2021/10/31(日) - 22:23
JCLプロロードレースツアーの第8戦湧水の郷しおやクリテリウムが栃木県塩谷町の道の駅湧水の郷しおや周辺で開催され、ゴールスプリント勝負を制した金子大介(那須ブラーゼン)が優勝。チームにJCL初勝利をもたらした。
有力選手含む7人が逃げ続ける展開に
JCLプロロードレースツアー第8戦は、数多くのレースが開催される栃木県の中でも初開催となる塩谷町が舞台。 「道の駅湧水の郷しおや」の国道461号線を挟んで南側に設定された特設周回コースは、フィニッシュに向けて上り勾配ではあるものの基本的にはオールフラットの2.8km。
ただ、国道に沿うように走る農道の道幅は狭く、前方でレースを進めないと無駄に脚を使わされることになるレイアウト。また、農道途中にはポールを回避するためにコの字にフェンスが設置された箇所もあり、試走を終えた選手たちの間でも危険箇所として認知されたことあり、レース前には選手を代表して佐野淳哉(レバンテフジ静岡)が安全喚起のアナウンスをする中、30周84kmのレースがスタートした。
ローリングの後に正式スタートしたレースは早速、アタックの応酬に。しばらくは数人の選手が飛び出しては集団が吸収する展開が続いたが、9周目に阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、花田聖誠(キナンサイクリングチーム)、吉岡直哉(チーム右京相模原)、小野寛斗(スパークルおおいたレーシングチーム)、柴田雅之(那須ブラーゼン)、渡邊諒馬(ヴィクトワール広島)の6人が抜け出すと、後方から増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が単独ブリッジ。7人の逃げ集団が形成される展開になった。
一方のメイン集団は、当初こそ明確にコントロールの意思を示すチームが現れなかったものの、しばらくすると那須ブラーゼン勢が先頭付近に固まりコントロールを開始。さらに折り返しを過ぎると、佐野、高木三千成(さいたまディレーブ)、畑中勇介(キナンサイクリングチーム)らが那須ブラーゼンに協調してペースアップを開始。ジワジワと逃げ集団とのタイム差を縮めていき、残り8周となる23周目についに逃げ集団をキャッチ。
ひとつになった集団では再びのアタック合戦となったが決定的な逃げが形成されずには至らないまま周回を重ねていく状況が続く。残り3周を切って宇賀隆貴(チーム右京相模原)、最終周には谷順成(那須ブラーゼン)が果敢にアタックを仕掛けて抜け出しを狙ったが集団が吸収し、勝負は集団でのゴールスプリントに持ち込まれることになった。
チームメートの好アシストから発射された金子がスプリントを制す
人数をそろえるキナンサイクリングチームやチーム右京相模原、スパークルおおいたレーシングチームなどが有利と見られる中、残り1kmを切ると那須ブラーゼンの谷と西尾憲人がトレインを組んで金子を引き連れて先頭に躍り出る。しかし、最終コーナーを前に増田が先頭を奪い勝負は上りスプリントに。
チームメートに発射された金子が伸びのあるスプリントを見せ、後方から追い上げる選手たちに追いつかれることなくそのまま先頭で雄叫びとともにフィニッシュ。那須ブラーゼンにJCL初勝利をもたらした。
優勝した金子は表彰式後の囲み取材で最後のスプリントの場面について「残り1kmを切って西尾憲人選手と谷選手が先頭で引いてくれて、最終コーナーで一瞬埋もれてしまったのですが、いい位置でスプリントに入ることができたのでもがくことに集中できました。スプリントは自分がかけたいタイミングでかけようと思っていて、脚が攣っていたのですがそんなの関係なしに全身で押し込むようにペダルを踏み込んで最後までいきました」とコメント。
今シーズン、まとまりを感じさせるチームに関しては「3、4年ぶりに日本のチームに所属しますが、これまでのチームではチームトレーニングがほとんどありませんでした。でも、那須ブラーゼンは週2、3日チームトレーニングを行なっていて、お互いの性格も脚の具合も常に把握できているのでチームメートを信じ切れますし、言葉を交わさなくても意思疎通できている面がプラスに働いていると感じます」と、絶対的な信頼関係が勝利につながったと強調した。
年間ランキングは、個人が山本大喜(キナンサイクリングチーム)、スプリントが小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、山岳が山本元喜(キナンサイクリングチーム)と前戦から動きはなかったが、U23はこの日不出場だった本多晴飛(VC福岡)と同ポイントに並んだ宇賀隆貴(チーム右京相模原)が首位になり、ホワイトジャージを獲得。チームランキングは宇都宮ブリッツェンが首位をキープしている。
設立1年目のJCLプロロードレースツアーも、11月6日の「大田原ロードレース」と7日の「那須塩原クリテリウム」を残すのみ。両日のレース結果はもちろんのこと、各賞ジャージは誰が、チームランキングはどのチームが手中にするのかにも注目だ。
有力選手含む7人が逃げ続ける展開に
JCLプロロードレースツアー第8戦は、数多くのレースが開催される栃木県の中でも初開催となる塩谷町が舞台。 「道の駅湧水の郷しおや」の国道461号線を挟んで南側に設定された特設周回コースは、フィニッシュに向けて上り勾配ではあるものの基本的にはオールフラットの2.8km。
