2021/12/12(日) - 10:26
ワイ・インターナショナルが毎年開催している社内試乗会にシクロワイアード編集部員もお邪魔した。48社・82ブランドが出展した一大試乗会に登場した新製品をチェック。Vol.6はサーヴェロ、コルナゴ、ワフーをピックアップした。
東商会:数々の勝利をあげたサーヴェロのレーシングバイクに注目
エアロダイナミクスとカーボンテクノロジーに秀でたカナダのバイクブランドであるサーヴェロ、フランスの総合バイクブランドであるラピエールなどを取り扱う東商会。多種多様な試乗車を取り揃えており、多くのスタッフが訪れていた。
サーヴェロは今年のレースシーズンでも大活躍。プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)によるブエルタ・ア・エスパーニャでの総合優勝、東京2020オリンピックの男子個人タイムトライアルで金メダルなどビッグタイトルを獲得した。
試乗車として用意されていたのは、軽量オールラウンドモデルのR-seriesやエアロロードのS-seriesだけでなく、タイムトライアルバイクのP-seriesやオールロードのCaledonia、グラベルバイクのAsperoなど、サーヴェロのほぼ全てのカテゴリーを網羅するラインアップ。
ワイズロードの中でも店舗によって強みが異なるそうで、自店舗が得意とする車種に試乗するスタッフが多かったとのこと。豊富なバイクラインアップから用途やレベルに応じてモデルが用意されているため、スタッフにとっても多くの方にお勧めしやすいブランドなのだという。
中でも、グラベルロードの上位モデル Aspero-5をプッシュしてくれたのが、MTB歴が長いワイズロード東大和店の大野店長。「Aspero-5は舗装路でも良く走るし、未舗装路でも走破性が高くて乗っていて楽しいですね。マジョーラカラーのLime ShimmerとPurple Sunsetは光の当たる角度によって全然違った表情になるから、ついつい外に連れ出したくなりますね」とかなりお気に召した様子。
サーヴェロと並ぶもう一つのメインブランドが、UCIワールドチームのグルパマFDJをサポートするラピエール。その中でも注目を集めているのがエアロロードのAIRCODE DRSだろう。今回持ち込まれたのは日本唯一の展示車両なのだとか。XELIUS SLにも用いられていた3Dチューブラーテクノロジーを採用したシートステー集合部による快適性と、エアロダイナミクスが融合したレーシングバイクで、いかにも走りそうな雰囲気を纏った1台だ。
アキボウ:新型コンポーネントが搭載されたコルナゴ V3-RSに注目 シディのシューズ試着会は大盛況
老舗イタリアブランドのコルナゴや日本にルーツを持つフジ、小径車を語る上では外せないダホンとターン、イタリアンシューズブランドのシディなど、幅広くブランドを取り扱うアキボウ。
2年連続でツール・ド・フランスを制したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が使用していることでも注目されているコルナゴは、最新カーボンバイクからクラシックなクロモリフレームまで用意。
V3-RSやC64、MASTER、ARABESQUEなどのフレームを完成車パッケージとして購入できる「PREMIUM PACKAGE」を9月にフルリニューアルし、シマノの新型DURA-ACEとULTEGRAが選択できるようになった。早速、新型コンポーネントが搭載された試乗車が用意され、引っ切り無しにワイズロードのスタッフによるテストライドが行われていた。
アキボウが7月から取扱いを開始したのがイタリアンシューズブランドのシディ。今年のジロ・デ・イタリアで総合優勝したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)などトップ選手を支える歴史深いブランドである。多くのシューズを用意した試着ブースは大盛況。
グラベルやアドベンチャー系バイクを取り揃えるブリーザーや、街乗りにピッタリな小径車を展開するダホンやターンも試乗車が豊富に用意され、都心に店舗を構えるワイズロードのスタッフを中心に、しっかりそれぞれの特徴を吟味するように乗り比べを行っているようであった。
