2021/11/25(木) - 17:42
秋晴れの埼玉スタジアム駐車場にずらり並んだメーカーブースと、真剣な笑顔で最新モデルのスポーツバイク試乗車に乗り込んで理解を深めるワイズロードのスタッフたち。じつに48社・82ブランドが出展した一大試乗会の模様をレポートする。
埼玉スタジアム2002を舞台にしたワイズロードスタッフ試乗会
FIFAワールドカップの舞台となった埼玉スタジアム2002を舞台に開催されたワイズロードスタッフ試乗会。ワイズロードで取り扱う数多くのブランドを一堂に集め、試乗やメーカースタッフとのやりとりを行うことで商品知識を深めるための一大社内イベントだ。今年7回目を迎えた試乗会には、今や関東から西は九州まで日本全国に33を擁する全店舗から200名以上のスタッフが集まった。
スポーツバイク界では春から夏にかけて新モデル発表が行われるのが通例だが、11月半ばという少し遅いタイミングで開催されるのは「試乗車が出揃ったタイミングで開催するため」。紙やウェブ情報だけではなく、実際に新製品を見て、触って、乗って、話して理解するということを大切にしていることがその理由だという。ワイズロードの代表を務める鳥居恵一郎さんも来場し、自ら各ブランドの注目モデルを乗って試していた。
多数のブランドが集い、日本全国からワイズロードのスタッフが集った
ワイズロードが取り扱う48社82ブランドが一堂に会した
MTBもしっかり用意。スコットブースでは新型SPARKがずらり揃った
試乗コースには軽い登り下りやコーナーも用意されていた
乗り込みを重ねる田中伸也さん(ワイズロード東大和店)
コロナ禍によって、サイクルモードなど国内を代表する展示試乗会が中止に追い込まれるなか、このワイズロードスタッフ試乗会は各メーカーの最新モデルが集結する貴重な機会となった。一般公開されない社内イベントだが、CW編集部も特別に取材参加させて頂く機会を頂いた。その模様やブースレポートを通して各メーカーやブランドの「今のイチオシ」を紹介したいと思う。
イチオシはどれ?有名スタッフ3人に聞いてみた
ロードバイクはもちろん、MTB、グラベルバイク、折りたたみバイク、ホイールなどパーツ群、アパレル、さらにはスマートローラーやケミカル類など、ワイズロードが取り扱う数多くの商品が並ぶ中、時期的にも最も話題を集めていたバイクはアンカーの新型オールラウンドモデル、RP9。まだまだ新型デュラエースの供給数が少ないためシマノブースにも大きな人だかりができていたほか、まだ(取材日時点で)流通がスタートしていなかった新型アルテグラにも、デュラエースと同じ、あるいはそれ以上の(?)注目が集まっていた。
今回はワイズロードの実走派として有名なスタッフお二人と、全日本ロード女子チャンピオンに輝いた植竹海貴さんに登場いただき、それぞれのオススメ商品を聞いてみた。その言葉に注目してほしい。
利田卓也さん(ワイズロード大阪本館)
利田卓也さん(ワイズロード大阪本館)
ワイズロード大阪本館に勤務し、かつてツール・ド・おきなわの市民210kmクラスで上位に食い込んだ強豪ホビーレーサーでもある利田卓也さんのオススメは、シマノの新型デュラエースとアルテグラのホイール。デュラエースで23万円、アルテグラで15万円台という手頃な価格を実現している一方、もっと高価格帯を思わせる上質な走行性能にとても驚かされたとか。
「軽量化とワイドリム化を果たしたことが大きな魅力ですね。デュラエースは重量面での軽やかさと走りの滑らかさが特徴で、レース志向やタイムを出したい方、またハイエンドという所有欲面でもオススメできます。一方アルテグラは走りの滑らかさはデュラエースに譲るものの、価格以上の走りが光りました。見た目はデュラエースと変わりませんし、デカールもマットブラックで落ち着いた仕上がりです。デュラエースまでは要らないけれど、上質なホイールが欲しい方には今最良のホイールだと言えますね」
田中伸也さん(ワイズロード東大和店)
田中伸也さん(ワイズロード東大和店)
ワイズロード東大和店に勤め、かつて全日本選手権ロードレースにも出場した経験を持つ田中さん。これまでDOGMAのF12、F10、F10 Xlight、F8、K10-S eDSSなどを乗り継いできた大のピナレロフリークである氏のオススメは、もちろん新世代DOGMAである「F」。デビュー情報が入るやいなや注文を入れており、現在デリバリーされるのをいまかいまかと待っていると言う。
「試乗する前にFを注文しちゃった(笑)んですが、テストさせてもらったところ、僕の大好きなX-light系のフィーリングでとても気に入りました。ペダリングに対する反発が気持ちよく、かつコントロールされているように感じるんです。強く踏めば硬いけれど、ゆっくり走っている時には足への過度な負荷なくスーッと走ってくれる。F12もそんな走り心地を感じたのですが、Fになってそれが強くなったように思います。お値段が強気で、硬さゆえ少々慣れも必要ですが、それを差し引いても素晴らしいバイクですね」。
