2021/12/12(日) - 21:42
福田咲絵(AX cyclocross team)との一騎打ちを制した渡部春雅(明治大学)が、シクロクロス全日本女王に。あらゆるジュニア種目で勝利してきた18歳が、初めてエリートカテゴリーで頂点に立った。
午前レースを終え、男女エリート選手のコース試走を挟み13時にスタートの号砲が鳴らされた女子エリートレース。基本的にドライの芝+硬く締まった土コースながら、一部の泥区間は選手の足元をすくうには十分な湿り気が残った。
これまで国内女子オフロード界を席巻した今井美穂が東京オリンピックで一線を退いたことで、次世代の女子チャンピオンを決める戦いとなった2021年の全日本選手権。28名の参加者のうち、ホールショットを決めたのは川崎路子(PAXPROJECT)だった。
しかしすぐさま、昨年女子ジュニア覇者であり、MTBでも同カテゴリーチャンピオンに輝いていた渡部春雅(明治大学)が先行。「普段はロード練習ばかりですが、(2位に終わった)能登が悔しくてしっかり準備してきました」と言う渡部と、ここまで勝ち星を分け合ってきた福田咲絵(AX cyclocross team)、そして矢吹優夏(B.B.Q)がその背中をキャッチ。松本璃奈(RIDE MASHUN SPECIALIZED)や小林あか里(信州大学)、鵜飼知春(andmore)といった面々が距離を空けてその後方に続いた。
あらゆる競技でタイトルを獲ってきた渡部と、慶應義塾大学在学時にインカレを制し、就職を経て競技再開した福田が先頭グループをリードする。シクロクロス参戦したばかりで、今回が3レース目と言うMTB出身の矢吹はキャンバー区間などでテクニックの差を見せつけていたものの、やがて脱落。勝負は優勝候補2人に絞り込まれた。
脚力に秀でる福田と、泥さばきに長ける渡部。決まりどころに欠き、白熱した勝負を生み出すコース上で決まり手になったのは滑りやすい泥が露出した区間だった。
「毎周回、福田さんとのラインが違うことを確認していました」と言う渡部が後半戦の勝負ポイントで差を築く。「苦手な泥区間の前で先頭に出ようと思っていたけれど、ブロックされたり思うようにいかなかった」と振り返る福田との差は5秒以下。しかし、スピードコースでの5秒は福田の脚をもってしても埋めることはできなかった。
福田は最後の最後まで追い上げたものの、逃げ切った渡部が目前で右手を突き上げる。ロードやトラック、シクロクロス、MTBの全競技で強化指定選手であり、2024年パリ五輪出場を目指す渡部が自身初めて全日本選手権のエリートカテゴリーを制した。
「最初から最後までガンガン攻めようと決めていたので、その通りになって良かった」と笑顔を見せる渡部は、中学3年生で自転車競技を始めた18歳。それまではトレイルランニングやトライアスロンで数々の優勝経験を持ち、そのポテンシャルは今サドルの上で発揮されている。「福田選手は手強かったです。やっとジュニアカテゴリーを卒業できるので、上の選手たちと戦えるように力を付けたいと思います。初めてのエリートチャンピオンジャージに重みを感じますし、だからこそ、これからも攻めるレースで勝ちたい」と話している。
「勝負をさせてもらえず、脚を残してしまいました。思うようにいきませんでしたね」と言うのはタイトルを逃した福田。しかしその一方、「初めてのCX全日本選手権の優勝争いはとても楽しかった。アクセスが良い会場だったので、自転車以外の知り合いもたくさん応援に来てくれたんです。とてもありがたかった」とレース主催者に感謝した。
矢吹が3位表彰台に入り、小林が4位。世代交代を実感させる、若い力が上位を占める結果となった。
午前レースを終え、男女エリート選手のコース試走を挟み13時にスタートの号砲が鳴らされた女子エリートレース。基本的にドライの芝+硬く締まった土コースながら、一部の泥区間は選手の足元をすくうには十分な湿り気が残った。
これまで国内女子オフロード界を席巻した今井美穂が東京オリンピックで一線を退いたことで、次世代の女子チャンピオンを決める戦いとなった2021年の全日本選手権。28名の参加者のうち、ホールショットを決めたのは川崎路子(PAXPROJECT)だった。