ワフー:エコシステムの一員となったスピードプレイペダル
アメリカのフィットネスブランドであるワフーと言えば、スマートローラーのKICKRシリーズでおなじみの存在だ。イネオス・グレナディアーズやボーラ・ハンスグローエといったトップカテゴリーだけでも8チームをサポートし、その存在感を至るところで示している。
KICKRに代表されるようなインドアトレーナーというイメージがあるが、ワフーはエンデュランススポーツを行うアスリートをサポートするブランドであり、室内と屋外の隔てなくプロダクトを展開している。インドアトレーニング環境はKICKRシリーズを中心に様々なオプションによって構築されている一方、サイクルコンピューターのELEMNTを軸とした屋外アクティビティをカバーするプロダクトとして、ワフーはスピードプレイペダルの展開を始めた。
基本設計は従来通りのスピードプレイであり、ステップインとステップアウトの角度を非常に細やかに調整可能で、膝に優しい作りはそのまま。変更されているのはペダルに備えられたアルミパーツの面積が広くなり耐久性が向上している点。さらに、ニードルベアリングを廃止しトリプルシールドベアリング仕様とすることで、これまで必要であったグリスガンによるグリスアップが不要となったほか、取り付けに際してもペダルレンチではなく8mmアーレンキーでの作業が可能となっている。
すでにワフーから各種ペダルはリリースされているが、ローンチタイミングにて存在が明かされたパワーメーター搭載モデルの詳細等は公表されておらず現段階では未発売。ワフーはトレーニング管理・プランニングサービス"SYSTM"もローンチしており、屋内外のトレーニングを繋ぐ架け橋は用意されている。パワートレーニングをワフーのエコシステムによって完結させる最後のピースの登場を心待ちにしたい。
ジョブインターナショナル:スパークルおおいたも駆るバッソのDIAMANTE
今年新設されたロードレースチームのスパークルおおいた。スプリンターとして名高い黒枝士揮、咲哉兄弟が立ち上げたばかりながら、JCLで沢田桂太郎が2勝を挙げ、その存在感をアピールしているチームだ。そんな彼らがレースで使用したバイクがイタリアのバッソのDIAMANTE。
DIAMANTEはシンプルながら他にはない造形で作られていることが特徴。高弾性カーボンを採用することで高い剛性と軽量化を果たしており、スパークルの活躍によってスプリンターの踏力に応えられる性能を実現していることは証明ずみ。
バッソはDIAMANTEのエアロダイナミクスを向上させたバージョンであるDIAMANTE SVもラインアップしている。ケーブルフル内装コックピットなどトレンドを捉え空力性能を向上させているものの、フレームとフォークの造形はバッソらしい独特な形状とされている。こちらも他にはない存在感を示しており、人とは違うものが欲しい方には似合いそうだ。
また、2022年モデルではグラベルバイクのPALTAがモデルチェンジを果たし、PALTA IIとなっているという。今回の試乗会にはデモバイクの到着が間に合わず、その詳細を確認することができなかったが、注目したいバイクの一つだった。
メニーズ:無線変速を推し進めるスラムや、アジア人向けの帽体となったリマール
電動無線変速をいち早く取り入れたスラムは、トップエンドのREDだけではなくセカンドグレードのFORCE、そしてRIVALまで電動無線変速を波及させている。さらにグラベルバイク用としてEXPLRシリーズもローンチし、様々な遊び方をカバーするようなラインアップを整えており、その充実度は増している。
そんなスラムを取り扱うメニーズは、イタリアンヘルメットブランドのリマールも揃えている。リマールはアスタナをサポートするブランドでもあり、フラッグシップのAIR PROやAIR MASTERを着用する選手たちの姿を見たことある人もいるはずだ。現在の帽体は丸型頭のライダーにもフィットしやすくなっているというため、見かけた際は一度試してもらいたい。
タデイ・ポガチャルも着用するシーコンのアイウェアでは、独創的なレンズのAEROWINGが注目のアイテムの一つ。また、欧州では馴染みがあるというNAQI(ナキ)というベルギーのスキンケアブランドも取扱いブランドだ。ロット・スーダルをサポートしており、ラインアップにはマッサージオイルやウォームジェルなどが揃う。
