈穂(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) | -15p |
男子ポイントレース 結果
1位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | 69p |
2位 | 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) | 52p |
3位 | 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) | 35p |
4位 | 山下虎之亮(榛生昇陽高校) | 32p |
5位 | 中里 仁(Rapha Cicling Club) | 2p |
6位 | 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) | -1p |
パラサイクリング 個人パーシュート 結果(タイムは係数タイム)
3km個人パーシュートWC2-3 | ||
1位 | 杉浦佳子(VC福岡エリート/ WC3) | 4分5秒839(大会新) |
2位 | 藤井美穂(楽天ソシオビジネス/ WC2) | 4分28秒910 |
3km個人パーシュートMC2-3 | ||
1位 | 川本翔大(大和産業/MC2) | 3分30秒733(大会新) |
2位 | 藤田征樹(藤建設/MC3) | 3分38秒254(大会新) |
4km個人パーシュートMC4-5 | ||
1位 | 沼野康仁(usp lab.VC SPLENDOR) | 6分11秒207 |
text&photo:Satoru Kato
全日本選手権トラック 4日目
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