ただ、国道に沿うように走る農道の道幅は狭く、前方でレースを進めないと無駄に脚を使わされることになるレイアウト。また、農道途中にはポールを回避するためにコの字にフェンスが設置された箇所もあり、試走を終えた選手たちの間でも危険箇所として認知されたことあり、レース前には選手を代表して佐野淳哉(レバンテフジ静岡)が安全喚起のアナウンスをする中、30周84kmのレースがスタートした。
ローリングの後に正式スタートしたレースは早速、アタックの応酬に。しばらくは数人の選手が飛び出しては集団が吸収する展開が続いたが、9周目に阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、花田聖誠(キナンサイクリングチーム)、吉岡直哉(チーム右京相模原)、小野寛斗(スパークルおおいたレーシングチーム)、柴田雅之(那須ブラーゼン)、渡邊諒馬(ヴィクトワール広島)の6人が抜け出すと、後方から増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が単独ブリッジ。7人の逃げ集団が形成される展開になった。
一方のメイン集団は、当初こそ明確にコントロールの意思を示すチームが現れなかったものの、しばらくすると那須ブラーゼン勢が先頭付近に固まりコントロールを開始。さらに折り返しを過ぎると、佐野、高木三千成(さいたまディレーブ)、畑中勇介(キナンサイクリングチーム)らが那須ブラーゼンに協調してペースアップを開始。ジワジワと逃げ集団とのタイム差を縮めていき、残り8周となる23周目についに逃げ集団をキャッチ。
ひとつになった集団では再びのアタック合戦となったが決定的な逃げが形成されずには至らないまま周回を重ねていく状況が続く。残り3周を切って宇賀隆貴(チーム右京相模原)、最終周には谷順成(那須ブラーゼン)が果敢にアタックを仕掛けて抜け出しを狙ったが集団が吸収し、勝負は集団でのゴールスプリントに持ち込まれることになった。
チームメートの好アシストから発射された金子がスプリントを制す
人数をそろえるキナンサイクリングチームやチーム右京相模原、スパークルおおいたレーシングチームなどが有利と見られる中、残り1kmを切ると那須ブラーゼンの谷と西尾憲人がトレインを組んで金子を引き連れて先頭に躍り出る。しかし、最終コーナーを前に増田が先頭を奪い勝負は上りスプリントに。
チームメートに発射された金子が伸びのあるスプリントを見せ、後方から追い上げる選手たちに追いつかれることなくそのまま先頭で雄叫びとともにフィニッシュ。那須ブラーゼンにJCL初勝利をもたらした。
優勝した金子は表彰式後の囲み取材で最後のスプリントの場面について「残り1kmを切って西尾憲人選手と谷選手が先頭で引いてくれて、最終コーナーで一瞬埋もれてしまったのですが、いい位置でスプリントに入ることができたのでもがくことに集中できました。スプリントは自分がかけたいタイミングでかけようと思っていて、脚が攣っていたのですがそんなの関係なしに全身で押し込むようにペダルを踏み込んで最後までいきました」とコメント。
今シーズン、まとまりを感じさせるチームに関しては「3、4年ぶりに日本のチームに所属しますが、これまでのチームではチームトレーニングがほとんどありませんでした。でも、那須ブラーゼンは週2、3日チームトレーニングを行なっていて、お互いの性格も脚の具合も常に把握できているのでチームメートを信じ切れますし、言葉を交わさなくても意思疎通できている面がプラスに働いていると感じます」と、絶対的な信頼関係が勝利につながったと強調した。
年間ランキングは、個人が山本大喜(キナンサイクリングチーム)、スプリントが小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、山岳が山本元喜(キナンサイクリングチーム)と前戦から動きはなかったが、U23はこの日不出場だった本多晴飛(VC福岡)と同ポイントに並んだ宇賀隆貴(チーム右京相模原)が首位になり、ホワイトジャージを獲得。チームランキングは宇都宮ブリッツェンが首位をキープしている。
設立1年目のJCLプロロードレースツアーも、11月6日の「大田原ロードレース」と7日の「那須塩原クリテリウム」を残すのみ。両日のレース結果はもちろんのこと、各賞ジャージは誰が、チームランキングはどのチームが手中にするのかにも注目だ。
photo&text: Nobumichi Komori
湧水の郷しおやクリテリウム84kmリザルト
1位 | 金子大介(那須ブラ―ゼン) | 1:51'49" |
2位 | 吉岡直哉(チーム右京相模原) | st |
3位 | 小山智也(チーム右京相模原) | st |
4位 | 山本大喜(キナンサイクリングチーム) | st |
5位 | 谷順成(那須ブラ―ゼン) vst | |
6位 | 沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)'+0'01" |
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