東商会:数々の勝利をあげたサーヴェロのレーシングバイクに注目
エアロダイナミクスとカーボンテクノロジーに秀でたカナダのバイクブランドであるサーヴェロ、フランスの総合バイクブランドであるラピエールなどを取り扱う東商会。多種多様な試乗車を取り揃えており、多くのスタッフが訪れていた。
サーヴェロは今年のレースシーズンでも大活躍。プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)によるブエルタ・ア・エスパーニャでの総合優勝、東京2020オリンピックの男子個人タイムトライアルで金メダルなどビッグタイトルを獲得した。
試乗車として用意されていたのは、軽量オールラウンドモデルのR-seriesやエアロロードのS-seriesだけでなく、タイムトライアルバイクのP-seriesやオールロードのCaledonia、グラベルバイクのAsperoなど、サーヴェロのほぼ全てのカテゴリーを網羅するラインアップ。
ワイズロードの中でも店舗によって強みが異なるそうで、自店舗が得意とする車種に試乗するスタッフが多かったとのこと。豊富なバイクラインアップから用途やレベルに応じてモデルが用意されているため、スタッフにとっても多くの方にお勧めしやすいブランドなのだという。
中でも、グラベルロードの上位モデル Aspero-5をプッシュしてくれたのが、MTB歴が長いワイズロード東大和店の大野店長。「Aspero-5は舗装路でも良く走るし、未舗装路でも走破性が高くて乗っていて楽しいですね。マジョーラカラーのLime ShimmerとPurple Sunsetは光の当たる角度によって全然違った表情になるから、ついつい外に連れ出したくなりますね」とかなりお気に召した様子。
サーヴェロと並ぶもう一つのメインブランドが、UCIワールドチームのグルパマFDJをサポートするラピエール。その中でも注目を集めているのがエアロロードのAIRCODE DRSだろう。今回持ち込まれたのは日本唯一の展示車両なのだとか。XELIUS SLにも用いられていた3Dチューブラーテクノロジーを採用したシートステー集合部による快適性と、エアロダイナミクスが融合したレーシングバイクで、いかにも走りそうな雰囲気を纏った1台だ。
アキボウ:新型コンポーネントが搭載されたコルナゴ V3-RSに注目 シディのシューズ試着会は大盛況
老舗イタリアブランドのコルナゴや日本にルーツを持つフジ、小径車を語る上では外せないダホンとターン、イタリアンシューズブランドのシディなど、幅広くブランドを取り扱うアキボウ。
2年連続でツール・ド・フランスを制したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が使用していることでも注目されているコルナゴは、最新カーボンバイクからクラシックなクロモリフレームまで用意。
V3-RSやC64、MASTER、ARABESQUEなどのフレームを完成車パッケージとして購入できる「PREMIUM PACKAGE」を9月にフルリニューアルし、シマノの新型DURA-ACEとULTEGRAが選択できるようになった。早速、新型コンポーネントが搭載された試乗車が用意され、引っ切り無しにワイズロードのスタッフによるテストライドが行われていた。
アキボウが7月から取扱いを開始したのがイタリアンシューズブランドのシディ。今年のジロ・デ・イタリアで総合優勝したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)などトップ選手を支える歴史深いブランドである。多くのシューズを用意した試着ブースは大盛況。
グラベルやアドベンチャー系バイクを取り揃えるブリーザーや、街乗りにピッタリな小径車を展開するダホンやターンも試乗車が豊富に用意され、都心に店舗を構えるワイズロードのスタッフを中心に、しっかりそれぞれの特徴を吟味するように乗り比べを行っているようであった。
ワフー:エコシステムの一員となったスピードプレイペダル
アメリカのフィットネスブランドであるワフーと言えば、スマートローラーのKICKRシリーズでおなじみの存在だ。イネオス・グレナディアーズやボーラ・ハンスグローエといったトップカテゴリーだけでも8チームをサポートし、その存在感を至るところで示している。