植竹海貴さん(ワイズロード新宿本館)
植竹海貴さん(ワイズロード新宿本館)
ワイズロードのスタッフで今もっとも注目を集めるのはこの人、新宿本館勤務の植竹海貴さん。フルタイムスタッフとして働く傍トレーニングを続け、今年見事全日本ロード女子チャンピオンに輝いた植竹さんも、もちろんこの日の参加者の一人。接客に活かすノウハウを吸収する一方、来季の自身で乗るレースバイク探し(?)のために各ブランドのロードバイクを本気で乗り込む姿が印象的だった。
現在DOGMA F8に乗る植竹さんだけに、田中さんと同じくDOGMA Fは気になる(実際に乗り込んで気に入ったそう)存在だが、それと同じくコルナゴのV3-RSの走りも好みだったという。「もちろんレースバイクなので踏み味は硬いんですが、それでもガチガチではないのでちょうどいい塩梅です。個人的にはDOGMA Fは短距離レース向けで、V3-RSは長時間のレースで味方してくれそう」との評価。来シーズンはどちらかのバイクでレースを走る姿が見られるかも?
試乗会の中で何よりも印象的だったのは、自転車のプロであるスタッフ全員が楽しそうに試乗を行い、メーカーの担当者と会話を重ねていたこと。日本最大のスポーツバイクショップであるワイズロードには「量販店」イメージがあるものの、その核を成すスタッフたちは全員が大の自転車好きであり、いちサイクリストだということが再確認できた。
名古屋クロスバイク館に務めるおふたり。しっかり試乗されていました
SARISブランドアンバサダーのMinoriさん(左)と、本社経理部の方(金属フレームがお好きだとか!)。
E-BIKE専門店もあるワイズロード。最新Eモデルの注目度はやはり高い
ワイズロードのマネージャーを務める永平宏行さんによれば、ユーザーにグループライドの機会を提供するサンデーライドや講習会の実施、最近スタートしたズイフトコミュニティの創設など、ワイズロードでは顧客満足度を上げるサービスをいくつも実施し、今回のスタッフ試乗会もその一環だという。「もともとワイズロードはコアな専門店からスタートしていますから、その良さを継承し、一層深めていきたい」とも。お店で扱う商品であるスポーツバイクも、やはり自身で乗った感覚をお客さんに伝えてあげることがお客さんにとっても良い判断材料になる。
そして「きちんと最新モデルに乗って楽しみ、メーカーの方々と話し、写真をとってブログアップをするように、と伝えているんです」と言うのは鳥居代表。「それと同時に、スタッフ、つまりブランドに携わる人間として一番嬉しいのは新製品を試すとき。そのための場を作りたいという内面の意味もあるんです」と加える。
企画に携わる芝崎樹里さんと永平宏行さん。「お客様満足度を高め、スタッフ自身も楽しむ良い機会に」
鳥居恵一郎ワイズロード社長「改めて人の繋がりを確認できる機会になりました」
鳥居社長も自ら試乗を繰り返していた
「昨年はコロナ禍で中止に追い込まれたのですが、2年ぶりに開催できたことで、改めて人(ワイズロードスタッフ)と人(メーカー)の繋がりが大切だと再確認できました。それはお客様に対しても同じですし、大きな規模だからといってつまらないサイクルショップになってはいけませんから。我々のテック(技術)レベルは高い評価を得ていますし、今後も様々な社内取り組みを行って、お客様が満足して頂ける専門店チェーンに育つことを目指しています」と話してくれた。
今回のワイズロードスタッフ試乗会をレポートする各ショップのブログは、ワイズロードの2022年モデルページに全て集約されている。これを読めばあなたの気になるモデルのレポートがきっと見つかるはずだ。
ブースレポート次編へと続きます。
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FIFAワールドカップの舞台となった埼玉スタジアム2002を舞台に開催されたワイズロードスタッフ試乗会。ワイズロードで取り扱う数多くのブランドを一堂に集め、試乗やメーカースタッフとのやりとりを行うことで商品知識を深めるための一大社内イベントだ。今年7回目を迎えた試乗会には、今や関東から西は九州まで日本全国に33を擁する全店舗から200名以上のスタッフが集まった。
スポーツバイク界では春から夏にかけて新モデル発表が行われるのが通例だが、11月半ばという少し遅いタイミングで開催されるのは「試乗車が出揃ったタイミングで開催するため」。紙やウェブ情報だけではなく、実際に新製品を見て、触って、乗って、話して理解するということを大切にしていることがその理由だという。ワイズロードの代表を務める鳥居恵一郎さんも来場し、自ら各ブランドの注目モデルを乗って試していた。
