トスカーナの丘陵レース「コッパ・サバティーニ」でミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)がソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)を抑え勝利。前日のジロ・デッラ・トスカーナと2連勝を飾った。
ヨーロッパチャンピオンジャージに身を包んだソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
前日のトスカーナで勝利しているミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO) photo:CorVos
トスカーナの丘陵地帯を駆け巡る210.8kmの難関コース photo:CorVos
9月16日に開催された「コッパ・サバティーニ(正式名称はコッパ・サバティーニ・グランプレミオ・チッタ・ディ・ペッチョリ)」は、トスカーナを舞台にしたアップダウンの厳しいワンデーレース。前日に開催された「ジロ・デッラ・トスカーナ」と同じ主催者によるProカテゴリーのレースであり、実質的な2連戦レースとも言える。
1951年に36歳の若さで病死した選手、ジュゼッペ・サバティーニの名を冠した今大会にはトスカーナで逃げ切りを挙げたミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)や、絶好調の新欧州王者ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、ジャンニ・モスコン(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)、そしてディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)といった面々が集った。
ペッチョリから47.8kmのコースを走り、25.2kmの大周回コースを5周、12.3kmの小周回コースを3周する合計210.8km。地元イタリア勢やイギリス王者ベン・スウィフト(イネオス・グレナディアーズ)を含む5名の逃げが生まれ、残り50kmを切ってから活性化したメイン集団を飛び立った選手たちが先頭グループに合流する。こうして強力なメンバーで構成された14名が、逃げに乗り損ねたUAEが牽引するメイン集団から逃げる形となった。
先頭グループを牽引するソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
登坂でペースを作るミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO) photo:CorVos
コルブレッリやハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、ヴァルグレンとニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)、モスコンを含む逃げグループは20〜30秒差を維持したまま先行。距離を残していたためメイン集団は一度追走のペースを緩め、終盤に再加速したものの、最後まで勢いを保つ先頭グループに追いつくことはなかった。
3名を揃えたEFエデュケーション・NIPPOが積極的にペースを上げ、生き残った6名が1分13秒リードで小周回の最終ラップ(残り12.3km)に突入。ここからEFエデュケーション・NIPPOが波状攻撃を仕掛けることとなる。
まずはヴァルグレンが仕掛け、そのカウンターでポーレスが先行。平坦区間でパワフルに加速したポーレスは10秒差を稼いだものの、モスコンが牽引する追走グループは残り2.5kmでポーレスを飲み込んだ。コルブレッリがローテーションに加わらず牽制状態に陥る中、再びポーレスがアタックした状態で頂上にフィニッシュが引かれた最終登坂「ペッチョリ(登坂距離1.2km/平均5.2%/最大10%)」に突入した。
スプリントでコルブレッリを退け勝利したミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO) photo:CorVos
ポーレスと反応したモスコンはすぐに捕らえられたものの、そのカウンターで「ポーレスのおかげで脚を貯めることができていた」と振り返るヴァルグレンが一気に踏み込んだ。ヨーロッパチャンピオンのコルブレッリが食らいつき、勝負はライバル勢を置き去りにした二人の一騎打ちに持ち込まれる。
スプリント力に優れるコルブレッリ有利かと思われたものの、「チャンピオンジャージでの初勝利が欲しかったけれど、先頭グループを引いていたので消耗していた」と言うヨーロッパチャンピオンは失速してしまう。好アシストを力に換えたヴァルグレンが2日連続優勝を掴み取った。
2日連続優勝を挙げたミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)とソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、マチュー・ブルゴドー(フランス、チームトタルエネルジー) photo:CorVos
「向かい風の中力をセーブできていた。脚に力があると感じていたので最後の登りで思いっきり仕掛けたんだ。フィニッシュラインまで踏み抜くことができてよかったよ」。ヴァルグレンにとっては2018年のアムステルゴールドレース以来の勝利であり、「ここまで長かった。いい気分だよ。勝利の感情に慣れることができた。この勝利をチームに捧げたい。完璧な走りだった。ありがとう」とチームへの感謝を綴っている。