KICKRに代表されるようなインドアトレーナーというイメージがあるが、ワフーはエンデュランススポーツを行うアスリートをサポートするブランドであり、室内と屋外の隔てなくプロダクトを展開している。インドアトレーニング環境はKICKRシリーズを中心に様々なオプションによって構築されている一方、サイクルコンピューターのELEMNTを軸とした屋外アクティビティをカバーするプロダクトとして、ワフーはスピードプレイペダルの展開を始めた。
基本設計は従来通りのスピードプレイであり、ステップインとステップアウトの角度を非常に細やかに調整可能で、膝に優しい作りはそのまま。変更されているのはペダルに備えられたアルミパーツの面積が広くなり耐久性が向上している点。さらに、ニードルベアリングを廃止しトリプルシールドベアリング仕様とすることで、これまで必要であったグリスガンによるグリスアップが不要となったほか、取り付けに際してもペダルレンチではなく8mmアーレンキーでの作業が可能となっている。
すでにワフーから各種ペダルはリリースされているが、ローンチタイミングにて存在が明かされたパワーメーター搭載モデルの詳細等は公表されておらず現段階では未発売。ワフーはトレーニング管理・プランニングサービス"SYSTM"もローンチしており、屋内外のトレーニングを繋ぐ架け橋は用意されている。パワートレーニングをワフーのエコシステムによって完結させる最後のピースの登場を心待ちにしたい。
ジョブインターナショナル:スパークルおおいたも駆るバッソのDIAMANTE
今年新設されたロードレースチームのスパークルおおいた。スプリンターとして名高い黒枝士揮、咲哉兄弟が立ち上げたばかりながら、JCLで沢田桂太郎が2勝を挙げ、その存在感をアピールしているチームだ。そんな彼らがレースで使用したバイクがイタリアのバッソのDIAMANTE。
DIAMANTEはシンプルながら他にはない造形で作られていることが特徴。高弾性カーボンを採用することで高い剛性と軽量化を果たしており、スパークルの活躍によってスプリンターの踏力に応えられる性能を実現していることは証明ずみ。
バッソはDIAMANTEのエアロダイナミクスを向上させたバージョンであるDIAMANTE SVもラインアップしている。ケーブルフル内装コックピットなどトレンドを捉え空力性能を向上させているものの、フレームとフォークの造形はバッソらしい独特な形状とされている。こちらも他にはない存在感を示しており、人とは違うものが欲しい方には似合いそうだ。
また、2022年モデルではグラベルバイクのPALTAがモデルチェンジを果たし、PALTA IIとなっているという。今回の試乗会にはデモバイクの到着が間に合わず、その詳細を確認することができなかったが、注目したいバイクの一つだった。
メニーズ:無線変速を推し進めるスラムや、アジア人向けの帽体となったリマール
電動無線変速をいち早く取り入れたスラムは、トップエンドのREDだけではなくセカンドグレードのFORCE、そしてRIVALまで電動無線変速を波及させている。さらにグラベルバイク用としてEXPLRシリーズもローンチし、様々な遊び方をカバーするようなラインアップを整えており、その充実度は増している。
そんなスラムを取り扱うメニーズは、イタリアンヘルメットブランドのリマールも揃えている。リマールはアスタナをサポートするブランドでもあり、フラッグシップのAIR PROやAIR MASTERを着用する選手たちの姿を見たことある人もいるはずだ。現在の帽体は丸型頭のライダーにもフィットしやすくなっているというため、見かけた際は一度試してもらいたい。
タデイ・ポガチャルも着用するシーコンのアイウェアでは、独創的なレンズのAEROWINGが注目のアイテムの一つ。また、欧州では馴染みがあるというNAQI(ナキ)というベルギーのスキンケアブランドも取扱いブランドだ。ロット・スーダルをサポートしており、ラインアップにはマッサージオイルやウォームジェルなどが揃う。
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