2021/11/09(火) - 23:02
キャノンデールが新たなXCハードテールバイク”Scalpel HT”を発表。過激化するワールドカップコースに対応するハードテールレーシングモデルとして、66.5°というヘッドアングルに大きなフォークオフセットを組み合わせることで安定感と機敏なハンドリングを両立した、キャノンデールらしい独創的な1台だ。
ユニークな設計思想で唯一無二の世界観を見せるアメリカンブランド、キャノンデール。ラインアップの中でもその独創性が遺憾なく発揮されているのがオフロードカテゴリーだ。片持ち式の倒立サスフォーク”Lefty”やオフセットドライブトレインなど、数々の独自機軸を打ち出し、ライバルたちとは一線を画したバイクを作り続けてきた。
そんなキャノンデールのフラッグシップXCハードテールバイクがフルモデルチェンジ。現行のF-Siというモデル名を一新し、SCALPEL HTという完全新モデルへと生まれ変わった。
ダウンヒルレースもかくやという下りセクションと、激しいインターバルのかかる登りセクションが用意される現代のワールドカップでは、フルサスバイクが標準となりつつある。実際に、キャノンデールがサポートするライダーも、ほぼ全てのレースにおいてフルサスバイクのSCALPELを使用してきた。
一方で、軽量で登り性能に優れたハードテールバイクが優位になるレースも存在している。モデル名としてはSCALPELのハードテールバージョンという位置づけとなったSCALPEL HTだが、前作のF-Siから多くのDNAを受継いでいる。
その一つが軽量性だ。塗装込みのフレーム重量が895gと、現在のXCバイクのなかで最軽量級の一台であり、鋭い加速性能、軽快なペダリング、優れた登坂能力を実現。バイクを下りて押すようなシーンでも、その軽量性は大きなアドバンテージとなるだろう。
一方で、フレームワークは大きく変更されている。トラディショナルなダイアモンドフレームであった前作に対し、SCALPEL HTはドロップドシートステーを採用している。既にキャノンデールはロードバイクやグラベル/CXバイクにおいて採用してきた設計でもある。細身のシートステー、扁平なフレックスゾーンとされたシートステーのリアエンド付近の造形が高いトラクション性能を実現してくれるだろう。
さて、重量や造形以上に大きな変化が起きているのがジオメトリーだ。登り区間の効率に影響するシートアングルは74.5°とかなり立ち気味の設定で、リラックスしながら体重を掛けたダイレクトなペダリングを可能に。
そして最も革新的なのは、ハンドリングに大きな影響を与えるヘッドアングルだろう。全サイズにおいてF-Siの69°から更に大きく寝かされた、66.5°というオールマウンテンバイク並みの数値とされ、ハードテールが本来苦手とする高速ダウンヒルでアドバンテージを稼ぐことが出来るスタビリティを確保した
一方で、フォークオフセットを5.5cmと多めに設定することで適正なトレイル値を実現。タイトターンを難なくクリアできる機敏性を失うことなく、理想的なハンドリングを手に入れている。このような設計を可能とするのは、キャノンデールがサスペンションフォークとフレームを同時に開発できる唯一のメーカーだからこそ。
フロントフォークはもちろんキャノンデールが誇るLefty Ocho。前作のF-Siと同時に発表されたシングルクラウンの軽量XCフォークを更にブラッシュアップし、110mmと100mmの2つのストローク量のモデルが用意される。これまで存在しなかった110mmストロークモデルは、Lefty Ocho120をベースにハードテールのフィーリングに最適化したもの。既存の100mmストロークモデルよりもキャパシティを増した余裕のある使用感が特徴だ。
F-Si以降の伝統であったアシンメトリックドライブトレイン(Ai)の採用を見送ったことも大きなポイントだ。もともと、タイヤクリアランスとショートチェーンステーを両立するために開発されたAiシステムだが、現在主流となってきた55mmのチェーンライン規格の採用によってそのメリットは実現できるという。Aiホイールにはスポークテンションの均等化といったメリットも残されているが、標準的なホイールを使用できることのメリットが、XCレーサーにとっては大きいという判断なのだろう。
リアエンドは迅速なホイール交換を可能とするスピードリリース規格とされるほか、入手性に優れたユニバーサルディレイラーハンガーを採用するなど、ライド中のトラブルも想定したスペックとされている。
サイズはSM、MD、LGの3種類。ヘッドアングルと実効シートアングルは全サイズ共通となる一方、どのサイズでもライダーがベストなポジションに位置するように、チェーンステー長を各サイズで調整するプロポーショナルレスポンスジオメトリーを採用。
日本での展開は、Hi-MODカーボンを使用したハイエンドモデルとなるScalpel HT Hi-MOD 1とミドルグレードのScalpel HT Carbon 2。Scalpel HT Hi-MOD 1は110mmストローク、Scalpel HT Carbon 2は100mmストロークのフォークを採用している。ドライブトレインやブレーキはどちらもシマノ XTをメインとしている。価格はScalpel HT Hi-MOD 1が693,000円、Scalpel HT Carbon 2が440,000円(共に税込)
キャノンデール Scalpel HT Hi-Mod 1
フレーム:Hi-Mod Carbon
フォーク:Lefty Ocho 110 Carbon
ホイール:HollowGram 25, Superlight Hi-Impact Carbon, 28h, 25mm IW, tubeless ready
コンポ:Shimano XTR, XT mix, 12-speed
カラー:カーボン
価 格:693,000円(税込)
キャノンデール Scalpel HT Carbon 2
フレーム:Carbon
フォーク:Lefty Ocho 100
ホイール:Stan's NoTubes Crest MK4, 28h, tubeless ready