しかしすぐさま、昨年女子ジュニア覇者であり、MTBでも同カテゴリーチャンピオンに輝いていた渡部春雅(明治大学)が先行。「普段はロード練習ばかりですが、(2位に終わった)能登が悔しくてしっかり準備してきました」と言う渡部と、ここまで勝ち星を分け合ってきた福田咲絵(AX cyclocross team)、そして矢吹優夏(B.B.Q)がその背中をキャッチ。松本璃奈(RIDE MASHUN SPECIALIZED)や小林あか里(信州大学)、鵜飼知春(andmore)といった面々が距離を空けてその後方に続いた。
あらゆる競技でタイトルを獲ってきた渡部と、慶應義塾大学在学時にインカレを制し、就職を経て競技再開した福田が先頭グループをリードする。シクロクロス参戦したばかりで、今回が3レース目と言うMTB出身の矢吹はキャンバー区間などでテクニックの差を見せつけていたものの、やがて脱落。勝負は優勝候補2人に絞り込まれた。
脚力に秀でる福田と、泥さばきに長ける渡部。決まりどころに欠き、白熱した勝負を生み出すコース上で決まり手になったのは滑りやすい泥が露出した区間だった。
「毎周回、福田さんとのラインが違うことを確認していました」と言う渡部が後半戦の勝負ポイントで差を築く。「苦手な泥区間の前で先頭に出ようと思っていたけれど、ブロックされたり思うようにいかなかった」と振り返る福田との差は5秒以下。しかし、スピードコースでの5秒は福田の脚をもってしても埋めることはできなかった。
福田は最後の最後まで追い上げたものの、逃げ切った渡部が目前で右手を突き上げる。ロードやトラック、シクロクロス、MTBの全競技で強化指定選手であり、2024年パリ五輪出場を目指す渡部が自身初めて全日本選手権のエリートカテゴリーを制した。
「最初から最後までガンガン攻めようと決めていたので、その通りになって良かった」と笑顔を見せる渡部は、中学3年生で自転車競技を始めた18歳。それまではトレイルランニングやトライアスロンで数々の優勝経験を持ち、そのポテンシャルは今サドルの上で発揮されている。「福田選手は手強かったです。やっとジュニアカテゴリーを卒業できるので、上の選手たちと戦えるように力を付けたいと思います。初めてのエリートチャンピオンジャージに重みを感じますし、だからこそ、これからも攻めるレースで勝ちたい」と話している。
「勝負をさせてもらえず、脚を残してしまいました。思うようにいきませんでしたね」と言うのはタイトルを逃した福田。しかしその一方、「初めてのCX全日本選手権の優勝争いはとても楽しかった。アクセスが良い会場だったので、自転車以外の知り合いもたくさん応援に来てくれたんです。とてもありがたかった」とレース主催者に感謝した。
矢吹が3位表彰台に入り、小林が4位。世代交代を実感させる、若い力が上位を占める結果となった。
シクロクロス全日本選手権2021 女子エリート
1位 | 渡部春雅(明治大学) | 47:30 |
2位 | 福田咲絵(AX cyclocross team) | +0:01 |
3位 | 矢吹優夏(B.B.Q) | +0:39 |
4位 | 小林あか里(信州大学) | +1:25 |
5位 | 西形舞(TRC PANAMA REDS) | +3:01 |
6位 | 鵜飼知春(andmore) | +3:16 |
7位 | 橋口陽子(AX cyclocross team) | +3:20 |
8位 | 松本璃奈(RIDE MASHUN SPECIALIZED) | +3:45 |
9位 | 林口幸恵(Live GARDEN Bicistelle) | +3:47 |
10位 | 伊藤あすみ(Muddy Wakayama) | +4:19 |
text:So Isobe
photo:Makoto AYANO
photo:Makoto AYANO
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