元欧州王者トレンティンの企画・運営によって開催されたバイキング・モナコ2021で、今年ブエルタ・ア・エスパーニャを制したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が優勝。ポガチャルやサガン、フルームなど世界トップ選手たちがモナコに集結してチャリティ・イベントを盛り上げた。



モナコの中心地モンテカルロで開催されたバイキング・モナコ2021モナコの中心地モンテカルロで開催されたバイキング・モナコ2021 photo:CorVos
引退後も自転車界に強い影響力を持つマリオ・チポリーニ氏も選手たちと共にスタートラインに並ぶ引退後も自転車界に強い影響力を持つマリオ・チポリーニ氏も選手たちと共にスタートラインに並ぶ photo:CorVosモナコ公国の公アルベール2世と並ぶペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)モナコ公国の公アルベール2世と並ぶペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos


F1モナコGPでもお馴染みモンテカルロに設定された総距離52km(1.3kmのコースを40周)のクリテリウムで、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)やタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を抑え勝利した。ログリッチはレース後「スタート直後からスピードが速いハードなレースだった。勝てたのはチームによる最高なトレインのおかげだ。勝利はいつも嬉しく、価値のある勝利の1つだよ」と喜びを語った。

多くのトップ選手が居を構える地で行われたクリテリウムは、2018年欧州選手権王者で現在はCPA(プロ選手組合)の選手代表も務めるマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)は企画・運営したチャリティ・イベント。スタートラインにはペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション)など現役のビッグネームをはじめ、モナコ公国の公アルベール2世やダヴィ・ラパルティアンUCI会長、マリオ・チポリーニ氏なども姿を見せた。

発案者であるマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)発案者であるマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
スプリントを制し両手を挙げるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)スプリントを制し両手を挙げるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
「このイベントのは妻と(コロナ禍の)ロックダウン中に思いついたアイディアなんだ」と開催までの経緯を語るトレンティン。「アスリートと観客の両方に、特に子どもたちにスポットライトを浴びる新しい形のクリテリウムがしたかったんだ。その舞台として僕たちが2015年から暮らすモナコが最適だと思ったんだ」。

今回のバイキング・モナコではプロ選手たちによるクリテリウムの他に、アマチュアライダーに2名のプロ選手が加わるチームタイムトライアルも行われサガンを擁するチームが優勝。表彰台ではシャンパンファイトで祝福する姿も見られた。

優勝:プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)、2位:ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、3位:タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)優勝:プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)、2位:ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、3位:タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Monaco BEKING
スロベニアを代表する2選手に挟まれる少年スロベニアを代表する2選手に挟まれる少年 photo:Monaco BEKING
イベント後にはドレスアップした選手たちによるチャリティ・パーティーも開かれ、成功に終わったバイキング・モナコについてトレンティンは「これはプロだけではなく、子どもたちと一緒に自転車の楽しみを味わうためのイベントだった。今回の成功は来年の開催に向けた励みになったものの、来年予定されている第2回が成功してはじめて企画・運営した喜びと努力が報われるのだろう」と、早くも次回開催への意欲を見せた。

text:Sotaro.Arakawa