コンポ:Shimano XT, 12-speed
カラー:パープルヘイズ
価 格:440,000円(税込)
ユニークな設計思想で唯一無二の世界観を見せるアメリカンブランド、キャノンデール。ラインアップの中でもその独創性が遺憾なく発揮されているのがオフロードカテゴリーだ。片持ち式の倒立サスフォーク”Lefty”やオフセットドライブトレインなど、数々の独自機軸を打ち出し、ライバルたちとは一線を画したバイクを作り続けてきた。
そんなキャノンデールのフラッグシップXCハードテールバイクがフルモデルチェンジ。現行のF-Siというモデル名を一新し、SCALPEL HTという完全新モデルへと生まれ変わった。
ダウンヒルレースもかくやという下りセクションと、激しいインターバルのかかる登りセクションが用意される現代のワールドカップでは、フルサスバイクが標準となりつつある。実際に、キャノンデールがサポートするライダーも、ほぼ全てのレースにおいてフルサスバイクのSCALPELを使用してきた。
一方で、軽量で登り性能に優れたハードテールバイクが優位になるレースも存在している。モデル名としてはSCALPELのハードテールバージョンという位置づけとなったSCALPEL HTだが、前作のF-Siから多くのDNAを受継いでいる。
その一つが軽量性だ。塗装込みのフレーム重量が895gと、現在のXCバイクのなかで最軽量級の一台であり、鋭い加速性能、軽快なペダリング、優れた登坂能力を実現。バイクを下りて押すようなシーンでも、その軽量性は大きなアドバンテージとなるだろう。
一方で、フレームワークは大きく変更されている。トラディショナルなダイアモンドフレームであった前作に対し、SCALPEL HTはドロップドシートステーを採用している。既にキャノンデールはロードバイクやグラベル/CXバイクにおいて採用してきた設計でもある。細身のシートステー、扁平なフレックスゾーンとされたシートステーのリアエンド付近の造形が高いトラクション性能を実現してくれるだろう。
さて、重量や造形以上に大きな変化が起きているのがジオメトリーだ。登り区間の効率に影響するシートアングルは74.5°とかなり立ち気味の設定で、リラックスしながら体重を掛けたダイレクトなペダリングを可能に。
そして最も革新的なのは、ハンドリングに大きな影響を与えるヘッドアングルだろう。全サイズにおいてF-Siの69°から更に大きく寝かされた、66.5°というオールマウンテンバイク並みの数値とされ、ハードテールが本来苦手とする高速ダウンヒルでアドバンテージを稼ぐことが出来るスタビリティを確保した
一方で、フォークオフセットを5.5cmと多めに設定することで適正なトレイル値を実現。タイトターンを難なくクリアできる機敏性を失うことなく、理想的なハンドリングを手に入れている。このような設計を可能とするのは、キャノンデールがサスペンションフォークとフレームを同時に開発できる唯一のメーカーだからこそ。
フロントフォークはもちろんキャノンデールが誇るLefty Ocho。前作のF-Siと同時に発表されたシングルクラウンの軽量XCフォークを更にブラッシュアップし、110mmと100mmの2つのストローク量のモデルが用意される。これまで存在しなかった110mmストロークモデルは、Lefty Ocho120をベースにハードテールのフィーリングに最適化したもの。既存の100mmストロークモデルよりもキャパシティを増した余裕のある使用感が特徴だ。
F-Si以降の伝統であったアシンメトリックドライブトレイン(Ai)の採用を見送ったことも大きなポイントだ。もともと、タイヤクリアランスとショートチェーンステーを両立するために開発されたAiシステムだが、現在主流となってきた55mmのチェーンライン規格の採用によってそのメリットは実現できるという。Aiホイールにはスポークテンションの均等化といったメリットも残されているが、標準的なホイールを使用できることのメリットが、XCレーサーにとっては大きいという判断なのだろう。
リアエンドは迅速なホイール交換を可能とするスピードリリース規格とされるほか、入手性に優れたユニバーサルディレイラーハンガーを採用するなど、ライド中のトラブルも想定したスペックとされている。
サイズはSM、MD、LGの3種類。ヘッドアングルと実効シートアングルは全サイズ共通となる一方、どのサイズでもライダーがベストなポジションに位置するように、チェーンステー長を各サイズで調整するプロポーショナルレスポンスジオメトリーを採用。
日本での展開は、Hi-MODカーボンを使用したハイエンドモデルとなるScalpel HT Hi-MOD 1とミドルグレードのScalpel HT Carbon 2。Scalpel HT Hi-MOD 1は110mmストローク、Scalpel HT Carbon 2は100mmストロークのフォークを採用している。ドライブトレインやブレーキはどちらもシマノ XTをメインとしている。価格はScalpel HT Hi-MOD 1が693,000円、Scalpel HT Carbon 2が440,000円(共に税込)
キャノンデール Scalpel HT Hi-Mod 1
フレーム:Hi-Mod Carbon
フォーク:Lefty Ocho 110 Carbon
ホイール:HollowGram 25, Superlight Hi-Impact Carbon, 28h, 25mm IW, tubeless ready
コンポ:Shimano XTR, XT mix, 12-speed
カラー:カーボン
価 格:693,000円(税込)
キャノンデール Scalpel HT Carbon 2
フレーム:Carbon
フォーク:Lefty Ocho 100
ホイール:Stan's NoTubes Crest MK4, 28h, tubeless ready
コンポ:Shimano XT, 12-speed
カラー:パープルヘイズ
価 格:440,000円(税込)
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