9月16日に開催された「コッパ・サバティーニ(正式名称はコッパ・サバティーニ・グランプレミオ・チッタ・ディ・ペッチョリ)」は、トスカーナを舞台にしたアップダウンの厳しいワンデーレース。前日に開催された「ジロ・デッラ・トスカーナ」と同じ主催者によるProカテゴリーのレースであり、実質的な2連戦レースとも言える。
1951年に36歳の若さで病死した選手、ジュゼッペ・サバティーニの名を冠した今大会にはトスカーナで逃げ切りを挙げたミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)や、絶好調の新欧州王者ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、ジャンニ・モスコン(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)、そしてディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)といった面々が集った。
ペッチョリから47.8kmのコースを走り、25.2kmの大周回コースを5周、12.3kmの小周回コースを3周する合計210.8km。地元イタリア勢やイギリス王者ベン・スウィフト(イネオス・グレナディアーズ)を含む5名の逃げが生まれ、残り50kmを切ってから活性化したメイン集団を飛び立った選手たちが先頭グループに合流する。こうして強力なメンバーで構成された14名が、逃げに乗り損ねたUAEが牽引するメイン集団から逃げる形となった。


コルブレッリやハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、ヴァルグレンとニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)、モスコンを含む逃げグループは20〜30秒差を維持したまま先行。距離を残していたためメイン集団は一度追走のペースを緩め、終盤に再加速したものの、最後まで勢いを保つ先頭グループに追いつくことはなかった。
3名を揃えたEFエデュケーション・NIPPOが積極的にペースを上げ、生き残った6名が1分13秒リードで小周回の最終ラップ(残り12.3km)に突入。ここからEFエデュケーション・NIPPOが波状攻撃を仕掛けることとなる。
まずはヴァルグレンが仕掛け、そのカウンターでポーレスが先行。平坦区間でパワフルに加速したポーレスは10秒差を稼いだものの、モスコンが牽引する追走グループは残り2.5kmでポーレスを飲み込んだ。コルブレッリがローテーションに加わらず牽制状態に陥る中、再びポーレスがアタックした状態で頂上にフィニッシュが引かれた最終登坂「ペッチョリ(登坂距離1.2km/平均5.2%/最大10%)」に突入した。

ポーレスと反応したモスコンはすぐに捕らえられたものの、そのカウンターで「ポーレスのおかげで脚を貯めることができていた」と振り返るヴァルグレンが一気に踏み込んだ。ヨーロッパチャンピオンのコルブレッリが食らいつき、勝負はライバル勢を置き去りにした二人の一騎打ちに持ち込まれる。
スプリント力に優れるコルブレッリ有利かと思われたものの、「チャンピオンジャージでの初勝利が欲しかったけれど、先頭グループを引いていたので消耗していた」と言うヨーロッパチャンピオンは失速してしまう。好アシストを力に換えたヴァルグレンが2日連続優勝を掴み取った。

「向かい風の中力をセーブできていた。脚に力があると感じていたので最後の登りで思いっきり仕掛けたんだ。フィニッシュラインまで踏み抜くことができてよかったよ」。ヴァルグレンにとっては2018年のアムステルゴールドレース以来の勝利であり、「ここまで長かった。いい気分だよ。勝利の感情に慣れることができた。この勝利をチームに捧げたい。完璧な走りだった。ありがとう」とチームへの感謝を綴っている。
コッパ・サバティーニ2021結果
1位 | ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO) | 5:14:20 |
2位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:03 |
3位 | マチュー・ブルゴドー(フランス、チームトタルエネルジー) | 0:06 |
4位 | フィリッポ・バロンチーニ(イタリア、イタリアナショナルチーム) | 0:09 |
5位 | ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 0:11 |
6位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO) | 0:17 |
7位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:33 |
8位 | アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター) | 0:40 |
9位 | アンデル・オカミカ(スペイン、ブルゴスBH) | 1:25 |
10位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・NIPPO) | 1:31 |
text:So Isobe
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