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イチオシはどれ?有名スタッフ3人に聞いてみた
ロードバイクはもちろん、MTB、グラベルバイク、折りたたみバイク、ホイールなどパーツ群、アパレル、さらにはスマートローラーやケミカル類など、ワイズロードが取り扱う数多くの商品が並ぶ中、時期的にも最も話題を集めていたバイクはアンカーの新型オールラウンドモデル、RP9。まだまだ新型デュラエースの供給数が少ないためシマノブースにも大きな人だかりができていたほか、まだ(取材日時点で)流通がスタートしていなかった新型アルテグラにも、デュラエースと同じ、あるいはそれ以上の(?)注目が集まっていた。
今回はワイズロードの実走派として有名なスタッフお二人と、全日本ロード女子チャンピオンに輝いた植竹海貴さんに登場いただき、それぞれのオススメ商品を聞いてみた。その言葉に注目してほしい。
利田卓也さん(ワイズロード大阪本館)
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「軽量化とワイドリム化を果たしたことが大きな魅力ですね。デュラエースは重量面での軽やかさと走りの滑らかさが特徴で、レース志向やタイムを出したい方、またハイエンドという所有欲面でもオススメできます。一方アルテグラは走りの滑らかさはデュラエースに譲るものの、価格以上の走りが光りました。見た目はデュラエースと変わりませんし、デカールもマットブラックで落ち着いた仕上がりです。デュラエースまでは要らないけれど、上質なホイールが欲しい方には今最良のホイールだと言えますね」
田中伸也さん(ワイズロード東大和店)
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ワイズロード東大和店に勤め、かつて全日本選手権ロードレースにも出場した経験を持つ田中さん。これまでDOGMAのF12、F10、F10 Xlight、F8、K10-S eDSSなどを乗り継いできた大のピナレロフリークである氏のオススメは、もちろん新世代DOGMAである「F」。デビュー情報が入るやいなや注文を入れており、現在デリバリーされるのをいまかいまかと待っていると言う。
「試乗する前にFを注文しちゃった(笑)んですが、テストさせてもらったところ、僕の大好きなX-light系のフィーリングでとても気に入りました。ペダリングに対する反発が気持ちよく、かつコントロールされているように感じるんです。強く踏めば硬いけれど、ゆっくり走っている時には足への過度な負荷なくスーッと走ってくれる。F12もそんな走り心地を感じたのですが、Fになってそれが強くなったように思います。お値段が強気で、硬さゆえ少々慣れも必要ですが、それを差し引いても素晴らしいバイクですね」。
植竹海貴さん(ワイズロード新宿本館)
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現在DOGMA F8に乗る植竹さんだけに、田中さんと同じくDOGMA Fは気になる(実際に乗り込んで気に入ったそう)存在だが、それと同じくコルナゴのV3-RSの走りも好みだったという。「もちろんレースバイクなので踏み味は硬いんですが、それでもガチガチではないのでちょうどいい塩梅です。個人的にはDOGMA Fは短距離レース向けで、V3-RSは長時間のレースで味方してくれそう」との評価。来シーズンはどちらかのバイクでレースを走る姿が見られるかも?
試乗会の中で何よりも印象的だったのは、自転車のプロであるスタッフ全員が楽しそうに試乗を行い、メーカーの担当者と会話を重ねていたこと。日本最大のスポーツバイクショップであるワイズロードには「量販店」イメージがあるものの、その核を成すスタッフたちは全員が大の自転車好きであり、いちサイクリストだということが再確認できた。
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そして「きちんと最新モデルに乗って楽しみ、メーカーの方々と話し、写真をとってブログアップをするように、と伝えているんです」と言うのは鳥居代表。「それと同時に、スタッフ、つまりブランドに携わる人間として一番嬉しいのは新製品を試すとき。そのための場を作りたいという内面の意味もあるんです」と加える。
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今回のワイズロードスタッフ試乗会をレポートする各ショップのブログは、ワイズロードの2022年モデルページに全て集約されている。これを読めばあなたの気になるモデルのレポートがきっと見つかるはずだ。
ブースレポート次編へと続きます。
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